31 / 55
ミーアの使い魔キングウルフのギン
しおりを挟む
帝国に入ってから初めての街で食事をした後、オレ達は隣の街に向かって街道を歩き始めた。
「ユーリ。私、ゴーストとかゾンビとか苦手なんだけど。」
「ユリウス様。私もです。」
「ミーアは別に怖くないにゃ!」
「別に死霊系の魔物とは限らないよ。」
「でも夜にしか現れないんでしょ?」
「夜に活動する魔物は他にもいるからね。」
森に差し掛かったところで薄暗くなっていた。そこで、道から少し入った川沿いの開けた場所で野宿することにした。
「なんか嫌な雰囲気なんだけど。」
サニーがオレの腕に抱き着いてきた。ソフィアはそれを見て躊躇していたが、風で木が擦れる音がすると慌てて逆側に抱き着いてきた。
「あっ、すみません。ユリウス様。」
「いいよ。別に。」
「ずるいにゃ!私だけ1人にゃ!」
「だってミーは怖くないって言ったじゃない。」
「怖くないにゃ。でもミーアだってユリウス様にくっつきたいにゃ!」
カサカサ カサカサ
音のする方を振り向くと、そこにいたのはゴーストでもゾンビでもなく人間だった。しかも手に武器を持った男達がぞろぞろと現れた。
「あいつら盗賊じゃない?」
「たぶんね。」
サニーとソフィアがオレから離れた。そしてオレは気付かれないように空間収納から3人の武器を取り出した。
「お頭!久しぶりの獲物ですぜ!」
「おお!上玉じゃねぇか!」
「ウッシッシッ どうしやす?」
「男は殺せ!」
「へい。」
男達が近づいてくる。
「みんな。今回は任せたよ。」
「わかったわ。」
「お任せを。」
「了解にゃ。」
すると後ろにいた盗賊達から悲鳴が聞こえた。
ギャー
ギエー
何が起こっているのか確かめようと目に魔力を集中させると、キングウルフが盗賊達に襲い掛かったようだ。盗賊達の後ろに体の大きなキングウルフが見えた。
「おい!お前達!先にこっちの魔物だ!」
盗賊達はキングウルフの大きさに腰が引けている。一応剣は構えているが、その手は恐怖でぶるぶると震えていた。
「ユーリ。どうするの?」
「ミーア!お前、キングウルフの使い魔が欲しくないか?」
「欲しいにゃ!」
「なら、お前があのキングウルフの相手をしろ!」
「わかったにゃー!」
ミーアが物凄い速さでキングウルフに近づいた。キングウルフがうなり声をあげてミーアに噛みつこうとする。だが、ミーアがジャンプしてそれをかわして風魔法を放った。すると、キングウルフは風に飛ばされまいと必死に踏ん張っていたが、ミーアが風の中を素早く近づいて足に攻撃した。
バコン
キングウルフは風に飛ばされて地面に叩きつけられ、その場でぐったりと倒れてしまった。ミーアが慌てて近づいて確認したが、かなり弱っているようだった。
「サニー!お願いにゃ!」
サニーが光魔法のヒールでキングウルフの傷を癒やすと、キングウルフが攻撃してくるかと思いきや、サニーの手を舐めた後にミーアの足元で腹を見せた。服従の証だ。それを見ていた盗賊達はもう真っ青だ。自分達に勝ち目はないと思ったのか、一斉に逃げ出そうとした。
「化け物だ~!助けてくれ~!」
「逃がすわけないじゃん。」
『止まれ』
オレが声をかけると彼らは身動きができなくなった。
「なんだ?!どういうことだ?」
「お頭!俺達どうなるんすか?」
「知るわけねぇだろ!」
魔法で辺り一帯を調べてみると、川の向こう側に魔物の気配が複数あった。恐らく、オークかウォーウルフだろう。
「ソフィア!ミーア!彼らの武器と装備品を回収してくれ!」
「何をする気だ?やめろ!」
「じっとしてなさい!」
バコン
「やめてくれ!お願いだ!助けてくれ!」
オレは武器と装備品を回収した後、彼らを魔法の鎖で縛り上げ、空中に浮かせて川の向こうに放り投げた。
ドテッ ボコン
「痛たたた~!貴様ら!覚えてろよ!絶対に仕返ししてやるからな~!」
すると、キングウルフが遠吠えをあげた。
ワオー ワオー ワオー
対岸の草むらからぞろぞろとウォーウルフが集まってくる。どうやらキングウルフがウォーウルフに命令したようだ。ウォーウルフ達が拘束されている盗賊達に襲い掛かった。盗賊達はなすすべもなく絶命していく。
「た、助けてくれー!」
ギャー グワー
流石に人間が魔物に食べられる様子を見たくはない。
「行こうか。」
「そうね。」
川沿いを歩いていくと、そこから少し離れた所に開けた場所があった。
「今日はここで野宿しようか。」
「では、森で薪を集めてきます。」
「一緒に行くにゃー!」
