54 / 72
オペラ座の幻影
Chap.5 Sec.8
しおりを挟む
熱に浮かされた脳に、くもりのない声がどこまでも広がっていく。
——復讐の炎は
——地獄のように我が心に燃え
低く澄んだ音は厄介なほど明瞭な響きで鳴り続け、増幅された眩暈は思考にまで影響を及ぼしていく。
——頭が痛い。
自分が今どこに立っているのかも分からない。
揺れる暗闇のなか、いつまでも鳴り止まない音の反響に苛まれていると……ふと、ひんやりとした何かが肌を撫でた。
冷たく心地のよい感触が、濁った意識の輪郭を取り戻そうとする。
——ルネがいいの。ルネじゃなきゃだめなの。
暗闇に、うわごとのような声がいとけなく響いた。
立ちくらむ音の渦を払って、その声だけが、まっすぐに。
その声を護るために、すべて諦めて目をつぶってしまおうかと思うのに——
できない。呪いの歌が、暗闇に引きずり込もうとする。
——ここは魔の巣窟だ。一度でも手放せば、闇に喰われてしまうよ?
……いっそのこと手放せるなら。
あの小さな手を、過去に一度でも振り払っていたら——もっと冷酷でいられただろうか。
§
「………………?」
開いた目が映したのは、自室の天井だった。
しかし、ここで眠ることなど数える程しかなかったルネにとって、記憶に結びつくまでしばし時間を要した。
屋敷にある尖塔の、3階に位置するプライベート空間。着替えで使うくらいのその場所は、ベッドとクローゼットしか家具がなく、必要ともしていない。
いつ眠ってしまったのかと考えながら体を起こそうとして、ひょこりと。
視界に顔を出した彼女が、
「起きたの?」
「………………」
まだまともに動いていない脳が、完全に停止する。
理解のないまま、ルネは口を開いていた。
「お嬢様……ここで何を?」
「……看病、ですけど」
「看病?」
「……覚えてないの? あなた、屋敷についてすぐに倒れたのよ。従僕長のバローさんが運んでくれて……お医者様が言うには、診断は風邪だけど、過労からくるものでしょう……と。それもそうよね、あなた働きすぎだもの。父も衝撃を受けて落ち込んでるし、ゲランさんも気づけなかったことから自責の念にかられてるわ。いま屋敷中があなたへの同情の気持ちでいっぱいな感じ」
「……お戯れでございますよね?」
「いいえ、全部ほんとの話よ」
むくりと起き上がろうとしたルネの体を、彼女は強制的に押し戻した。
「——ダメよ、起きないで。お医者様は丸一日は絶対安静と言っていたわ。まだ朝にもなってないのよ、起きる資格ないわ」
「もう回復いたしましたから、どうぞお気になさらず……」
「ダメ。あなたの言葉は当てにならない。仕事のことだって……あなたも悪いのよ。次々と引き受けるから、みんなあなたに頼ってしまったの。無理なら無理と言って……誰かに回さなくては。それに応えられないほどこの屋敷のみんなは無能ではないし、冷たくもないはずよ」
「………………」
上体を起こそうとするルネの肩を押さえ込み、彼女は強く言い放った。
目の端を吊り上げて怒る顔に、ルネは小さく苦笑する。
彼女に諭される日がくるとは。時の流れとは実に早いものだと感じていた。
「……状況は理解いたしましたが……お嬢様がここにいる理由にはなっておりませんね?」
「……どういうこと?」
「どうしてお嬢様がここにいらっしゃるのでしょう?」
「……わたしが看病を申し出たから。お父様にお願いしたのよ」
