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121宴会
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「まったく」とため息が出そうになるが、・・・を手招きすると腰に結わえてあった財布を渡してやる。
何をしたかって?宴会費用を渡したんだよ。こう言った宴会は基本目上の人間が金を出してやらなければならないからな。必要経費ってヤツだ・。
「ありがとうございます」
「しっかり買って来いよ。完成祝いだから今日は飲みすぎるくらい飲むだろうからな」
「多分朝まで飲みそうですね」
「おまえらは親方に付き合って朝まで飲むなよ。明日もウチの手伝いはあるからな」
「へ?」
「当たり前だろ!早く行って来い!」
二度目のため息モードだ。「まったく」だ。ちなみにアルコール濃度のせいか日本の宴会の様に酒飲みは食べないと言う事が無く食事が進む。どちらかと言えばバーベキューパーティーでちょっと一杯引っ掛けている感じだろうか。
それも漫画で出そうなほど大振りの肉をかじりながら合間に酒をクピっとやるのが、今回のスタイルの宴会になるだろう。
それにしても、あのすっぱい酒を良く飲むなと感心する。安っすい白ワインであのレベルの物を飲んだ事が有るが5人でボトル半分残した事があった。それを翌日カレー作りに使ったら酸っぱいカレーになって大不評だった事を思い出してしまうほど、酸っぱい酒には酸っぱい思いでがくっついているので飲むたびに思い出させられるww
自分ではやった事が無いのだがハンターゲームよろしく肉を直火で豪快に焼くスタイルでの宴会肉は、ウチで食べるステーキより美味く感じるのは雰囲気のせいなのかな?
そうこうしている間にも宴会準備が着々と進み、いくつもの焚き火で肉が焼かれていくのだが、いつもの事ながら30キロ近くは買ってきたんだろうな。10人程度でそんなに食うのかって?正規参加者以外のハイエナを舐めるなよ!酒の臭いを感じたのか肉の焼けた臭いに釣られて来たのか、すでに宴会準備に何人も近所のおっちゃんおばちゃんが混じっているし、これからも増えるんだぞ。
「いつもの事だけど宴会の広告してる訳じゃないのに、どんだけ集まって来るんだよ」
大挙して押しかけて来る訳ではなく。いつのまにかスポーンしていると言った感じで増えているおっちゃんおばちゃんは、実はモンスターなんじゃないのかと思ってしまうが、そのくらい自然と増えて混じっているのだから驚きだ。
酒は各自持参してくるので俺が金を出すのは肉だけなのだが、モーガンたちが仕事終わりに菜園から大量の野菜を持ってくるだろうから現物の持ち出しは追加される。
「肉が焼けたぞ~」
「「うぉ~~」」
こうして宴会が始まって行くのであった。
宴会で供される酒はあいも変わらず酸味がきつく俺の好みではない。有機酸からなる酸味はアルコールと混じり醸造酒特有の香りを鼻腔にもたらしてくれるのだが、それは酒が好きな者にとっては至福の香りとなり、俺の様に醸造酒が苦手な者には、ただの水っぽいピーーーでしかない。おっとモザイク音が入ってしまった。
「仕事が上がった後の酒は格別じゃな」
「新しい事ばかりでしたけど本当にすばらしい出来だと思いますよ。エド君の発想はとんでもないですもんね」
酒は各々が自ら仕込んだ物で酒場から持ってきたものではない。そのため酒にも少しづつ個性が現れるのだが、それも酒の肴には良いものの様でワイワイガヤガヤと騒ぐには欠かせないアクセントとなっている。
「何だエドは飲まんのか~?ほれ飲め飲め、完成の祝いだ」
「酒は嫌いなんだよ酸っぱいからな」
「何を言っとる。この酸味が良いんじゃないか。これでまた肉が進むんだ」
ステーキなどの肉料理にレモンが合うのだから言い分は解からなくもないが、正直酒の酸味にはそこまでの強い酸味は無いので、本当にスッキリしているかと言われると酔っ払いだけがわかる世界だとしか言い用が無い。俺には理解不能な世界観だ。
「俺は子供なんだから酒が飲めなくてもいいんだよ」
「俺のガキなんかエドっくらいの時には飲んでおったがな?」
「早く大人になりたいって事だろ?俺は早く大人になりたい訳じゃないから良いんだ」
「そうなのか?その割には大人顔負けにいろいろやってるじゃねぇか?オッわりな。おめぇも一杯」
話すか酌をして返杯するか・・・まあいいか。しかし大人に早くなりたいという子供らしい願望は無いのは確かで、折角転生して手に入れた若い時間なのだからそれを手放したいなどと思うはずが無い訳で、今頑張っているのも大人になって苦労したくないからと言う、漠然としたものでも目標があるから頑張れているだけなのだ。
「前も言ったと思うけど俺はイヤだとた思った事が嫌なだけだ。痛いのも暑いのも寒いのもキツいのも仕方が無いままにして起きたくないだけだよ。嫌な事を無くすって言うか、あの家なんかがまさにそうだな。熱いのも寒いのもジトッとするのもイヤだって理由だけで作った家だからな。それが我慢できたり仕方が無いって言えるならあの家は無かったし、この飯場も当然出来ないし皆もここにいる事は無かった訳だな」
「普通なら仕方が無いままだろうし何を怠けたことと言うところだが、お前さんみたいに実現させちまう人間をみると、そう言うのも必要なのかと思っちまうな。おっ悪いな、まあお前もやれや」
ったく。話すか酌をして返杯するか・・・まあいいか。今日は楽しく行こう。
何をしたかって?宴会費用を渡したんだよ。こう言った宴会は基本目上の人間が金を出してやらなければならないからな。必要経費ってヤツだ・。
「ありがとうございます」
「しっかり買って来いよ。完成祝いだから今日は飲みすぎるくらい飲むだろうからな」
「多分朝まで飲みそうですね」
「おまえらは親方に付き合って朝まで飲むなよ。明日もウチの手伝いはあるからな」
「へ?」
「当たり前だろ!早く行って来い!」
二度目のため息モードだ。「まったく」だ。ちなみにアルコール濃度のせいか日本の宴会の様に酒飲みは食べないと言う事が無く食事が進む。どちらかと言えばバーベキューパーティーでちょっと一杯引っ掛けている感じだろうか。
それも漫画で出そうなほど大振りの肉をかじりながら合間に酒をクピっとやるのが、今回のスタイルの宴会になるだろう。
それにしても、あのすっぱい酒を良く飲むなと感心する。安っすい白ワインであのレベルの物を飲んだ事が有るが5人でボトル半分残した事があった。それを翌日カレー作りに使ったら酸っぱいカレーになって大不評だった事を思い出してしまうほど、酸っぱい酒には酸っぱい思いでがくっついているので飲むたびに思い出させられるww
自分ではやった事が無いのだがハンターゲームよろしく肉を直火で豪快に焼くスタイルでの宴会肉は、ウチで食べるステーキより美味く感じるのは雰囲気のせいなのかな?
そうこうしている間にも宴会準備が着々と進み、いくつもの焚き火で肉が焼かれていくのだが、いつもの事ながら30キロ近くは買ってきたんだろうな。10人程度でそんなに食うのかって?正規参加者以外のハイエナを舐めるなよ!酒の臭いを感じたのか肉の焼けた臭いに釣られて来たのか、すでに宴会準備に何人も近所のおっちゃんおばちゃんが混じっているし、これからも増えるんだぞ。
「いつもの事だけど宴会の広告してる訳じゃないのに、どんだけ集まって来るんだよ」
大挙して押しかけて来る訳ではなく。いつのまにかスポーンしていると言った感じで増えているおっちゃんおばちゃんは、実はモンスターなんじゃないのかと思ってしまうが、そのくらい自然と増えて混じっているのだから驚きだ。
酒は各自持参してくるので俺が金を出すのは肉だけなのだが、モーガンたちが仕事終わりに菜園から大量の野菜を持ってくるだろうから現物の持ち出しは追加される。
「肉が焼けたぞ~」
「「うぉ~~」」
こうして宴会が始まって行くのであった。
宴会で供される酒はあいも変わらず酸味がきつく俺の好みではない。有機酸からなる酸味はアルコールと混じり醸造酒特有の香りを鼻腔にもたらしてくれるのだが、それは酒が好きな者にとっては至福の香りとなり、俺の様に醸造酒が苦手な者には、ただの水っぽいピーーーでしかない。おっとモザイク音が入ってしまった。
「仕事が上がった後の酒は格別じゃな」
「新しい事ばかりでしたけど本当にすばらしい出来だと思いますよ。エド君の発想はとんでもないですもんね」
酒は各々が自ら仕込んだ物で酒場から持ってきたものではない。そのため酒にも少しづつ個性が現れるのだが、それも酒の肴には良いものの様でワイワイガヤガヤと騒ぐには欠かせないアクセントとなっている。
「何だエドは飲まんのか~?ほれ飲め飲め、完成の祝いだ」
「酒は嫌いなんだよ酸っぱいからな」
「何を言っとる。この酸味が良いんじゃないか。これでまた肉が進むんだ」
ステーキなどの肉料理にレモンが合うのだから言い分は解からなくもないが、正直酒の酸味にはそこまでの強い酸味は無いので、本当にスッキリしているかと言われると酔っ払いだけがわかる世界だとしか言い用が無い。俺には理解不能な世界観だ。
「俺は子供なんだから酒が飲めなくてもいいんだよ」
「俺のガキなんかエドっくらいの時には飲んでおったがな?」
「早く大人になりたいって事だろ?俺は早く大人になりたい訳じゃないから良いんだ」
「そうなのか?その割には大人顔負けにいろいろやってるじゃねぇか?オッわりな。おめぇも一杯」
話すか酌をして返杯するか・・・まあいいか。しかし大人に早くなりたいという子供らしい願望は無いのは確かで、折角転生して手に入れた若い時間なのだからそれを手放したいなどと思うはずが無い訳で、今頑張っているのも大人になって苦労したくないからと言う、漠然としたものでも目標があるから頑張れているだけなのだ。
「前も言ったと思うけど俺はイヤだとた思った事が嫌なだけだ。痛いのも暑いのも寒いのもキツいのも仕方が無いままにして起きたくないだけだよ。嫌な事を無くすって言うか、あの家なんかがまさにそうだな。熱いのも寒いのもジトッとするのもイヤだって理由だけで作った家だからな。それが我慢できたり仕方が無いって言えるならあの家は無かったし、この飯場も当然出来ないし皆もここにいる事は無かった訳だな」
「普通なら仕方が無いままだろうし何を怠けたことと言うところだが、お前さんみたいに実現させちまう人間をみると、そう言うのも必要なのかと思っちまうな。おっ悪いな、まあお前もやれや」
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