半径1メートルだけの最強。

さよなきどり

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第四節 〜ギルド〜

039 やれやれ、だな

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~ギルド~編 突入。
ひと騒動が終わり、本当に「やれやれ」な回。ホントに?
ご笑覧いただければ幸いです。
―――――――――

 やれやれ、だな。

 で、今僕はギルド敷地いっぱいの地下に広がる施設郡の一つ、配給室で“新兵さんの軍装一式セット”を貰ってウキウキしながら着替え中。

 ところでなんで地下施設なんだってことだけど、実は地上に本当に有った建物は『口が悪くてゴッツイけど結果的に親切だった解体人』が居た『買取所』と、僕らが対峙した『ギルド受付&パル』、初めて目にするけど高い櫓っぽい建物の3つだけだった。

 それも最初の鉄扉門入り口の直ぐ側に並んで建っていた。
 造幣局もウソだった。ただ地下の秘密の場所には本当に有るっぽいんだけどね。
 
 なんだかね、何となく気づいてはいたけど改めて外に出て確認するとやっぱり唖然としちゃった。だって本当に何もないんだもん。高い塀が周囲をぐるっと取り囲んでいるだけ。
 そしてギルドの内部から眺めた改めての感想は、戦時中の古い空母の甲板に立っている気分。

 普通は逆だよね。理解出来なだろうけどそうなんだもん。
 丁度空母っぽい形してるし、建物が中央端の一箇所に固まってるところも。特に石造りの櫓っぽいのがモロ艦橋っぽくてイイ。なにより、高い壁が群青に染まる何処までも広がる海原を幻視させた。

 暗く周囲にナニモナイ海に出ると、開放感より逆に閉塞感を僕は感じていた。だろうか。

 今更だけど、僕らが彷徨ったあの迷路の建物群ってなんだったんだよって話で、ギルドの敷地は広ことは広いけど、小一時間も迷えるほど決して広くない。そして常識で考えれば理解るはずだったのに、その時の僕らは長時間迷っている事自体を、全然不思議に思ってなかった。
 辟易うんざりはしてたけど。

 全て『(自称)お姉さんなギル長なオバさん』が仕掛けた手品っぽいアレな魔法だったわけだったんだけど。ギル長さんって、どんだけなんだよ。でもね、それは判ったよ。じゃあ、何で僕らを惑わしたのか聞いたら答えなかった。頑なに。
 後で赤鬼が教えてくれたのは『どうやって口説き落とそうか』迷ってたかららしい。それであれかよ。馬鹿じゃん。
 そして、お前は恋する乙女かよ。

 そんなこんなでどうでもいい。僕にはもっと甘美な、蕩けるような体験が、そう、今この瞬間。

 ハア、ハア、ハア、ぱ、パンツを、パンツを今、履こうとしていまーす。チョット変態チックだけど構わない。だって念願のおパンツだから。何言ってるかわからない。何日振り? それとも何ヶ月振り? もう訳わからない。

 “新兵さん一式セット”衣類編はパンツを含む下着靴下(く、くつ下だー!)三セットと伸縮性ゼロな貫頭衣普段着の上下、そして戦闘服の上下の二セットずつがヅタ袋に入れられて支給された。
 この街の特産である蜘蛛糸で織られ高級品ではなく、全てゴワゴワペラペラ薄々の低級品であるが、構うことない、ああ、パンツ。なんて甘味な響き、そしておパンツ。

 う、嬉れぴー!

 その他、なんの皮だか分からないが厚くてゴツゴツした、やたら硬い編み上げ式軍靴が支給された。耐久特化だな。兵隊さんお馴染みの長靴ピカピカ磨きは無しだな。ゴワゴワだから。

 おお、このヅタ袋に入れられた衣類一式と軍靴が僕が異世界こっちに来てから初めて手に入れた宝物となる。

『ごシュジ~ん、私いますけど、ヒドイんですけど~』

 “中折れの剣”改め“剣鉈ナイフ”のゴテゴテの装飾品は全て取り外してさっぱり。サチの報酬分も含めこの街に入る際に賄賂で使い切ってしまったから。ちょっともったいなかったかな。自分のお宝じゃ無いけど貧乏根性が顔を出す。あとサチの報酬は改めて考えないとな。魔晶石でいいよな。

 “剣鉈ナイフ”を装飾が取れてさっぱりな鞘に入れて尻上に乗るように腰裏に収める。
 なんだかんだいって便利で気に入っている。下草刈ったり獲物を解体したり(本格的な解体なんて出来やしないと思ってたら大脳皮質にアーカイブとしてちゃんと納められており、使えてた。考えるのはもうやめよう)、主にサバイバルの基本ツールとして。

