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25エリザさんと魔法の時間
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「それじゃ~、エドワードと二人で話をして来るわ~」
そう言うと曾祖母が肩に手を置いた。その瞬間俺の目に映ったのは見知らぬ部屋だった。何とも言えない殺風景な部屋で、家具の類も置かれていない土造りの空き部屋といった印象の部屋に、俺は曾祖母と二人並んで立っていた。
「え、あ、え、あの、ここは?」
「魔法修練用に作った部屋よ~、転移魔法に興味があったみたいだから~連れてきてあげたの~」
聞きたいところはそこじゃない。何でお茶の途中にこんな所に連れて来られたのかを教えて欲しいんだ。
俺の手にはジュ-スが握られたままになっている。良くこの状況で落とさなかったと思うが、普通落とすよ!。いきなり転移させられたら。
「さあ。あなたの魔法を私に見せて~」
ああ~そう言う事ですか。魔法を見るためにこんな所に連れてきたと。それなら言ってから連れて来いよ。って言ったら怒られるんだろうな~。
「何を使ったら良いんですか?」
「そうねぇ~、光が一番解りやすいから~、どれだけ長く使えるかやってみせてくれるかしら~」
長くか。ここで見込み無しだと転移とか教えてくれないんだろうな~、もうばれてもLEDライトで俺スゲ~って処見せたら教えてくんないかな~。
「長くですね」
「そうよぉ~、部屋の明かりが消えたら始めなさい」
曾祖母がゆっくりと腕を上げると部屋の明かりが消えていった。
「ではやります『光よ』」
所詮はイメージ力の問題で詠唱などは補助でしかない訳で、やる事はどれだけの効率で魔法を使えるかの一点だけなのだから、今回のイメージは昔使っていたLED白色電球くらいか。
暗い部屋が一気に明るくなる。やはり無駄なエネルギーを使わない分だけ少ない魔力をで発動可能だ。地球では少し暗いかと思う明かりでも、ロウソクより暗い灯明に馴れたこの世界では、かなり明るい物だと今更ながらに思う。
曾祖母は何も言わず表情も変えない。もう少し驚いてくれるかと思ったが少し拍子抜けだ。まあ試算では10分はこっちも涼しい顔で出来るのだ、驚くのはそれからにしてもらおう。
「もう良いわよぉ~」
12~3分たったあたりで曾祖母に声をかけられた。まだ余裕があったので不完全燃焼な感はあるが、まあ実力は解ってもらえただろう。
「まだやれますけど?」
「面白い魔法を使うわね~、明るさは良いけど~、あれだけ長く使ったら普通倒れるわよ~」
そこまでは考えてなかった。母ですら1分でギブ、白熱電球なら2分まではやったが、LEDの効率は太陽光や白熱電球の比ではないのだ。やりすぎた。
「明るくする時にあったかい必要って無いなって思ったんで、明かりだけって思ったら出来るようになったんですよね~」
お得意のすっとぼけである。工学関係は素人だが、LEDの明るさだけをイメージすれば良いなら俺にも出来るのだ。
もしかすると基礎工学の部分がハッキリしていれば、もっと効率は上げられるのだろうけど、専門外な部分はどうしようもないのだ。
「エドワードちゃんあなたね~、結構とんでもない事言ってるけど~、熱を抜くってそんなに簡単な事じゃないのよ~」
確かにとんでもない。ガスコンロでも焚き火でもいいのだが、火をつけて触ったら火傷する。ここまでは当然の結果だ。俺が言ったのはその火の中に手を入れられるようにしましたと言ったのだから、エリザさんに驚かれるのも無理は無い。
「出来ちゃったんですよ。あはははは」
苦しい言い訳にしか聞こえないがLEDの説明など出来ないし、したとところで地球の事を話さなきゃいけなくなる。ここは笑っとくしかないのだ。
「まあ良いわ~、後は何か使えるのかしら~?」
「光以外は使えません。危ないので練習も出来ませんから。一つ聞いても良いですか?」
「何を聞きたいの~?」
「魔力の増やし方について教えて欲しいんです」
魔力さえ増やせれば物理法則から抜け出た魔法も使うことが出来る。体力的問題も、身体強化のスタミナ増強なんて魔力ごり押し魔法で処理できるだろうし、魔法の大元である魔力が無ければ、やりたい事があってもスタート地点に立てないのだ。
「あら~?そんな事簡単よ~魔風穴から出る魔素を体を当てれば魔力の器が成長するわ~」
魔風穴って何? ここに来てさらに聞いた事の無い単語が飛び出してきた。
「そうねぇ~ここから一番近い所だと北西にある山の麓だけど~毎回そこまで来なくても~東の草原の中に小さな魔風穴ならあるから行って見ると良いわ~、後で麓の魔風穴には連れていってあげるわね~」
ウチから遠くない場所にもあるのは良いけど、その魔風穴って何なのさ。
「魔風穴って何ですか?」
「魔素を噴出している穴の事よ~、どこにでも魔素はあるの~、でもそれは多い訳じゃないから~、器は少しづつしか成長しないわ~。でも沢山の魔素を吸収すれば一気に大きくする事ができるの~、もちろんやりすぎはダメよ~、何もしなければ1魔風穴なら20くらいの感覚でやるのよ~」
「50とかやったりすると?」
「毎日でなければ良いのだけど~、やりすぎると冷や汗と吐き気が凄いわよ~、一度くらいならやってみると良いわ~、経験よ~」
何か最後おっかない事言われた気がするが、魔力不足はこれで解決できそうだ。
そう言うと曾祖母が肩に手を置いた。その瞬間俺の目に映ったのは見知らぬ部屋だった。何とも言えない殺風景な部屋で、家具の類も置かれていない土造りの空き部屋といった印象の部屋に、俺は曾祖母と二人並んで立っていた。
「え、あ、え、あの、ここは?」
「魔法修練用に作った部屋よ~、転移魔法に興味があったみたいだから~連れてきてあげたの~」
聞きたいところはそこじゃない。何でお茶の途中にこんな所に連れて来られたのかを教えて欲しいんだ。
俺の手にはジュ-スが握られたままになっている。良くこの状況で落とさなかったと思うが、普通落とすよ!。いきなり転移させられたら。
「さあ。あなたの魔法を私に見せて~」
ああ~そう言う事ですか。魔法を見るためにこんな所に連れてきたと。それなら言ってから連れて来いよ。って言ったら怒られるんだろうな~。
「何を使ったら良いんですか?」
「そうねぇ~、光が一番解りやすいから~、どれだけ長く使えるかやってみせてくれるかしら~」
長くか。ここで見込み無しだと転移とか教えてくれないんだろうな~、もうばれてもLEDライトで俺スゲ~って処見せたら教えてくんないかな~。
「長くですね」
「そうよぉ~、部屋の明かりが消えたら始めなさい」
曾祖母がゆっくりと腕を上げると部屋の明かりが消えていった。
「ではやります『光よ』」
所詮はイメージ力の問題で詠唱などは補助でしかない訳で、やる事はどれだけの効率で魔法を使えるかの一点だけなのだから、今回のイメージは昔使っていたLED白色電球くらいか。
暗い部屋が一気に明るくなる。やはり無駄なエネルギーを使わない分だけ少ない魔力をで発動可能だ。地球では少し暗いかと思う明かりでも、ロウソクより暗い灯明に馴れたこの世界では、かなり明るい物だと今更ながらに思う。
曾祖母は何も言わず表情も変えない。もう少し驚いてくれるかと思ったが少し拍子抜けだ。まあ試算では10分はこっちも涼しい顔で出来るのだ、驚くのはそれからにしてもらおう。
「もう良いわよぉ~」
12~3分たったあたりで曾祖母に声をかけられた。まだ余裕があったので不完全燃焼な感はあるが、まあ実力は解ってもらえただろう。
「まだやれますけど?」
「面白い魔法を使うわね~、明るさは良いけど~、あれだけ長く使ったら普通倒れるわよ~」
そこまでは考えてなかった。母ですら1分でギブ、白熱電球なら2分まではやったが、LEDの効率は太陽光や白熱電球の比ではないのだ。やりすぎた。
「明るくする時にあったかい必要って無いなって思ったんで、明かりだけって思ったら出来るようになったんですよね~」
お得意のすっとぼけである。工学関係は素人だが、LEDの明るさだけをイメージすれば良いなら俺にも出来るのだ。
もしかすると基礎工学の部分がハッキリしていれば、もっと効率は上げられるのだろうけど、専門外な部分はどうしようもないのだ。
「エドワードちゃんあなたね~、結構とんでもない事言ってるけど~、熱を抜くってそんなに簡単な事じゃないのよ~」
確かにとんでもない。ガスコンロでも焚き火でもいいのだが、火をつけて触ったら火傷する。ここまでは当然の結果だ。俺が言ったのはその火の中に手を入れられるようにしましたと言ったのだから、エリザさんに驚かれるのも無理は無い。
「出来ちゃったんですよ。あはははは」
苦しい言い訳にしか聞こえないがLEDの説明など出来ないし、したとところで地球の事を話さなきゃいけなくなる。ここは笑っとくしかないのだ。
「まあ良いわ~、後は何か使えるのかしら~?」
「光以外は使えません。危ないので練習も出来ませんから。一つ聞いても良いですか?」
「何を聞きたいの~?」
「魔力の増やし方について教えて欲しいんです」
魔力さえ増やせれば物理法則から抜け出た魔法も使うことが出来る。体力的問題も、身体強化のスタミナ増強なんて魔力ごり押し魔法で処理できるだろうし、魔法の大元である魔力が無ければ、やりたい事があってもスタート地点に立てないのだ。
「あら~?そんな事簡単よ~魔風穴から出る魔素を体を当てれば魔力の器が成長するわ~」
魔風穴って何? ここに来てさらに聞いた事の無い単語が飛び出してきた。
「そうねぇ~ここから一番近い所だと北西にある山の麓だけど~毎回そこまで来なくても~東の草原の中に小さな魔風穴ならあるから行って見ると良いわ~、後で麓の魔風穴には連れていってあげるわね~」
ウチから遠くない場所にもあるのは良いけど、その魔風穴って何なのさ。
「魔風穴って何ですか?」
「魔素を噴出している穴の事よ~、どこにでも魔素はあるの~、でもそれは多い訳じゃないから~、器は少しづつしか成長しないわ~。でも沢山の魔素を吸収すれば一気に大きくする事ができるの~、もちろんやりすぎはダメよ~、何もしなければ1魔風穴なら20くらいの感覚でやるのよ~」
「50とかやったりすると?」
「毎日でなければ良いのだけど~、やりすぎると冷や汗と吐き気が凄いわよ~、一度くらいならやってみると良いわ~、経験よ~」
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