「よく通りましたね?」
「それくらい落ち込んでいたのよ。あなたが余裕そうに振るまったせいなんだから……責任とってちゃんと休んでちょうだい」
「……大したことではありませんよ。眩暈がしていたところに、タイミング悪くオペラ座の照明が負担となっただけでございます」
「だったらもっと早く言って。オペラの付き添いなんてあなたでなくてもいいんだから……」
「さようでございますか」
起き上がるのは諦めたのか、ルネはベッドに横たわったまま笑って目を閉じた。
微笑んではいたが、どこか突き放すような響きの言葉に彼女が止まっていると、
「もう看病は必要ありませんから……どうぞ、お嬢様もお休みくださいませ」
灯された明かりから顔をそらすようにして、ルネは首を横に回す。
顔の見えなくなったルネの表情を追うように流れた彼女の目は、動かなくなったルネの後頭部を見つめて困惑していた。出て行けというニュアンスを感じたが……そばを離れたくない。
そんな彼女の心を読んだルネは、声だけ素に戻し、
「君が俺の心配をするのはおかしいな。むしろこの機会に俺を追い込むべきじゃないか?」
「……そんなことするわけないでしょう」
「何故? 俺がこの屋敷に破滅を招くと分かっているのに?」
「……あなたと戦う気なんてない。言ったはずよ」
「君が戦えないのは〈優しいルネ〉だろう? そんなものは偽りだと知っていながら……いつまで幻影に囚われてるんだ?」
「………………」
「君が好きだったルネは最初からいない。家族を本当に護りたければ、俺の看病なんてせず見殺しにしたほうが建設的だと思うがな」
かすかに熱を帯びた脳でつらつらと述べると、一度ルネは言葉を切った。ふいに頭の奥を刺した痛みに、自然と手を側頭部へとかざしていた。
彼女が反応する。
「……痛いの?」
「いや……」
「冷やす?」
「必要なら自分でやるよ。君は早く眠ってくれ。ひとりのほうが頭に音が響かない」
「…………黙っているから、そばにいてはいけない?」
「君はあまり俺の話を聞いていないな」
「……聞いてるわ」
「出ていけと言わないと伝わらないのか?」
「……何かあったら心配だから、そばにいたいの」
ルネの手と頭のあいだを縫うように、彼女の手がそろりと差し込まれる。
「……熱も、まだ少しあるみたい」
あきれたのか面倒になったのか、ルネは返事をしない。
桶の中で濡らした布をきゅっと絞り、反対を向くルネの側頭部へと当てる。彼はため息をもらした。
ほてるルネの肌を感じながら、彼女はぼんやりと記憶をたどっていた。
「……昔と、逆ね」
壁が円をえがく室内に、彼女の声が小さく響く。
「わたしが体調を崩したときは……ルネが一晩中わたしを見てくれたわ……」
「……自主的にしたわけじゃない。君が俺に一晩中いるよう命じたんだ」
「……え、わたしが?」
「記憶にないか。過去の君は、体調が悪いと幼児化して俺に命じてくる子だった」
「わたし、ルネに命令なんてしたこと……ないと思ってるんだけど……」
「俺からしたらお願いも命令と同じだな」
「…………そう、なの」
ひんやりとした空気に、沈黙が降りる。
時間を置いて、ルネの口から深い息が吐き出された。
「出ていってもらえないか? 許可が出てるとしても、一晩中、本当に君に看病させるわけにはいかない。使用人にそんなことはしなくていい」
「……わたしは昨日眠ったから平気よ」
「そんなことは心配してない」