『ごシュジ~ん、私ったら“古の十本魔剣”の最高位って言われておりましたのに~。ひどいです~』

 着替え終えてウキウキ気分で部屋の外に出るとそこに“赤鬼ゲート”が待っていた。
 途端にフンギー、真面目だなー。監視のお仕事ご苦労様です。


 僕に近づく赤鬼。改めて見上げるとやっぱりデカイ。そして半端ない威圧感、異世界こっちの人は平均的に元世界あっちよりデカイが、赤鬼はその平均を大きく上回る。
 どんだけかと言えば、僕が正面突きをすれば拳が赤鬼の股間にヒットする位には規格外だ、そりゃドアを壊すよな、って思う。
 そしてそのデカさと外見から想像できない位には紳士的で面倒見が良い。今も無言で僕の乱れた襟を治してくれている。お兄ちゃんか? それともショタか?
 なんだ、そのぶっとい胸筋は。キモ!

『(自称)お姉さんなギル長なオバさん』が領主サマの元へ向かった際に、僕らの面倒を見るように命令された彼は、最初に僕らを強制的に風呂場へと連れて行った。
『美味しい物ギブ』と執拗に叫ぶハナに「まずは汚れを落とせ、臭いぞ」と切り捨てた。
 僕の最下層行きも風呂の後にされた。

 流石のハナも女子として“臭い”を日に三度も言われれば爆沈するしかなく、風呂場にドナドナと連行されて行った。元々『お風呂、おっフロ!』と連呼していたハナだったから別にいいんじゃねって思うけど。

 ちなみにサチは赤鬼を見た瞬間から不機嫌げな表情を隠そうとせず、苛立っていた。『(自称)お姉さんなギル長なオバさん』もそうだが赤鬼ゲートとも昔からの知り合いっぽい。どんな知り合いなのか気になるが……ゴメン、全然興味ないや。

 面白いのは赤鬼の方はサチに興味津々でやたら絡もうとし、一度など不用意に頭を撫でようと伸ばした手をサチに俊速で叩き落とされていた。

 食事より体の汚れを落とす衛生面を優先された訳だが、実は僕らの空腹感はそれ程でもなかったりする。
 “溜まりの深森”では体力の低下は即ち死であると認識し、魔物クサレ肉を必要最低限以上には摂取していた。魔物クサレ肉だけは豊富に手に入った。あっちから日に何度も来てくれやがったから。
 ただ、本当にホントウに不味くて、ただ自分の味覚が未だなのか確かめたくて、美味しいモノ、いや、真面まともな食事ってどの様なものだったのか再確認したくて、『美味しい物ギブ』と叫んでいたに過ぎなかったんだ。
 チョット引くだろ。


「やはり少々大きかったか」と、しゃがんで僕の大きすぎる服装の襟口と裾を折り畳んで調整してくれる赤鬼。確かに女性用の一番小さいサイズでも僕には大き過ぎたけど、僕は気にせずにそのままだったのに。お兄ちゃんか? それともショタか? 面倒見すぎだろ。
って改めて思った。

「私の前での服装の乱れは許さない。服装の乱れは規律の乱れに繋がる。規律が乱れれば部隊連携の乱れに繋がる。私の新兵なら鉄拳制裁必至だと心得ろ。二度目はないぞ」

 まさかの鬼軍曹だった。まあ、それでも彼がイイ人っぽいのはそうなんだろう。
 鬼軍曹。いや、総司令官か。彼が自らを“副ギルド長”兼“ギルド実動部隊隊長”であると名乗った時は驚いた。
 それは戦闘部門のトップだという事。即ち“冒険者ギルド”が魔物を狩る事を基本業務とする職業戦闘集団なら、実質的には彼“赤鬼ゲート”がギルドココのトップだ。
 少なくとも戦闘面では『(自称)お姉さんなギル長なオバさん』と同等と考えてもいいだろう。

「ご親切に。でもそれは大丈夫。俺らはあんたの新兵にはならない。ただのお手伝いさんだから。特に俺は魔物を倒せるほどの力なんて無いから」

 赤鬼ゲートの眉間がピクリとする。
「先ほどは、何やら俺を殺そうと思案していたと思うのだがな」

 わお、さっきのテルミットを撃っちゃいそうになった事を言ってるのかな。それは赤鬼が先に……。まあいいや、赤鬼の目が怖過ぎてちびりそう。だから誤魔化そう。
「それは勘違い。まったくの誤解。僕は至ってひ弱な一般人。ってか魔力無しの一般人以下」

 赤鬼ゲートの眉間がピクリピクリとする。
「うちのギルド長と相当やりあっていたが。それに先ほど“蜻蛉モドキカトンボ”を撃ち落としていたはずだがな。あと“電災”も居たな」