ミーアが行こうとするとその後ろをキングウルフがついていく。それを見て思った。キングウルフはかなりの巨体だ。キングウルフを連れて街には入れない。そこで頭の中の知識から召喚魔法を調べてみた。
「ユリウス様~。薪をいっぱい拾ったにゃ。」
「ご苦労さん。ミーア。キングウルフだけど街に連れて行くわけにはいかないだろ?」
「嫌にゃ!ギンちゃんはミーアの使い魔にゃ!ずっと一緒にいるにゃ!」
「へ~。ギンちゃんって名前つけたんだ~。ミーもセンスいいわね。」
確かにギンはミーアになついている。だからといってAランクのキングウルフが街に入れば大騒ぎだ。
「ミーアの気持ちもわかるけどさ。街の人達が怖がるだろ。」
「そうよ!ミーア!私達は隠密行動をとっているのよ!」
ミーアがしょんぼりしてしまった。先ほど調べた召喚魔法を試してみるしかないだろう。
「ミーア。あのさー。今から召喚魔法を教えるから、それを覚えたらいいよ。」
「そんなことできるにゃ?」
「ミーアにできるかどうかは、やってみないと分からないけどさ。」
オレはミーアに召喚魔法を教えた。すると、キングウルフの姿が見えなくなっていく。そして、再度呼び出すと、地面が黒くなり、そこからキングウルフが現れた。
「やったにゃー!成功にゃー!これならいつでも会えるにゃー!」
キングウルフがペロペロとミーアの顔をなめていた。そして、その日はオレが空間収納に仕舞っておいた食料を食べて寝ることにした。
「ユーリ。私、ゴーストとかゾンビとか苦手なんだけど。」
「ユリウス様。私もです。」
「ミーアは別に怖くないにゃ!」
「別に死霊系の魔物とは限らないよ。」
「でも夜にしか現れないんでしょ?」
「夜に活動する魔物は他にもいるからね。」
森に差し掛かったところで薄暗くなっていた。そこで、道から少し入った川沿いの開けた場所で野宿することにした。
「なんか嫌な雰囲気なんだけど。」
サニーがオレの腕に抱き着いてきた。ソフィアはそれを見て躊躇していたが、風で木が擦れる音がすると慌てて逆側に抱き着いてきた。
「あっ、すみません。ユリウス様。」
「いいよ。別に。」
「ずるいにゃ!私だけ1人にゃ!」
「だってミーは怖くないって言ったじゃない。」
「怖くないにゃ。でもミーアだってユリウス様にくっつきたいにゃ!」
カサカサ カサカサ
音のする方を振り向くと、そこにいたのはゴーストでもゾンビでもなく人間だった。しかも手に武器を持った男達がぞろぞろと現れた。
「あいつら盗賊じゃない?」
「たぶんね。」
サニーとソフィアがオレから離れた。そしてオレは気付かれないように空間収納から3人の武器を取り出した。
「お頭!久しぶりの獲物ですぜ!」
「おお!上玉じゃねぇか!」
「ウッシッシッ どうしやす?」
「男は殺せ!」
「へい。」
男達が近づいてくる。
「みんな。今回は任せたよ。」
「わかったわ。」
「お任せを。」
「了解にゃ。」
すると後ろにいた盗賊達から悲鳴が聞こえた。
ギャー
ギエー
何が起こっているのか確かめようと目に魔力を集中させると、キングウルフが盗賊達に襲い掛かったようだ。盗賊達の後ろに体の大きなキングウルフが見えた。
「おい!お前達!先にこっちの魔物だ!」
盗賊達はキングウルフの大きさに腰が引けている。一応剣は構えているが、その手は恐怖でぶるぶると震えていた。
「ユーリ。どうするの?」
「ミーア!お前、キングウルフの使い魔が欲しくないか?」
「欲しいにゃ!」
「なら、お前があのキングウルフの相手をしろ!」
「わかったにゃー!」
ミーアが物凄い速さでキングウルフに近づいた。キングウルフがうなり声をあげてミーアに噛みつこうとする。だが、ミーアがジャンプしてそれをかわして風魔法を放った。すると、キングウルフは風に飛ばされまいと必死に踏ん張っていたが、ミーアが風の中を素早く近づいて足に攻撃した。
バコン
キングウルフは風に飛ばされて地面に叩きつけられ、その場でぐったりと倒れてしまった。ミーアが慌てて近づいて確認したが、かなり弱っているようだった。
「サニー!お願いにゃ!」
サニーが光魔法のヒールでキングウルフの傷を癒やすと、キングウルフが攻撃してくるかと思いきや、サニーの手を舐めた後にミーアの足元で腹を見せた。服従の証だ。それを見ていた盗賊達はもう真っ青だ。自分達に勝ち目はないと思ったのか、一斉に逃げ出そうとした。
「化け物だ~!助けてくれ~!」
「逃がすわけないじゃん。」
『止まれ』
オレが声をかけると彼らは身動きができなくなった。
