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「また言いそびれた?」
マタルは何も言い返せず、柔らかなクッションに顔から突っ伏した。そこに、ルーシャ・パートリッジは情け容赦なく追い打ちをかけた。
「ただ『好きだ』って言うだけでしょ? これで何回目? 百回とか?」
「うるさい」消え入るような声でマタルは言い、身を起こした。「数えてるわけないだろ」
絨毯を敷いた床の上にあぐらを掻き、濃厚な珈琲を飲みながらお喋りに興じるのがふたりの気に入りの過ごしかただった。マタルは小さな炉に載せた金属製の急須を手に取り、香辛料を加えて、小ぶりの杯に注いだ。珈琲とカルダモンの香りが立ち上ると、ルーシャはうっとりと深呼吸をしてから言った。
「それは残念」
ルーシャは面白がっているのを隠そうともしない。同情を装うような真似はしないのが彼女という魔術師の良いところで、だからこそ秘密を共有し、友人として付き合うことが出来ている。
アシュモールで好まれる濃厚な珈琲を愉しむデイナ人は多くはないが、ルーシャはその一人だった。職人の父親から金工を学んだ彼女は十四歳の時に魔力に目覚め、それまで自分が歩むと思っていた人生と、人間並みの固定観念を全て捨てた。二十四になった今は独立し、金工細工師の店が軒を連ねるチャリオッツ通りの隅に、小さな装身具店を構えている。
マタルの犬歯に金をかぶせたのは彼女で、知り合ったきっかけもそれだった。
この国では、金持ちはたくさんのものを所有することに情熱を傾ける。だが、必要以上のものを所有し、欲に己を縛り付けるのはアシュモールでは嫌われる。遊牧の民は身軽でいてこそ旅を続けることが出来るからだ。その代わり、財産は肌身離さず持ちあるくべしというのが、幼い頃からたたき込まれた教訓だった。故郷では、手に入れた金貨や宝石は服に縫い込むか、装身具として身につける。中には肌に埋め込む者もいた。だからマタルも、ホラスから渡された報酬を自分の一部として持ち歩くことにしたのだった。
ルーシャはいきなり現れた異邦人にも、馴染みのないはずのアシュモール風の習慣にも嫌な顔ひとつせず、邪気払いの魔眼を彫り込んだ素晴らしい金の被せ物を仕上げてくれた。それが六年前のことで、以来いい友人同士でいる。
「七年だ」マタルは言った。「この七年って年月は……呪いだ。子供の頃の何もかもを見られてるんだ。いまさら打ち明けたって──いや、何でもない」
「うーん」ルーシャは唸った。
「出会ったのが昨日なら、その日のうちに虜に出来たはずだ。間違いなく」
「うーん」ルーシャはまたしても唸った。
マタルは彼女を睨んだ。「何が言いたい?」
「言いたくはないけど、マタル。脈がないって可能性もあるよ」
そんなことはわかっている。けれど、アシュモールの魔女がそれを口にしたら、たちまち言葉は力を持ち、『可能性』を引き寄せてしまうことになる。
「あんたほどの魔女なら、他にいくらでも選べるでしょうに」ルーシャが言った。
「わかってる」そう言いながらも、マタルは彼女以外にはめったに見せない弱々しい笑みを浮かべた。「でも、あの男がいいんだ」
そう口にするだけで、胸が苦しくなる程に。
「十三も年上の男をねえ?」ルーシャがゆるく首を振る。「何がそんなにいいんだか。あんたを利用してる男でしょ」
「俺だって、彼を利用してる」
ルーシャは肩をすくめた。納得していないという意思表示だ。
「彼じゃなきゃ駄目だ」マタルは言った。
いつでも思い詰めたようでいて、他人を気遣うときには優しく緩む、あの目が好きだ。マタルが揶揄うたび、呆れた振りで笑いながら、小さく首を振り、ため息をつく……その仕草が好きだ。文字に、法律に、礼儀作法──マタルに沢山のことを教えた、彼の低く穏やかな声が好きだ。三十五という歳にしては目立ちすぎる白髪に、眉間の皺まで愛おしい。それは彼の苦悩の証しで、誠実さの証しでもある。
この不思議なほどの確信を、言葉で説明するのは難しい。だが、いつでも曇りがちなこの国の空で人知れず輝いている太陽のような、ホラス・サムウェルが好きなのだ。他の誰にも、これほどの想いは抱けない。
「今度は、跨がったまま迫ってみたら? 締め上げてやったら観念するかもよ」
「ルーシャ!」
唖然として声を上げるマタルに、ルーシャがあきれ果てたような顔を向ける。
「生娘みたいに騒がないでよ。まったく……」
「俺たちはそういうやり方はしない!」マタルは憤然といい、何とはなしにローブの裾をかき寄せた。
「こっちじゃ珍しくもないけど」そう言って、マタルが淹れた珈琲を飲む。「それなら、アシュモールの魔女の作法とやらを教えてよ」
「まず、詩を交換して──」
「うえ」
ルーシャが吐きそうな顔をするので、マタルは彼女を睨んで説明を切り上げた。
「サーリヤ族の魔女は高嶺の花なんだ。男たちは彼女たちのために、何年もかけて作った詩を捧げる。一夜を共にすることが許されるのは、見込みがある男だけだ」
「あのホラスって男に、詩心がありそうには見えないけど。それを言うなら性欲も」ルーシャは念を押すように声をひそめた「勃つことは勃つんだよね?」
「当たり前だ!」
「そう? それはよかった」
「とにかく、そういうのは俺たちのやり方じゃないんだ」
「あんたの好きにすりゃ良いよ。でもね」ルーシャは小さなため息をついて、珈琲を飲み干した。「彼がまだ勃つ間に決着をつけないと」
マタルはルーシャをじろりと睨んだ。「あともう一押しだ」
「そういうことにしておいてあげる」ルーシャは微笑んだ。
このささやかな恋愛話が、気に入りの現実逃避だった。いつか叶うかも知れない夢の話は、どんな酒よりもマタルを慰めてくれる。だが実際は、どれだけ身体を繋いでも、心を繋ぐわけにはいかないと、わかっていた。魔女と審問官には──俺とホラスには、未来などない。実を結ばぬ、徒花のような想いだ。それでいいのだ。
「で? 他にも用があるんじゃなかった?」
「ああ」
マタルは頷き、ベルトに提げた物入れから、金属でできた小さな蠍を取り出した。
「また、こいつに一仕事して貰う必要がありそうだ」
ルーシャは目を輝かせ、マタルから蠍を受け取った。「まかせて」
どの国の魔術師にも言えることだが、彼らは不思議と『虫』を好む。その生態、あるいは姿形が彼らを惹きつけるのだろうか。魔術師が生み出す高度な魔道具の多くが虫を模しているのは偶然ではないだろう。アシュモールにも優れた魔術師が大勢いる。彼らが作り出すスカラベの魔道具が、小さな手紙を携えてオアシスを行き来するのを見ていたから、この国の魔術師も虫の魅力に取り付かれていると知って驚いたものだった。
例に漏れず、ルーシャが手がけるのも虫を象った装身具だ。
『美しい者には胡蝶を、誠実な者には蜜蜂を』
そんな謳い文句に誘われて、大勢が彼女の作品を求める。商人はもちろん、貴族にも得意先は多い。
だが、彼女が手がける『虫』の素晴らしさは、その美しさだけには留まらない。装身具の製作は表向きの仕事だ。彼女の腕は、魔道具作りにおいてこそ、その真価を発揮する。
「この子、ちゃんと役に立てた?」
ルーシャは足下に作業台を引き寄せると、そこに蠍を安置してから、手元を拡大するための眼鏡をかけた。
「申し分なく」
「ま、聞くまでもないけどね」ルーシャはほくそ笑んだ。「わたしの〈いんちき虫〉ちゃんは完璧だから」
〈いんちき虫〉は絡繰り仕掛けの虫だ。この蠍はマタルのために作られた特注品で、音を覚え込む装置が組み込まれている。マチェットフォードで始末したダウリングの件でも、奴があの魔女狩りに加わっていたことを裏付けるのに大いに役立ってくれた。
彼女は蠍の他にも、〈毒を打つ蜂〉や〈眠らせる百足〉、〈盗み見る蝶〉に、〈盗み聞く蜘蛛〉と多種多様な虫を手がけているが、いずれも──見た目も性能も──一級品だ。虫たちは信頼できる売り手に卸され、サウゼイの泥棒大市や闇市場で売られる。ルーシャが買い手の前に姿を現すことはめったにない。こんなものを作る魔術師の噂が広まれば、命が危険にさらされるからだ。マタルは数少ない例外だった。
ルーシャがなにやら小声で呟きながら、針のように細い工具を操って蠍の甲を開く。中には動きを止めた歯車と、魔方陣が刻まれた極小の宝石がいくつか収まっていた。
この蠍を情報収集したい相手の家に忍び込ませれば、あらゆる会話を記憶してくれる。『記憶』を司る黄銅石と、『動力』を司る紅玉と……他にもいろいろな役割のある宝石から力を引き出すのが、ルーシャが得意とする機構だ。さらに詳しい仕組みについて一度ならず講義を受けたのだが……聞いた傍から忘れてしまった。
この作業をしているときに話しかけると、蜂の大群をけしかけられる羽目になる。金属同士が触れあう美しい音に耳を傾けながら、マタルは静かに珈琲を飲むことにした。
マタルは何も言い返せず、柔らかなクッションに顔から突っ伏した。そこに、ルーシャ・パートリッジは情け容赦なく追い打ちをかけた。
「ただ『好きだ』って言うだけでしょ? これで何回目? 百回とか?」
「うるさい」消え入るような声でマタルは言い、身を起こした。「数えてるわけないだろ」
絨毯を敷いた床の上にあぐらを掻き、濃厚な珈琲を飲みながらお喋りに興じるのがふたりの気に入りの過ごしかただった。マタルは小さな炉に載せた金属製の急須を手に取り、香辛料を加えて、小ぶりの杯に注いだ。珈琲とカルダモンの香りが立ち上ると、ルーシャはうっとりと深呼吸をしてから言った。
「それは残念」
ルーシャは面白がっているのを隠そうともしない。同情を装うような真似はしないのが彼女という魔術師の良いところで、だからこそ秘密を共有し、友人として付き合うことが出来ている。
アシュモールで好まれる濃厚な珈琲を愉しむデイナ人は多くはないが、ルーシャはその一人だった。職人の父親から金工を学んだ彼女は十四歳の時に魔力に目覚め、それまで自分が歩むと思っていた人生と、人間並みの固定観念を全て捨てた。二十四になった今は独立し、金工細工師の店が軒を連ねるチャリオッツ通りの隅に、小さな装身具店を構えている。
マタルの犬歯に金をかぶせたのは彼女で、知り合ったきっかけもそれだった。
この国では、金持ちはたくさんのものを所有することに情熱を傾ける。だが、必要以上のものを所有し、欲に己を縛り付けるのはアシュモールでは嫌われる。遊牧の民は身軽でいてこそ旅を続けることが出来るからだ。その代わり、財産は肌身離さず持ちあるくべしというのが、幼い頃からたたき込まれた教訓だった。故郷では、手に入れた金貨や宝石は服に縫い込むか、装身具として身につける。中には肌に埋め込む者もいた。だからマタルも、ホラスから渡された報酬を自分の一部として持ち歩くことにしたのだった。
ルーシャはいきなり現れた異邦人にも、馴染みのないはずのアシュモール風の習慣にも嫌な顔ひとつせず、邪気払いの魔眼を彫り込んだ素晴らしい金の被せ物を仕上げてくれた。それが六年前のことで、以来いい友人同士でいる。
「七年だ」マタルは言った。「この七年って年月は……呪いだ。子供の頃の何もかもを見られてるんだ。いまさら打ち明けたって──いや、何でもない」
「うーん」ルーシャは唸った。
「出会ったのが昨日なら、その日のうちに虜に出来たはずだ。間違いなく」
「うーん」ルーシャはまたしても唸った。
マタルは彼女を睨んだ。「何が言いたい?」
「言いたくはないけど、マタル。脈がないって可能性もあるよ」
そんなことはわかっている。けれど、アシュモールの魔女がそれを口にしたら、たちまち言葉は力を持ち、『可能性』を引き寄せてしまうことになる。
「あんたほどの魔女なら、他にいくらでも選べるでしょうに」ルーシャが言った。
「わかってる」そう言いながらも、マタルは彼女以外にはめったに見せない弱々しい笑みを浮かべた。「でも、あの男がいいんだ」
そう口にするだけで、胸が苦しくなる程に。
「十三も年上の男をねえ?」ルーシャがゆるく首を振る。「何がそんなにいいんだか。あんたを利用してる男でしょ」
「俺だって、彼を利用してる」
ルーシャは肩をすくめた。納得していないという意思表示だ。
「彼じゃなきゃ駄目だ」マタルは言った。
いつでも思い詰めたようでいて、他人を気遣うときには優しく緩む、あの目が好きだ。マタルが揶揄うたび、呆れた振りで笑いながら、小さく首を振り、ため息をつく……その仕草が好きだ。文字に、法律に、礼儀作法──マタルに沢山のことを教えた、彼の低く穏やかな声が好きだ。三十五という歳にしては目立ちすぎる白髪に、眉間の皺まで愛おしい。それは彼の苦悩の証しで、誠実さの証しでもある。
この不思議なほどの確信を、言葉で説明するのは難しい。だが、いつでも曇りがちなこの国の空で人知れず輝いている太陽のような、ホラス・サムウェルが好きなのだ。他の誰にも、これほどの想いは抱けない。
「今度は、跨がったまま迫ってみたら? 締め上げてやったら観念するかもよ」
「ルーシャ!」
唖然として声を上げるマタルに、ルーシャがあきれ果てたような顔を向ける。
「生娘みたいに騒がないでよ。まったく……」
「俺たちはそういうやり方はしない!」マタルは憤然といい、何とはなしにローブの裾をかき寄せた。
「こっちじゃ珍しくもないけど」そう言って、マタルが淹れた珈琲を飲む。「それなら、アシュモールの魔女の作法とやらを教えてよ」
「まず、詩を交換して──」
「うえ」
ルーシャが吐きそうな顔をするので、マタルは彼女を睨んで説明を切り上げた。
「サーリヤ族の魔女は高嶺の花なんだ。男たちは彼女たちのために、何年もかけて作った詩を捧げる。一夜を共にすることが許されるのは、見込みがある男だけだ」
「あのホラスって男に、詩心がありそうには見えないけど。それを言うなら性欲も」ルーシャは念を押すように声をひそめた「勃つことは勃つんだよね?」
「当たり前だ!」
「そう? それはよかった」
「とにかく、そういうのは俺たちのやり方じゃないんだ」
「あんたの好きにすりゃ良いよ。でもね」ルーシャは小さなため息をついて、珈琲を飲み干した。「彼がまだ勃つ間に決着をつけないと」
マタルはルーシャをじろりと睨んだ。「あともう一押しだ」
「そういうことにしておいてあげる」ルーシャは微笑んだ。
このささやかな恋愛話が、気に入りの現実逃避だった。いつか叶うかも知れない夢の話は、どんな酒よりもマタルを慰めてくれる。だが実際は、どれだけ身体を繋いでも、心を繋ぐわけにはいかないと、わかっていた。魔女と審問官には──俺とホラスには、未来などない。実を結ばぬ、徒花のような想いだ。それでいいのだ。
「で? 他にも用があるんじゃなかった?」
「ああ」
マタルは頷き、ベルトに提げた物入れから、金属でできた小さな蠍を取り出した。
「また、こいつに一仕事して貰う必要がありそうだ」
ルーシャは目を輝かせ、マタルから蠍を受け取った。「まかせて」
どの国の魔術師にも言えることだが、彼らは不思議と『虫』を好む。その生態、あるいは姿形が彼らを惹きつけるのだろうか。魔術師が生み出す高度な魔道具の多くが虫を模しているのは偶然ではないだろう。アシュモールにも優れた魔術師が大勢いる。彼らが作り出すスカラベの魔道具が、小さな手紙を携えてオアシスを行き来するのを見ていたから、この国の魔術師も虫の魅力に取り付かれていると知って驚いたものだった。
例に漏れず、ルーシャが手がけるのも虫を象った装身具だ。
『美しい者には胡蝶を、誠実な者には蜜蜂を』
そんな謳い文句に誘われて、大勢が彼女の作品を求める。商人はもちろん、貴族にも得意先は多い。
だが、彼女が手がける『虫』の素晴らしさは、その美しさだけには留まらない。装身具の製作は表向きの仕事だ。彼女の腕は、魔道具作りにおいてこそ、その真価を発揮する。
「この子、ちゃんと役に立てた?」
ルーシャは足下に作業台を引き寄せると、そこに蠍を安置してから、手元を拡大するための眼鏡をかけた。
「申し分なく」
「ま、聞くまでもないけどね」ルーシャはほくそ笑んだ。「わたしの〈いんちき虫〉ちゃんは完璧だから」
〈いんちき虫〉は絡繰り仕掛けの虫だ。この蠍はマタルのために作られた特注品で、音を覚え込む装置が組み込まれている。マチェットフォードで始末したダウリングの件でも、奴があの魔女狩りに加わっていたことを裏付けるのに大いに役立ってくれた。
彼女は蠍の他にも、〈毒を打つ蜂〉や〈眠らせる百足〉、〈盗み見る蝶〉に、〈盗み聞く蜘蛛〉と多種多様な虫を手がけているが、いずれも──見た目も性能も──一級品だ。虫たちは信頼できる売り手に卸され、サウゼイの泥棒大市や闇市場で売られる。ルーシャが買い手の前に姿を現すことはめったにない。こんなものを作る魔術師の噂が広まれば、命が危険にさらされるからだ。マタルは数少ない例外だった。
ルーシャがなにやら小声で呟きながら、針のように細い工具を操って蠍の甲を開く。中には動きを止めた歯車と、魔方陣が刻まれた極小の宝石がいくつか収まっていた。
この蠍を情報収集したい相手の家に忍び込ませれば、あらゆる会話を記憶してくれる。『記憶』を司る黄銅石と、『動力』を司る紅玉と……他にもいろいろな役割のある宝石から力を引き出すのが、ルーシャが得意とする機構だ。さらに詳しい仕組みについて一度ならず講義を受けたのだが……聞いた傍から忘れてしまった。
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