とあるクラスの消失

倉箸なーこ

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少人数と大人数との非日常

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「いただきます!」

皆で手を合わせて、食材に向けて感謝を込める。ちびっこ達は元気よく給食を頬張った。可愛らしいこと。
リスのように頬をふくらませながら、生徒の1人が私に聞いた。

「花火先生は何しにこの学校来たのー?」

「ちょっと調べ物をね~、あ、ねぇ君達坂木先生知ってる?」

「…坂木先生?知ってます!俺の2年前担任でした!」

右斜め前に座る真面目そうな少年が、牛乳を飲み干してから言った。
おや、情報屋を1人発見。私は何処ぞの探偵少年のようにニヤリと笑い、その真面目そうな少年に聞いてみた。

「…2年前…ってことは坂木先生が行方不明になった年で良いのかな?」 

私はそう言うと、しゅんと班の生徒達は給食を食べる手を止めた。けれどその真面目少年は変わらず給食を食べながら言った。

「…はい、突然居なくなっちゃって…居なくなる前は特に何も変わった所もなく…‥あ、でも何だかやけに幸せそうだったのを覚えています。先生に『なんか良い事でもあったんですか?』って聞いてみたら『内緒です。でも…いつかわかるかもね、数年後の10月24日、誰かがきっと行動する』って言ってました」

「10月の24日?………今日じゃん。その誰かってもしかして…」

私は黒板に書かれた日付を見ながら呟いた。その誰かってもしかして…私は振り返りながら言った。

「「私達のこと?」」

遠くから聞いていたのだろう。夏目がこちらを見ながら言った。見事にハモった声は生徒達の目を輝かせた。

「おわーーー!!すげぇ!じゃあ坂木先生の予言は当たってんのかよ!?」

「え!?なに!?坂木先生って魔術師だったの!?」

「魔術師は違くね!?」

班の生徒達は大歓声を上げ各それぞれ話を膨らませ始めた。「しっ!なるべく小さい声で!」と私は人差し指を立てると「先生が魔術師ってバレたらあれだしね!」と生徒達は大人しくとひそひそと話しながら給食を食べ始めた。

「まぁとりあえずこの事は他言無用ってことで…」

「う、うん!言わない!」

私はひそひそ声で生徒達に言った。
いずれ知られるかも知れないが、あまりにも話が広がるのも面倒くさそうだからだ。まぁ、非日常な出来事を少人数だけで共有するのは最高に面白いだろう。
案の定、生徒達は秘密を共有した時のように楽しそうな顔を浮かべていた。

「そうだそうだ…坂木先生が行方不明になったあとってどうなったの?担任持ってたんだよね?」

「うーんとね…まるで待ってました!と言わんばかりに新しい先生がやってきた」

1人の女の子が、シューマイを睨みながら言った。シューマイ嫌いなのかな。

「そうそう!ぜってーおかしいよな!だって行方不明になって1日で新しい先生が来るんだぜ!?ただ『坂木先生からの要望だ』の一点張りでよォ」

ガキ大将のような男の子も、シューマイを睨みながら言った。シューマイ嫌いなのかな。

「へぇ…なんかそれはおかしいねぇ」

「だろ?」

「…あ、そうだその先生ってこの人?」

私はファイルの中から先程手に入れたその男の写真を取り出した。

「「「「あ!そうそう!この人!」」」」

生徒達は声を揃えてそう言った。

「…本当にそうなんだ…この先生ってまだこの学校にいるの?」

私は聞いた。

「うん、でも今日休みです」

男の子がそう言った。

「え?お休み?なんで?」

私はまた聞いた。

「…さぁ?今年は5年3組の担任なんですが、確か急用だかなんだかでお休みだと」

真面目少年がシューマイを睨みながら呟いた。
どうしてそんなに皆シューマイを睨むんだ?シューマイに親でも殺されたか?

「あ、でも、一昨日から様子がおかしかったらしいです。『10月24日までにはどうにかしないと』ってぶつぶつ呟いてたらしいです」

真面目少年が続けてそう言った。
それは何か怪しいなと、私は1度考えてみた。けれど空腹が勝って頭が回るのを拒否し始めたので、私はシューマイを口に放り込んだ。あぁ、なんか懐かしい味…けれども何だか変な感じがする。

「…う、なんだこ、れ…!?」

「「「「花火先生!?」」」」

急にぐわんと視点が回転した。ガタン!と音が響く。あれ、皆の足が見える。…倒れてる!?突如降り掛かった異常なほどのだるさと眠気を感じながら私は根性で起き上がろうとするが、急に力が抜けて、結局また倒れ込んだ。あー、なんかもう駄目な気がする。ぼんやりする視界の中、次々と生徒達すら倒れてく。クソ、シューマイに何か入れ込みやがったな

「…やっぱり、シューマイ変な感じがしたんだ」

班の女の子が呟く。くそぉ…言っておいてくれよ…
小学生の勘ってのは凄いもんだと感心しているうち、いつの間にか視界は暗転していた。









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