「なんだ?!どういうことだ?」
「お頭!俺達どうなるんすか?」
「知るわけねぇだろ!」
魔法で辺り一帯を調べてみると、川の向こう側に魔物の気配が複数あった。恐らく、オークかウォーウルフだろう。
「ソフィア!ミーア!彼らの武器と装備品を回収してくれ!」
「何をする気だ?やめろ!」
「じっとしてなさい!」
バコン
「やめてくれ!お願いだ!助けてくれ!」
オレは武器と装備品を回収した後、彼らを魔法の鎖で縛り上げ、空中に浮かせて川の向こうに放り投げた。
ドテッ ボコン
「痛たたた~!貴様ら!覚えてろよ!絶対に仕返ししてやるからな~!」
すると、キングウルフが遠吠えをあげた。
ワオー ワオー ワオー
対岸の草むらからぞろぞろとウォーウルフが集まってくる。どうやらキングウルフがウォーウルフに命令したようだ。ウォーウルフ達が拘束されている盗賊達に襲い掛かった。盗賊達はなすすべもなく絶命していく。
「た、助けてくれー!」
ギャー グワー
流石に人間が魔物に食べられる様子を見たくはない。
「行こうか。」
「そうね。」
川沿いを歩いていくと、そこから少し離れた所に開けた場所があった。
「今日はここで野宿しようか。」
「では、森で薪を集めてきます。」
「一緒に行くにゃー!」
ミーアが行こうとするとその後ろをキングウルフがついていく。それを見て思った。キングウルフはかなりの巨体だ。キングウルフを連れて街には入れない。そこで頭の中の知識から召喚魔法を調べてみた。
「ユリウス様~。薪をいっぱい拾ったにゃ。」
「ご苦労さん。ミーア。キングウルフだけど街に連れて行くわけにはいかないだろ?」
「嫌にゃ!ギンちゃんはミーアの使い魔にゃ!ずっと一緒にいるにゃ!」
「へ~。ギンちゃんって名前つけたんだ~。ミーもセンスいいわね。」
確かにギンはミーアになついている。だからといってAランクのキングウルフが街に入れば大騒ぎだ。
「ミーアの気持ちもわかるけどさ。街の人達が怖がるだろ。」
「そうよ!ミーア!私達は隠密行動をとっているのよ!」
ミーアがしょんぼりしてしまった。先ほど調べた召喚魔法を試してみるしかないだろう。
「ミーア。あのさー。今から召喚魔法を教えるから、それを覚えたらいいよ。」
「そんなことできるにゃ?」
「ミーアにできるかどうかは、やってみないと分からないけどさ。」
オレはミーアに召喚魔法を教えた。すると、キングウルフの姿が見えなくなっていく。そして、再度呼び出すと、地面が黒くなり、そこからキングウルフが現れた。
「やったにゃー!成功にゃー!これならいつでも会えるにゃー!」
キングウルフがペロペロとミーアの顔をなめていた。そして、その日はオレが空間収納に仕舞っておいた食料を食べて寝ることにした。
11
あなたにおすすめの小説
無限に進化を続けて最強に至る
お寿司食べたい
ファンタジー
突然、居眠り運転をしているトラックに轢かれて異世界に転生した春風 宝。そこで女神からもらった特典は「倒したモンスターの力を奪って無限に強くなる」だった。
※よくある転生ものです。良ければ読んでください。 不定期更新 初作 小説家になろうでも投稿してます。 文章力がないので悪しからず。優しくアドバイスしてください。
改稿したので、しばらくしたら消します
少し冷めた村人少年の冒険記 2
mizuno sei
ファンタジー
地球からの転生者である主人公トーマは、「はずれギフト」と言われた「ナビゲーションシステム」を持って新しい人生を歩み始めた。
不幸だった前世の記憶から、少し冷めた目で世の中を見つめ、誰にも邪魔されない力を身に着けて第二の人生を楽しもうと考えている。
旅の中でいろいろな人と出会い、成長していく少年の物語。
異世界転生したらたくさんスキルもらったけど今まで選ばれなかったものだった~魔王討伐は無理な気がする~
宝者来価
ファンタジー
俺は異世界転生者カドマツ。
転生理由は幼い少女を交通事故からかばったこと。
良いとこなしの日々を送っていたが女神様から異世界に転生すると説明された時にはアニメやゲームのような展開を期待したりもした。
例えばモンスターを倒して国を救いヒロインと結ばれるなど。
けれど与えられた【今まで選ばれなかったスキルが使える】 戦闘はおろか日常の役にも立つ気がしない余りものばかり。
同じ転生者でイケメン王子のレイニーに出迎えられ歓迎される。
彼は【スキル:水】を使う最強で理想的な異世界転生者に思えたのだが―――!?
