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勇者と冥王のママは暁を魔王様と
第二章・勇者と冥王のママは酒場で魔王様と……8
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「ブレイラ」
「なんでしょうか」
「気に入ったのなら、また一緒にこよう。ここ以外にも行きたい場所があるなら連れていく」
「どうしました、急に……」
ブレイラが目をぱちくりさせた。
ハウストは優しく目を細める。
今までデートらしいデートもした事がなかったのだ。今日のデートは存分に楽しませてやりたい。
「とりあえずもう一度注文しないか。グラスは空だ」
「本当ですね、あんまり楽しいので一気に飲んでしまいました」
「二人で飲んだからな」
ハウストは恥ずかしそうなブレイラに笑いかけ、店主にドリンクを注文する。
二度目の恋人専用に店主はぎょっとしたようだが、そんなものは無視だ。そもそもデートにおいて他人は外野、どう思われていようと関係ない。
少しして二杯目のグラスがテーブルに置かれた。
すでにハウストとブレイラは互いしか見つめていない。
一つのグラスに二本のストロー。口付けてしまえそうな至近距離で見つめ合い、二人はハート型ストローでジュースを飲む。
ちゅーーーっ、と二人でストローを吸いながら、テーブルに置かれていたブレイラの手にハウストの手が重なった。
ハウストの指がブレイラの手の甲を撫でると、ブレイラははにかみながらハウストの指に指を絡める。
こうして二人は普通の恋人同士のように完全に二人の世界を築く。
今やハウストも魔王という立場を忘れてブレイラと恋人専用ジュースを楽しみだした。このまま三杯目のドリンクも注文してやろうかと顔を上げた、その時。
「――――っ?!」
ハウストはぎょっとした。
ブレイラの背後に立っていたのは――――イスラだったのだ。
――――時は少し戻る。
ここは賑やかな王都の大通り。
「えっ?」
イスラの視界を横切った二つの人影。
振り返って二度見し、その後ろ姿にまさかと息を飲む。
「……ブレイラとハウスト?」
いやそんな馬鹿なことがあるはずない。
ここは多くの魔族が行き交う王都の大通りだ。この往来を魔王と王妃が手を繋いで歩いているはずがない。しかもとてもイチャイチャしていた……。
きっと他人の空似だ、イスラはそう自分に言い聞かせて大通りを歩く。
目的地は王都の中心部にある王立図書館である。イスラは魔界にいる時、城に用事がない時は王都で自由に過ごすことが多い。王立図書館も気に入りの場所の一つである。城の書庫でも本は読めたが、気分転換に王都を散歩して図書館に立ち寄るのが好きだった。
広大な敷地に建造された王立図書館は魔界で一番の蔵書数を誇り、多くの学者や研究者も出入りしている。
イスラは図書館で気になった書物を読んでいたが昼頃に切り上げた。小腹が空いたのだ。
次に向かう場所は馴染みの酒場である。酒場といっても酒を出すのは夜だけで、昼時は食堂のようなものだった。
現在イスラの外見年齢は十五歳程で、酒場では子ども扱いを受けることもある。
しかし、そこの酒場の店主とイスラの出会いは酒場ではない。以前イスラが王都から出た時、街道で店主が盗賊の襲撃に遭っていた。助けに入ろうかと思ったがその必要はなく、店主はあっという間に盗賊を撃退してしまったのだ。
店主の見事な武術にイスラは感心していたが、ふと店主がイスラに訝しげな視線を向けた。そして。
『おい、魔界を出歩くならその垂れ流しの魔力をなんとかしろ。勇者ならそれくらい出来るだろ』
圧がすげぇぞと面倒くさそうに言ったのだ。
イスラは面食らった。
ここは魔界で、魔族は人間とは違って全員が魔力を持っている。それもあって今までわざわざ魔力を隠すことをしてこなかった。
しかも魔界では城で生活しているのであまり気にしたことはない。せいぜいブレイラに接する時に力加減に気を付けるくらいである。
だが店主は呆れた口調で言う。
