執着から始まる

一色ほのか

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 今、とても困っている。
 覚悟を決めて瀬能さんに告白したら、彼は真顔で固まってしまって。
 やっと動いたと思ったら背に腕を回されて抱き締められて、そのまま動かなくなってしまった。

 えっと。
 悪い意味では、無いとは思うんだけど。
 いつまでもこのままというのも……。
 
「せ、瀬能さん……?」
 
 恐る恐る声を掛ける。
 反応がなかったらどうしよう。背中叩いてみる?
 なんて考えていたら、
 
「――――――もう少しくらいなら待つ気でいたんです」

「えっ?」
 
 ちゃんと反応は返ってきた、けど……待つってなんのことだろう。
 今の状況の話なら急かすような真似はしないだろうし。
 
「必要以上に関わるのを嫌がっている様子でしたし、一度ちゃんとシても忌避されそうだなと。だから色々・・やって崩していこうと思ってたんです。でも」
「ぇあ、きゃっ……?!」
 
 瀬能さんにつられる形で一緒にベッドに倒れ込む。
 そのままころんと転がされて。押し倒される形にされ。
 
「貴方が俺を好きなら、これ以上下手なこと・・・・・をする必要はないですね」
 
 そう、嬉しそうに瀬能さんが笑う。
 本当に、とても嬉しそうで。

 近付いてきた顔を避けることなく、素直にキスを受け入れた。
 
「口、開けてください」
「ぁ、ん……ッ」

 おずおずと少しだけ開いた口に、舌が入り込む。
 さっきとは違って、奪い尽くすような性急さはない。
 まるで味わうかのようにゆっくりと舌を絡められ、口内を撫でられる。
 
「っ、も、くるっ、し……っ!」
「ん、…………まだ、」
「ゃっ、ん、んぅっ?!」

 し、しつこい!?

 流石に苦しくて抵抗したけど、顔を両手でがっしり固定されてしまっていてはどうすることもできず。
 されるがまま、長い長いキスに耐えることとなってしまった。
 いやこの人ほんとに、

「~~~~っ、きす、嫌い、なんじゃ、」
「ん?……ああ、貴方とするのは大丈夫ですよ。した後の顔見るのが好きなので。他は嫌いなままでしょうけど」
 
 どことなく、冷え冷えとした笑み。
 あまり触れてほしくないことみたいだ。
 
「あ、の、」
「余計なことを口にしたのは俺の方ですからいいです。それよりこっちに集中してください」
「ッん、きゃう……っ」
「胸に触られるの、嫌なんですよね。これから全部俺が上書きしますから、俺の手だけ覚えてくださいね」
「え――――、あっ、んゃあっっ」
 
 シーツを取り払われて、直接胸を触られる。
 それ、はっきり嫌って言ったことあったっけ?嫌がりはしたけど言ったことはないような?
 いっつも嫌がってれば、そう思うのかな?
 …………実際のところ、嫌ではあるんだけど……、
 
「ふっ、うぁ……っ」
「気持ちいいですか?」
「んっ……!」
 
 声に出すのは恥ずかしくて、こくこくと頷いて返す。
 嫌も、怖いもあるけど……瀬能さんの手だと分かっているから、気持ちいい、と思う。
 さっきみたいに、無理矢理力で押さえ付ける感じでもないし……。
 ただ少し周りを見る余裕が出てきて、明るいのとか、時間とか色々気になって落ち着かない、かも。
 
「暗くしますか?」
「! う、うん……」
 
 瀬能さんがちょっと苦笑いをして、離れていく。
 なんで分かったんだろう……。
 
 ――――――シャッとカーテンが閉じられ、照明が落とされた。
 
 それだけで、思った以上に部屋が暗くなる。
 そのことに少し不安になっていたけれど、ある音・・・が耳に届いて、そんなことはどうでも良くなった。
 心臓の音が痛いくらいに煩い。

「ぁぅ……っ」
 
 ギシリとベッドが軋む音。

 密着した身体は、素肌の感触を伝えていた。
 
「流石に我慢も限界なのでもう止めません」
「んっ、せの、さ、」
大輝はるき、ですよ。天音さん・・・・
「や、あんんッ!」
「呼んでくれないんですか?」
 
 熱っぽい声で、吹き込むように耳元で言う。
 その間も手は不埒に動いていて、胸を弄っている。
 
「じゃあ、呼んでくれるまで胸だけ、で」
「え、あっ、きゃあんっ?!」
 
 手指で弄っていない方の胸に、ちゅう、と吸い付かれる。
 ぬるぬるとした生温い柔らかな舌が、胸の先端をなぞるように舐めたり、くにゅくにゅと捏ねるように動く。
 本当に執拗に、胸ばかりを責め立てられる。
 
「んっぁ、あッ、ぅんんん~……ッ!」
 
 最初は羞恥心の方が大きかったけど、じんわりと追い込むような快感にもどかしさが募っていく。
 さっき一度触られた所為もあってかソコが疼いて……でもそれを口にするのは、恥ずかしくて。
 縋るように彼を見るも、薄暗い中じゃよく見えない。
 でもいつもみたいに、目を細めてわらっている、気がする。
 どうしても名前を呼ばせたいらしい。
 それで何が変わるの?って思うけども、分からない、考えられない。
 好きな人に触られるのはこんなにも気持ちいいって、身体が訴える。もっとって、求めてる。
 ぐるぐるする、色んな考えが頭の中で浮かんでは散っていって、塗り替えられてしまう。

 駄目、もう――――無理だ。耐えられない。

 
「っ……、はるき、さ……っ!も、おねが、――――――ッあ!?ひっ、んあッあぁあああッッ!」

 
 名前を呼んで、本当にすぐ。
 待ってましたと言わんばかりの速さで下着を脱がされ、脚を広げさせられて、躊躇なくソコに指を突き入れられた。
 ずぽずぽって激しく指を出し入れされる。何本も、ナカで指が蠢いて。耐えられるはずもなく。
 あっけなく、イかされてしまった。
 
「あは、ココ、全然指離してくれないな」
「ひァあんっ!?あっあっあぁああっ!」
 
 イッてすぐの、敏感になっているナカをぐぷぐぷって掻き混ぜられる。
 気持ちいい、ううん、気持ち良すぎて、声、抑えられない。
 
「さっきまでと声、全然違いますね。嬉しいです、俺の手でこんなに感じてくれて」
「っぁ、待っ、やぁああっ!」
「もっともっと気持ち良くしてあげますね。…………もう二度と、――――――俺から逃げないように」
「んッ、ぇ?なん、て……、あ、ひゃうッ!?や、そこ、一緒、やだ、ぁあぅッッ」
 
 大輝さん、が、低い声で何か言ったのは分かったけど、聞き取れなくて。
 聞き返そうとしたけどナカだけじゃなくて陰核も撫で擦られて、それ以上の言及は出来なかった。
 まるで反抗は許さない、とでも言うような強引さ。
 そんな風にしなくたって、もう逃げたりしないのに。
 逃げられるなんて、思ってないのに。





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