完結【日月の歌語りⅢ】 蒼穹と八重波

あかつき雨垂

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 さっきまではゲラードの踝までしかなかった水位は徐々に上がり、今では腰まで水に浸かっていた。洞窟は次第に広く、天井も高くなっていった。やがて、外に向かって大きく開けた口が目の前に姿を現し、ゲラードの目に眩しい光が飛び込んできた。
 どうやら、雨は少し前に止んだらしい。外はすっかり晴れていて、降り注ぐ光の中、洞窟の入り口から垂れ下がった蔦から、雨粒の名残がぽたぽたと落ちているばかりだった。
「ここは……」
 端的に言えば、天然の船小屋だった。実際に使われていた形跡がある。状態の良い小舟が一艘、索に繋がれて浮いていた。索はすぐ傍にある平らな岩棚に続いていて、そこには歪な形の家具が点在していた。
「僕たちの他にも、ここに住んでいるひとがいるんだ」
 ゲラードは岩棚に手を掛け、水からあがった。
 家具は、この島の木々で作られたもののようだ。小さなテーブルに、一脚しかない椅子。そして、椰子の葉が敷き詰められた寝台。石を組んだ竈のようなものもあった。どの家具も釘ではなく、木の繊維を撚り合わせたロープによって組み立てられている。こうした仕事に不慣れなひとが、苦心して形にしたのだろうということがわかる。だがいずれも、最後に使われてからだいぶ経っているようだ。
 船を陸地に繋ぎ止めている索には海藻がぶら下がっていたものの、船そのものの状態は良かった。驚いたのは、その船に乗員がいたことだ。
 すっかり白骨化した遺体が、船底に横たわっていた。
 驚きの一瞬が過ぎると、ゲラードは膝をついて、死者に捧げるカルタ語の祈りを口にした。
太陽の光が、平穏なるうちに汝の魂を天へ導かんことをポッサ・ラ・ルチェ・デル・デイン・グイダーレ・イン・シクレッツァ・ラ・トゥア・アニマ・アル・シエロ
 貴金が力を失ったことは、陽神デイナが滅びた証しだという話も聞く。だが、もしそうだとしても、この祈りまでが力を失ったわけではないといい。ゲラードは陽神デイナの加護を願う印を切って、再び遺体を見つめた。
 この島で『死』を見たのは、これがはじめてだ。
 あの男は、この遺体を守っているのだろうか。
 ため息をついて、船を引き寄せた。
「どうか許してください」
 何か──何でもいい。この島や、遺体の主にまつわる情報がないかと、藁をも掴むような気持ちで、船の中を探った。
 すると、あった。遺体の頭のすぐ横に置かれていた革鞄の中に、古びた本がしまい込まれていた。さぞ大事にしていたのだろう。何度も広げては畳んだとおぼしき折り目のついた羊皮で、丁重に包まれていた。
 ゲラードは深く深呼吸をして、丁寧な装飾が施された本の表紙を開いた。
「これは……日記か……?」
 慎重に、いくつかのページをめくる。どのページも手書きの、几帳面ながらも美しい字で書かれている。共通語であるところを見れば、小舟の主はダイラ人と見て間違いなさそうだ。いくつか拾い読みをしてみたところ、領地で子羊が生まれたこと、新しい馬を購入したこと、麦の実りが良いなど、素朴な喜びが綴られていた。
 この遺体が日記の持ち主なのかどうかはまだわからないけれど、もしそうなら、ここで亡くなっている彼はどこかの領主だったことになる。
「それが、なぜこんなところに……」
 ゲラードは真相を探るため、のどかな日常が綴られている箇所より少し先の、ちょうど中程のページを開いてみた。
 そこに書かれた日付を見て、息が止まった。
 
 一三四三年 秦皮とねりこ月、一日。
 
 ゲラードは岩棚の上で座り直して、続きを読んだ。
 
 一三四三年 秦皮月、一日。
 国王陛下の巡幸をお迎えして二日目。宴会では、早咲きの薔薇の花弁のパン、鴨のソテー、子羊の丸焼き、領内で採れた苺のパイなどで饗応。王陛下は概ねご満足なさった様子。王妃が菫の砂糖菓子をお気に召したとおおせになった。明日の狩りにも持参して差し上げること。
 
 ゲラードは慌てて──しかし破らないように、日誌のページをいくつかめくった。期待と恐怖とが、喉元でぐるぐると回るのを感じながら、飛ぶような速さで文字を追った。
 
 一三四四年 七竈ななかまど月、二十七日。
 エムから手紙。七竈月の三日に、男児出産のこと。己の罪の重さに打ちひしがれる一方で、それを圧倒する喜びに震えてもいる。陽神デイナよ赦し給え。そして罪なきわたしの息子に、ご慈悲と祝福をたれ給わんことを。
 
 この項を読み終わる頃には、鼓動も呼吸も、危険なほど速まっていた。
 エム。エメラインの愛称。
 一三四四年の七竈月の三日は、ゲラードが生まれた日だ。
 日誌のどこにも、これを記したひとの名は書かれていない。だが、もう疑いようがなかった。
 
 一三四四年 かしづき、十八日。
 朝。祖国を出て、ナルバニア沖にあるというラマス島へ向かう。島とは名ばかりの岩礁だと、サムウェル殿は言う。眠るように死ぬことができる水薬を手渡される。彼は慈悲深く、誠実な刑吏だ。
 
 この日の項を記した文字は、乱れていた。
 
 一三四四年 かし月、二十二日。
 朝。人魚が船を取り囲む。我が身柄を渡さねば、嵐で船ごと沈めるよし。何が望みか尋ねてみたところ、彼らはわたしを「バリェーナ」なるところに連れて行くと言う。これよりサムウェル殿に申し出て、彼らの言葉に従うよう説得することにする。
 
 一三四四年 おそらくひいらぎ
 不思議なことに、ここでは飢えることがないようだ。すべての必要が、まるで祈りを聞き届けられたかのように満たされる。されど、ここへ来るときに浸かった小舟で何度脱出を試みても、見えない潮流に阻まれ外洋に出ることができない。
 この島は人智を超えた島だ。
 
 ゲラードは本を閉じ、遺体を見つめた。
「父上……?」
 そう、彼は……ゲラードの父だ。
 彼がここで、ひとりきりで過ごした日々がどのくらい長かったのかはわからない。その後の日記は途切れ途切れで、彼が日付の感覚を失ってからは、おおよその年も記されなくなった。
 その孤独は、いかばかりだったことか。
 船の底には空になった瓶が転がっていた。彼に平穏を与えたのは、サムウェルから手渡された水薬による慈悲だったのだろう。もし、この薬がなければ、生きている父と再会できたのだろうか。だが、それは彼に、耐えきれる以上の孤独を味わわせるということだ。
 ゲラードは骨となった父の手に、自分の手を重ねた。その手にはまだ、白銀に輝く指輪がはまっていた。
「やっと会えましたね、父上」
 こんなところで再会するとは、夢にも思わなかった。
 だが、僕は導かれてここに来たのだ。彼をこの島に連れてきたのと同じ──人魚によって。
『自分自身を見つける』というのは、つまり、父と再会して出自を自覚するということなのだろうか?
 そのとき、閉じた日誌の隙間から、丁寧に折りたたまれた羊皮紙が滑り落ちた。慎重に拾い上げて中を開くと、ゲラードはようやく、自分がこの島にいざなわれた理由を知った。
 
