最強転生者が神になるまで

甲斐源氏

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夢?それとも現実?

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 オレの名前は白鳥健。現在高校1年生だ。小さい頃は中性的な顔立ちから、女の子のようでかわいいと言われていたが、小学校高学年あたりから状況が変わった。周りから『男女』とか『中性』とか言われていじめられるようになった。そこで、空手を習い始めたのだが、たくましい体に似合わず、中性的な顔立ちのままだ。

 そんな、オレはいろいろ考えると夜眠れなくなることがある。そんな時はゲームをして過ごすか、布団の中でいろいろ空想して過ごすようになった。


“もし神様が願いをかなえてくれるなら”


 そんなことをいつも空想している。そして今夜も布団の中で空想に耽っていた。


“そうだな~。まずは時間を自由に操る能力がいいよな。過去や未来に自由に行けるし、時間を止めてる間、ゲームもやり放題だもんな。”

“いや、待てよ。せっかく空手をやってるんだし、南斗〇〇拳か北斗〇〇拳のようなものが使えたら最強じゃん。”

“いやいや、待てよ。異世界もの小説に出てくるようなチート能力もいいよな。魔法なんかが使えたら最高だよな。瞬間移動なんかができたりして。”


 そんなことを考えていると、いつのまにか寝てしまった。


 気付くと、オレは真っ白な空間の中に一人でいた。しばらく途方に暮れていると、そこに一人の老人がやってきた。オレはその老人を見て腰が抜けるほど驚いた。いつも空想している神様だったのだ。


“ラッキー! まさか夢で見られるとはな。”


 オレはいつも通り、目の前の神様に話しかけた。


「あの~。願いをかなえてくれるんですよね?」

「願いを言ってみなさい。」

「3つあるんですけど。」

「贅沢を言うもんじゃない! 一つに決まっておるだろう!」


 オレは悩んだ。いつも空想の中では3つの願いを叶えてもらうことになっているからだ。欲張ってここで夢が覚めてしまったら、もともこうもない。オレは願いを一つに絞ることにした。時間を操るのは魔法があればできそうだ。拳法が使えなくても魔法があれば、負けることはないだろう。そして考えがまとまった。


「魔法が使えるようになりたいです。」

「魔法でいいんだな?」

「はい!」


 オレは魔法を使えるようになれば、いつも空想しているように何でもできると思っていた。だから、魔法を選択したのだ。その時は何も知らずに・・・・。

 オレの願いを聞くと、目の前にいた神様の姿が消えた。そして、また、真っ白な空間にオレ一人になった。普段の空想なら、この後過去の世界に行って活躍するのだが、何の変化も起こらない。


“ん?! おかしいな?”


 すると、頭の中に神様の声が聞こえた。


「どうしたんじゃ? 何を突っ立っておるんじゃ。早く行かんか!」

「どうやって?」

「仕方ない。わしが送ってやろう!」


 オレの足元が急になくなる。そして、どんどん暗闇の世界に落ちていく。


「ワ————!! 落ちる——————!!!」


 そして、おかしな話だが、夢の中にもかかわらず意識を失った。気が付くと辺りは真っ暗で何も見えない。


“ここはどこだ? 真っ暗で何も見えないぞ! こんなこと空想してないんだけどな~!”


 立ち上がりたくても、周りが何も見えずに立ち上がることもできない。耳を澄まして周りの音を聞いてみた。すると、水滴が落ちる音が聞こえる。今度は手を叩いてみた。音が反響した。どうやら大きな空洞の中にいるようだ。ここで、大事なことを思い出した。


“確か魔法を使えるようにしてもらったんだっけ。”


 オレはテレビアニメで見ていたように明かりを灯そうと魔法を唱えた。


『ライト』


 だが、何も変化が起こらない。


『明かりよ、照らせ!』


やはり何も起こらない。


“神様は魔法を使えるようにしてくれたんだよな~。”


 オレは少し焦り始めた。どれほど時間が経っただろうか、だんだんと暗さに目が慣れてきた。少しずつ周りが見えてくる。やはり洞窟のようだ。オレは頭上を確認しながらゆっくりと立ち上がった。すると、足元に小さな虫が集まってきていた。オレは昆虫もは爬虫類も苦手だ。


“なんだ~? 気持ち悪いな~!”


 すると、オレの体を這い上がってくる。


“ウワッ! 気持ち悪い! あっち行け!”


 オレはそれを払いのけようとしたが、よく見ると虫と思っていた生き物は、小さな蝙蝠のようなものだった。


「ギャー」


 オレは服についた生き物を手で払いのけながら、その場から走って逃げた。だが、暗闇の中をそんなに早くは走れない。しかも足元には、大きな岩があったりする。オレは思わずこけた。


「痛ててぇ~。なんだよ。この夢。オレの空想と違うじゃんか。」


 それでもと思い。オレは神様から魔法の力をもらったことを思い出して、試してみることにした。


「ファイアー」


 やはり何も起こらない。
 

“オレには火の適性がないのかな~?”


「ウォーター」


 やはり何も起こらない。


“魔法なんか使えないじゃんか。何なんだ? こんなんだったらやっぱり『拳法』にすればよかったよ。”


 すると、岩陰からカサカサと音がする。『ギョッ』としながらゆっくり見ると、ネズミのような生き物が、目を光らせてオレに襲い掛かってきた。


“ギャ―! なんなんだよ! こんな夢なら早く覚めろよ!”


 再びオレは走って逃げた。逃げる途中、オレはあることに気付いた。この夢があまりにもリアルなのだ。


“本当に夢なのか~? 色もわかるし、匂いもある。やっぱりおかしいぞ! 壁や地面に触った感触もあるし~。”


 オレの額に汗がにじんだ。


“馬鹿なことばっかり考えてるから、もしかして神様に罰を与えられたんじゃないのか?”


 オレは内心、焦りまくった。いじめのない世界から逃げられたことはよかった。だが、現状を考えると、とてもラッキーとは言えない。


“逃げてばかりじゃどうしようもないな。何とかしなきゃ。”


 オレは片手に小さな石を用意した。そして、周りをキョロキョロ見ながら出口を探そうと歩き始めると、先ほどと同じネズミのような生き物が岩陰から飛び掛かってくる。


“このやろう! お前なんか怖くないぞ! えい!”


 オレは石で叩き落して、足で踏みつけた。すると頭の中に『能力が向上しました』と声が聞こえた。


「えっ?! 誰?!」


 周りを見てもだれもいない。


“もしかしたらゲームと同じか~? 敵を倒せば能力が向上するのか~? なら、もっと倒すしかないじゃん!”


 オレは空腹なのも忘れて洞窟内を探索した。ネズミのような生き物や足のない蛇のような生き物。それ以外の小さな生き物も手当たり次第、殺していった。その間、頭の中には『能力が向上しました』が連続して響き渡る。


“腹減ったな~。喉も乾いたし。”


 殺した蛇のような生き物を焼いて食べようかと思い、再び手から火を出そうと試みた。


『ファイア』


 やはり何も起こらない。


“もう勘弁してくれよ。早くこの夢覚めてくれよ!”


 しばらく考えて、この夢が覚めるまでどこか安全に休める場所を探すことにした。


“安心して休める場所を探すしかないよな。”
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