『勇者は別格だ。魔王様に匹敵する魔力だぞ、魔界でも目立つに決まってる。くだらんトラブルに巻き込まれたくなかったら隠してろ』
『…………。たしかに』
店主の言う通りだった。
イスラは勇者という理由で相談事やトラブル事に巻き込まれることが多かったのだ。
こうして、この出会いを切っ掛けに店主とイスラはなんとなく親交を深め、今ではイスラが酒場に気軽に通うまでになったのである。
イスラは店主のことをあまり知らないが、どうやら先代魔王時代に王直属の精鋭部隊に所属していた事があるらしい。それを聞いて納得した。目立ちすぎる屈強な体躯と平均よりずば抜けて高い魔力は明らかに普通の魔族のものではなかったのだ。どう見てもそれなりの訓練を受けていた過去が想像できる。
今でも現役で通じる強さなので『戻らないのか?』と一度聞いたことがあった。しかし店主は苦笑し、『一人娘が精鋭部隊に所属してる。娘と同じ職場なんて冗談じゃない』と渋面で答えたのだ。
「今日の昼は日替わりメニューにするか」
イスラは日替わりメニューを予想しながら酒場に向かって大通りを進む。
店主は屈強な体躯に似合わず繊細な作りの料理を出してくれるのだ。
酒場の前まで来ると、いつものようにイスラは扉を開けて入店した、が。
「――――っ?!」
「?!」
視界に飛び込んできた光景。
声が出そうになって慌てて手で口を塞ぐ。
そう、酒場のテーブル席にハウストとブレイラがいたのだ。
ブレイラは背中を向けているのでイスラに気付いていないが、ハウストとばっちり目が合った。
しかも、ちゅーーーーーっ。なにやら二人で吸っている。ハート型ストローで一つのグラスのジュースを。魔界の魔王と王妃であり、イスラの両親が……。
衝撃の現場を目撃したイスラにハウストが愕然となったが、その様子に気付いたブレイラがストローから口を離す。
「ハウスト、どうしました?」
ブレイラの声にイスラはハッとした。
まずい。ここは酒場、ブレイラに見つかりたくない。
イスラは素早く物影に身を潜め、こそこそとブレイラから死角になるカウンター席へ向かう。
それはハウストも察したようでブレイラの気を逸らすように話しかける。
「な、なんでもない。それよりこの料理を食べてみろ、おいしそうだ」
「はい、とても美味しそうです。あ、この肉包みの中にはたっぷり野菜が入っていますね。香草の良い香りがします」
死角の向こうからブレイラの声がする。ブレイラは酒場の料理にとても満足しているようだ。
ブレイラは香りを楽しみながらナイフとフォークで丁寧に切り分ける。そして。
「どうぞ。あーん」
「えっ、今するのかっ?」
「え? 二人きりの時くらい食べさせてくれと、よく言ってるじゃないですか」
「そ、そうだが……。自分からとは珍しいな」
イスラやゼロスが相手ならブレイラはなんだかんだと甘いが、ハウストを人前で甘やかすことは珍しい。
「今日は特別です、なんだか楽しくて。……それとも、嫌でしたか?」
「嫌なわけないだろうっ。ぜひ頼む」
魔王が一瞬で陥落した。
イスラからは見えていないが、きっとブレイラが残念そうな顔をしたのだ。たったそれだけのことに四界の王にして神格の存在である魔王が陥落したのである。
「どうぞ、あーん」「うまいな」「はい、おいしいですね」とイスラの耳に二人の会話だけが聞こえてくる。ブレイラの声色は語尾にハートが付いて、弾んで飛んでいってしまいそうだ。
……イスラは頭を抱えたくなった。
お気に入りの酒場だが、このタイミングで入ってしまったことに後悔しかない。
だいたいなんでこんな所にハウストとブレイラがいるのだ。
しかも二人の前には恋人専用ジュースなどという浮かれたドリンク。イスラはこのドリンクが初めてメニューに載った時、「誰がこんなの注文するんだ」「こんな浮かれたドリンクを飲む奴がいたら顔を見てみたい」「飲む奴の趣味を疑う」などと散々笑ってからかったのである。
いた。ここにいた。魔界の魔王と王妃が注文していた。
ブレイラがとても嬉しそうにしていることは良いのだが、あまりにも想定外のことが起きている。
こうして内心焦りまくっているイスラの前に店主が水を置いた。
「なんでしょうか」
「気に入ったのなら、また一緒にこよう。ここ以外にも行きたい場所があるなら連れていく」
「どうしました、急に……」
ブレイラが目をぱちくりさせた。
ハウストは優しく目を細める。
今までデートらしいデートもした事がなかったのだ。今日のデートは存分に楽しませてやりたい。
「とりあえずもう一度注文しないか。グラスは空だ」
「本当ですね、あんまり楽しいので一気に飲んでしまいました」
「二人で飲んだからな」
ハウストは恥ずかしそうなブレイラに笑いかけ、店主にドリンクを注文する。
二度目の恋人専用に店主はぎょっとしたようだが、そんなものは無視だ。そもそもデートにおいて他人は外野、どう思われていようと関係ない。
少しして二杯目のグラスがテーブルに置かれた。
すでにハウストとブレイラは互いしか見つめていない。
一つのグラスに二本のストロー。口付けてしまえそうな至近距離で見つめ合い、二人はハート型ストローでジュースを飲む。
ちゅーーーっ、と二人でストローを吸いながら、テーブルに置かれていたブレイラの手にハウストの手が重なった。
ハウストの指がブレイラの手の甲を撫でると、ブレイラははにかみながらハウストの指に指を絡める。
こうして二人は普通の恋人同士のように完全に二人の世界を築く。
今やハウストも魔王という立場を忘れてブレイラと恋人専用ジュースを楽しみだした。このまま三杯目のドリンクも注文してやろうかと顔を上げた、その時。
「――――っ?!」
ハウストはぎょっとした。
ブレイラの背後に立っていたのは――――イスラだったのだ。
――――時は少し戻る。
ここは賑やかな王都の大通り。
「えっ?」
イスラの視界を横切った二つの人影。
振り返って二度見し、その後ろ姿にまさかと息を飲む。
「……ブレイラとハウスト?」
いやそんな馬鹿なことがあるはずない。
ここは多くの魔族が行き交う王都の大通りだ。この往来を魔王と王妃が手を繋いで歩いているはずがない。しかもとてもイチャイチャしていた……。
きっと他人の空似だ、イスラはそう自分に言い聞かせて大通りを歩く。
目的地は王都の中心部にある王立図書館である。イスラは魔界にいる時、城に用事がない時は王都で自由に過ごすことが多い。王立図書館も気に入りの場所の一つである。城の書庫でも本は読めたが、気分転換に王都を散歩して図書館に立ち寄るのが好きだった。
広大な敷地に建造された王立図書館は魔界で一番の蔵書数を誇り、多くの学者や研究者も出入りしている。
イスラは図書館で気になった書物を読んでいたが昼頃に切り上げた。小腹が空いたのだ。
次に向かう場所は馴染みの酒場である。酒場といっても酒を出すのは夜だけで、昼時は食堂のようなものだった。
現在イスラの外見年齢は十五歳程で、酒場では子ども扱いを受けることもある。
しかし、そこの酒場の店主とイスラの出会いは酒場ではない。以前イスラが王都から出た時、街道で店主が盗賊の襲撃に遭っていた。助けに入ろうかと思ったがその必要はなく、店主はあっという間に盗賊を撃退してしまったのだ。
店主の見事な武術にイスラは感心していたが、ふと店主がイスラに訝しげな視線を向けた。そして。
『おい、魔界を出歩くならその垂れ流しの魔力をなんとかしろ。勇者ならそれくらい出来るだろ』
圧がすげぇぞと面倒くさそうに言ったのだ。
イスラは面食らった。
ここは魔界で、魔族は人間とは違って全員が魔力を持っている。それもあって今までわざわざ魔力を隠すことをしてこなかった。
しかも魔界では城で生活しているのであまり気にしたことはない。せいぜいブレイラに接する時に力加減に気を付けるくらいである。
だが店主は呆れた口調で言う。
『勇者は別格だ。魔王様に匹敵する魔力だぞ、魔界でも目立つに決まってる。くだらんトラブルに巻き込まれたくなかったら隠してろ』
『…………。たしかに』
店主の言う通りだった。
イスラは勇者という理由で相談事やトラブル事に巻き込まれることが多かったのだ。
こうして、この出会いを切っ掛けに店主とイスラはなんとなく親交を深め、今ではイスラが酒場に気軽に通うまでになったのである。
イスラは店主のことをあまり知らないが、どうやら先代魔王時代に王直属の精鋭部隊に所属していた事があるらしい。それを聞いて納得した。目立ちすぎる屈強な体躯と平均よりずば抜けて高い魔力は明らかに普通の魔族のものではなかったのだ。どう見てもそれなりの訓練を受けていた過去が想像できる。
今でも現役で通じる強さなので『戻らないのか?』と一度聞いたことがあった。しかし店主は苦笑し、『一人娘が精鋭部隊に所属してる。娘と同じ職場なんて冗談じゃない』と渋面で答えたのだ。
「今日の昼は日替わりメニューにするか」
イスラは日替わりメニューを予想しながら酒場に向かって大通りを進む。
店主は屈強な体躯に似合わず繊細な作りの料理を出してくれるのだ。
酒場の前まで来ると、いつものようにイスラは扉を開けて入店した、が。
「――――っ?!」
「?!」
視界に飛び込んできた光景。
声が出そうになって慌てて手で口を塞ぐ。
そう、酒場のテーブル席にハウストとブレイラがいたのだ。
ブレイラは背中を向けているのでイスラに気付いていないが、ハウストとばっちり目が合った。
しかも、ちゅーーーーーっ。なにやら二人で吸っている。ハート型ストローで一つのグラスのジュースを。魔界の魔王と王妃であり、イスラの両親が……。
衝撃の現場を目撃したイスラにハウストが愕然となったが、その様子に気付いたブレイラがストローから口を離す。
「ハウスト、どうしました?」
ブレイラの声にイスラはハッとした。
まずい。ここは酒場、ブレイラに見つかりたくない。
イスラは素早く物影に身を潜め、こそこそとブレイラから死角になるカウンター席へ向かう。
それはハウストも察したようでブレイラの気を逸らすように話しかける。
「な、なんでもない。それよりこの料理を食べてみろ、おいしそうだ」
「はい、とても美味しそうです。あ、この肉包みの中にはたっぷり野菜が入っていますね。香草の良い香りがします」
死角の向こうからブレイラの声がする。ブレイラは酒場の料理にとても満足しているようだ。
ブレイラは香りを楽しみながらナイフとフォークで丁寧に切り分ける。そして。
「どうぞ。あーん」
「えっ、今するのかっ?」
「え? 二人きりの時くらい食べさせてくれと、よく言ってるじゃないですか」
「そ、そうだが……。自分からとは珍しいな」
イスラやゼロスが相手ならブレイラはなんだかんだと甘いが、ハウストを人前で甘やかすことは珍しい。
「今日は特別です、なんだか楽しくて。……それとも、嫌でしたか?」
「嫌なわけないだろうっ。ぜひ頼む」
魔王が一瞬で陥落した。
イスラからは見えていないが、きっとブレイラが残念そうな顔をしたのだ。たったそれだけのことに四界の王にして神格の存在である魔王が陥落したのである。
「どうぞ、あーん」「うまいな」「はい、おいしいですね」とイスラの耳に二人の会話だけが聞こえてくる。ブレイラの声色は語尾にハートが付いて、弾んで飛んでいってしまいそうだ。
……イスラは頭を抱えたくなった。
お気に入りの酒場だが、このタイミングで入ってしまったことに後悔しかない。
だいたいなんでこんな所にハウストとブレイラがいるのだ。
しかも二人の前には恋人専用ジュースなどという浮かれたドリンク。イスラはこのドリンクが初めてメニューに載った時、「誰がこんなの注文するんだ」「こんな浮かれたドリンクを飲む奴がいたら顔を見てみたい」「飲む奴の趣味を疑う」などと散々笑ってからかったのである。
いた。ここにいた。魔界の魔王と王妃が注文していた。
ブレイラがとても嬉しそうにしていることは良いのだが、あまりにも想定外のことが起きている。
こうして内心焦りまくっているイスラの前に店主が水を置いた。
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