ゼロ距離からはじまる二人の夜

楓乃めーぷる

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ゼロ距離からはじまる二人の夜

2.結果は?

 藤帆ふじほは対面で二人で一緒にすればいいと、互いを擦りつけあいながら刺激し合うことを提案してきた。
 俺はその条件を飲んだが、暫く続けても藤帆はなかなか達しない。

「クソ……っ、いい加減出ちまえよ……っ」
栞川しおりかわさんこそ。辛そうですけど?」
「るせ……この程度じゃ、でな……」

 今日は酒も飲んでたし、刺激も緩慢で余裕なはずだったのに。
 藤帆は片手を俺の後頭部に回して、無理やり唇を奪ってきた。
 意味が分からない。しかも、丁寧に優しく吸い付いてきたかと思えば俺が少し唇を開けた瞬間に舌をねじ込んできて口内をかき回される。

「……っふぁ。おま、何のつも……」
「まさか、栞川さんが誘ってくれるなんて。優しいのと激しいのだったらどちらが好きですか?」
「な、どういう……」
「オレが意味なくあなたにつきまとっていたとでも? 栞川さんの恋愛対象が男性だと知ってからはもう嬉しくて。やっとあなたの役に立てた」

 さっきから何を言われているのかさっぱりだ。
 そして、俺が戸惑っている間に俺の身体は軽くもちあげられてしまう。

「好きです。栞川さん。酔った姿はとろけていて余計に可愛いですね」
「は? 何を言って……んぁぁぁっ!」

 一気に貫かれてしまい、声を抑えることすらできなかった。
 襲い掛かる質量に身体と心がついていけてない。

「やっぱり。いつもは鋭い瞳がうるんでる。癒し系動画を見ている時の表情より可愛いですよ」
「な、なんでそれを……ひぅっ!」

 勝負どころではなく、俺が一方的にやられている状態だ。
 酔いで頭の奥はぼうっとしたままだが、貫かれている感触がじわりじわりと身体をナカから浸食していく。
 
「ずっとあなたを見てましたから。ついでに言っておくと、社内で夜のお相手サイトの約束を取り付けるのはやめた方がいいですよ。携帯を覗かれると一発でバレますから」
「そんなことなんでっ……ひっ、や、やぁっ」

 腰を強く打ち付けられてしまい、まともな反論さえできなくなる。
 この状況で好きだと言われている理由が全く分からない。

「このままだとオレの勝ちですね」
「っくぅ……この程度でっ」

 酒のおかげで感覚がにぶいおかげだ。じゃなければ、もう何度か達していてもおかしくない。
 藤帆は情欲を宿した瞳で俺を見ながら、激しく攻め立ててくる。
 でも、それだけじゃなくて。俺の許しを請うように合間に何度もキスを繰り返す。

「ん……っおまえ、どういう……」
「感謝してます。オレが変われたのは、栞川さんのおかげです。あの時はありがとうございました」
「あの時って……んぁっ!」

 この状況で思い出せる訳もなく、ただひたすら達するのを我慢するのみだ。
 正直、藤帆に主導権を握られてからは自分でも快楽を拾いにいっている自覚がある。
 こうなったら、俺のナカで達するのが先か俺が果てるのが先かの勝負だろう。

「いいんです。そのうちじっくりと思い出してもらいます。それで、オレの告白まで流そうとしてませんか?」
「んなこと、知るか。ただ、今日のことだけは……助かった」

 俺は息を吐き出しながら、藤帆に向けて礼を言う。
 藤帆は少し驚いた表情を浮かべてから、嬉しそうに微笑んだ。
 いつも涼しい顔してる癖に。笑うとちょっと可愛らしいとか俺まで思っちまった。

「で、どうなんです? これもあなたの気まぐれ? それとも……」

 答えを言わせようとするねっとりとした視線。それすらも腰を甘く痺れさせる。
 快楽に流されてしまいそうだ。だが、俺のどうでもいいプライドが勝負を忘れさせてはくれない。
 とっくに焼ききれている思考回路で、必死に相手を負かす方法を導き出す。

「俺は誰とでもヤるようなヤツって、知ってるんだろう? なら、俺をイかせてみろよ」
「……可愛い顔してる癖に。口は達者なんですね」

 ベッドがきしみ、追い詰められていく。
 明日からどんな顔で会えばいいのかとか、コイツの気持ちとか。今はどうでもよかった。
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