34 / 102
Chap.3 My Little Mermaid
Chap.3 Sec.4
しおりを挟む
護身用にセトから渡されたバトン。警棒みたいにシンプルなそれは、表面を指先でなぞると長く伸びる。
最長でどこまで伸びるのだろう。試しに伸ばしてみると、室内ぎりぎりまで。細くなった先端は壁から壁の限界をこえてまだ伸びそうだったので、最長を知ることは諦めた。
適切なサイズに戻して、非常時を想定し振ってみる。先端に電流を流すモードはバチバチと火花が飛び、見るだけでも身がすくむ。この状態で相手を突いたり叩いたり……どれくらいのダメージになるのか。想像できない。
(セトはそろそろ着くころかな……)
待機中の室内で練習していると、バトンを持つのとは反対の腕に振動を覚えた。オフにした覚えはなかったのだが、ハウスを出てから自動でオフラインになっていたブレス端末。小さなライトが光って、許可なく音声が流れる。
《——アリスさん!》
一瞬、誰だったかと考えてしまったのは、声の印象だろうか。それとも発音だろうか。ミヅキの声は共通語ではなく、私の母国語で流れた。彼がこの言語を遣うのは初めてのことだった。
『ミヅキくん? どうし……』
《助けて! ハウスのみんなが大変なんだ! アリスさんがいなくなったせいでイシャンが撃たれたんだよ! お願い、戻ってきて!》
必死な声は珍しく危機迫っていて、伝えられた情報の緊急性を増した。
イシャンが、撃たれた。
——私のせいで。
身体が冷える感覚から、とっさに部屋を出ようとしたが、
——何があっても出るなよ? ロックしとくからな。
『……出られない。ロックされてるから……』
《それならボクが解除したから、急いで!》
『でも、セトが……』
『セトなら大丈夫。先に伝えたからハウスに向かってるはずだよ! アリスさんも、急いで戻ってきて! ——早く! 他のみんなまで攻撃されちゃうっ』
せき立てる声に押され、頭で考えるよりも先に開かれたドアを通っていた。地上に出ると真っ赤な車両が待ち構えたように建物の前にあって、乗り込め——ということだろうと察して乗車した。
宙に浮き上がった車両は滑り出し……
『? ……待って、ミヅキくん。ハウスは反対じゃ……?』
車体は透過したように周囲のようすを映し出した。
ここへ来るまでのルートに確信があるわけではないが、最初の広場を背に、来たときは目にしていない道を進み始めている。
『ミヅキくん、聞こえてる?』
《……聞こえてるよ。目的地はハウスじゃないんだ》
『え……?』
《すぐに着くから……心配しないで?》
——心配しないで、アリスさん。
かけられた声に、ハウスから避難したときの記憶が——
(違う、ミヅキくんはこんな話し方なんてしない)
ミヅキはAIだ。心はなく、非常時にこちらを焦らせるような、危機感をあおる声は出さない。ハウスから避難するときも、あくまで穏やかに、いたわりのある笑顔で誘導してくれた。非常時に淡々とした声になることはあっても……
『……止めて』
《なぁに?》
『車を止めて。戻って』
《その命令は……聞けないなぁ?》
クスクスクス。忍び笑いが聞こえる。状況を把握したわけではないが、混乱のなか自分が犯したミスを理解して凍りつく。
サリサリとした笑い声が、鼓膜を掻いた。
《——ボク、すぐに着くって言ったでしょ?》
突如、車が停止した。
慣性の法則に負けた上体がベルトに食い込み、前に流れた頭が、反動で戻り勢いよくヘッドレストにぶつかった。衝撃に息が止まる。
動けずにいると、ドアが開き車体が傾いて——勝手に外れたベルトから、身体が解放されていた。
ぶつかる——!
とっさに出した手で頭を護り、振り落とされた身体に力を入れた。地面までの高さがなかったため、転倒する程度のダメージで済んだが……
舗装された道に擦れた手が、熱く痛む。
立ち上がらなければ——思うのに、続けざまで衝撃を受けた身体は力が入らず、かろうじて上体だけを無理やり起こした。
周りを確認する。辺りに並ぶ枯れたような黒の樹木。昼間だというのに薄暗いのは、空が何かで覆われているからか——見上げた先は屋根みたいなものが高く遠く広がっている。巨大なテントのように外界から隔離された地は、独特な匂いがした。傷が膿んだような、腐敗したような——崩れゆく生命の匂い。
ぞわりと鳥肌が立った。
腰横に着けていたバトンを取って伸ばし、それを頼りになんとか立ち上がる。
よく見れば樹木は等間隔に並んでいて、さびれた並木通りに見える。赤い車はすでに立ち去っていた。
建物は近未来的な素材なのにクラシックなデザイン。荒廃している。解放されたドアの奥はどこも暗くはっきりと見えないが、物はなく、がらんとしているように思う。
(戻らないと……)
来た道は、記憶をたどれば曖昧ながらも浮かんでくるので、戻れると思う。ただ距離が……どれほどになるのか。スピードはかなり出ていた。時間にして5分強。10キロ以上離れてしまっただろうか。セトが帰ってくるまでに戻れそうもない。
(——じゃなくて、先にセトに知らせたほうが)
ブレス端末に触れてみるが、反応がない。車から落ちたときにぶつけたらしく、白っぽい金属はすり傷だらけになっていた。かろうじて電源はついているのか、小さなライトが明滅している。
連絡は諦めて、とにかく戻ろうと足を動かした。
地面に打った身体は歩き始めると痛みを感じたが、耐えられないほどではない。杖がわりのバトンのおかげで歩ける。本来の使い方ではないけれど……致し方ない。
周りに気を配りながら、前へ前へと足を出して進んでいると、
——ふと、いやな音がした。
ずる、ずる、ずる、
濡れた何かを引きずるような、道をこする音。かすかな音は自分の呼吸音のせいで聞きのがしていたが、集中すると確かに聞こえる。見渡すかぎり、道には誰もいない。
そうなると——建物の中。緊張の走る目で周囲のドアへと目を回していく。
……何かが、小さく光った。
通り過ぎたはずの建物の入り口、陰になった暗がりから——ぎょろり、と。
濁った目玉がふたつ、私に向いていた。
「ひっ——」
悲鳴は、すぐに抑え込んだ。固まったまま見つめる先にいたのは、痩せこけた身体の人間だった。
脂の抜けた枯れたような肌。頭髪は半分が抜け落ち、手は血が乾いて張り付いたように黒ずんでいる。片脚が途中の足首から半分ほど千切れていて、垂れる血をまとった足先をずるずると引きずりながら——私の方へ、と。確かに向かってこようとしている。
——お姫様、感染者は健全な者に惹かれるのです。
頭に、いつだったか感染者について説明してくれたアリアの声が、
——なぜ惹かれるのかは明白になっていません。社会はそれを調べる時間も人員もありませんでしたから。……ただ、惹かれるといっても、彼らはその暴力性によって攻撃してきます。唾液にウィルスが含まれるので、咬み付かれたり傷口を舐められたりした場合は非常に危険です。検査で抗体があるから100パーセント感染しない——との保証にはなりませんので、感染者に近づくことのないよう、お願いします。
脳に浮かぶ警告が、止まっていた足を動かした。
感染者は病人。興奮させなければ、走ってくるなんてことは滅多にない、らしい。あと光にも弱いと聞いている。瞳孔がうまく機能しないから、日中の光は眩しすぎて——だから室内の暗がりにいたのか——動きが鈍るらしい。
刺激しないよう気をつけながら距離を取っていく。大丈夫、あっちは足を怪我している。まともに走れない。大丈夫。
早鐘を打つ心臓をなだめるため、自分へと言い聞かせる。目は離せないが、確実に離れている。大丈夫。一人だけなら、仮に襲われたとしても倒せる。
ひとり、だけなら…………
ぞっとしたのは、離れたはずの感染者が暗がりに戻ることなく建物から出て来たせいではない。
張り詰めた意識に届いた別の気配が——
通りには、建物がいくつも並んでいる。
それこそ果てしないほど、戻るための道すがらにはドアが——ぽっかりと口を開けている。
行き先の長い道は、覆われた屋根のせいで薄暗く、十分な光量がない。気丈に保とうとしていた意志が……恐怖に蝕まれていく。
——じっとしてろよ、頼むから。
震える頭に、セトの心配する声が聞こえた。もし、ここで私に何かあったら……後悔でセトが辛い思いをする。
(怯えてる場合じゃない。落ち着いて……なるべく音を立てずに、両側の建物から距離を取って中央を歩けば……)
冷静に思考を回して、恐怖に囚われかけた自分を叱咤し、辺りに細心の注意を払う。
戻る道は長くとも2時間。襲い掛かられることも想定して、戦うための余力を残しつつ早足で。
——大丈夫、やれる。
今までにもっと怖いことはあった。これくらい乗り越えられる。
前とは違う。
今は、私のことを心から心配してくれるひとがいるから……絶対に、自分を投げ出したりしない。諦めたりしない。
ぎゅっと強くバトンを握った。
胸に宿る熱が、身体の震えを止めてくれる。
「……だいじょうぶ」
彼らと同じ言語で小さく唱えた。
戦う意志を奮い立たせるため、魔法をかけるように。
最長でどこまで伸びるのだろう。試しに伸ばしてみると、室内ぎりぎりまで。細くなった先端は壁から壁の限界をこえてまだ伸びそうだったので、最長を知ることは諦めた。
適切なサイズに戻して、非常時を想定し振ってみる。先端に電流を流すモードはバチバチと火花が飛び、見るだけでも身がすくむ。この状態で相手を突いたり叩いたり……どれくらいのダメージになるのか。想像できない。
(セトはそろそろ着くころかな……)
待機中の室内で練習していると、バトンを持つのとは反対の腕に振動を覚えた。オフにした覚えはなかったのだが、ハウスを出てから自動でオフラインになっていたブレス端末。小さなライトが光って、許可なく音声が流れる。
《——アリスさん!》
一瞬、誰だったかと考えてしまったのは、声の印象だろうか。それとも発音だろうか。ミヅキの声は共通語ではなく、私の母国語で流れた。彼がこの言語を遣うのは初めてのことだった。
『ミヅキくん? どうし……』
《助けて! ハウスのみんなが大変なんだ! アリスさんがいなくなったせいでイシャンが撃たれたんだよ! お願い、戻ってきて!》
必死な声は珍しく危機迫っていて、伝えられた情報の緊急性を増した。
イシャンが、撃たれた。
——私のせいで。
身体が冷える感覚から、とっさに部屋を出ようとしたが、
——何があっても出るなよ? ロックしとくからな。
『……出られない。ロックされてるから……』
《それならボクが解除したから、急いで!》
『でも、セトが……』
『セトなら大丈夫。先に伝えたからハウスに向かってるはずだよ! アリスさんも、急いで戻ってきて! ——早く! 他のみんなまで攻撃されちゃうっ』
せき立てる声に押され、頭で考えるよりも先に開かれたドアを通っていた。地上に出ると真っ赤な車両が待ち構えたように建物の前にあって、乗り込め——ということだろうと察して乗車した。
宙に浮き上がった車両は滑り出し……
『? ……待って、ミヅキくん。ハウスは反対じゃ……?』
車体は透過したように周囲のようすを映し出した。
ここへ来るまでのルートに確信があるわけではないが、最初の広場を背に、来たときは目にしていない道を進み始めている。
『ミヅキくん、聞こえてる?』
《……聞こえてるよ。目的地はハウスじゃないんだ》
『え……?』
《すぐに着くから……心配しないで?》
——心配しないで、アリスさん。
かけられた声に、ハウスから避難したときの記憶が——
(違う、ミヅキくんはこんな話し方なんてしない)
ミヅキはAIだ。心はなく、非常時にこちらを焦らせるような、危機感をあおる声は出さない。ハウスから避難するときも、あくまで穏やかに、いたわりのある笑顔で誘導してくれた。非常時に淡々とした声になることはあっても……
『……止めて』
《なぁに?》
『車を止めて。戻って』
《その命令は……聞けないなぁ?》
クスクスクス。忍び笑いが聞こえる。状況を把握したわけではないが、混乱のなか自分が犯したミスを理解して凍りつく。
サリサリとした笑い声が、鼓膜を掻いた。
《——ボク、すぐに着くって言ったでしょ?》
突如、車が停止した。
慣性の法則に負けた上体がベルトに食い込み、前に流れた頭が、反動で戻り勢いよくヘッドレストにぶつかった。衝撃に息が止まる。
動けずにいると、ドアが開き車体が傾いて——勝手に外れたベルトから、身体が解放されていた。
ぶつかる——!
とっさに出した手で頭を護り、振り落とされた身体に力を入れた。地面までの高さがなかったため、転倒する程度のダメージで済んだが……
舗装された道に擦れた手が、熱く痛む。
立ち上がらなければ——思うのに、続けざまで衝撃を受けた身体は力が入らず、かろうじて上体だけを無理やり起こした。
周りを確認する。辺りに並ぶ枯れたような黒の樹木。昼間だというのに薄暗いのは、空が何かで覆われているからか——見上げた先は屋根みたいなものが高く遠く広がっている。巨大なテントのように外界から隔離された地は、独特な匂いがした。傷が膿んだような、腐敗したような——崩れゆく生命の匂い。
ぞわりと鳥肌が立った。
腰横に着けていたバトンを取って伸ばし、それを頼りになんとか立ち上がる。
よく見れば樹木は等間隔に並んでいて、さびれた並木通りに見える。赤い車はすでに立ち去っていた。
建物は近未来的な素材なのにクラシックなデザイン。荒廃している。解放されたドアの奥はどこも暗くはっきりと見えないが、物はなく、がらんとしているように思う。
(戻らないと……)
来た道は、記憶をたどれば曖昧ながらも浮かんでくるので、戻れると思う。ただ距離が……どれほどになるのか。スピードはかなり出ていた。時間にして5分強。10キロ以上離れてしまっただろうか。セトが帰ってくるまでに戻れそうもない。
(——じゃなくて、先にセトに知らせたほうが)
ブレス端末に触れてみるが、反応がない。車から落ちたときにぶつけたらしく、白っぽい金属はすり傷だらけになっていた。かろうじて電源はついているのか、小さなライトが明滅している。
連絡は諦めて、とにかく戻ろうと足を動かした。
地面に打った身体は歩き始めると痛みを感じたが、耐えられないほどではない。杖がわりのバトンのおかげで歩ける。本来の使い方ではないけれど……致し方ない。
周りに気を配りながら、前へ前へと足を出して進んでいると、
——ふと、いやな音がした。
ずる、ずる、ずる、
濡れた何かを引きずるような、道をこする音。かすかな音は自分の呼吸音のせいで聞きのがしていたが、集中すると確かに聞こえる。見渡すかぎり、道には誰もいない。
そうなると——建物の中。緊張の走る目で周囲のドアへと目を回していく。
……何かが、小さく光った。
通り過ぎたはずの建物の入り口、陰になった暗がりから——ぎょろり、と。
濁った目玉がふたつ、私に向いていた。
「ひっ——」
悲鳴は、すぐに抑え込んだ。固まったまま見つめる先にいたのは、痩せこけた身体の人間だった。
脂の抜けた枯れたような肌。頭髪は半分が抜け落ち、手は血が乾いて張り付いたように黒ずんでいる。片脚が途中の足首から半分ほど千切れていて、垂れる血をまとった足先をずるずると引きずりながら——私の方へ、と。確かに向かってこようとしている。
——お姫様、感染者は健全な者に惹かれるのです。
頭に、いつだったか感染者について説明してくれたアリアの声が、
——なぜ惹かれるのかは明白になっていません。社会はそれを調べる時間も人員もありませんでしたから。……ただ、惹かれるといっても、彼らはその暴力性によって攻撃してきます。唾液にウィルスが含まれるので、咬み付かれたり傷口を舐められたりした場合は非常に危険です。検査で抗体があるから100パーセント感染しない——との保証にはなりませんので、感染者に近づくことのないよう、お願いします。
脳に浮かぶ警告が、止まっていた足を動かした。
感染者は病人。興奮させなければ、走ってくるなんてことは滅多にない、らしい。あと光にも弱いと聞いている。瞳孔がうまく機能しないから、日中の光は眩しすぎて——だから室内の暗がりにいたのか——動きが鈍るらしい。
刺激しないよう気をつけながら距離を取っていく。大丈夫、あっちは足を怪我している。まともに走れない。大丈夫。
早鐘を打つ心臓をなだめるため、自分へと言い聞かせる。目は離せないが、確実に離れている。大丈夫。一人だけなら、仮に襲われたとしても倒せる。
ひとり、だけなら…………
ぞっとしたのは、離れたはずの感染者が暗がりに戻ることなく建物から出て来たせいではない。
張り詰めた意識に届いた別の気配が——
通りには、建物がいくつも並んでいる。
それこそ果てしないほど、戻るための道すがらにはドアが——ぽっかりと口を開けている。
行き先の長い道は、覆われた屋根のせいで薄暗く、十分な光量がない。気丈に保とうとしていた意志が……恐怖に蝕まれていく。
——じっとしてろよ、頼むから。
震える頭に、セトの心配する声が聞こえた。もし、ここで私に何かあったら……後悔でセトが辛い思いをする。
(怯えてる場合じゃない。落ち着いて……なるべく音を立てずに、両側の建物から距離を取って中央を歩けば……)
冷静に思考を回して、恐怖に囚われかけた自分を叱咤し、辺りに細心の注意を払う。
戻る道は長くとも2時間。襲い掛かられることも想定して、戦うための余力を残しつつ早足で。
——大丈夫、やれる。
今までにもっと怖いことはあった。これくらい乗り越えられる。
前とは違う。
今は、私のことを心から心配してくれるひとがいるから……絶対に、自分を投げ出したりしない。諦めたりしない。
ぎゅっと強くバトンを握った。
胸に宿る熱が、身体の震えを止めてくれる。
「……だいじょうぶ」
彼らと同じ言語で小さく唱えた。
戦う意志を奮い立たせるため、魔法をかけるように。
107
あなたにおすすめの小説
妻からの手紙~18年の後悔を添えて~
Mio
ファンタジー
妻から手紙が来た。
妻が死んで18年目の今日。
息子の誕生日。
「お誕生日おめでとう、ルカ!愛してるわ。エミリア・シェラード」
息子は…17年前に死んだ。
手紙はもう一通あった。
俺はその手紙を読んで、一生分の後悔をした。
------------------------------
ママと中学生の僕
キムラエス
大衆娯楽
「ママと僕」は、中学生編、高校生編、大学生編の3部作で、本編は中学生編になります。ママは子供の時に両親を事故で亡くしており、結婚後に夫を病気で失い、身内として残された僕に精神的に依存をするようになる。幼少期の「僕」はそのママの依存が嬉しく、素敵なママに甘える閉鎖的な生活を当たり前のことと考える。成長し、性に目覚め始めた中学生の「僕」は自分の性もママとの日常の中で処理すべきものと疑わず、ママも戸惑いながらもママに甘える「僕」に満足する。ママも僕もそうした行為が少なからず社会規範に反していることは理解しているが、ママとの甘美な繋がりは解消できずに戸惑いながらも続く「ママと中学生の僕」の営みを描いてみました。
ヤクザに医官はおりません
ユーリ(佐伯瑠璃)
ライト文芸
彼は私の知らない組織の人間でした
会社の飲み会の隣の席のグループが怪しい。
シャバだの、残弾なしだの、会話が物騒すぎる。刈り上げ、角刈り、丸刈り、眉毛シャキーン。
無駄にムキムキした体に、堅い言葉遣い。
反社会組織の集まりか!
ヤ◯ザに見初められたら逃げられない?
勘違いから始まる異文化交流のお話です。
※もちろんフィクションです。
小説家になろう、カクヨムに投稿しています。
愛された側妃と、愛されなかった正妃
編端みどり
恋愛
隣国から嫁いだ正妃は、夫に全く相手にされない。
夫が愛しているのは、美人で妖艶な側妃だけ。
連れて来た使用人はいつの間にか入れ替えられ、味方がいなくなり、全てを諦めていた正妃は、ある日側妃に子が産まれたと知った。自分の子として育てろと無茶振りをした国王と違い、産まれたばかりの赤ん坊は可愛らしかった。
正妃は、子育てを通じて強く逞しくなり、夫を切り捨てると決めた。
※カクヨムさんにも掲載中
※ 『※』があるところは、血の流れるシーンがあります
※センシティブな表現があります。血縁を重視している世界観のためです。このような考え方を肯定するものではありません。不快な表現があればご指摘下さい。
✿ 私は彼のことが好きなのに、彼は私なんかよりずっと若くてきれいでスタイルの良い女が好きらしい
設楽理沙
ライト文芸
累計ポイント100万ポイント超えました。皆さま、ありがとうございます。❀
結婚後、2か月足らずで夫の心変わりを知ることに。
結婚前から他の女性と付き合っていたんだって。
それならそうと、ちゃんと話してくれていれば、結婚なんて
しなかった。
呆れた私はすぐに家を出て自立の道を探すことにした。
それなのに、私と別れたくないなんて信じられない
世迷言を言ってくる夫。
だめだめ、信用できないからね~。
さようなら。
*******.✿..✿.*******
◇|日比野滉星《ひびのこうせい》32才 会社員
◇ 日比野ひまり 32才
◇ 石田唯 29才 滉星の同僚
◇新堂冬也 25才 ひまりの転職先の先輩(鉄道会社)
2025.4.11 完結 25649字
紙の上の空
中谷ととこ
ライト文芸
小学六年生の夏、父が突然、兄を連れてきた。
容姿に恵まれて才色兼備、誰もが憧れてしまう女性でありながら、裏表のない竹を割ったような性格の八重嶋碧(31)は、幼い頃からどこにいても注目され、男女問わず人気がある。
欲しいものは何でも手に入りそうな彼女だが、本当に欲しいものは自分のものにはならない。欲しいすら言えない。長い長い片想いは成就する見込みはなく半分腐りかけているのだが、なかなか捨てることができずにいた。
血の繋がりはない、兄の八重嶋公亮(33)は、未婚だがとっくに独立し家を出ている。
公亮の親友で、碧とは幼い頃からの顔見知りでもある、斎木丈太郎(33)は、碧の会社の近くのフレンチ店で料理人をしている。お互いに好き勝手言える気心の知れた仲だが、こちらはこちらで本心は隠したまま碧の動向を見守っていた。
🥕おしどり夫婦として12年間の結婚生活を過ごしてきたが一波乱あり、妻は夫を誰かに譲りたくなるのだった。
設楽理沙
ライト文芸
☘ 累計ポイント/ 180万pt 超えました。ありがとうございます。
―― 備忘録 ――
第8回ライト文芸大賞では大賞2位ではじまり2位で終了。 最高 57,392 pt
〃 24h/pt-1位ではじまり2位で終了。 最高 89,034 pt
◇ ◇ ◇ ◇
紳士的でいつだって私や私の両親にやさしくしてくれる
素敵な旦那さま・・だと思ってきたのに。
隠された夫の一面を知った日から、眞奈の苦悩が
始まる。
苦しくて、悲しくてもののすごく惨めで・・
消えてしまいたいと思う眞奈は小さな子供のように
大きな声で泣いた。
泣きながらも、よろけながらも、気がつけば
大地をしっかりと踏みしめていた。
そう、立ち止まってなんていられない。
☆-★-☆-★+☆-★-☆-★+☆-★-☆-★
2025.4.19☑~
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる