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プロローグ
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ドキドキする話を知らないかって?
誰に聞いておる。
わしは500年前、勇者一行と共に魔王討伐に参加したエルフの大賢者だぞ!
わしが経験したことすべてが血湧き肉躍る…まさにドキドキする話ばかりじゃ。
「.....。」
えっ?!聞きたいって?!
そ、そうか、どうしても聞きたいと言うのなら、話してやってもやぶさかではない。特別じゃぞ!
久しぶりに話をするから、どの話にするか、ちょっと吟味したいが…えっ?
「.....。」
吟味するほどたくさん話すのか?いや、ひとつだけでいいのにって?
ひ、ひとつだけではわしの偉大さが分からんぞ?!わしを筆頭に勇者、戦士、斥候の最強メンバーで挑んだ魔王討伐……あの大冒険の中から……ひ、ひとつだけ?!!
「.....。」
はぁ?ベスト10を聞けるほど、時間がないのでそれならいいです…えっ?ちょっと!ちょっと待て!!じゃぁ、じゃぁ、ひとつだけ!ひとつだけでいい!!
「……。」
いいんじゃな?ひとつだけならいいんじゃな?
よ、よ、よし!ならばとっておきの話を聞かせてやろう。わしがひとりでじゃぞ、魔物1000匹を相手に…。
「.....。」
えっ?そういう話じゃないって?
ちょっと待て!!まだ触りなんじゃ。これからまさにお主が望む、血沸き肉躍るドキドキする場面に入って行くから!
「……。」
えっ?そんな話じゃない?!
自分が聞きたいのはラブラブなカップルの恋バナ?
「……。」
……恋バナ?なんじゃそれは?
「……。」
恋の話?はぁ?お爺さんに恋の話を振って申し訳なかっただと?!
バカをいえ、わしだって恋のひとつやふたつ…ないが、わしが恋のキューピットになった話はある!!
「……。」
それが聞きたいってか…?
だが…それじゃわしの偉大さが…。人の恋路を手伝った話じゃ…わしの出番が…活躍が…。
「……。」
えっ!!よいのか?約束…約束じゃぞ!この話の後でわしがひとりで1000匹の魔物を蹴散らした話を聞いてくれるんじゃなぁ!メインディシュの前に、前菜となる話があればよりわしの偉大さが輝くしなぁ、うんうん…まぁ良かろう。しかし恋の話…恋バナをわしに強請る者はおらんかった。お主が初めてじゃぞ。
さて、どこからはなそうか。
フウ~そうじゃなぁ…。
あれは……夏の暑い日じゃった…。
・
・
・
一応言っておくが、わしは人との繋がりを断って数百年は、西の森から出たことがなかったんぞ。ほんとに!
「…?」
だが、暑かったんじゃ、それはもう体が溶けてしまうかと思うくらい!
そんな時に使い魔から町では今、一瞬で体をひんやりとさせるジェラートという摩訶不思議な食べ物が評判だと聞いて、そんな魔法のようなことがあるものかと…この偉大なわしがわざわざ確かめに、町へと行ってみたんじゃ。
「……。」
えっ…あの前振りは何?ほんのちょっとウルって来たのに何?…って…。
それは…それはのう…。
「……。」
…ようするに暑かったので冷たいものを食べたかったんだろう…って…。
・
・
・
と、とにかく体が溶けるくらいめちゃくちゃ暑い日だったんじゃ!!
・
・
・
「…。」
フ~ン…じゃと…。それだけか?!わしは恋バナをどう話せば息を呑むようなスペタクルになるのかと悩んでおるのに。本当にわしと違ってお気楽なお主には、悩むと言う事とかないみたいじゃのう。
全く…。
だが今日の飯は肉にしようか?それとも魚にしようか?など、お主とてそのようなことで悩んだことはあるじゃろう?まぁ、飯の選択を外しても心が壊れるような思いにはならんじゃろうが。選択を外すことでその先の未来が変わることもあるのじゃ。
よく聞け。
この世に生を受けたすべての者は生きている限り、いつも選択を強いられる。些細な事から、命に係わるような事までのう。人生にはいたるところで分岐点があるということじゃ。うまくいった場合は良いが、だが選択を誤った場合、どんなに後悔してももう一度分岐点に戻り選びなおすことはできん。
それがこの世の理。
だが、わしならもう一度やり直すチャンスを作ることことができる。
賢いお主ならならば想像できるじゃろう。
「……。」
その通り、これから話す恋の話は選択を後悔した者が、その決断をした分岐点まで戻った者の話じゃ。
誰に聞いておる。
わしは500年前、勇者一行と共に魔王討伐に参加したエルフの大賢者だぞ!