「………………」
「見張りが必要なら、君じゃなくて他の使用人を付けてくれ。巡回の者でもいい」
「……あなたの看病なら、希望が出てたけれど……」
「ならその者でいいだろ。代わってくれ」
「……最近入ったメイドだから……いろいろと分からないことも多いかもしれないし……」
「どんな者でも使用人なら君よりは仕事慣れしてる。俺が最初に指導したんだから、心配は要らない」
「……指導?」
「採用したときに説明はしてる。……ああ、希望してるのはココか?」
「……ココ?」
「コレット・メルシエ。入ったばかりだが、仕事は正確にしてくれる。なんの問題もないから、彼女に任せて君は早く……」
一向に動く気配のない彼女に、ルネは顔を戻して強めの声で告げようとしたが、言葉を言い終える前に彼女の手によって唇を押さえられた。傷ひとつない柔らかな手が、ぎゅっとルネの唇を覆っていた。
眉をひそめたルネが目を上げると、泣きそうな瞳とぶつかり、
「……もう、喋らないで。わたしも喋らないから……ルネは元気になることだけ考えて」
押さえる手を払うためにルネは手を出したが、掴んでどかしても、その手は小さく抵抗してくる。
「……君が部屋に戻れば、俺も休める」
「どうしてわたしではだめなの」
「使用人をみる主人がどこにいるんだ」
「ここにいるわ。お父様もいいって言ってくれたのよ」
「……そういう話じゃないだろ。疲れているのに共にいれば、君までうつる。君が眠れていないのを誰も知らないから……」
ルネの言葉は、途切れた。
押さえられた手の代わりに、くちづけがその唇を封じた。
すぐに離れはしたが、泣きそうな瞳は声までも潤ませて、
「うつしていいから……そばにいさせて」
「……君にうつれば俺の立場がない」
「お願いも命令だと言ったわ。望まなくともあなたは聞くべきでしょう」
熱の残る唇が拒絶を口にできないよう、もういちど唇を重ねて吐息を呑み込む。
抵抗はないが、彼女が伸ばした舌をルネが掬い取ることはない。
それが悲しくて彼女が涙をこぼすと、冷たい雫がぽたりとルネの頬を濡らし……
下から伸びた手が、彼女の後頭部に回される。
彼女がその手に気づいたときには、ぐっと引き寄せられ、舌ごと深く交わっていた。
掌も、舌先も、合わさる皮膚も。
すべてがいつもよりも熱く、境界があいまいに溶ける。
こぼれる吐息が、どちらのものかも分からない。
「……朝まで、いてもいい?」
「明日の夜は必ず休むと約束するなら」
「するわ。絶対に休むから」
囁かれる誓いに、ルネの口からもう咎めの言葉はなかった。
——復讐の炎は
——地獄のように我が心に燃え
低く澄んだ音は厄介なほど明瞭な響きで鳴り続け、増幅された眩暈は思考にまで影響を及ぼしていく。
——頭が痛い。
自分が今どこに立っているのかも分からない。
揺れる暗闇のなか、いつまでも鳴り止まない音の反響に苛まれていると……ふと、ひんやりとした何かが肌を撫でた。
冷たく心地のよい感触が、濁った意識の輪郭を取り戻そうとする。
——ルネがいいの。ルネじゃなきゃだめなの。
暗闇に、うわごとのような声がいとけなく響いた。
立ちくらむ音の渦を払って、その声だけが、まっすぐに。
その声を護るために、すべて諦めて目をつぶってしまおうかと思うのに——
できない。呪いの歌が、暗闇に引きずり込もうとする。
——ここは魔の巣窟だ。一度でも手放せば、闇に喰われてしまうよ?
……いっそのこと手放せるなら。
あの小さな手を、過去に一度でも振り払っていたら——もっと冷酷でいられただろうか。
§
「………………?」
開いた目が映したのは、自室の天井だった。
しかし、ここで眠ることなど数える程しかなかったルネにとって、記憶に結びつくまでしばし時間を要した。
屋敷にある尖塔の、3階に位置するプライベート空間。着替えで使うくらいのその場所は、ベッドとクローゼットしか家具がなく、必要ともしていない。
いつ眠ってしまったのかと考えながら体を起こそうとして、ひょこりと。
視界に顔を出した彼女が、
「起きたの?」
「………………」
まだまともに動いていない脳が、完全に停止する。
理解のないまま、ルネは口を開いていた。
「お嬢様……ここで何を?」
「……看病、ですけど」
「看病?」
「……覚えてないの? あなた、屋敷についてすぐに倒れたのよ。従僕長のバローさんが運んでくれて……お医者様が言うには、診断は風邪だけど、過労からくるものでしょう……と。それもそうよね、あなた働きすぎだもの。父も衝撃を受けて落ち込んでるし、ゲランさんも気づけなかったことから自責の念にかられてるわ。いま屋敷中があなたへの同情の気持ちでいっぱいな感じ」
「……お戯れでございますよね?」
「いいえ、全部ほんとの話よ」
むくりと起き上がろうとしたルネの体を、彼女は強制的に押し戻した。
「——ダメよ、起きないで。お医者様は丸一日は絶対安静と言っていたわ。まだ朝にもなってないのよ、起きる資格ないわ」
「もう回復いたしましたから、どうぞお気になさらず……」
「ダメ。あなたの言葉は当てにならない。仕事のことだって……あなたも悪いのよ。次々と引き受けるから、みんなあなたに頼ってしまったの。無理なら無理と言って……誰かに回さなくては。それに応えられないほどこの屋敷のみんなは無能ではないし、冷たくもないはずよ」
「………………」
上体を起こそうとするルネの肩を押さえ込み、彼女は強く言い放った。
目の端を吊り上げて怒る顔に、ルネは小さく苦笑する。
彼女に諭される日がくるとは。時の流れとは実に早いものだと感じていた。
「……状況は理解いたしましたが……お嬢様がここにいる理由にはなっておりませんね?」
「……どういうこと?」
「どうしてお嬢様がここにいらっしゃるのでしょう?」
「……わたしが看病を申し出たから。お父様にお願いしたのよ」
「よく通りましたね?」
「それくらい落ち込んでいたのよ。あなたが余裕そうに振るまったせいなんだから……責任とってちゃんと休んでちょうだい」
「……大したことではありませんよ。眩暈がしていたところに、タイミング悪くオペラ座の照明が負担となっただけでございます」
「だったらもっと早く言って。オペラの付き添いなんてあなたでなくてもいいんだから……」
「さようでございますか」
起き上がるのは諦めたのか、ルネはベッドに横たわったまま笑って目を閉じた。
微笑んではいたが、どこか突き放すような響きの言葉に彼女が止まっていると、
「もう看病は必要ありませんから……どうぞ、お嬢様もお休みくださいませ」
灯された明かりから顔をそらすようにして、ルネは首を横に回す。
顔の見えなくなったルネの表情を追うように流れた彼女の目は、動かなくなったルネの後頭部を見つめて困惑していた。出て行けというニュアンスを感じたが……そばを離れたくない。
そんな彼女の心を読んだルネは、声だけ素に戻し、
「君が俺の心配をするのはおかしいな。むしろこの機会に俺を追い込むべきじゃないか?」
「……そんなことするわけないでしょう」
「何故? 俺がこの屋敷に破滅を招くと分かっているのに?」
「……あなたと戦う気なんてない。言ったはずよ」
「君が戦えないのは〈優しいルネ〉だろう? そんなものは偽りだと知っていながら……いつまで幻影に囚われてるんだ?」
「………………」
「君が好きだったルネは最初からいない。家族を本当に護りたければ、俺の看病なんてせず見殺しにしたほうが建設的だと思うがな」
かすかに熱を帯びた脳でつらつらと述べると、一度ルネは言葉を切った。ふいに頭の奥を刺した痛みに、自然と手を側頭部へとかざしていた。
彼女が反応する。
「……痛いの?」
「いや……」
「冷やす?」
「必要なら自分でやるよ。君は早く眠ってくれ。ひとりのほうが頭に音が響かない」
「…………黙っているから、そばにいてはいけない?」
「君はあまり俺の話を聞いていないな」
「……聞いてるわ」
「出ていけと言わないと伝わらないのか?」
「……何かあったら心配だから、そばにいたいの」
ルネの手と頭のあいだを縫うように、彼女の手がそろりと差し込まれる。
「……熱も、まだ少しあるみたい」
あきれたのか面倒になったのか、ルネは返事をしない。
桶の中で濡らした布をきゅっと絞り、反対を向くルネの側頭部へと当てる。彼はため息をもらした。
ほてるルネの肌を感じながら、彼女はぼんやりと記憶をたどっていた。
「……昔と、逆ね」
壁が円をえがく室内に、彼女の声が小さく響く。
「わたしが体調を崩したときは……ルネが一晩中わたしを見てくれたわ……」
「……自主的にしたわけじゃない。君が俺に一晩中いるよう命じたんだ」
「……え、わたしが?」
「記憶にないか。過去の君は、体調が悪いと幼児化して俺に命じてくる子だった」
「わたし、ルネに命令なんてしたこと……ないと思ってるんだけど……」
「俺からしたらお願いも命令と同じだな」
「…………そう、なの」
ひんやりとした空気に、沈黙が降りる。
時間を置いて、ルネの口から深い息が吐き出された。
「出ていってもらえないか? 許可が出てるとしても、一晩中、本当に君に看病させるわけにはいかない。使用人にそんなことはしなくていい」
「……わたしは昨日眠ったから平気よ」
「そんなことは心配してない」
「………………」
「見張りが必要なら、君じゃなくて他の使用人を付けてくれ。巡回の者でもいい」
「……あなたの看病なら、希望が出てたけれど……」
「ならその者でいいだろ。代わってくれ」
「……最近入ったメイドだから……いろいろと分からないことも多いかもしれないし……」
「どんな者でも使用人なら君よりは仕事慣れしてる。俺が最初に指導したんだから、心配は要らない」
「……指導?」
「採用したときに説明はしてる。……ああ、希望してるのはココか?」
「……ココ?」
「コレット・メルシエ。入ったばかりだが、仕事は正確にしてくれる。なんの問題もないから、彼女に任せて君は早く……」
一向に動く気配のない彼女に、ルネは顔を戻して強めの声で告げようとしたが、言葉を言い終える前に彼女の手によって唇を押さえられた。傷ひとつない柔らかな手が、ぎゅっとルネの唇を覆っていた。
眉をひそめたルネが目を上げると、泣きそうな瞳とぶつかり、
「……もう、喋らないで。わたしも喋らないから……ルネは元気になることだけ考えて」
押さえる手を払うためにルネは手を出したが、掴んでどかしても、その手は小さく抵抗してくる。
「……君が部屋に戻れば、俺も休める」
「どうしてわたしではだめなの」
「使用人をみる主人がどこにいるんだ」
「ここにいるわ。お父様もいいって言ってくれたのよ」
「……そういう話じゃないだろ。疲れているのに共にいれば、君までうつる。君が眠れていないのを誰も知らないから……」
ルネの言葉は、途切れた。
押さえられた手の代わりに、くちづけがその唇を封じた。
すぐに離れはしたが、泣きそうな瞳は声までも潤ませて、
「うつしていいから……そばにいさせて」
「……君にうつれば俺の立場がない」
「お願いも命令だと言ったわ。望まなくともあなたは聞くべきでしょう」
熱の残る唇が拒絶を口にできないよう、もういちど唇を重ねて吐息を呑み込む。
抵抗はないが、彼女が伸ばした舌をルネが掬い取ることはない。
それが悲しくて彼女が涙をこぼすと、冷たい雫がぽたりとルネの頬を濡らし……
下から伸びた手が、彼女の後頭部に回される。
彼女がその手に気づいたときには、ぐっと引き寄せられ、舌ごと深く交わっていた。
掌も、舌先も、合わさる皮膚も。
すべてがいつもよりも熱く、境界があいまいに溶ける。
こぼれる吐息が、どちらのものかも分からない。
「……朝まで、いてもいい?」
「明日の夜は必ず休むと約束するなら」
「するわ。絶対に休むから」
囁かれる誓いに、ルネの口からもう咎めの言葉はなかった。
31
あなたにおすすめの小説
どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~
さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」
あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。
弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。
弟とは凄く仲が良いの!
