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第七節 〜遷(うつり)・初茜(はつあかね)〜
086 兵士のプリンシプル(原則)2
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85 86 87 88 は“遷”『最初の一時間』迄の、“ひと綴りの物語”です。
《その2》
ご笑覧いただければ幸いです。
※注
黒い◆が人物の視点の変更の印です。
白い◇は場面展開、間が空いた印です。
―――――――――
なんか、避けられた? 意識的に? そんな感じ。
そんな中、しばらくして新たな負傷者が発生した。九番が真上からカトンボの爪に貫かれた。首が派手に大きく飛び、地に落ちるもオレの足元まで転がりきて正面を向き、見上げる形で止まった。
息を呑む。
力を抜く。首ではなかった。兜単体だった。良かった。それでも。
派手に転がり廻り、一度大声で叫び声を上げ、そのまま動かなくなる九番。頭部から血溜まりが広がる。ダメかと思ったが、血溜まりに浸かった手が僅かに動いている。でもそれも何時まで持つか。
蜘蛛の巣に絡まれるも、倒しきれていなかったカトンボからの鋭い爪が、再び倒れ伏した九番に襲い掛かる。
その爪の軌道がズレ、刺突が地面を穿つ。三度振るわれ、三回目のズレで爪の先端が弾け飛ぶ。
槍組の兵站班は槍の代わり、後端部がくの字に曲がった短い魔法の杖を持たされている。女王様の持つロッドのダウンサウジング版らしいが“拳銃型”或いは通称で“七インチ”と呼ばれている。
振るう槍の届く短い範囲までの、自由度と速さを重視した超接近戦用のはずのそれを、裕に二十五メトル離れた位置から正確に迎撃してみせたエルフ。
フイに消え現れたとしか思えない速さで九番に近づくと、そのまま彼をヤンキーキックで安全圏に蹴り出し、転がっていた九番の槍をリフティングの要領で爪先で目の高さまで浮かすとそのまま片手で掴み、無動作に空天に突き出す。貫いたのはカトンボの魔晶石だ。
エルフもそこで体力が尽きたのか止まってしまう。結果、溶解した泡をもろに浴びた。さっき泡がオレの足に掛かった事を笑った罰だ。いい気味。
全身泡まみれに驚愕し、叫び声を挙げるような失態は犯さなかったが、やはり我慢できなかったのか、九番に再び意味不なヤンキーキックを御見舞していた。おい、怪我人だぞ。
やっぱり恐い。エルフっていつから戦闘民族になった?
怪我人である事にやっと気づいたのか今更ながら抱き起こし(でも動作は荒い)ポーションをその口に流し込む(突っ込む)。
オレの側まで転がっていた九番の兜を見る。兜は右額の上部から一直線に裂け目ができており、赤い血と僅かな白い肉片が付着していた。無造作に自分の“テッパチ”の右額の上部から一直線に出来た浅い傷に触れた。
先程の、十二番が靭帯をイワせた直前に行っていたオレの六連戦中の四戦目に、擁壁上のゴタゴタに気を取られていたスキに九番と全く同じ箇所、同じ爪での刺突攻撃を受けていた。
衝撃は凄まじかったが、何故か耐えることが出来、気を失うことも無く、決定的な遅延を生むこともなく戦闘を継続出来ていた。
九番の兜は支給品の“テッパチ”ではなく、從來の、オレたちが以前に被っていた重く硬い、信頼できる厚さを誇る、鉄製のそれだった。
幾人かが、軽くて薄い支給品を嫌って黙って今朝の始まる直前に掏り替えているのを知っていた。実はオレも“テッパチ”が信用できず、こっそり替えようかと思っていた一人だ。それをシヅキに止められた。厳重に。それだけは止めてと。
ふと右顎の先にピリッとした痛みを感じた。僅かな間にそれは波打つような痛みに変わった。“テッパチ”で防ぎ切ったと思ったが、逸れた爪の先が掠っていたのだろう。手で探ると思ったより深い傷で、結構な血が流れ、胸元を赤く染めていた。
これもシヅキに教えられた。アドレナリンが出て痛みを一時的に感じなくさせると、でもそれを何時までも放って置けば致命傷になると。気づけば体力と血を失い倒れる。
オレはシヅキの言いつけの通り治癒と体力増進のポーションを取り出して飲んだ。やはり体力が随分減っていることを実感した。そして掌の血をズボンで拭った。槍が滑らないように、丁寧に。何も考えないように。
血は止まったが、時間が経っていたせいか、傷が残った。
オレは、九番と違い助かった。助けてもらったんだと思う。
でも手の震えは止まらない。
見ると、九番の額から顔を縦に縦断する傷は塞がっているように見える。でも気絶からは復帰していない。幾ら治癒のポーションでも頭部の損傷を本当の意味で直せるのか。首だってイッてただろうに。それは判っているのだろう、エルフも治癒室の“塔”に運ぶようだ。でもそれは直ちにとは行かなかった。
九番の盛大な悲鳴はやはり“弱点”認定されたらしく、オレらの範囲の番号が立て続けに呼ばれ、カトンボの集中攻撃が始まったことを告げていた。
勿論オレの番号も呼ばれ、駆け出す。駆け出すまでにチョットだけ間が空いた。とっさに、足が動かなかった。
仲間は見捨てない、それがルール。鉄則だ。ヤられて動けなくなっても、仲間が助けてくれる。そのルールが破られれば誰も踏ん張れない。死線のその先には行けない。ただ烏合に衆となって逃げ出し、戦線は崩壊する。
だから九番は絶対に助けなければならない。たとえ死んでいたとしても、それを認定するのはオレ達じゃない。身体の半分しか無くとも取り合えず救護班が待つ陣地まで連れ帰る。それが兵士の原則だという。だからオレたちは或いは死体となっても自分の陣地、家には帰れると安心する。
だが今はそれを叶えてやれそうもない。
カトンボの集中攻撃が止まらない。現在九番、十二番が負傷により退場し、このエリアの兵站班の二人が代役で入っている。九番はポーションが与えられてはいるが、地に伏せられ、そのまま放置されている。エルフも九番の、他所エリアの兵站要員も自陣対応に手一杯なのだろう、
そんな場合は。
「十三番は九番を確保して救護室に運べ、兵站班Dは二人で九番、十一番、十三番区画をフォロー、出来るな!」
黒の副官からの司令が聞こえた。一区画に穴を開けなければならない場合、周りで負担し合う。その場合、いち下級兵が混ざるより、上級兵が多く占めたほうが効率的だろう。
弱い者が任じられる“運搬係”はオレ十三番だ。悔しいが訓練通りに行う。俺は兵隊だから。
離脱のタイミングを図るために兵站班の二人とアイコンタクトを取る。その際、エルフは無言でオレを慰するような目で見ていた。訳がわからない。まあいい。今は仕事に集中だ。
スリー、ゴー! タイミングを図り、オレは九番の元に駆け出す。良かった。足は動く、廻る、早く駆けつけろ。
九番の脈は正常だ、でも身体に力が入らないようだ。焦点の合っていない半開の目がオレじゃないところを見ている。でもオレを見ていると感じる。今運んでやるからな、大丈夫だ。聞こえているか聞こえていないか分からないが声に出して励ます。肩に人の重みが圧し掛かる。
◆ (『兵站盾付きの女 の相棒《班長》』の視点です)
始まって一分もしないうちに起こったあの益体もないトラブルから今まで、気を休める暇など許されなかった。
常にカトンボとの対峙を強要されている皆も勿論苛烈だと思うけど、複数の担当ユニットに気を配り(下の槍ドモと違ってコッチは指示無しの完全自立管理制)、適切な対応を臨機応変に求められる。それも脊髄反射の速度で。
トラブルシュートやクレーム処理がこれほど手間が掛かり体力を使い神経をすり減らすものだと改めて知った。
ただ、先程に発生した下の槍使いドモが仕出かした狂乱状態が波及して、こちらも引きずり込まれるようにまるでドミノ倒しのように破綻が生じ始め、このままお終いかと思われた時にハムさんの介入で事無きを得たのだが、アレは勉強になった。
どこで破綻が始まるのか、どうすれば防げるのか、実戦での凝縮された体験はなにより身に付き、得られた経験値は非常に濃く高い。
“最初の一分”の裏設定だ。「よく観てろ」と始まる前に個別で言われた。
強制的に鍛えられた感じで、実戦兵士とは何かを叩き込まれた。全てハムさんの思惑通りだと言うことか。ムカつく。性格が悪すぎるし。やり方が悪辣過ぎる。最善手である事は認めるが。
そして今やっと一息つけて待機壕へもどってこれた処だ。
「大丈夫かい? 今のうちにポーションを飲んでおこう」
返事を返さない相棒さんの視線の先には最初のトラブルの“原因くん”がいた。
名前はやっぱり覚えてない。富裕層である金貸しの次男だ。家族と一緒にとっとと逃げ出していればいいものを、安い義勇心からかギルドに残ってくれちゃって、それなりに訓練では優秀だったから下手に期待されて、居なければ居ないで最初から問題なく対処できていたものを。
おっと、やはり疲れているのかな。相当に辛辣だな今の僕は。
「センパイはやっぱりダメかも知れませんね。最初から居ないものとして扱っていたほうが、よっぽど良かったですかね。訓練では優秀だったのに。難しいですね」
おっと、ここにも疲れて辛辣なのが……元々か。アラクネだからな。フニャ男は本当に嫌いだよな。真面目だからね。そして怖い。
まあ、確かに駄目かも。もう目が死んでる。もう機械的に弾いてるだけ。それは本当に綺麗に“去なし”ている。不思議だね。何も考えないで身体を動かしている方が攻防力が高いなんて。このまま目が死んでりゃぁいいのにと、つい思っちゃいそうではあるけれど、やっぱり機械は機械。とっさの対応力が皆無。チョッとしたことが切っ掛けで大崩れするパターン。被害は彼の相棒の射手に及び、やがて全体に及ぶ。
……そう、判ってたんだけどね。
―――――――――
お読み頂き、誠にありがとうございます。
よろしければ次話もお楽しみ頂ければ幸いです。
《その2》
ご笑覧いただければ幸いです。
※注
黒い◆が人物の視点の変更の印です。
白い◇は場面展開、間が空いた印です。
―――――――――
なんか、避けられた? 意識的に? そんな感じ。
そんな中、しばらくして新たな負傷者が発生した。九番が真上からカトンボの爪に貫かれた。首が派手に大きく飛び、地に落ちるもオレの足元まで転がりきて正面を向き、見上げる形で止まった。
息を呑む。
力を抜く。首ではなかった。兜単体だった。良かった。それでも。
派手に転がり廻り、一度大声で叫び声を上げ、そのまま動かなくなる九番。頭部から血溜まりが広がる。ダメかと思ったが、血溜まりに浸かった手が僅かに動いている。でもそれも何時まで持つか。
蜘蛛の巣に絡まれるも、倒しきれていなかったカトンボからの鋭い爪が、再び倒れ伏した九番に襲い掛かる。
その爪の軌道がズレ、刺突が地面を穿つ。三度振るわれ、三回目のズレで爪の先端が弾け飛ぶ。
槍組の兵站班は槍の代わり、後端部がくの字に曲がった短い魔法の杖を持たされている。女王様の持つロッドのダウンサウジング版らしいが“拳銃型”或いは通称で“七インチ”と呼ばれている。
振るう槍の届く短い範囲までの、自由度と速さを重視した超接近戦用のはずのそれを、裕に二十五メトル離れた位置から正確に迎撃してみせたエルフ。
フイに消え現れたとしか思えない速さで九番に近づくと、そのまま彼をヤンキーキックで安全圏に蹴り出し、転がっていた九番の槍をリフティングの要領で爪先で目の高さまで浮かすとそのまま片手で掴み、無動作に空天に突き出す。貫いたのはカトンボの魔晶石だ。
エルフもそこで体力が尽きたのか止まってしまう。結果、溶解した泡をもろに浴びた。さっき泡がオレの足に掛かった事を笑った罰だ。いい気味。
全身泡まみれに驚愕し、叫び声を挙げるような失態は犯さなかったが、やはり我慢できなかったのか、九番に再び意味不なヤンキーキックを御見舞していた。おい、怪我人だぞ。
やっぱり恐い。エルフっていつから戦闘民族になった?
怪我人である事にやっと気づいたのか今更ながら抱き起こし(でも動作は荒い)ポーションをその口に流し込む(突っ込む)。
オレの側まで転がっていた九番の兜を見る。兜は右額の上部から一直線に裂け目ができており、赤い血と僅かな白い肉片が付着していた。無造作に自分の“テッパチ”の右額の上部から一直線に出来た浅い傷に触れた。
先程の、十二番が靭帯をイワせた直前に行っていたオレの六連戦中の四戦目に、擁壁上のゴタゴタに気を取られていたスキに九番と全く同じ箇所、同じ爪での刺突攻撃を受けていた。
衝撃は凄まじかったが、何故か耐えることが出来、気を失うことも無く、決定的な遅延を生むこともなく戦闘を継続出来ていた。
九番の兜は支給品の“テッパチ”ではなく、從來の、オレたちが以前に被っていた重く硬い、信頼できる厚さを誇る、鉄製のそれだった。
幾人かが、軽くて薄い支給品を嫌って黙って今朝の始まる直前に掏り替えているのを知っていた。実はオレも“テッパチ”が信用できず、こっそり替えようかと思っていた一人だ。それをシヅキに止められた。厳重に。それだけは止めてと。
ふと右顎の先にピリッとした痛みを感じた。僅かな間にそれは波打つような痛みに変わった。“テッパチ”で防ぎ切ったと思ったが、逸れた爪の先が掠っていたのだろう。手で探ると思ったより深い傷で、結構な血が流れ、胸元を赤く染めていた。
これもシヅキに教えられた。アドレナリンが出て痛みを一時的に感じなくさせると、でもそれを何時までも放って置けば致命傷になると。気づけば体力と血を失い倒れる。
オレはシヅキの言いつけの通り治癒と体力増進のポーションを取り出して飲んだ。やはり体力が随分減っていることを実感した。そして掌の血をズボンで拭った。槍が滑らないように、丁寧に。何も考えないように。
血は止まったが、時間が経っていたせいか、傷が残った。
オレは、九番と違い助かった。助けてもらったんだと思う。
でも手の震えは止まらない。
見ると、九番の額から顔を縦に縦断する傷は塞がっているように見える。でも気絶からは復帰していない。幾ら治癒のポーションでも頭部の損傷を本当の意味で直せるのか。首だってイッてただろうに。それは判っているのだろう、エルフも治癒室の“塔”に運ぶようだ。でもそれは直ちにとは行かなかった。
九番の盛大な悲鳴はやはり“弱点”認定されたらしく、オレらの範囲の番号が立て続けに呼ばれ、カトンボの集中攻撃が始まったことを告げていた。
勿論オレの番号も呼ばれ、駆け出す。駆け出すまでにチョットだけ間が空いた。とっさに、足が動かなかった。
仲間は見捨てない、それがルール。鉄則だ。ヤられて動けなくなっても、仲間が助けてくれる。そのルールが破られれば誰も踏ん張れない。死線のその先には行けない。ただ烏合に衆となって逃げ出し、戦線は崩壊する。
だから九番は絶対に助けなければならない。たとえ死んでいたとしても、それを認定するのはオレ達じゃない。身体の半分しか無くとも取り合えず救護班が待つ陣地まで連れ帰る。それが兵士の原則だという。だからオレたちは或いは死体となっても自分の陣地、家には帰れると安心する。
だが今はそれを叶えてやれそうもない。
カトンボの集中攻撃が止まらない。現在九番、十二番が負傷により退場し、このエリアの兵站班の二人が代役で入っている。九番はポーションが与えられてはいるが、地に伏せられ、そのまま放置されている。エルフも九番の、他所エリアの兵站要員も自陣対応に手一杯なのだろう、
そんな場合は。
「十三番は九番を確保して救護室に運べ、兵站班Dは二人で九番、十一番、十三番区画をフォロー、出来るな!」
黒の副官からの司令が聞こえた。一区画に穴を開けなければならない場合、周りで負担し合う。その場合、いち下級兵が混ざるより、上級兵が多く占めたほうが効率的だろう。