※小説家になろう様にも掲載しています。
26番目の王子に転生しました。今生こそは健康に大地を駆け回れる身体に成りたいです。
克全
ファンタジー
アルファポリスオンリー。男はずっと我慢の人生を歩んできた。先天的なファロー四徴症という心疾患によって、物心つく前に大手術をしなければいけなかった。手術は成功したものの、術後の遺残症や続発症により厳しい運動制限や生活習慣制限を課せられる人生だった。激しい運動どころか、体育の授業すら見学するしかなかった。大好きな犬や猫を飼いたくても、「人獣共通感染症」や怪我が怖くてペットが飼えなかった。その分勉強に打ち込み、色々な資格を散り、知識も蓄えることはできた。それでも、自分が本当に欲しいものは全て諦めなければいいけない人生だった。だが、気が付けば異世界に転生していた。代償のような異世界の人生を思いっきり楽しもうと考えながら7年の月日が過ぎて……
老衰で死んだ僕は異世界に転生して仲間を探す旅に出ます。最初の武器は木の棒ですか!? 絶対にあきらめない心で剣と魔法を使いこなします!
菊池 快晴
ファンタジー
10代という若さで老衰により病気で死んでしまった主人公アイレは
「まだ、死にたくない」という願いの通り異世界転生に成功する。
同じ病気で亡くなった親友のヴェルネルとレムリもこの世界いるはずだと
アイレは二人を探す旅に出るが、すぐに魔物に襲われてしまう
最初の武器は木の棒!?
そして謎の人物によって明かされるヴェネルとレムリの転生の真実。
何度も心が折れそうになりながらも、アイレは剣と魔法を使いこなしながら
困難に立ち向かっていく。
チート、ハーレムなしの王道ファンタジー物語!
異世界転生は2話目です! キャラクタ―の魅力を味わってもらえると嬉しいです。
話の終わりのヒキを重要視しているので、そこを注目して下さい!
****** 完結まで必ず続けます *****
****** 毎日更新もします *****
他サイトへ重複投稿しています!
外れスキルは、レベル1!~異世界転生したのに、外れスキルでした!
武蔵野純平
ファンタジー
異世界転生したユウトは、十三歳になり成人の儀式を受け神様からスキルを授かった。
しかし、授かったスキルは『レベル1』という聞いたこともないスキルだった。
『ハズレスキルだ!』
同世代の仲間からバカにされるが、ユウトが冒険者として活動を始めると『レベル1』はとんでもないチートスキルだった。ユウトは仲間と一緒にダンジョンを探索し成り上がっていく。
そんなユウトたちに一人の少女た頼み事をする。『お父さんを助けて!』
S級冒険者の子どもが進む道
干支猫
ファンタジー
【12/26完結】
とある小さな村、元冒険者の両親の下に生まれた子、ヨハン。
父親譲りの剣の才能に母親譲りの魔法の才能は両親の想定の遥か上をいく。
そうして王都の冒険者学校に入学を決め、出会った仲間と様々な学生生活を送っていった。
その中で魔族の存在にエルフの歴史を知る。そして魔王の復活を聞いた。
魔王とはいったい?
※感想に盛大なネタバレがあるので閲覧の際はご注意ください。
異世界転生した俺は、産まれながらに最強だった。
桜花龍炎舞
ファンタジー
主人公ミツルはある日、不慮の事故にあい死んでしまった。
だが目がさめると見知らぬ美形の男と見知らぬ美女が目の前にいて、ミツル自身の身体も見知らぬ美形の子供に変わっていた。
そして更に、恐らく転生したであろうこの場所は剣や魔法が行き交うゲームの世界とも思える異世界だったのである。
異世界転生 × 最強 × ギャグ × 仲間。
チートすぎる俺が、神様より自由に世界をぶっ壊す!?
“真面目な展開ゼロ”の爽快異世界バカ旅、始動!
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる