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第二章
二ー九
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「はぁー、疲れた」
エルナはグーーッと体を伸ばす。その姿は伸びをする猫を彷彿させた。
「エルナ、それより剣を抜くのを手伝って。俺一人じゃビクともしねえ」
ケイは一人で剣を抜くのを諦めて、エルナに手伝いを頼んだ。
「多分無駄だぞ」
「どうしてだ?」
「一つ前のも抜けなくて放置してきたからな」
おいおいマジか。これで二本目かよ。
でもどうするかな?放置するのは流石に気が引けるのし、かと言って力じゃ抜けないし…
「あっ、魔法使えばいいじゃん」
「『強化』だったら無駄だぞ」
「いや、そっちじゃなくて『テレポート』の方」
テレポートは出現後の体勢を変えることが出来る。
なら、テレポート時に持っていた物も動かすことが出来るはずだ。
「ならば実践あるのみ!『テレポート』」
ケイは突き刺さった剣を左手で持つと、『テレポート』を使い一メートル程離れた場所に、剣を肩の高さで支えるような格好で出現した。
「よし、成こーーー」
う。と続けようとした時に、
ドサッ、と言う剣が地面に落ちる音と、
ゴキッ、と言うケイの左手首が外れる音が同時に鳴った。
「ーーーーーッ‼︎」
ケイはその痛みに声も出せずにのたうち回る。
「ケイ、大丈夫か⁉︎」
エルナも心配して声をかけるが、ケイは、
「てっ…てく…てくびゃがッ‼︎は、は、は、はずっ…外れっ…てッ‼︎」
呂律が回らない程痛がっていて、それどころでは無かった。
せっかくモンスターは倒せたのに、まさかこんなことになるなんて…
「そもそもこの剣、何キロあんだよ⁉︎」
まともに言葉を話せるようになったケイは、開口一番そう聞いた。
重さだけで関節が外れる剣なんてどうかしてる‼︎と言外に言い放った言葉だった。
「オレも知らねーんだ。相当重いのは確かだけど」
ケイは、はぁーーと息を吐くと、
「俺もうその剣、絶対持たねー」
「子供かっ‼︎」
帰り道ーーー
「やっぱりメンバーを募集するべきだと思うんだ」
ケイは今回の依頼を受け、そう結論づけた。せめて四人一組でないとケイの隠密性もエルナの突破力も活かせない。
それを聞いたエルナは胸を張って言ってきた。
「なーに心配するな。既にオレが何人かスカウトしてある」
「いつの間に?」
「ケイをスカウトした後、他の新人たちにも数人、声をかけていたんだ」
なるほど。用事ってのはそのことだったのか。意外と頭がいいのか?
「ん?ケイ。今何か失礼なこと考えてねーか?なんとなく殴りたくなってきたんだけど?」
「さあ?気のせいだろ」
勘もいいようだ。
ギルドに着くと儲けを半分ずつ分け、
「それじゃあ明後日にまた、ここで。スカウトした奴らも来るはずだからな。遅れずに来いよ」
そうして、今日は解散した。
ケイは宿に荷物を置き、銭湯で汗を流し、食事をし、ベットで横になったが、なかなか寝付けなかった。
どんな人たちが来るのか楽しみだ。とか、今日は凄かったな。とか考えているのではない。
ただただ、脱臼した手首が痛いのだ。
エルナはグーーッと体を伸ばす。その姿は伸びをする猫を彷彿させた。
「エルナ、それより剣を抜くのを手伝って。俺一人じゃビクともしねえ」
ケイは一人で剣を抜くのを諦めて、エルナに手伝いを頼んだ。
「多分無駄だぞ」
「どうしてだ?」
「一つ前のも抜けなくて放置してきたからな」
おいおいマジか。これで二本目かよ。
でもどうするかな?放置するのは流石に気が引けるのし、かと言って力じゃ抜けないし…
「あっ、魔法使えばいいじゃん」
「『強化』だったら無駄だぞ」
「いや、そっちじゃなくて『テレポート』の方」
テレポートは出現後の体勢を変えることが出来る。
なら、テレポート時に持っていた物も動かすことが出来るはずだ。
「ならば実践あるのみ!『テレポート』」
ケイは突き刺さった剣を左手で持つと、『テレポート』を使い一メートル程離れた場所に、剣を肩の高さで支えるような格好で出現した。
「よし、成こーーー」
う。と続けようとした時に、
ドサッ、と言う剣が地面に落ちる音と、
ゴキッ、と言うケイの左手首が外れる音が同時に鳴った。
「ーーーーーッ‼︎」
ケイはその痛みに声も出せずにのたうち回る。
「ケイ、大丈夫か⁉︎」
エルナも心配して声をかけるが、ケイは、
「てっ…てく…てくびゃがッ‼︎は、は、は、はずっ…外れっ…てッ‼︎」
呂律が回らない程痛がっていて、それどころでは無かった。
せっかくモンスターは倒せたのに、まさかこんなことになるなんて…
「そもそもこの剣、何キロあんだよ⁉︎」
まともに言葉を話せるようになったケイは、開口一番そう聞いた。
重さだけで関節が外れる剣なんてどうかしてる‼︎と言外に言い放った言葉だった。
「オレも知らねーんだ。相当重いのは確かだけど」
ケイは、はぁーーと息を吐くと、
「俺もうその剣、絶対持たねー」
「子供かっ‼︎」
帰り道ーーー
「やっぱりメンバーを募集するべきだと思うんだ」
ケイは今回の依頼を受け、そう結論づけた。せめて四人一組でないとケイの隠密性もエルナの突破力も活かせない。
それを聞いたエルナは胸を張って言ってきた。
「なーに心配するな。既にオレが何人かスカウトしてある」
「いつの間に?」
「ケイをスカウトした後、他の新人たちにも数人、声をかけていたんだ」
なるほど。用事ってのはそのことだったのか。意外と頭がいいのか?
「ん?ケイ。今何か失礼なこと考えてねーか?なんとなく殴りたくなってきたんだけど?」
「さあ?気のせいだろ」
勘もいいようだ。
ギルドに着くと儲けを半分ずつ分け、
「それじゃあ明後日にまた、ここで。スカウトした奴らも来るはずだからな。遅れずに来いよ」
そうして、今日は解散した。
ケイは宿に荷物を置き、銭湯で汗を流し、食事をし、ベットで横になったが、なかなか寝付けなかった。
どんな人たちが来るのか楽しみだ。とか、今日は凄かったな。とか考えているのではない。
ただただ、脱臼した手首が痛いのだ。
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