それはそれはものすごく‥‥‥
「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」
そんな関係のあたしたち。
でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥
「うそっ! お腹が出て来てる!?」
お姉ちゃんの秘密の悩みです。
初夜に暴言を吐いた夫は後悔し続ける──10年後の償い【完結】
星森 永羽(ほしもりとわ)
恋愛
王命により、辺境伯ロキアのもとへ嫁いだのは、金髪翠眼の美しき公爵令嬢スフィア。
だが、初夜に彼が告げたのは、愛も権限も与えないという冷酷な宣言だった。噂に踊らされ、彼女を「穢れた花嫁」と罵ったロキア。
しかし、わずか一日でスフィアは姿を消し、教会から届いたのは婚姻無効と慰謝料請求の書状──。
王と公爵の怒りを買ったロキアは、爵位も領地も名誉も奪われ、ただの補佐官として生きることに。
そして十年後、運命のいたずらか、彼は被災地で再びスフィアと出会う。
地位も捨て、娘を抱えて生きる彼女の姿に、ロキアの胸に去来するのは、悔恨と赦しを乞う想い──。
⚠️本作はAIの生成した文章を一部に使用しています。
私が王子との結婚式の日に、妹に毒を盛られ、公衆の面前で辱められた。でも今、私は時を戻し、運命を変えに来た。
MayonakaTsuki
恋愛
王子との結婚式の日、私は最も信頼していた人物――自分の妹――に裏切られた。毒を盛られ、公開の場で辱められ、未来の王に拒絶され、私の人生は血と侮辱の中でそこで終わったかのように思えた。しかし、死が私を迎えたとき、不可能なことが起きた――私は同じ回廊で、祭壇の前で目を覚まし、あらゆる涙、嘘、そして一撃の記憶をそのまま覚えていた。今、二度目のチャンスを得た私は、ただ一つの使命を持つ――真実を突き止め、奪われたものを取り戻し、私を破滅させた者たちにその代償を払わせる。もはや、何も以前のままではない。何も許されない。
JKメイドはご主人様のオモチャ 命令ひとつで脱がされて、触られて、好きにされて――
のぞみ
恋愛
「今日から、お前は俺のメイドだ。ベッドの上でもな」
高校二年生の蒼井ひなたは、借金に追われた家族の代わりに、ある大富豪の家で住み込みメイドとして働くことに。
そこは、まるでおとぎ話に出てきそうな大きな洋館。
でも、そこで待っていたのは、同じ高校に通うちょっと有名な男の子――完璧だけど性格が超ドSな御曹司、天城 蓮だった。
昼間は生徒会長、夜は…ご主人様?
しかも、彼の命令はちょっと普通じゃない。
「掃除だけじゃダメだろ? ご主人様の癒しも、メイドの大事な仕事だろ?」
手を握られるたび、耳元で囁かれるたび、心臓がバクバクする。
なのに、ひなたの体はどんどん反応してしまって…。
怒ったり照れたりしながらも、次第に蓮に惹かれていくひなた。
だけど、彼にはまだ知られていない秘密があって――
「…ほんとは、ずっと前から、私…」
ただのメイドなんかじゃ終わりたくない。
恋と欲望が交差する、ちょっぴり危険な主従ラブストーリー。
お腹の子と一緒に逃げたところ、結局お腹の子の父親に捕まりました。
下菊みこと
恋愛
逃げたけど逃げ切れなかったお話。
またはチャラ男だと思ってたらヤンデレだったお話。
あるいは今度こそ幸せ家族になるお話。
ご都合主義の多分ハッピーエンド?
小説家になろう様でも投稿しています。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる