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勇者と冥王のママは暁を魔王様と
第五章・星屑を抱いて5
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イスラが怪我をして三日が経過しました。
イスラの見舞いに来ていた精霊王は精霊界へ帰りましたが、ジェノキスが魔界に残っています。今回の一件では魔界と精霊界とが共同で教団に対応することになったのです。その精霊界側の責任者がジェノキスでした。
その間、私の政務は必要最小限にしてもらっています。時間が許す限りイスラの側から離れたくないのです。夜もイスラが眠るまで側にいます。
イスラの体力は徐々に回復していますが、まだ一日の半分を寝て過ごしていました。
「イスラ、こちらを向いてください」
「ん」
顔を向けられてイスラの口の周りを丁寧に拭いてあげます。
今、イスラは食事中でした。
スプーンでスープのかぼちゃを掬い、イスラの口元に運びます。
「どうぞ、あーんしてください」
「…………」
「ほら、イスラ?」
「……。……あーん」
ぱくりと食べてくれて、ほっとひと安心です。
食欲があることに安心します。
もっと食べてほしくて、またスプーンでスープを口元に運びました。
でも。
「……ブレイラ、その、自分で食べれるから……」
イスラが目を泳がせて言いました。
困惑した様子ですが目元が僅かに赤いです。
私は逃げてしまったイスラの目線を追って回り込みました。じっとイスラの顔を見つめます。いつまでも見ていたいお顔です。
「私がしたいのです。ダメですか?」
「あ、う……。…………ダメじゃない」
「良かった。どうぞ、あーんしてください」
スプーンを口元まで持っていくとイスラが口を開けてくれました。
食べてくれる姿に目を細めていると、私の隣にいたゼロスが絵本を読みながら難しい顔をしています。
最近の私の定位置はイスラの枕元なので、ゼロスも自分の椅子を運んできていました。
椅子にちょこんと座って絵本を読んでいます。目を離すとたくさん持ってきた絵本をイスラのベッドに並べだすので困りものです。
ゼロスが絵本を見ながら「う~ん」と呻り、イスラに向けて開けました。
「あにうえ、これなんてよむの?」
「どれだ?」
「これ」
「ああ、それは『星屑』だ。『ほしくず』」
「ほしくず……。それって、なあに?」
「星が爆発して砕けた物だ」
「ばくはつしたの?!」
「そうだ。爆発して砕けた」
「なにそれ、こわい……」
ゼロスが青褪めてしまいました。
でも私は二人の会話に口元が綻んでしまいます。
「そんな物騒なものではありませんよ。たしかに爆発で星が砕けたものといわれていますが、一つ一つがとてもキラキラしたものです。例えば、星が綺麗な夜空のことを『星屑を散りばめたような夜空』ということもありますよ」
「キラキラ?」
「そう、キラキラです。そんなに物騒なものではありません」
こうして私たちが話していると、部屋の扉がノックされました。
部屋に入ってきたのはハウストです。
「ここにいたか」
「ハウスト、お疲れさまです」
立ち上がって出迎えると、側にきてくれたハウストが私の腰をそっと抱き寄せて頬に口付けてくれました。
お返しの口付けをして、ハウストの手を取ったままイスラの枕元に戻ります。
ハウストはイスラの左腕切断部の確認をしてくれました。
「調子はどうだ。痛みは?」
「痛みはない」
「そうか、体力も戻っているようだな」
「ああ、そろそろ起きられる。…………けど、もう少し寝てるつもりだ」
「……そうだな。そうしてろ」
そう会話しながらハウストとイスラが私からそっと目を逸らしました。
じろりっと見つめた私の視線に気付いたのです。
「そうです、まだ寝ていなければいけません。当たり前じゃないですか」
二人に言い聞かせるように言うと、私はデザートのリンゴを取りました。
イスラの枕元にハウストも加わって四人が揃います。病人の側で騒がしくなっていないか気になりましたが、イスラは気にした様子もなくゼロスの相手をしてくれていました。
「今からリンゴを剥くので、良かったらハウストも召し上がってください」
「ああ、いただこう」
「ぼくも~!」
ハイッ! とゼロスが元気に手を挙げます。
「分かっていますよ。ちょっと待っててくださいね」
もちろんゼロスの分も忘れていませんよ。四人分ですね。
シュルシュルと果物ナイフでリンゴの皮を剥いていきます。リンゴの皮がくるくると螺旋を描いて、「ブレイラ、くるくるなのすごい~!」とゼロスが瞳を輝かせて感心しています。ふふふ、気分がいいです。私は器用なのですよ。
私がリンゴを剥いている横で、ハウストとイスラが話しています。
「イスラ、お前が行きつけにしている酒場の店主から見舞いが届いていたぞ。後で確認しておけ」
「そうか、気を使わせたな。また礼をしに行く」
「そうしろ」
そう会話しながらも、ふとハウストがじっとイスラを見ます。
その視線にイスラは「なんだ……」と居心地悪そうな顔になりました。
「お前、かなりモテるそうだな」
「なんの話しだ」
「店主から聞いたぞ。お前が店にいると賑やかになると。お前目当てに客が増えるらしい」
「……あいつ、べらべらと……」
イスラが低い声で言いました。
否定しないイスラにハウストが喉奥で笑います。
「侍女たちの噂はあながち噂ではなかったか」
「噂は噂だ」
「でも誘われるだろ?」
「……好みじゃない」
二人の会話を聞きながら私の目が据わっていきます。
誘われることは否定しないのですね。しかもその言い方では、好みなら誘いに乗るということですか?
どういう事ですかと割り込みたかったけれど、ゼロスに「ブレイラ、リンゴはウサギさんにして」とリクエストされました。瞳をキラキラさせるゼロスが可愛くて、「可愛いウサギを作ってあげますね」とリンゴ剥きが優先です。
そうしている間にもハウストとイスラの会話は続きました。
「それならどんなのが好みだ。見繕ってやろうか」
「余計なお世話だ」
イスラはムッとして答えましたが、それでもやっぱり好みはあるのか答えだします。
「そうだな、……年上が好きだ」
「年上か」
「ああ。髪の色は、どちらかというと金色寄りがいい」
「金髪か」
「可愛い感じのも嫌いじゃないが、美人や綺麗な感じの方が好きかもしれない」
「意外と細かいな。他にもあるのか?」
「細かいつもりはないが、他にもある」
「あるのか……」
「ある。言葉遣いが荒っぽいのは好きじゃない、丁寧な方が好きだ」
「…………」
「他には、」
「分かった。もういい、それ以上は止めておけ」
「……なんでだ」
「お前の為だ」
「ハウストが聞いたのに……」
訳が分からん……とイスラが首を傾げます。
そんなイスラに、ハウストは「恐ろしいな、無意識か……」と少し引いていました。彼が引くなんて珍しいことです。……二人していったいなんなのでしょうか。
「リンゴ剥けましたよ。どうぞ食べてください」
ガラス皿にリンゴを並べて皆の前に置きました。
こうして皆でデザートを楽しみます。
ゼロスはシャクシャクのリンゴに嬉しそう。ハウストも機嫌よくリンゴを食べています。もちろんイスラは私が食べさせてあげました。イスラは少し恥ずかしそうでしたが、四人で食べるデザートはとても美味しかったです。
デザートの時間を楽しんで一時間後。
「可愛いですね、よく眠っています」
「熱はもう大丈夫そうか?」
ハウストがイスラの寝顔を覗いて聞いてきました。
イスラはリンゴを食べた後にうとうと微睡んで、ぐっすり眠りこんでしまいました。まだ一日の半分を眠って過ごしているのです、疲れてしまったのでしょう。
ハウストは政務があるのでイスラの側にずっといることは出来ませんが、上級医務官に常駐を命じて万全を期してくれています。
「はい。時々発熱しますが高熱は出さなくなりました」
「そうか」
「油断はできませんが回復してきています」
眠っているイスラの髪を撫でて、布団を肩まで掛け直してあげました。
体を冷やしてしまわないように、早く体が癒えるように願っています。
「あにうえ、ねちゃったね」
「そうですね、静かにしていてあげてくださいね」
「わかった。ブレイラ、だっこして」
「どうぞ」
イスラの枕元でゼロスを膝抱っこしてあげました。
ゼロスはじっとイスラを見つめています。
「あにうえ、だいじょうぶ?」
「大丈夫ですよ。またゼロスと遊べるようになります」
「うん、いっしょにあそびたい。もりのぼうけんごっこするの」
「それは楽しみですね」
「あにうえと~、ぼくと~、クウヤと~、エンキでいくの」
ゼロスが小さな指を四本立てて教えてくれました。
普段のイスラは人間界と魔界を行ったり来たりしていますが、魔界に長居する時はゼロスの剣術を指導したり、一緒に遊んであげたりとゼロスをよく構ってくれます。ゼロスもイスラが魔界に帰ってくると、『あにうえ、あそんで!』『あにうえ、あのね、いっしょにおやつたべよ!』と嬉しそうに後をついて回っているのです。
まだ幼いゼロスは何が起きているか分かっていません。でも大好きなイスラが大怪我をしてしまって、きっと何かが起きていると察していることでしょう。
イスラの見舞いに来ていた精霊王は精霊界へ帰りましたが、ジェノキスが魔界に残っています。今回の一件では魔界と精霊界とが共同で教団に対応することになったのです。その精霊界側の責任者がジェノキスでした。
その間、私の政務は必要最小限にしてもらっています。時間が許す限りイスラの側から離れたくないのです。夜もイスラが眠るまで側にいます。
イスラの体力は徐々に回復していますが、まだ一日の半分を寝て過ごしていました。
「イスラ、こちらを向いてください」
「ん」
顔を向けられてイスラの口の周りを丁寧に拭いてあげます。
今、イスラは食事中でした。
スプーンでスープのかぼちゃを掬い、イスラの口元に運びます。
「どうぞ、あーんしてください」
「…………」
「ほら、イスラ?」
「……。……あーん」
ぱくりと食べてくれて、ほっとひと安心です。
食欲があることに安心します。
もっと食べてほしくて、またスプーンでスープを口元に運びました。
でも。
「……ブレイラ、その、自分で食べれるから……」
イスラが目を泳がせて言いました。
困惑した様子ですが目元が僅かに赤いです。
私は逃げてしまったイスラの目線を追って回り込みました。じっとイスラの顔を見つめます。いつまでも見ていたいお顔です。
「私がしたいのです。ダメですか?」
「あ、う……。…………ダメじゃない」
「良かった。どうぞ、あーんしてください」
スプーンを口元まで持っていくとイスラが口を開けてくれました。
食べてくれる姿に目を細めていると、私の隣にいたゼロスが絵本を読みながら難しい顔をしています。
最近の私の定位置はイスラの枕元なので、ゼロスも自分の椅子を運んできていました。
椅子にちょこんと座って絵本を読んでいます。目を離すとたくさん持ってきた絵本をイスラのベッドに並べだすので困りものです。
ゼロスが絵本を見ながら「う~ん」と呻り、イスラに向けて開けました。
「あにうえ、これなんてよむの?」
「どれだ?」
「これ」
「ああ、それは『星屑』だ。『ほしくず』」
「ほしくず……。それって、なあに?」
「星が爆発して砕けた物だ」
「ばくはつしたの?!」
「そうだ。爆発して砕けた」
「なにそれ、こわい……」
ゼロスが青褪めてしまいました。
でも私は二人の会話に口元が綻んでしまいます。
「そんな物騒なものではありませんよ。たしかに爆発で星が砕けたものといわれていますが、一つ一つがとてもキラキラしたものです。例えば、星が綺麗な夜空のことを『星屑を散りばめたような夜空』ということもありますよ」
「キラキラ?」
「そう、キラキラです。そんなに物騒なものではありません」
こうして私たちが話していると、部屋の扉がノックされました。
部屋に入ってきたのはハウストです。
「ここにいたか」
「ハウスト、お疲れさまです」
立ち上がって出迎えると、側にきてくれたハウストが私の腰をそっと抱き寄せて頬に口付けてくれました。
お返しの口付けをして、ハウストの手を取ったままイスラの枕元に戻ります。
ハウストはイスラの左腕切断部の確認をしてくれました。
「調子はどうだ。痛みは?」
「痛みはない」
「そうか、体力も戻っているようだな」
「ああ、そろそろ起きられる。…………けど、もう少し寝てるつもりだ」
「……そうだな。そうしてろ」
そう会話しながらハウストとイスラが私からそっと目を逸らしました。
じろりっと見つめた私の視線に気付いたのです。
「そうです、まだ寝ていなければいけません。当たり前じゃないですか」
二人に言い聞かせるように言うと、私はデザートのリンゴを取りました。
イスラの枕元にハウストも加わって四人が揃います。病人の側で騒がしくなっていないか気になりましたが、イスラは気にした様子もなくゼロスの相手をしてくれていました。
「今からリンゴを剥くので、良かったらハウストも召し上がってください」
「ああ、いただこう」
「ぼくも~!」
ハイッ! とゼロスが元気に手を挙げます。
「分かっていますよ。ちょっと待っててくださいね」
もちろんゼロスの分も忘れていませんよ。四人分ですね。
シュルシュルと果物ナイフでリンゴの皮を剥いていきます。リンゴの皮がくるくると螺旋を描いて、「ブレイラ、くるくるなのすごい~!」とゼロスが瞳を輝かせて感心しています。ふふふ、気分がいいです。私は器用なのですよ。
私がリンゴを剥いている横で、ハウストとイスラが話しています。
「イスラ、お前が行きつけにしている酒場の店主から見舞いが届いていたぞ。後で確認しておけ」
「そうか、気を使わせたな。また礼をしに行く」
「そうしろ」
そう会話しながらも、ふとハウストがじっとイスラを見ます。
その視線にイスラは「なんだ……」と居心地悪そうな顔になりました。
「お前、かなりモテるそうだな」
「なんの話しだ」
「店主から聞いたぞ。お前が店にいると賑やかになると。お前目当てに客が増えるらしい」
「……あいつ、べらべらと……」
イスラが低い声で言いました。
否定しないイスラにハウストが喉奥で笑います。
「侍女たちの噂はあながち噂ではなかったか」
「噂は噂だ」
「でも誘われるだろ?」
「……好みじゃない」
二人の会話を聞きながら私の目が据わっていきます。
誘われることは否定しないのですね。しかもその言い方では、好みなら誘いに乗るということですか?
どういう事ですかと割り込みたかったけれど、ゼロスに「ブレイラ、リンゴはウサギさんにして」とリクエストされました。瞳をキラキラさせるゼロスが可愛くて、「可愛いウサギを作ってあげますね」とリンゴ剥きが優先です。
そうしている間にもハウストとイスラの会話は続きました。
「それならどんなのが好みだ。見繕ってやろうか」
「余計なお世話だ」
イスラはムッとして答えましたが、それでもやっぱり好みはあるのか答えだします。
「そうだな、……年上が好きだ」
「年上か」
「ああ。髪の色は、どちらかというと金色寄りがいい」
「金髪か」
「可愛い感じのも嫌いじゃないが、美人や綺麗な感じの方が好きかもしれない」
「意外と細かいな。他にもあるのか?」
「細かいつもりはないが、他にもある」
「あるのか……」
「ある。言葉遣いが荒っぽいのは好きじゃない、丁寧な方が好きだ」
「…………」
「他には、」
「分かった。もういい、それ以上は止めておけ」
「……なんでだ」
「お前の為だ」
「ハウストが聞いたのに……」
訳が分からん……とイスラが首を傾げます。
そんなイスラに、ハウストは「恐ろしいな、無意識か……」と少し引いていました。彼が引くなんて珍しいことです。……二人していったいなんなのでしょうか。
「リンゴ剥けましたよ。どうぞ食べてください」
ガラス皿にリンゴを並べて皆の前に置きました。
こうして皆でデザートを楽しみます。
ゼロスはシャクシャクのリンゴに嬉しそう。ハウストも機嫌よくリンゴを食べています。もちろんイスラは私が食べさせてあげました。イスラは少し恥ずかしそうでしたが、四人で食べるデザートはとても美味しかったです。
デザートの時間を楽しんで一時間後。
「可愛いですね、よく眠っています」
「熱はもう大丈夫そうか?」
ハウストがイスラの寝顔を覗いて聞いてきました。
イスラはリンゴを食べた後にうとうと微睡んで、ぐっすり眠りこんでしまいました。まだ一日の半分を眠って過ごしているのです、疲れてしまったのでしょう。
ハウストは政務があるのでイスラの側にずっといることは出来ませんが、上級医務官に常駐を命じて万全を期してくれています。
「はい。時々発熱しますが高熱は出さなくなりました」
「そうか」
「油断はできませんが回復してきています」
眠っているイスラの髪を撫でて、布団を肩まで掛け直してあげました。
体を冷やしてしまわないように、早く体が癒えるように願っています。
「あにうえ、ねちゃったね」
「そうですね、静かにしていてあげてくださいね」
「わかった。ブレイラ、だっこして」
「どうぞ」
イスラの枕元でゼロスを膝抱っこしてあげました。
ゼロスはじっとイスラを見つめています。
「あにうえ、だいじょうぶ?」
「大丈夫ですよ。またゼロスと遊べるようになります」
「うん、いっしょにあそびたい。もりのぼうけんごっこするの」
「それは楽しみですね」
「あにうえと~、ぼくと~、クウヤと~、エンキでいくの」
ゼロスが小さな指を四本立てて教えてくれました。
普段のイスラは人間界と魔界を行ったり来たりしていますが、魔界に長居する時はゼロスの剣術を指導したり、一緒に遊んであげたりとゼロスをよく構ってくれます。ゼロスもイスラが魔界に帰ってくると、『あにうえ、あそんで!』『あにうえ、あのね、いっしょにおやつたべよ!』と嬉しそうに後をついて回っているのです。
まだ幼いゼロスは何が起きているか分かっていません。でも大好きなイスラが大怪我をしてしまって、きっと何かが起きていると察していることでしょう。
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