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私の努力が…泡、あわ、アワ。
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「それは私の娘です。お礼など、とんでもない。どうぞ、お気になさないでくださいませ。」
お父様…何、得意げに言ってるんですか?!
ウィンスレット侯爵の双子は体が弱く、特にここ数年は、姉のロザリーは領地のど田舎で療養している…と話を作ったのは、誰ですか!
そのおかげで、この数年、私は剣に、馬に、古武術にと、鍛えられ…見事に腹筋は、シックスパックを作る羽目になったというのに!
はぁ…いいです、それはもう…シックスがエイトになろうが、もういいです。
でも、バレたらどうするですか~!
あぁ…わかっていない。
全然、危機感がないんだろうなぁ…。
とうとう、娘自慢をやり始めちゃったもの。
あっ!ルシアン王子が…こっちを、み…見ていらっしゃるよ。
あの鋭い赤い瞳が、国民の前では、ほんの少し柔らかくなるのが、超カッコ良くて、そしてあの体に見合った、剣さばきに憧れていました。
でも…
あの赤い瞳で睨まれ、あの剣さばきをこの身で受けたいとは、一度だって思ったことは、なかったのに…。
その可能性は、今回あるかも…。
腕の良い剣士が、剣を振るうと、シュッって、音がするだよね。まるで風音。
だから切られても、わからなくて
「もう、すでにお前は死んでいる。」
と言われて、ようやく自分が切られたことがわかるらしい。
天国はお花畑って、よく言うけど、一瞬で…お花畑に行けるんだ。この世ではない美しいお花畑に…
でも、花粉症だったら、死んでも大変だ。あはは…。
「シリル。何を笑っている…余裕だな。」
凄みのあるお声に、もうお花畑が見えた気がした。
引きつった顔で
「で、殿下、笑って…などおり…ません。」
ルシアン王子は、眉を上げ
「ほぉ~そうか。では、今からゆっ~くりと、そしてわかりやすく、色々とお前から、話を聞きたいなぁ。」
「ゆ、ゆっくりと、わかりやすく、ですか?」
「そう、ゆっくりと、わかりやすくだ。」
「…はい。」
ルシアン王子はにっこり笑うと、
「では、確認しても良いかな。青いドレスを着た青い瞳の女性は、ウィンスレット侯爵のご息女であり、シリル…お前の双子の姉なのだな。」
「その通りでございます。間違いなく、その青い瞳に青いドレスは、私の娘ロザリー・アーネット・ウィンスレットでございます。」
お父様…
聞かれたのは、私なんですけど、なぜ、進んでお答えになるのですか?おまけに、ご丁寧に私のフルネームまで…。
さすが忠臣ウィンスレット侯爵の返答ですが、どうするんですか?私のこれまでの努力が、水の泡になって行くじゃないですか~。
「シリル…」
ルシアン王子も私に忠義を見せろと仰る。
「…はい。その通りです。」
私の返答を聞いて、眼を伏せられたルシアン王子は、低い、それはすっごく低い声で
「ならば、なぜ隠そうとした。ウィンスレット侯爵家の令嬢であれば、なぜその存在自体を隠そうとしたのだ?」
ようやく…お父様も気付かれたようだ。
顔色がだんだん青くなって行かれる。
ど、どうしょう。
「ロ、ロザリーは!」
お、お父様?!
「ロザリーは…ふ、不治の病でございまして、どうせ先がないのなら…密かにお慕いしておりました、殿下に…ご結婚前に、お会いしたいと言う気持ちが、殿下のお部屋に忍びこむと言う、とんでもないことをさせたのでございます。そんな、悲しく、そして恥ずかしい理由でございましたので、とても言う事はできませんでした。」
……そのロザリーって、まさか私…かな?
お父様、何、ホッとしているです?
おまけにそのやり遂げたと言う顔はやめて下さい。
全然、問題は解決しておりません。
寧ろ、複雑にしているじゃないですか?
不治の病や、王子様に夜這いなど…そんな作り話。
誰が信じます?!
えっ?ええっ?なに、その赤い瞳を見開いちゃって、唇を噛む姿は…まさか、ルシアン王子は、信じちゃった?
う、嘘?!
ぁ…あ…違う。そうじゃない。
唇を噛んで、お父様をただ見つめていらっしゃるのは、ルシアン王子が、この話を信じたというより、お父様を信じていらっしゃるから、まさかと思う話でも、信じようとされているんだ。
赤い瞳が私へと視線を移し、じっと見つめる。
私と同じ青い瞳が揺れて、これしかないんだと、苦しそうに揺れている。
私は黙って、頷いた。
それしかないと思ったから頷いた。
ウィンスレット侯爵家の家督を継ぎたいライアン叔父様や、従兄弟のエイブには、よくない噂がある。そんな人に、ウィンスレット侯爵家を家督を譲りたくない。
でも…ルシアン王子の信頼を裏切ってしまった。
信頼するものしか、自分の後ろには、やらないと言っていたルシアン王子、それほど裏切られる事ばかりだったんだろう。そんな人達の中から、お父様はルシアン王子の信頼を得たのに…
私は…私は、大きな罪を犯したと思った。
お父様…何、得意げに言ってるんですか?!
ウィンスレット侯爵の双子は体が弱く、特にここ数年は、姉のロザリーは領地のど田舎で療養している…と話を作ったのは、誰ですか!
そのおかげで、この数年、私は剣に、馬に、古武術にと、鍛えられ…見事に腹筋は、シックスパックを作る羽目になったというのに!
はぁ…いいです、それはもう…シックスがエイトになろうが、もういいです。
でも、バレたらどうするですか~!
あぁ…わかっていない。
全然、危機感がないんだろうなぁ…。
とうとう、娘自慢をやり始めちゃったもの。
あっ!ルシアン王子が…こっちを、み…見ていらっしゃるよ。
あの鋭い赤い瞳が、国民の前では、ほんの少し柔らかくなるのが、超カッコ良くて、そしてあの体に見合った、剣さばきに憧れていました。
でも…
あの赤い瞳で睨まれ、あの剣さばきをこの身で受けたいとは、一度だって思ったことは、なかったのに…。
その可能性は、今回あるかも…。
腕の良い剣士が、剣を振るうと、シュッって、音がするだよね。まるで風音。
だから切られても、わからなくて
「もう、すでにお前は死んでいる。」
と言われて、ようやく自分が切られたことがわかるらしい。
天国はお花畑って、よく言うけど、一瞬で…お花畑に行けるんだ。この世ではない美しいお花畑に…
でも、花粉症だったら、死んでも大変だ。あはは…。
「シリル。何を笑っている…余裕だな。」
凄みのあるお声に、もうお花畑が見えた気がした。
引きつった顔で
「で、殿下、笑って…などおり…ません。」
ルシアン王子は、眉を上げ
「ほぉ~そうか。では、今からゆっ~くりと、そしてわかりやすく、色々とお前から、話を聞きたいなぁ。」
「ゆ、ゆっくりと、わかりやすく、ですか?」
「そう、ゆっくりと、わかりやすくだ。」
「…はい。」
ルシアン王子はにっこり笑うと、
「では、確認しても良いかな。青いドレスを着た青い瞳の女性は、ウィンスレット侯爵のご息女であり、シリル…お前の双子の姉なのだな。」
「その通りでございます。間違いなく、その青い瞳に青いドレスは、私の娘ロザリー・アーネット・ウィンスレットでございます。」
お父様…
聞かれたのは、私なんですけど、なぜ、進んでお答えになるのですか?おまけに、ご丁寧に私のフルネームまで…。
さすが忠臣ウィンスレット侯爵の返答ですが、どうするんですか?私のこれまでの努力が、水の泡になって行くじゃないですか~。
「シリル…」
ルシアン王子も私に忠義を見せろと仰る。
「…はい。その通りです。」
私の返答を聞いて、眼を伏せられたルシアン王子は、低い、それはすっごく低い声で
「ならば、なぜ隠そうとした。ウィンスレット侯爵家の令嬢であれば、なぜその存在自体を隠そうとしたのだ?」
ようやく…お父様も気付かれたようだ。
顔色がだんだん青くなって行かれる。
ど、どうしょう。
「ロ、ロザリーは!」
お、お父様?!
「ロザリーは…ふ、不治の病でございまして、どうせ先がないのなら…密かにお慕いしておりました、殿下に…ご結婚前に、お会いしたいと言う気持ちが、殿下のお部屋に忍びこむと言う、とんでもないことをさせたのでございます。そんな、悲しく、そして恥ずかしい理由でございましたので、とても言う事はできませんでした。」
……そのロザリーって、まさか私…かな?
お父様、何、ホッとしているです?
おまけにそのやり遂げたと言う顔はやめて下さい。
全然、問題は解決しておりません。
寧ろ、複雑にしているじゃないですか?
不治の病や、王子様に夜這いなど…そんな作り話。
誰が信じます?!
えっ?ええっ?なに、その赤い瞳を見開いちゃって、唇を噛む姿は…まさか、ルシアン王子は、信じちゃった?
う、嘘?!
ぁ…あ…違う。そうじゃない。
唇を噛んで、お父様をただ見つめていらっしゃるのは、ルシアン王子が、この話を信じたというより、お父様を信じていらっしゃるから、まさかと思う話でも、信じようとされているんだ。
赤い瞳が私へと視線を移し、じっと見つめる。
私と同じ青い瞳が揺れて、これしかないんだと、苦しそうに揺れている。
私は黙って、頷いた。
それしかないと思ったから頷いた。
ウィンスレット侯爵家の家督を継ぎたいライアン叔父様や、従兄弟のエイブには、よくない噂がある。そんな人に、ウィンスレット侯爵家を家督を譲りたくない。
でも…ルシアン王子の信頼を裏切ってしまった。
信頼するものしか、自分の後ろには、やらないと言っていたルシアン王子、それほど裏切られる事ばかりだったんだろう。そんな人達の中から、お父様はルシアン王子の信頼を得たのに…
私は…私は、大きな罪を犯したと思った。
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