わしが経験したことすべてが血湧き肉躍る…まさにドキドキする話ばかりじゃ。
「.....。」
えっ?!聞きたいって?!
そ、そうか、どうしても聞きたいと言うのなら、話してやってもやぶさかではない。特別じゃぞ!
久しぶりに話をするから、どの話にするか、ちょっと吟味したいが…えっ?
「.....。」
吟味するほどたくさん話すのか?いや、ひとつだけでいいのにって?
ひ、ひとつだけではわしの偉大さが分からんぞ?!わしを筆頭に勇者、戦士、斥候の最強メンバーで挑んだ魔王討伐……あの大冒険の中から……ひ、ひとつだけ?!!
「.....。」
はぁ?ベスト10を聞けるほど、時間がないのでそれならいいです…えっ?ちょっと!ちょっと待て!!じゃぁ、じゃぁ、ひとつだけ!ひとつだけでいい!!
「……。」
いいんじゃな?ひとつだけならいいんじゃな?
よ、よ、よし!ならばとっておきの話を聞かせてやろう。わしがひとりでじゃぞ、魔物1000匹を相手に…。
「.....。」
えっ?そういう話じゃないって?
ちょっと待て!!まだ触りなんじゃ。これからまさにお主が望む、血沸き肉躍るドキドキする場面に入って行くから!
「……。」
えっ?そんな話じゃない?!
自分が聞きたいのはラブラブなカップルの恋バナ?
「……。」
……恋バナ?なんじゃそれは?
「……。」
恋の話?はぁ?お爺さんに恋の話を振って申し訳なかっただと?!
バカをいえ、わしだって恋のひとつやふたつ…ないが、わしが恋のキューピットになった話はある!!
「……。」
それが聞きたいってか…?
だが…それじゃわしの偉大さが…。人の恋路を手伝った話じゃ…わしの出番が…活躍が…。
「……。」
えっ!!よいのか?約束…約束じゃぞ!この話の後でわしがひとりで1000匹の魔物を蹴散らした話を聞いてくれるんじゃなぁ!メインディシュの前に、前菜となる話があればよりわしの偉大さが輝くしなぁ、うんうん…まぁ良かろう。しかし恋の話…恋バナをわしに強請る者はおらんかった。お主が初めてじゃぞ。
さて、どこからはなそうか。
フウ~そうじゃなぁ…。
あれは……夏の暑い日じゃった…。
・
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一応言っておくが、わしは人との繋がりを断って数百年は、西の森から出たことがなかったんぞ。ほんとに!
「…?」
だが、暑かったんじゃ、それはもう体が溶けてしまうかと思うくらい!
そんな時に使い魔から町では今、一瞬で体をひんやりとさせるジェラートという摩訶不思議な食べ物が評判だと聞いて、そんな魔法のようなことがあるものかと…この偉大なわしがわざわざ確かめに、町へと行ってみたんじゃ。
「……。」
えっ…あの前振りは何?ほんのちょっとウルって来たのに何?…って…。
それは…それはのう…。
「……。」
…ようするに暑かったので冷たいものを食べたかったんだろう…って…。
・
・
・
と、とにかく体が溶けるくらいめちゃくちゃ暑い日だったんじゃ!!
・
・
・
「…。」
フ~ン…じゃと…。それだけか?!わしは恋バナをどう話せば息を呑むようなスペタクルになるのかと悩んでおるのに。本当にわしと違ってお気楽なお主には、悩むと言う事とかないみたいじゃのう。
全く…。
だが今日の飯は肉にしようか?それとも魚にしようか?など、お主とてそのようなことで悩んだことはあるじゃろう?まぁ、飯の選択を外しても心が壊れるような思いにはならんじゃろうが。選択を外すことでその先の未来が変わることもあるのじゃ。
よく聞け。
この世に生を受けたすべての者は生きている限り、いつも選択を強いられる。些細な事から、命に係わるような事までのう。人生にはいたるところで分岐点があるということじゃ。うまくいった場合は良いが、だが選択を誤った場合、どんなに後悔してももう一度分岐点に戻り選びなおすことはできん。
それがこの世の理。
だが、わしならもう一度やり直すチャンスを作ることことができる。
賢いお主ならならば想像できるじゃろう。
「……。」
その通り、これから話す恋の話は選択を後悔した者が、その決断をした分岐点まで戻った者の話じゃ。
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