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幼女
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その幼女は、まんまるとした目で夏芽を見つめ、洋式トイレに座ったまま首を傾げた。
「あぁ、ごめんね。。。今閉めるから」
夏芽は、一歩引いて木の扉を閉じた。
ガチャンという音がなり、扉が閉まった。
「ふぅ、危なかった危なかった」と胸をなでおろすと、背後からドスン、ドスンという奇妙な音が聞こえてきた。
それは、何かがドンドンと鳴っているのではなく、なにかの振動で地面が揺れていた。
夏芽は、おそるおそる後ろを振り返ると、そこには、鮮やかな緑色の宝石を全身にまとった巨体が、夏芽の方をギョロッと見ていた。
体の大きさは、夏芽の5倍位は大きく、軽く3mは越えているだろう。
道路の上を堂々と立ち、夏芽を見下ろしている。
鼻はいびつな形をしていて、高いが、しわが凝り固まって波を形成していた。
「おまえ、にんげんか???ほお、きょうのごはん、みいつけたあ」
巨体は、右手を振りかぶって夏芽の立っているところに振りかざした。
身の危険を察知していた夏芽は、トイレと壁の隙間に隠れて、なんとか巨体に触れられないように避けた。
夏芽は今、戦える武器を持っていない。
不幸中の幸い、装備をつけていることとと体が健康なのだが、それでも、一対一で戦うにはなかなかしんどい状況だった。
「どうすればいいの?このままじゃ、、、負けちゃう……」
巨体は、隙間から夏芽を覗き込む。
「はやくでておいでよぉ。だいじょうぶだよお。ちょっといたいだけだからね、すぐにらくになるよお」
ゆっくりとした口調で巨人は誘ってくるが、夏芽は冷や汗が止まらない。
「こないで!こっちにくるなぁ!」
夏芽が、手を振り払うようなジェスチャーをして、巨体を追い払おうとするも、全く効果は無く、むしろ、逆効果だった。
夏芽が振り払おうとした手を、巨体は、掴もうとし、狭い隙間に親指と人差指を突っ込んできたのだ。
「ほーらー、もうすこし、もうすこしだよぉ」
「やめてぇぇぇぇ!!!」
すると、後もう少しで触れてしまうというところで、便所のドアが開く音がした。
ガチャ。
「開けちゃだめ!今ドアを開けたら食べられちゃうから、だから、ドアを開けちゃだめー!」
「お、おべんじょから、かわいいおんなのこがでてきたぞお。きょうはごちそうだあ」
「もどってー!」
夏芽は、幼女に向けて必死に叫んだが引き戸が完全に開くのが、隙間の中からでも見えた。
ドアが開くと同時に、巨体は、隙間から離れて便所のドアに顔を近づけているようだった。
「あの、女の子、、、食べられちゃった……」
夏芽は、終わった、と思ったが、その瞬間、黄色の光とともに巨体は道路の奥にふっとばされた。
「ぐはっ…」
巨体が吹き飛ばされたのを確認して、夏芽は隙間から外を覗いた。
吹き飛ばされた巨体は、尻餅をついて、右手を伸ばしている幼女の方を見ていた。
「悪さ、する子、許さない!悪い子、私が、こらしめる!それが、私の、お仕事なの!」
「やめてくれぇぇぇ」
すると、幼女は、左手を頬に当てて、舌を出してウインクしながらこう言った。
「だーめ♡」
それを言うと同時に幼女は、右手を握って呪文を唱えだした。
「プラ・パリーノ!」
やがて、巨体の体から白い光が現れて、その光は体を飲み込んで、緑色の液体に溶かしてしまった。
「テヘッ♡」
「あぁ、ごめんね。。。今閉めるから」
夏芽は、一歩引いて木の扉を閉じた。
ガチャンという音がなり、扉が閉まった。
「ふぅ、危なかった危なかった」と胸をなでおろすと、背後からドスン、ドスンという奇妙な音が聞こえてきた。
それは、何かがドンドンと鳴っているのではなく、なにかの振動で地面が揺れていた。
夏芽は、おそるおそる後ろを振り返ると、そこには、鮮やかな緑色の宝石を全身にまとった巨体が、夏芽の方をギョロッと見ていた。
体の大きさは、夏芽の5倍位は大きく、軽く3mは越えているだろう。
道路の上を堂々と立ち、夏芽を見下ろしている。
鼻はいびつな形をしていて、高いが、しわが凝り固まって波を形成していた。
「おまえ、にんげんか???ほお、きょうのごはん、みいつけたあ」
巨体は、右手を振りかぶって夏芽の立っているところに振りかざした。
身の危険を察知していた夏芽は、トイレと壁の隙間に隠れて、なんとか巨体に触れられないように避けた。
夏芽は今、戦える武器を持っていない。
不幸中の幸い、装備をつけていることとと体が健康なのだが、それでも、一対一で戦うにはなかなかしんどい状況だった。
「どうすればいいの?このままじゃ、、、負けちゃう……」
巨体は、隙間から夏芽を覗き込む。
「はやくでておいでよぉ。だいじょうぶだよお。ちょっといたいだけだからね、すぐにらくになるよお」
ゆっくりとした口調で巨人は誘ってくるが、夏芽は冷や汗が止まらない。
「こないで!こっちにくるなぁ!」
夏芽が、手を振り払うようなジェスチャーをして、巨体を追い払おうとするも、全く効果は無く、むしろ、逆効果だった。
夏芽が振り払おうとした手を、巨体は、掴もうとし、狭い隙間に親指と人差指を突っ込んできたのだ。
「ほーらー、もうすこし、もうすこしだよぉ」
「やめてぇぇぇぇ!!!」
すると、後もう少しで触れてしまうというところで、便所のドアが開く音がした。
ガチャ。
「開けちゃだめ!今ドアを開けたら食べられちゃうから、だから、ドアを開けちゃだめー!」
「お、おべんじょから、かわいいおんなのこがでてきたぞお。きょうはごちそうだあ」
「もどってー!」
夏芽は、幼女に向けて必死に叫んだが引き戸が完全に開くのが、隙間の中からでも見えた。
ドアが開くと同時に、巨体は、隙間から離れて便所のドアに顔を近づけているようだった。
「あの、女の子、、、食べられちゃった……」
夏芽は、終わった、と思ったが、その瞬間、黄色の光とともに巨体は道路の奥にふっとばされた。
「ぐはっ…」
巨体が吹き飛ばされたのを確認して、夏芽は隙間から外を覗いた。
吹き飛ばされた巨体は、尻餅をついて、右手を伸ばしている幼女の方を見ていた。
「悪さ、する子、許さない!悪い子、私が、こらしめる!それが、私の、お仕事なの!」
「やめてくれぇぇぇ」
すると、幼女は、左手を頬に当てて、舌を出してウインクしながらこう言った。
「だーめ♡」
それを言うと同時に幼女は、右手を握って呪文を唱えだした。
「プラ・パリーノ!」
やがて、巨体の体から白い光が現れて、その光は体を飲み込んで、緑色の液体に溶かしてしまった。
「テヘッ♡」
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