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第三章
三ー一
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「あれ?エルナはまだ来てないな」
ケイは言われた通りギルドの酒場に顔合わせに来たが、エルナがまだ来ていない。
とりあえず、何か飲みながら待つことにしよう。と適当な席に座り、メニューを見始めた。
するとそこに、スキンヘッドでたくましい体格の冒険者が声を掛けてきた。
「おい、ボウズ。ここはガキの遊び場じゃねーんだ。ケガする前に帰んな…つっても、もう遅いみてぇだがな」
ガハハ。と笑いながら威圧してくる。周りの冒険者も笑いながら見ているが特に口を出す気は無いようだ。
ケイはスッと左手に巻いてある包帯を撫でると、
「すいませーん。果汁水下さーい」
見事なまでに、無視した。
その態度が気に触ったようで、先程の冒険者はピクピクとこめかみを引きつらせ、取り巻きのような冒険者を呼んだ。
「おいおい。お前何アニキのこと無視しちゃってんの?」
「アニキはDランク冒険者だぜ。Fランクの新人があんまりナメた真似してんじゃねーぞ」
取り巻き二人がケイの両側に立って、あ?お?とガンを飛ばしてくる。
すると先程のアニキ(笑)はケイの向かいの席に行儀悪く座り、低い声で喋り始めた。
「なーに俺は心が広いからな。新人の為に少しばかりアドバイスをしてやるよ。
…ガキは金置いてとっとと消えりゃぁいんだよ」
さすがに鬱陶しくなったのか、ケイは嘲るように声を出した。
「なんて残念な連中だろう」
ケイの隠す気無しの嘲笑に、先程から近くにいる冒険者三名はとうとうキレて、殴り掛かってきた。
「テメェ、言わせておけば‼︎」
「ガキが一人前に口出ししてんじゃねぇ‼︎」
「ナメてんじゃねぇぞゴラァ‼︎」
ケイはガタッと音を立てて立ち上がり、三人の攻撃を避けると、確認するように言った。
「先に手を出したのは、そっちだからな?」
「うわぁ…」
それが、エルナがギルドに入って発した最初の言葉だ。
そんな言葉が第一声になってしまったのは、ギルドの中に三十人近くの冒険者が倒れていたからである。
「エルナ、遅かったな」
その元凶はケロっとした表情で、ジュースを飲んでいた。
「えーと、これはケイがやったのか?」
エルナが恐る恐る聞くと、ケイは心外だとばかりに言い返した。
「俺が進んでやったみたいに言うなよ。殴り掛かってきたから無力化しただけだぞ。正当防衛だろ」
「じゃあ何で周りの冒険者はビクビクしながらこっちに目を向けないようにしてるんだ?」
ケイは、んーと考え始め、やがて心辺りが見つかったのか、ポンッと手を打つと、エルナに説明し始めた。
「いやー、始めは三人が殴り掛かってきただけなんだがな、三人で敵わないと見るや、パーティーメンバーやら近くにいた冒険者やらを呼び出すからさ~」
「で、襲って来た全員を倒したと?」
「いや?面倒だから近くにいる奴らもまとめてボコった」
恥も罪悪感もなく言うケイはいっそ清々しかった。
「で、俺たちのパーティーメンバーは?」
それを聞くと、エルナは待ってましたとばかりに、言い始めた。
「ふっふっふ。なんと、スカウトした二人がどっちも来てくれたぜ。てことで、パーティーメンバー…カモン!」
ケイは言われた通りギルドの酒場に顔合わせに来たが、エルナがまだ来ていない。
とりあえず、何か飲みながら待つことにしよう。と適当な席に座り、メニューを見始めた。
するとそこに、スキンヘッドでたくましい体格の冒険者が声を掛けてきた。
「おい、ボウズ。ここはガキの遊び場じゃねーんだ。ケガする前に帰んな…つっても、もう遅いみてぇだがな」
ガハハ。と笑いながら威圧してくる。周りの冒険者も笑いながら見ているが特に口を出す気は無いようだ。
ケイはスッと左手に巻いてある包帯を撫でると、
「すいませーん。果汁水下さーい」
見事なまでに、無視した。
その態度が気に触ったようで、先程の冒険者はピクピクとこめかみを引きつらせ、取り巻きのような冒険者を呼んだ。
「おいおい。お前何アニキのこと無視しちゃってんの?」
「アニキはDランク冒険者だぜ。Fランクの新人があんまりナメた真似してんじゃねーぞ」
取り巻き二人がケイの両側に立って、あ?お?とガンを飛ばしてくる。
すると先程のアニキ(笑)はケイの向かいの席に行儀悪く座り、低い声で喋り始めた。
「なーに俺は心が広いからな。新人の為に少しばかりアドバイスをしてやるよ。
…ガキは金置いてとっとと消えりゃぁいんだよ」
さすがに鬱陶しくなったのか、ケイは嘲るように声を出した。
「なんて残念な連中だろう」
ケイの隠す気無しの嘲笑に、先程から近くにいる冒険者三名はとうとうキレて、殴り掛かってきた。
「テメェ、言わせておけば‼︎」
「ガキが一人前に口出ししてんじゃねぇ‼︎」
「ナメてんじゃねぇぞゴラァ‼︎」
ケイはガタッと音を立てて立ち上がり、三人の攻撃を避けると、確認するように言った。
「先に手を出したのは、そっちだからな?」
「うわぁ…」
それが、エルナがギルドに入って発した最初の言葉だ。
そんな言葉が第一声になってしまったのは、ギルドの中に三十人近くの冒険者が倒れていたからである。
「エルナ、遅かったな」
その元凶はケロっとした表情で、ジュースを飲んでいた。
「えーと、これはケイがやったのか?」
エルナが恐る恐る聞くと、ケイは心外だとばかりに言い返した。
「俺が進んでやったみたいに言うなよ。殴り掛かってきたから無力化しただけだぞ。正当防衛だろ」
「じゃあ何で周りの冒険者はビクビクしながらこっちに目を向けないようにしてるんだ?」
ケイは、んーと考え始め、やがて心辺りが見つかったのか、ポンッと手を打つと、エルナに説明し始めた。
「いやー、始めは三人が殴り掛かってきただけなんだがな、三人で敵わないと見るや、パーティーメンバーやら近くにいた冒険者やらを呼び出すからさ~」
「で、襲って来た全員を倒したと?」
「いや?面倒だから近くにいる奴らもまとめてボコった」
恥も罪悪感もなく言うケイはいっそ清々しかった。
「で、俺たちのパーティーメンバーは?」
それを聞くと、エルナは待ってましたとばかりに、言い始めた。
「ふっふっふ。なんと、スカウトした二人がどっちも来てくれたぜ。てことで、パーティーメンバー…カモン!」
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