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プロローグ
しおりを挟む「ひぃぃぃぃ!命だけは!命だけはせめてお助け…ぉ」
それが彼の最後の言葉となった。背中から紅の液が飛び出しうつ伏せの状態で倒れる。
黒いフードに黒のロングコートをきた少年はザッと大剣を虚空へしまった。
(何故こうなってしまったのだろう)
人を殺したことによる罪悪感は感じないが自分が何者であるかを未だ理解出来ていなかった。
数年前……
「やっべ、 学校遅れる! 行ってきます!」
寝坊して朝食も取らず慌てて家を飛び出した俺は自転車に跨ると同時に発進した。
学校とのちょうど半分程の距離だろうか、道中交通量の多い道路が1箇所だけあった。
腕時計をチラ見しつつ安全よりも急ぐことを重視する俺は止まらず走り続ける。
その時―――
木材を積んだ大型トラックが俺の前に立ちはだかる。
ガシャァン!!
大きな衝撃音と共に俺は即死した……
そして殆どの記憶を失い俺は『ダールーワ』へ転生したのだった。
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