異世界修行の旅

甲斐源氏

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バンパイア族のドラクと竜族の竜王

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 翌朝、オレ達がドラクのいるマジョリカ王国の王都リオンに出発しようとすると、族長のローズが声をかけてきた。


「ユリウス殿、ドラク様に会いに行くならこのゲルミットを連れていくがいいさ。何かの役に立つだろうからな。」

「ありがとうございます。」


 ゲルミットの案内で王都リオンに向けて出発した。その途中で何度か魔物と遭遇したが、サニー、ソフィア、ミーアがそれぞれ討伐していた。


「それにしても、サニーさんもソフィアさんもミーアさんも相当強いですよね。どうしたらそんなに強くなれるんですか?」

「鍛えたにゃ!」

「でも、あの程度の魔物じゃ、なんか物足りないのよね。」

「えっ?!ブラックベアは俺達が5人がかりで倒す魔物ですよ。それが物足りないとは、一体どれだけ強いんですか!」


 それからも王都リオンに向けて歩いていると、少し先から煙が上がるのが見えた。


「ユーリ、煙が見えるけど何かしら?」


 するとゲルミットが言った。


「有翼族の村の方角です。何かあったのかもしれません。急ぎましょう。」


 オレ達は森の中を走った。すると、巨人族達が家を壊して暴れまわっている。有翼族達が必死に魔法や弓矢で応戦していた。


「どうして巨人族が‥‥」

「ゲルミットさん、オレ達が何とかしますから怪我人をお願いします。」

「わ、わかりました。」

「みんな、巨人族の暴走を止めるよ!」

「了解にゃ!」

「ユーリ、殺さない方がいいの?」

「そうだね。でも、自分の身が危険になったら仕方ないよ。」

「わかったわ。」


 オレ達は暴れている巨人族の前に出た。そして動けなくなるように足を狙って攻撃した。


『エアーカッター』


グサッ シュッ
グワー ドタン


 突然現れたオレ達に戸惑ったようだが、棍棒を振り上げて攻撃を仕掛けてきた。それを軽々とよける。


「ユーリ!あいつら足の傷が治っていくわよ!」

「再生能力だ。まずいな~。」


 巨人族やトロール族には再生能力がある。再生が間に合わない程にダメージを与えるか、殺すしかない。


“どうしたもんかな‥‥”


 するとゲルミットが有翼族の族長を連れてきた。


「ユリウス殿、彼は有翼族の族長のイーグルです。」

「ユリウス殿、ゲルミットから話はお聞きしました。ご協力に感謝します。」

「いいえ、まだ何もできていませんから。」


 するとゲルミットが不思議そうに聞いてきた。


「やはり巨人族は強いんですか?」

「そういう訳じゃないんですよ。彼らを殺さずに何とかならないかと思って‥‥」


 するとイーグルが怒り始めた。


「殺さずにですか!そんなことが許されるわけがないでしょ!こちらにどれだけの犠牲者が出ていると思っているんですか!」


 確かにイーグルの言った通りだ。ある意味、これは戦争なのだ。でも、なぜか引っ掛かるものがある。


「イーグルさん。あの中にギガスはいますか?」

「ギガスですか?」


 ゲルミットが周りを見渡した。


「ここからはわかりません。でも、これだけの軍勢で攻めてきているんですからどこかにいると思いますが。」

「わかりました。」


 オレは魔力感知を広げてギガスを探した。その間も、サニー、ソフィア、ミーアは巨人族達と戦っている。


「ユーリ、どうするの?このまま闘っていてもきりがないわよ。」

「ユリウス様、私も魔力が限界に近いです。」

「いた!」

「何がいたにゃ?」

「巨人族の王ギガスさ。ちょっと行ってくる!」


 オレはギガスのいる場所を目指して走り出した。目の前には巨人族達がいるが、今はそれを無視だ。そしてとうとうギガスの前までやってきた。他の巨人族に比べても身体が大きい。それにギガスから発せられている魔力は、他の巨人族とは比較にならないほど膨大だ。


「お前がギガスか!」

「貴様は何者だ?なぜ人族がこの大陸にいる?」

「そんなことはどうでもいい!巨人族達を連れて国に帰れ!」

「何を馬鹿なことを!この俺様がこの大陸の王となるのだ!殺せ!」


 ギガスが近くにいる巨人族とトロール族に命令した。すると、一斉にオレに襲い掛かってきた。


シュッ バシッ グサッ


 オレは素早い動きで巨人族やトロール族の片足を斬り落としていった。だが、すぐに再生を始める。


「ハッハッハッハッ 多少は強い様だが我らの敵ではないな。」

“仕方ない。”


 オレが魔力を解放しようとすると、そこに竜王がドラゴンの大群を率いて現れた。


「チッ!邪魔が入ったか!仕方ない。」


 ドラゴンの大群を見て、ギガスが巨人族達に撤退の指示を出した。すると、巨人族達はギガスの後に続いて去っていった。


「ユーリ!あのドラゴンの大群は味方なの?」

「さあ、オレにもわからないよ。」


 するとゲルミットがマジョリカ王国の国王ドラクを連れてきた。その近くには精鋭と思われるバンパイア族が控えている。


「貴殿がユリウス殿か。私はこの国の王のドラクだ。援助していただいて感謝する。お陰で被害が最小限で済んだ。」

「いいえ、大丈夫です。それよりもドラゴン達は敵なんですか?」

「彼らとは同盟を結んでいるんですよ。どちらかが攻撃を受けた場合、お互いに助け合うとかね。」

「そうなんですか。」


 するとひと際大きなドラゴンがオレ達の前に舞い降り、人化して近づいてきた。


「久しぶりだな。ドラク。盟約に従って来てやったぞ!」

「感謝する。竜王よ。だが、貴殿が来る前にこちらのユリウス殿達が一緒に戦ってくれたんだ。そのおかげで被害が小さくて済んだよ。」


 ドラクの言葉を聞いて、黒いマントを羽織った筋肉隆々の大男がオレ達を見た。


「お前は人族か? なぜ人族がこの大陸にいる?」


 どう答えようかと考えていると、サニーが竜王に言い放った。


「この大陸の争いをやめさせに来たに決まってるでしょ!」

「ほう、そなた達だけで何ができるというのだ!この空を見てみろ!悪魔王サティーニが復活したかもしれないのだぞ!貴様らが出る幕ではない!」


 するとドラクが言った。


「竜王よ。そうでもないぞ。ユリウス殿達の強さはこの大陸でも十分通用するほどだ。あの巨人族やトロール族を一方的に叩きのめしていたんだからな。」

「ドラクよ。ならばなぜ巨人族やトロール族の死体がないのだ?それほど強いのなら数体は殺せたはずだ。」

「殺しちゃいけないにゃ!殺さないように戦ったにゃ!」

「ミーアの言う通りです。そうですよね? ユリウス様。」

「そうだね。」


 すると竜王の身体から凄まじいオーラが溢れ出した。
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