「ギルド長様には腹パン食らってKOされましたが。“電災”は。それはだろ」

 赤鬼ゲートの眉間がピクリピクリピクリとする。
「なるほどな、なら“カトンボ”を撃ち落としたのはお嬢さんか。お嬢さんはコチラにれるという訳か、小僧」
 
 如何つもこいつも小僧小僧って、ボキャブラリーが無いな。
「それは無理、オジサンじゃ彼女は使い熟せない。だって彼女の得意は“遠距離精密狙撃”だから。オジサンの部隊が行う戦闘にそれらを組み込んだ戦術があるの? 出来るの? そもそも“遠距離精密狙撃”って言葉わかる? オジサン』

 赤鬼オジサンの眉間が際限なくピクる。
「なら小僧、お前自身は何を我々に貢献してくれると謂うのだ」

 あれ、まずい。ちょっとイラッとして余計な事を言っちゃったかな。なんだかな、“溜まりの深森”に突っ込まれてからこっち、いい事なさ過ぎていい加減腐ってんだよなぁ。自制が効かなくなっている自覚がある。改善したい。今更だけど。

「さあね。……『(自称)お姉さんなギル長なオバさん』、違った、ギルド長サマが言っていたの魔道具の修理とか?」
 出任せだけどね。そんな気ゼロ。

 僕と赤鬼ゲートは結構長い間を睨み合う。赤鬼の事は分からないが、僕に関しては相当辛くなってきた頃、いきなり赤鬼が折れた。
 もうちょっと遅かったらマジ耐えられなくて、全て投げ出しミナゴロシしちゃうところだった。あ、危な……かった。


「済まなかった。アンナのやった事に対しては最初に謝るべきだったのにな。彼女は、俺もだが焦っていたんだ。手詰まりでな」

 アンナ? 誰? 『(自称)お姉さんなギル長なオバさん』のこと? プププ。意外と可愛い名前。笑いが漏れる。ここで笑うと本格的に不味くなるからしないけど。いや、フリじゃなくてマジで。でも謝ってる? なんで?

「街で優秀な者を見つけたと喜んでいた。如何どうしても協力してもらう、と意気込んでいたな。
 “飛竜落とし”の上位尊遺物、失われた文献の中でしか伝えられていない幻の“賢者の魔法の杖アルカナ・ロッド”そのままを携え、やはり文献の通りに超精密魔法攻撃を行い、使いこなしている者達を見たと。

 彼らなら我々の“飛竜落とし”も復活させられ、使い熟すだろうと。なんとしても協力してもらうと……。あいつが思い込むと大抵が空回りするんだがな、今回もそうだったんだろう?」

 なんか気になるワードが出て来たけど無視。面倒くさくなりそうだから。それよりプププ、聞きまして? 『(自称)お姉さんなギル長なオバさん』の事を“あいつ”って言ったぞ、それも優しげに。赤鬼ったらマジかー。

〈 ∮ 検索及び検証考察結果を報告
 事ここに至っての現実逃避は控えるべきと具申。往生際が悪いですよ。
 と結論 ∮ 〉

 うっさい黙れ。

「小僧、ではなくてハムと言ったか。“あいつと俺”はボロボロだったこの街のギルドを立て直す為に一年と半年前に本部行政機関から出向されて此処ここに来た。所謂の都落ちだな。でもな、最初は嫌々だったが今は違う。本気でこのギルド、いや、この街を立て直したい、救いたいと思っている。……なかなか上手くいかないがな……。

 “うつり”は二年毎に起こる。前回はトラブルと妨害にあい、散々だった……。なんとか乗り切った。が、異常は二年後の今年も続くだろう、より激しくなる悪い予想と共にな。
 このままでは長い歴史のあるこの街自体も、“蜘蛛糸”の技術も全て失われる危惧が現実になりそうだ。
 そんな時にお前たちが突然現れた。そこで焦って強引な手に出てしまったのだろうな。済まなかったな。そこは正式に謝罪したいと考えている。

 でもな、地方ギルドの長としては経験も資質も疑問だが、事、施政者としてのあいつの目は確かなんだ。だから余計期待してしまった。……なんとか助けてもらえないだろうか」

 なんだコレ、どうしても『守りたい』って気持ちは伝わってくるっぽいけど、それだって僕みたいな見てくれモロ子供に急に折れ過ぎじゃね? 頼りすぎじゃね? 罠なの? それとも相当追い詰められている? 不味くね? それとももう既に、赤鬼は……。
 ああナル、これは既に全部、んだな。

……御愁傷様。俺は関係ないし面倒臭いのは。マジ他人事。赤鬼が既に現実逃避してんなら僕だって上等してイイよね。って考えてました。
 ご愁傷様僕でした。何故なら。

「ハム君」
 と、後ろから僕を呼ぶハナの声。全て聴いてたみたい。
 そして、

「助けてあげられないの? ハム君」

 やっぱ、そうくるかー。クゥソがー。

「ハム殿、私からもお願いする」とサチ。
 黙れサチ。



―――――――――
お読み頂き、誠にありがとうございます。
よろしければ次話もお楽しみ頂ければ幸いです。

毎日更新しています。
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