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元教団施設、ゾンビ、鈴川ステンレス工業、商店街、力士
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元教団施設
元教団施設の地下ではゾンビの処分が行われていた。金網越しに棒で身動きがとれないようにして、完全防備した元信者が、一体一体後頭部をアルミ製のハンマーで殴り処分した。
志賀山は、その様子を見つめていた。
元合唱団の川山は、ゾンビの処分に反対したが、広範囲にわたってゾンビが集まってきてしまっていると説得し、今は別室にいる。
丸く膨らんで、歌声を出していたゾンビが、血走った目で暴れ、次々と殺されていく。
北浜は、その様子をカメラに収めた。
ゾンビ
ゾンビ達の頭の中に、歌声は聞こえなくなっていた。
それでも、ゾンビ達の足は止まらない。人がいるのだ。この辺りにはたくさんの人がいる。それを感じ取っていた。
鈴川ステンレス工業
鈴川ステンレス工業でもゾンビに備えていた。
付近の住人や従業員に呼びかけ、工場内に避難してもらっていた。四メートルほどの高さがある防音壁は安心感があった。
鈴川ステンレス工場の屋上には、菜園や太陽光パネルなどがあった。その端に鉄骨の物見櫓が組まれていた。その上には筒状の機械を抱えている男がいた。鈴川ステンレス工業社長の鈴川寛太である。手に持っているのは、鈴川ステンレス工場で開発した空気銃である。スコープは付いているが、残念ながら命中率は高くはない。どうしても弾のばらつきが出る。弾はアルミ製で、圧縮した空気の力を受けやすいようにきのこ型の形状をしていた。人間の頭蓋骨程度なら軽く貫通することはできる。これで、ゾンビを打ち抜いてやろうと考えていた。
開発を初めて二年、それなりの形にはなった。空気銃は火薬の銃と比べ音が大きくないものの、やはりそれなりの音がでる。そのため、試射があまりできていなかった。
「良い機会だ」
不謹慎だと思いながらも、鈴川寛太は空気銃を磨きながら時々笑顔を浮かべていた。
商店街
商店街でも、ゾンビ対策を進めていた。六十メートルほどの長さがある商店街を要塞化していた。入り口をステンレス製の板で覆い、側面の建物の壁面もステンレス製のパネルで強化した。
日中は太陽光発電のおかげで、クーラーが効いていた。
何人か付近の住人や顧客が、しばらく身を寄せたいといってきたが、すべて断った。
人が多い方が、ゾンビが集まってくる。亀のように守りをかためて、ゾンビの群れをやり過ごすつもりだった。
いざというときは、電気自動車で逃げることも考えていた。
力士
住宅地の公園で男がゾンビに囲まれていた。身長が百九十五センチ、がっしりとした筋肉質の体をしていた。腕は太く長い。手には二メートルほどの枝を落としたまっすぐな生木を持っていた。
それを振り回した。なるべくゾンビの頭の辺りを狙った。頭に当たるとだいたい転がった。転がったゾンビは頭を踏みつぶすか、もう一度頭を木で殴りつけた。
公園には、頭を潰されたゾンビが多数転がっていた。
生木を持って暴れているのは、力士の荒万力である。ゾンビになってしまった同じ部屋の仲間を追って野勝市に向かっていた。その途中の住宅で、ゾンビを見つけたので、近くの公園に誘い込んだ。
武器は何のこだわりもなかった。ただ、火花が出ると困るので、基本的にゾンビをぶったたくときは、木を使っていた。今担いでいるのは、直径が五センチ前後の街路樹である。その辺に生えていた良い感じの街路樹をノコギリで切り、枝葉を落とし使っている。若干しなりは気になるが、まぁ、問題ないと考えていた。
荒万力は、力士になる前は水泳選手であった。学生時代はバタフライで将来を期待されていた。だが、どうにも、満足ができなかった。早く泳げればうれしい、勝てばうれしい。だが、戦っている感じがしなかった。真正面からぶつかり合うような戦いがしたかった。ちょうど良いのがあった。相撲である。己の体一つで正面からぶつかり合う。おもしろそうだった。
大学の相撲部に入部し、それから荒船部屋に入った。
水泳で鍛えた肉体と長い腕と指先、水中をかいていたため、荒万力の指先は長く、手のひらも、でかかった。その手で、回しを握る。順調に成績を積み重ね十両まであと少しという所まで来た。膝を痛めた。その治療中に、ゾンビが発生したのだ。
稲村台周辺で、荒船部屋の力士がゾンビになって暴れていると聞き、荒万力はひどく心を痛めた。なんとか葬ってやりたいと、五名の力士を葬ったが、まだ十人いた。
