拳の価値は〜いじめで人生詰んだ僕がチート超戦士になり国を守る!【現実を異世界にします!?】

俊也

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迫真空手

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少し長い階段を降りる。
そして再び指紋・網膜認証。
「ようこそ…。」
目の前に加わる広大な空間。
高志は目を剥いた。
あの時の東郷先生の道場…。それがさらに拡大発展したような…。
「今も連綿と受け継がれる、迫真会空手道場へ。」
ほおおっと声を上げ、一歩足を踏み入れかけて、気がついた高志は左奥の日の丸と神棚に頭を下げる。
神前に礼!
再度踏み入れようとした神崎の肩を、ウィリーが掴む。
「そこまで心得ているんなら、あちらにも。」
あちら…
ええ!??
十字架ってか…キリスト教会の磔刑像!!??
「私は日本に暮らし15年。この国を愛し、民の心の柱となっている天皇陛下に最大限の忠誠を誓っている。
が、ご覧の通り私はクリスチャンでもある。
そういうことだ。」
いやいや意味がわからねえ、説明になってないし。
神仏融合ならともかく。洋の東西の神様が…。
それでもウィリーに言われた通りの祈りを捧げる高志。
「主よ、今日も御教えに背き武を鍛錬する罪深き我をお許しください…。」
ようやっと、道場に足を踏み入れる神崎。
「おっ、生きてたかー。」
片隅にもたれかかり座って手を振ってくる少女はアヤナであった。
無事なのは良かったが、何自分の部屋の様に寛いで…。
「彼女はもちろん、原リンさん母娘にも当面、交代で我々の色帯が…と言っても全員大手フルコン団体の全日本クラスの腕ではある…が、交代でガードに付いている。なので心配には及ばない。」
ウィリーの言葉に、高志は深々と一礼する。
さて…
「早速だが高志、君の性能確認をしたい。」
「は、はい。」
「ウォームアップに、15分やろう。」
わかりました。では失礼と言って、いつもの特種錬成を始めようとする高志の肩を、ウィリーが叩く。
「『それ』をやるならば、もっと効率の良いマシンがそちらの奥にある。」
ウィリーが指差す先にあるマシン群。
高志が学校の体育館付近で普段見かけていた、一般的な運動部用の筋トレマシンとは明らかに違う。
何だろう、普通のマシンが直線的な動きなら、これは三次元の…。
「察したようだね。そう、これはうちの黒帯の1人が設計した、『特種錬成トレーニングマシン』だ。」
そう言いつつ、ウィリーは取り急ぎ主要4種類のマシンを実演してみせる。
高志も動きを再現した。
末端は力まず、正中線の身体感覚は忘れずに…。
しゃかっ、しゃかっ、しゃかっ。
筋肉が滑らかに躍動し、神経系にフィードバックされるのが分かる。
これ…イイね!♡
ウィリーは頷き、芦屋英雄を呼んだ。
「俺っすかァ!?」
言いながら、あの自称ケンカ十段の男が入って来た。
すでに道着に着替え、巻かれているのは当然黒帯…。
君にも着替えてもらおうと、ウィリーは道着一式を差し出す。帯は当然白い。
では失礼して、と、高志は服を脱ぐ。
(ふむ…172センチ、体重は55キロ少しか。
華奢だが、バランスの良い、加速に特化した筋肉…)
ウィリーはアゴに指を置く。
(良い…あの頃より綺麗。)
牧野さくらは若干瞳を潤ませていた。

「こーして見ると一段と細いな兄ちゃん。
肉とか食ってる?」
煽りでなく、リアルに心配な様子で、立ち合いの開始線から芦屋は言った。
帯を締めながら、高志は思いを巡らす…。
(銃火器持った相手を総なめにする戦闘能力。本来は胸を借りて少しでも学び取る姿勢…だろうけど。
負けを前提。は例え稽古でも、性に合わない!)

「では高志も開始線について。審判はさく…」
!!!
「迫真神崎流、桜花突!!」
帯を締め直していた芦屋に、高志が瞬時に肉薄し正拳上段!!
手応え有りっ!!
「そんな…開始前に不意打ち…」
「いや、それでいい。」
ウィリーは頷く。
「それでこそ『武』。
だが高志よ…」
相手はケンカ十段、芦屋英雄、だ。
高志の右前腕が、掴まれている…。
「あっぶねぇ。エグいじゃねーか。正直ナメてたわ。」
殺気ある笑みを浮かべた芦屋の右頬が、かすかに切れていた。
…!!
ならば左鉤…
「甘ぇんだよ!!」
左廻し蹴り…だと思う。
高志は床の上を転げる。
「おら追い突きぃ!」 
瞬間。芦屋の脚が微かに反応が遅れる。
馬鹿な。今さっきので「効かされた」だと!?
遅れたと言ってもたったコンマ数秒。
しかし高志には十分。

神崎流・底破蹴り!!
身をよじり芦屋の拳を回避しつつ、仰向けに寝転んだまま、いわゆるアリキックに似た下段蹴り。
力のベクトルが分散してしまったが、それでも芦屋の裏ももを直撃。
「クッ」
「ぐおおおっ」
全身を震わせつつ全力で立ち上がる高志。だがまだフラつきが…。
そこへ芦屋の前蹴りが突き込まれる。
身体を無理矢理回転させるが、ダメージは甚大の一歩手前。
しかし一瞬でも寝てはいられんと、それでもなお、強引に立ち上がる。
!!??
立ち上がったは良いが見えない。
芦屋は…どこだ。
背中に殺気!!
回避…したが背中に結局強かに喰らう。
しかも痛みが腹に…。
衝撃が…突き抜けてる…!?
かろうじて騎馬立ちで自らが倒れるのを、最後の糸一本で阻止する高志。
「あー、スイッチ入っちゃうわこれ。
兄ちゃん、死んでも恨むなよ。」
そしてまた消える芦屋。
これは…もはや…。
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