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第六章 我が道を行く魔塔主と献身的に支える弟子(と騎士二人)
157.裸のお付き合い
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「も、ホント……無茶苦茶、すぎる……」
「別に普通だろ? しかし、もう一回洗わねぇとベトベトになっちまったなぁ」
「…………」
プルプルとしているレイヴンが、後手で思いっきりコックを捻る。
ちょうど真上にあったシャワーが思い切り直撃して、頭からずぶ濡れにされた。
不意打ちに反応が遅れて、モロくらう。
「お、おま! 目に入るだろうが! ゲホっ! 喉、入った……」
「……これなら、流せていいでしょう? はぁ……も、疲れる……」
余韻も一緒に洗い流そうとでもしてるのか、レイヴンは悶えている俺を退かしてシャワーを浴びて身体を改めて洗い流していく。
ゴポゴポと音を立てて、色々と排水溝へ流れていく。
レイヴンが急に静かになる。
何かあるのか? 今、見えねぇんだって。
小さな溜め息が漏れた気がするが、正直、思いっきり目にお湯が入ったせいで良く見えない。
何か見逃していたとしたら惜しいが、レイヴンがすぐに安堵の息を漏らした気配がするしやっぱり何か思い出しでもしたんだろう。
「あんなによがっといて、鬼畜かよ……ひっでぇヤツ」
縛ったままだった髪を無理矢理に解き、片手で髪を掻き上げる。
微妙に伸ばしてるから、こういう時は顔に張り付いて鬱陶しいんだよな。
レイヴンが動きを止めて、コッチを見ている。
別にこれくらいのおイタで腹が立ったりはしねぇけど。
まぁ、いくらでも見てもらって構わねぇが。
「なんだよ、何、固まってんだ? 別に怒っちゃいねぇけど」
「……何でもないです。やっぱり、髪長いなって思っただけです。そんなにグシャグシャにすると、後で絡まりますよ? お詫びに髪の毛くらいは洗ってあげますから。屈んで?」
「それこそ面倒臭ぇから別に……」
「ただでさえ髪の毛も煙草臭いんだから……洗いっこ、したいんでしょう?」
謎の勢いに押されて渋々身体を屈める。
髪の毛とか別に適当でいいだろ。
俺を見ながら今度はレイヴンが楽しそうに笑うと、ソープを泡立てて丁寧に髪の毛を洗っていく。
「なぁ? レイちゃんの顔が見えねぇんだけど。それに暇だし、この体勢結構キツイぞ?」
「見てもいいですけど、目に泡が入りますよ? 髪の毛長いと、洗いがいあって楽しいです」
声色でレイヴンの機嫌が良さそうなことは分かるが、何も見えねぇし洗われているという感覚しか分からない。
指先で頭を揉みほぐすように丁寧に洗ってくれてんのは、心地イイからいいんだが。
この状況でジッとしていると手持ち無沙汰になんだよなぁ。
近くにいるとちょっかいかけたくてしょうがねぇ。
「まぁ、レイちゃんの指が気持ちいいからいいけどよ。今度バッサリ髪切ってやろうかな。でも切れば切るで面倒なんだよなぁ。纏まらなくなるのもうぜぇし。短髪だとディーと被るのが気に食わねぇ」
「テオの髪の毛だと中途半端な長さだと跳ねたりしそうですよね。何となく。俺は伸ばすと女性と間違えられるので……」
「ぁー……確かに」
「……どうせ男らしくないですよ。テオみたいな体つきにならないから仕方ないじゃないですか」
レイヴンは不貞腐れた声色で呟くと、俺をシャワーのところまで誘導して髪を流していく。
一通り髪の毛の泡を流してもらったし、やっと目が開けられるってもんだ。
目の前のレイヴンは俺の身体をじっと見つめてなにやら考え込んでいる。
俺の視線には気づかずに、胸やら腹やらを見て難しい顔をしてから、自分の身体を見て視線とため息を吐き出した。
そういや筋肉欲しいみたいなことはいつも言ってるよな。
レイヴンの顔で筋肉質だと合わねぇから、出来れば今のままの触り心地のいい、レイちゃんでいて欲しいんだがなぁ。
レイヴンも男だし、そういうのは気になるんだろうな。
抱き心地最高、吸い付くような肌は白くて陶器みたいだしな。
確かにこれで男っていうのがすげぇよな。
