左腕の傷より心の傷は深い

いちご好き

文字の大きさ
1 / 1

少女の気持ち

しおりを挟む
 私はリスカをしている。いわゆる自傷行為をしている。
 いい事ではないと分かってはいる。左腕に傷が沢山あるし。他人から見ても身内から見ても、それはいいものでは無いと思う。
 太ももとかは思ってたより痕が残ったから止めた。それに、私は右利きだから左手でカッターを持つと震えて危ないから止めた。
 右手でカッターを持ち、刃先を左腕に軽く当て、スゥーと動かす。
 そうすると、皮が切れていき、血が滲む。
 その滲んでいる血を見るとどことなく安心して、「生きてる。」と実感出来る。だから止められない。止めないとと思いながら止められない。
 生きたくても生きられない人達に失礼いだと思わ無いか、と言われた事がある。生きたくても生きられない人達は辛いんだ、と言われた事もある。
 でも、死にたくても死ねない自分人達だって辛いんだよ。死にたくて死ねない人達だって、頑張ってるんだよ。死にたくても、「頑張らなきゃ」って思いながら、生きてるんだよ。
 だけど世間は、そういう人達に目を向けない。そして命を落としてから目を向ける。そして、悪口を言う。亡くなった人に対して。その遺族に対して。ネットを使って悪口を言う。遺族の個人情報を晒したりする。そういう人間がいるから、私みたいに自傷行為をしたり、自殺をする人がいるんだ。
 なのに、自傷行為は悪いと言われる。可笑しいじゃん。自分の行いを見返してから文句を言ってよ。
 はぁ。中学に行ってないのだって良くないことだと思うし、自傷行為の事も良くないことだと思う。私だって止めたいよ。でも止められないんだよ。
 切った瞬間のどうしようもない安堵に頼らなきゃ生きていけないんだよ。
 死なないように。生きていけるように。頑張ってる。
 なのに人は、マイナスな事しか見てくれない。
 生きたいからしているのに、死にたいからと勘違いされる。
 人から見たら同じことかもしれないけど、私にとっては違うことなんだよ。
 それがわかんないなら口出し、しないで欲しい。
 独りで居たい。でも、独りは寂しい。誰か隣にいて欲しい。けど、誰も近くにいて欲しくない。
 そんな矛盾だらけの事しか考えられない。
 ほっといて欲しいのに、誰かに助けて欲しい。
 誰か気づいてよ。助けてよ。左腕の傷よりも深い心の傷を癒してよ。
 左腕の傷はほっといたら治るのに、心の傷はずっとずっと増えていくだけなんだ。誰かこの心の傷を治して………
       


     お願い______







「〇月〇日、午前4時38分頃、中学生の女の子が自殺はかりました。
しかし、ご家族が気づき救急に連絡し、病院に運ばれましたが意識不明の重体であるそうです。

続きまして、サッカー日本代表選手の〇〇さんの、結婚報道についてお伝えします 。」






これが、少女のお話。 この後少女は____________。


                                                                  ―――END―――


しおりを挟む
感想 0

この作品の感想を投稿する

あなたにおすすめの小説

ママと中学生の僕

キムラエス
大衆娯楽
「ママと僕」は、中学生編、高校生編、大学生編の3部作で、本編は中学生編になります。ママは子供の時に両親を事故で亡くしており、結婚後に夫を病気で失い、身内として残された僕に精神的に依存をするようになる。幼少期の「僕」はそのママの依存が嬉しく、素敵なママに甘える閉鎖的な生活を当たり前のことと考える。成長し、性に目覚め始めた中学生の「僕」は自分の性もママとの日常の中で処理すべきものと疑わず、ママも戸惑いながらもママに甘える「僕」に満足する。ママも僕もそうした行為が少なからず社会規範に反していることは理解しているが、ママとの甘美な繋がりは解消できずに戸惑いながらも続く「ママと中学生の僕」の営みを描いてみました。

お父さんのお嫁さんに私はなる

色部耀
恋愛
お父さんのお嫁さんになるという約束……。私は今夜それを叶える――。

盗み聞き

凛子
恋愛
あ、そういうこと。

離婚した妻の旅先

tartan321
恋愛
タイトル通りです。

父親が再婚したことで地獄の日々が始まってしまいましたが……ある日その状況は一変しました。

四季
恋愛
父親が再婚したことで地獄の日々が始まってしまいましたが……ある日その状況は一変しました。

夫婦交換

山田森湖
恋愛
好奇心から始まった一週間の“夫婦交換”。そこで出会った新鮮なときめき

私に告白してきたはずの先輩が、私の友人とキスをしてました。黙って退散して食事をしていたら、ハイスペックなイケメン彼氏ができちゃったのですが。

石河 翠
恋愛
飲み会の最中に席を立った主人公。化粧室に向かった彼女は、自分に告白してきた先輩と自分の友人がキスをしている現場を目撃する。 自分への告白は、何だったのか。あまりの出来事に衝撃を受けた彼女は、そのまま行きつけの喫茶店に退散する。 そこでやけ食いをする予定が、美味しいものに満足してご機嫌に。ちょっとしてネタとして先ほどのできごとを話したところ、ずっと片想いをしていた相手に押し倒されて……。 好きなひとは高嶺の花だからと諦めつつそばにいたい主人公と、アピールし過ぎているせいで冗談だと思われている愛が重たいヒーローの恋物語。 この作品は、小説家になろう及びエブリスタでも投稿しております。 扉絵は、写真ACよりチョコラテさまの作品をお借りしております。

久々に幼なじみの家に遊びに行ったら、寝ている間に…

しゅうじつ
BL
俺の隣の家に住んでいる有沢は幼なじみだ。 高校に入ってからは、学校で話したり遊んだりするくらいの仲だったが、今日数人の友達と彼の家に遊びに行くことになった。 数年ぶりの幼なじみの家を懐かしんでいる中、いつの間にか友人たちは帰っており、幼なじみと2人きりに。 そこで俺は彼の部屋であるものを見つけてしまい、部屋に来た有沢に咄嗟に寝たフリをするが…

処理中です...