稲村台周辺のゾンビが、西に移動したと聞き、荒万力はそれを追っていた。
元教団施設の地下ではゾンビの処分が行われていた。金網越しに棒で身動きがとれないようにして、完全防備した元信者が、一体一体後頭部をアルミ製のハンマーで殴り処分した。
志賀山は、その様子を見つめていた。
元合唱団の川山は、ゾンビの処分に反対したが、広範囲にわたってゾンビが集まってきてしまっていると説得し、今は別室にいる。
丸く膨らんで、歌声を出していたゾンビが、血走った目で暴れ、次々と殺されていく。
北浜は、その様子をカメラに収めた。
ゾンビ
ゾンビ達の頭の中に、歌声は聞こえなくなっていた。
それでも、ゾンビ達の足は止まらない。人がいるのだ。この辺りにはたくさんの人がいる。それを感じ取っていた。
鈴川ステンレス工業
鈴川ステンレス工業でもゾンビに備えていた。
付近の住人や従業員に呼びかけ、工場内に避難してもらっていた。四メートルほどの高さがある防音壁は安心感があった。
鈴川ステンレス工場の屋上には、菜園や太陽光パネルなどがあった。その端に鉄骨の物見櫓が組まれていた。その上には筒状の機械を抱えている男がいた。鈴川ステンレス工業社長の鈴川寛太である。手に持っているのは、鈴川ステンレス工場で開発した空気銃である。スコープは付いているが、残念ながら命中率は高くはない。どうしても弾のばらつきが出る。弾はアルミ製で、圧縮した空気の力を受けやすいようにきのこ型の形状をしていた。人間の頭蓋骨程度なら軽く貫通することはできる。これで、ゾンビを打ち抜いてやろうと考えていた。
開発を初めて二年、それなりの形にはなった。空気銃は火薬の銃と比べ音が大きくないものの、やはりそれなりの音がでる。そのため、試射があまりできていなかった。
「良い機会だ」
不謹慎だと思いながらも、鈴川寛太は空気銃を磨きながら時々笑顔を浮かべていた。
商店街
商店街でも、ゾンビ対策を進めていた。六十メートルほどの長さがある商店街を要塞化していた。入り口をステンレス製の板で覆い、側面の建物の壁面もステンレス製のパネルで強化した。
日中は太陽光発電のおかげで、クーラーが効いていた。
何人か付近の住人や顧客が、しばらく身を寄せたいといってきたが、すべて断った。
人が多い方が、ゾンビが集まってくる。亀のように守りをかためて、ゾンビの群れをやり過ごすつもりだった。
いざというときは、電気自動車で逃げることも考えていた。
力士
住宅地の公園で男がゾンビに囲まれていた。身長が百九十五センチ、がっしりとした筋肉質の体をしていた。腕は太く長い。手には二メートルほどの枝を落としたまっすぐな生木を持っていた。
それを振り回した。なるべくゾンビの頭の辺りを狙った。頭に当たるとだいたい転がった。転がったゾンビは頭を踏みつぶすか、もう一度頭を木で殴りつけた。
公園には、頭を潰されたゾンビが多数転がっていた。
生木を持って暴れているのは、力士の荒万力である。ゾンビになってしまった同じ部屋の仲間を追って野勝市に向かっていた。その途中の住宅で、ゾンビを見つけたので、近くの公園に誘い込んだ。
武器は何のこだわりもなかった。ただ、火花が出ると困るので、基本的にゾンビをぶったたくときは、木を使っていた。今担いでいるのは、直径が五センチ前後の街路樹である。その辺に生えていた良い感じの街路樹をノコギリで切り、枝葉を落とし使っている。若干しなりは気になるが、まぁ、問題ないと考えていた。
荒万力は、力士になる前は水泳選手であった。学生時代はバタフライで将来を期待されていた。だが、どうにも、満足ができなかった。早く泳げればうれしい、勝てばうれしい。だが、戦っている感じがしなかった。真正面からぶつかり合うような戦いがしたかった。ちょうど良いのがあった。相撲である。己の体一つで正面からぶつかり合う。おもしろそうだった。
大学の相撲部に入部し、それから荒船部屋に入った。
水泳で鍛えた肉体と長い腕と指先、水中をかいていたため、荒万力の指先は長く、手のひらも、でかかった。その手で、回しを握る。順調に成績を積み重ね十両まであと少しという所まで来た。膝を痛めた。その治療中に、ゾンビが発生したのだ。
稲村台周辺で、荒船部屋の力士がゾンビになって暴れていると聞き、荒万力はひどく心を痛めた。なんとか葬ってやりたいと、五名の力士を葬ったが、まだ十人いた。
稲村台周辺のゾンビが、西に移動したと聞き、荒万力はそれを追っていた。
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