弱い者が任じられる“運搬係”はオレ十三番だ。悔しいが訓練通りに行う。俺は兵隊だから。
離脱のタイミングを図るために兵站班の二人とアイコンタクトを取る。その際、エルフは無言でオレを慰するような目で見ていた。訳がわからない。まあいい。今は仕事に集中だ。
スリー、ゴー! タイミングを図り、オレは九番の元に駆け出す。良かった。足は動く、廻る、早く駆けつけろ。
九番の脈は正常だ、でも身体に力が入らないようだ。焦点の合っていない半開の目がオレじゃないところを見ている。でもオレを見ていると感じる。今運んでやるからな、大丈夫だ。聞こえているか聞こえていないか分からないが声に出して励ます。肩に人の重みが圧し掛かる。
◆ (『兵站盾付きの女 の相棒《班長》』の視点です)
始まって一分もしないうちに起こったあの益体もないトラブルから今まで、気を休める暇など許されなかった。
常にカトンボとの対峙を強要されている皆も勿論苛烈だと思うけど、複数の担当ユニットに気を配り(下の槍ドモと違ってコッチは指示無しの完全自立管理制)、適切な対応を臨機応変に求められる。それも脊髄反射の速度で。
トラブルシュートやクレーム処理がこれほど手間が掛かり体力を使い神経をすり減らすものだと改めて知った。
ただ、先程に発生した下の槍使いドモが仕出かした狂乱状態が波及して、こちらも引きずり込まれるようにまるでドミノ倒しのように破綻が生じ始め、このままお終いかと思われた時にハムさんの介入で事無きを得たのだが、アレは勉強になった。
どこで破綻が始まるのか、どうすれば防げるのか、実戦での凝縮された体験はなにより身に付き、得られた経験値は非常に濃く高い。
“最初の一分”の裏設定だ。「よく観てろ」と始まる前に個別で言われた。
強制的に鍛えられた感じで、実戦兵士とは何かを叩き込まれた。全てハムさんの思惑通りだと言うことか。ムカつく。性格が悪すぎるし。やり方が悪辣過ぎる。最善手である事は認めるが。
そして今やっと一息つけて待機壕へもどってこれた処だ。
「大丈夫かい? 今のうちにポーションを飲んでおこう」
返事を返さない相棒さんの視線の先には最初のトラブルの“原因くん”がいた。
名前はやっぱり覚えてない。富裕層である金貸しの次男だ。家族と一緒にとっとと逃げ出していればいいものを、安い義勇心からかギルドに残ってくれちゃって、それなりに訓練では優秀だったから下手に期待されて、居なければ居ないで最初から問題なく対処できていたものを。
おっと、やはり疲れているのかな。相当に辛辣だな今の僕は。
「センパイはやっぱりダメかも知れませんね。最初から居ないものとして扱っていたほうが、よっぽど良かったですかね。訓練では優秀だったのに。難しいですね」
おっと、ここにも疲れて辛辣なのが……元々か。アラクネだからな。フニャ男は本当に嫌いだよな。真面目だからね。そして怖い。
まあ、確かに駄目かも。もう目が死んでる。もう機械的に弾いてるだけ。それは本当に綺麗に“去なし”ている。不思議だね。何も考えないで身体を動かしている方が攻防力が高いなんて。このまま目が死んでりゃぁいいのにと、つい思っちゃいそうではあるけれど、やっぱり機械は機械。とっさの対応力が皆無。チョッとしたことが切っ掛けで大崩れするパターン。被害は彼の相棒の射手に及び、やがて全体に及ぶ。
……そう、判ってたんだけどね。
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お読み頂き、誠にありがとうございます。
よろしければ次話もお楽しみ頂ければ幸いです。
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