これで声が高かったら可愛らしい女だと思うわな。
だが、今は気にしているレイヴンを励ましてやらねぇといけないか。
「別に普通だろ? しかし、もう一回洗わねぇとベトベトになっちまったなぁ」
「…………」
プルプルとしているレイヴンが、後手で思いっきりコックを捻る。
ちょうど真上にあったシャワーが思い切り直撃して、頭からずぶ濡れにされた。
不意打ちに反応が遅れて、モロくらう。
「お、おま! 目に入るだろうが! ゲホっ! 喉、入った……」
「……これなら、流せていいでしょう? はぁ……も、疲れる……」
余韻も一緒に洗い流そうとでもしてるのか、レイヴンは悶えている俺を退かしてシャワーを浴びて身体を改めて洗い流していく。
ゴポゴポと音を立てて、色々と排水溝へ流れていく。
レイヴンが急に静かになる。
何かあるのか? 今、見えねぇんだって。
小さな溜め息が漏れた気がするが、正直、思いっきり目にお湯が入ったせいで良く見えない。
何か見逃していたとしたら惜しいが、レイヴンがすぐに安堵の息を漏らした気配がするしやっぱり何か思い出しでもしたんだろう。
「あんなによがっといて、鬼畜かよ……ひっでぇヤツ」
縛ったままだった髪を無理矢理に解き、片手で髪を掻き上げる。
微妙に伸ばしてるから、こういう時は顔に張り付いて鬱陶しいんだよな。
レイヴンが動きを止めて、コッチを見ている。
別にこれくらいのおイタで腹が立ったりはしねぇけど。
まぁ、いくらでも見てもらって構わねぇが。
「なんだよ、何、固まってんだ? 別に怒っちゃいねぇけど」
「……何でもないです。やっぱり、髪長いなって思っただけです。そんなにグシャグシャにすると、後で絡まりますよ? お詫びに髪の毛くらいは洗ってあげますから。屈んで?」
「それこそ面倒臭ぇから別に……」
「ただでさえ髪の毛も煙草臭いんだから……洗いっこ、したいんでしょう?」
謎の勢いに押されて渋々身体を屈める。
髪の毛とか別に適当でいいだろ。
俺を見ながら今度はレイヴンが楽しそうに笑うと、ソープを泡立てて丁寧に髪の毛を洗っていく。
「なぁ? レイちゃんの顔が見えねぇんだけど。それに暇だし、この体勢結構キツイぞ?」
「見てもいいですけど、目に泡が入りますよ? 髪の毛長いと、洗いがいあって楽しいです」
声色でレイヴンの機嫌が良さそうなことは分かるが、何も見えねぇし洗われているという感覚しか分からない。
指先で頭を揉みほぐすように丁寧に洗ってくれてんのは、心地イイからいいんだが。
この状況でジッとしていると手持ち無沙汰になんだよなぁ。
近くにいるとちょっかいかけたくてしょうがねぇ。
「まぁ、レイちゃんの指が気持ちいいからいいけどよ。今度バッサリ髪切ってやろうかな。でも切れば切るで面倒なんだよなぁ。纏まらなくなるのもうぜぇし。短髪だとディーと被るのが気に食わねぇ」
「テオの髪の毛だと中途半端な長さだと跳ねたりしそうですよね。何となく。俺は伸ばすと女性と間違えられるので……」
「ぁー……確かに」
「……どうせ男らしくないですよ。テオみたいな体つきにならないから仕方ないじゃないですか」
レイヴンは不貞腐れた声色で呟くと、俺をシャワーのところまで誘導して髪を流していく。
一通り髪の毛の泡を流してもらったし、やっと目が開けられるってもんだ。
目の前のレイヴンは俺の身体をじっと見つめてなにやら考え込んでいる。
俺の視線には気づかずに、胸やら腹やらを見て難しい顔をしてから、自分の身体を見て視線とため息を吐き出した。
そういや筋肉欲しいみたいなことはいつも言ってるよな。
レイヴンの顔で筋肉質だと合わねぇから、出来れば今のままの触り心地のいい、レイちゃんでいて欲しいんだがなぁ。
レイヴンも男だし、そういうのは気になるんだろうな。
抱き心地最高、吸い付くような肌は白くて陶器みたいだしな。
確かにこれで男っていうのがすげぇよな。
これで声が高かったら可愛らしい女だと思うわな。
だが、今は気にしているレイヴンを励ましてやらねぇといけないか。
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