拳の価値は〜いじめで人生詰んだ僕がチート超戦士になり国を守る!【現実を異世界にします!?】

俊也

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アングリフ

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ここで、時系列は遡る。
そう、豊橋署の副捜査本部に、最初に高志に惨殺された福井隆之の父親が乱入して来た時の事である。
「それとだ!亡くなった息子が過去に強盗だ性的暴行だのを行なっていたとほじくり返しているそうじゃないか!(その辺は実際には所轄がやっていたのだが)
死者に鞭打つとはこの事だ。
まさしく、私を、私達を誰だと思ってるんだ!
あんたで話にならんなら、うちの社の社長筋から警視総監に話を通してもいいんだぞ!」
めちゃくちゃにデカいため息をつく馬場管理官。
「その辺は、ご自由に。
ただ私どもは、こう申してはなんですがこれでも相応に手心は加えております。
そもそも、本来福井様のご自宅を家宅捜索しても良いのですが。」
「ぐっ…」
「息子さんがあってはならない形で命を奪われたことは悲しく、許されざる事。
よって我々はこうして全力で動いています。
しかし、生前の息子さんに被害を受け、傷ついた人達が居る事も動かせない事実。例え被疑者死亡とは言え…後々民事も絡んで来ますし。
現に恐喝や強制性交等での被害届けが十件前後はでております。」
「ぐぬぬ、ひ、被疑者だとっ!?
そもそも私達選ばれた人間とそんな対等な立場にいると勘違いした下衆な連中の言うことを…。
もういいっ!!
お前は使えんと本庁には伝えておく!
こちらで勝手にネットで神崎高志の写真と名前を拡散してやるぅ!!」
改正少年法でも微妙なラインすよね。
大股で福井が憤然と出て行った後、誰かが呟いた。

そして時系列戻り、結局件のホテルに泊まった高志とアヤナ。
「ねー、ねー高志起きてー!!」
「んあ?んんー…」
「これこれ、高志晒されてるよー」
!?
アヤナのスマホを覗き込む。
巨大掲示板のいくつかのスレッドに、高志の実名と顔写真が載っていた。(まあ、いわゆるぼっちの高志にはプライベート写真は残っておらず、結局中学の卒アル写真であったのだが)
しかも…噂レベルだが、有益情報や身柄確保に最大1000万の懸賞金がかかっていると。奴の父親か。
これはいささかキツくなって来たかもしれんな。
腕組みをする高志。
ただでさえ、警察に加え、福井隆之と繋がっていた奈路海組系の暴力団が俺を探している可能性は高い。 
じわじわと包囲網がキツくなって来ていることを実感する。
どうする…
一旦地方に逃れるか?アヤナは…。
「どうする…」
「んー?」
こちらに背中を向け、スマホゲームをいじるアヤナ。
「正直、この先危険だというのはわかってると思うけど…。俺も全力で護るけど、100%の保証は…友達の家とかのあてがあれば…。」
ぎゅっ。
…。
無言のまま、アヤナは強く抱く力を緩めない。
「…わかった。一緒に行こう。
その…なんと言うか、ありがとう。」
うふふーと、少女は笑い、そのまま再度何事もなかったかのように高志に背を向けてスマホゲーに戻る。
なんか、猫みたいな子だな。
苦笑しつつ、高志は拳を握る。
危ない。
防御、逃避、弱気。
今は少なくともその時ではない。
当初の予定通り、行動に出よう。
窮地に落ちいらばこそ、アングリフ…攻撃あるのみだ!

その日の午後2時過ぎ。
千代田区、新鮮総連ビル。
その前に展開していたデモ隊と、ビルの中から出てきた屈強な男たちが口論していた。
「お前たち!また日本にいる新鮮人を差別するつもりか!人権後進国の分際で!」
「ヘイトスピーチをやめろ!」
デモ隊の方も反論する。
「いや、私達は許可を得て、数十年新鮮国に捕らえられた拉致被害者を返してほしいと言っているだけです。」
「そうです!どうか娘達の居場所を!」
「うるさい!ババアは黙って…」
そこへ高志は大股で歩み寄る。

「何ダァ!?」
「テメーもこいつらの仲間か」

「少なくとも同じ日本人だ!」
高志はそう言って、新鮮ビルの方に向き直る。
「日本人として改めて伝える!
本国に伝えろ!

拉致被害者を全員母国へ戻せ!!返せ!!」
その声は間違いなくビルの最上階まで響いた。
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