     †
 
「情けない! あれしきの嵐で動けなくなるなんて」
 そいつはかんに障る声で言った。
「僕の兄とはとても思えない無様さだね!」
「兄……だと?」
 フーヴァルは、闖入者の後ろから差し込む日光に目を細めながらも、なんとかしてその『自称弟』の顔を見ようとした。
「ま、タネ違いだけど」
 彼の肩には、何日か前にフーヴァルが噛みついた跡がまだ残っていた。間違いない。こいつがあの嵐の海にふたりを突き落とし、ゲラードを攫っていこうとした人魚だ。とは言え、彼はいま人間と同じ姿で陸地にいる。陸地で足を生やすことができるのは、半分人間の血が流れている自分のようなものの特例だと思っていたのだが。
「これ?」
 自称弟は言い、子供のようにほっそりと滑らかな足を見せびらかすように持ち上げた。何も着ていないせいで全てが露わになっているが、フーヴァルも彼も気にしてはいない。
「ここは硲の世界だから、どんな形にも自由になれる」
 彼は尻を砂浜につけたまま、その場でくるりと回転した。すると、ほんの一瞬の間に、彼はイルカの姿になって砂の上に横たわっていた。そして勢いよく潮を吹いてみせてから、驚くフーヴァルの前でケタケタと笑い、また横にごろりと寝返りを打って、人間の姿に戻った。彼は砂浜に肘をついて、フーヴァルを見上げた。
 彼が自分の弟だという話は、間違いないようだ。だとしたら、父親が違うという話を疑う理由もなかった。
 フーヴァルが父から譲り受けた癖毛や鋭い目つきの代わりに、彼には艶めく滑らかな長髪と、濃い睫毛に縁取られたアーモンド型の目を持っていた。
 愛する女を待ち続けたまま死んだ父親のことを思って、フーヴァルは口を歪めた。
 お袋は俺とあんたを置き去りにして、他の男との間に弟をつくってたってよ。めでたし、めでたし。
 おとぎ話の結末なんざ、こんなもんだ。
「お袋は?」
「生きてるよ。でも……もう話せない」
 フーヴァルは眉をひそめた。「どういうことだ?」
「兄さんに理解できるかわからないけど……母さんは鯨になった」
 ぽかんと口を開けるフーヴァルを見て、彼は『ほらね』という表情を浮かべた。
妖精シーが役目を終えると何になるか、知らない?」
「考えたこともねえな」
 彼はそれを侮辱と受け取ったようだが、顔をしかめながらも話を続けた。
「役目を終えた妖精シーは、自分を取り巻く自然の一部になるんだよ。それが何年後か、何百年後かはわからないけど。母さんは鯨になって、鯨はやがて島になる。ここみたいな」
 彼の瞳は、緑がかった明るい青だ。彼が生まれた海の色なのだろうと、フーヴァルは思った。
「お前、名前は?」
 彼は口を開け、濡れた硝子を指で擦ったような音を立てた。
「人間には発音できないんだよね」少し得意げに言ってから、付け加える。「ナールって呼んでくれればいいよ。それでわかるから」
「ナール?」
 どちらにせよ、ダイラの言葉ではない。弟と自分との隔たりを、またしても思い知らされたような気分だった。
 ナールは、ほっそりとした指をフーヴァルの胸元に向けた。
「そのオルノアの金貨で、兄さんだとわかったんだよ。まあ、顔も似てるもんね。僕の方が可愛いし、歌も上手いけど」彼はがばっと身を起こして笑った。「ていうか、あの歌って何!? 嵐を呼んだときの! すっごい変だった! 誰に習ったの?」
 すっかりなまくらになった頭では、弟の言葉から無駄な要素を省く作業にかなりの労力が必要だった。
「この金貨は──」
「母さんからもらったんだろ。知ってる。だって彼女から聞いてたし」
 フーヴァルは拳を握った。
「歌は……」ここまで言っても遮られなかったので、慎重にあとを続けた。「偶然気付いたんだ。俺が歌うと、天気が悪くなる。それで、何度か練習して……ああなった」
「ふうん? じゃ独学? すごいね! みんなにも聞かせてやりたい。きっと驚くよ!」
「皆って誰だ」
 すると、ナールは目をしばたいた。「君の一族だけど?」
「俺の……だが、俺は混血だ」
「だから?」彼は本気で理解できないという顔をしている。「人魚はみんな、君の一族だ。中でも僕らは、イルカの一族」
 まずい。頭がクラクラしてきた。
「今まで誰も、俺のことなんか探しに来なかったくせに、なんでいまさらちょっかいをかけてくるんだ」
「探したよ! いろんな人に聞いて回ったんだから。アール・ライリーはどこですか? って──」
 その瞬間、頬を張られたように頭が冴え渡った。
「あの歌、お前のせいか!」
 フーヴァルは砂の上で身を起こした。尻を浮かせかけたものの……また力なく座り込んでしまう。仕方なく、フーヴァルはナールを思いきりにらみつけた。
「アール・ライリー オー。あの歌の元ネタはお前だろ」
「あー……うん。たぶんそうかも」
「貴様のせいで、俺たちは死にかけたんだ!」
「だって、他にどうやって探すのさ! ほんと、ずーっと探してたんだから!」彼は、悪戯が見つかったような顔で笑った。「でもさ、面白いよね? 宝のことなんか一言も言ってないのに、至上の宝だってさ! みんな人魚と見ればオルノアの宝に結びつけちゃうんだよ。それにさ、みんな僕のこと母さんだっておもったみたい。まあ、間違えるのも無理ないかな。僕って可愛いから」
 フーヴァルは、拳が白くなるほど強く、砂を握った。
「危うく、死ぬとこ、だったんだ」
「でも、死んでないでしょ?」彼は晴れやかに笑った。「兄さんも、あの船のひとたちも死んでないし」
 その言葉に、怒りはどこかへ消えてしまった。
「死んでない? 本当か?」
「うん。大蒼洋じゅうの船に追われてるみたいだけど、無事だよ──今のところは」
 安心したら、また怒りがぶり返してきた。
 だが、弱り切ってしまった今は、手も足も出ない。目を閉じて、巨石にもたれ、ため息をつく。
「なんで俺たちを、ここに連れ込んだ?」
 ナールは気まずそうに下唇を噛んだ。「俺たち……っていうか、ここに連れ込みたかったのは、あの王子様だけなんだけど。兄さんにはまた別の用事があって──」
 フーヴァルは片眼を開けてナールを睨んだ。
 その目に牽制をみてとったのか、彼は慌てて言った。
「待って、違うよ! 彼を寝取ろうなんて考えてないからね!」彼は小さな声で言い添えた。「全然好みじゃないし」
 フーヴァルは唸った。「なら、なんでだ」
おさに言われて来たんだ。あの王子様の血を目覚めさせるときが来たって」
 人魚にもおさがいるのか。
 鱗だらけのしわくちゃな老人の顔が思い浮かんで、ほくそ笑みそうになる。そこではたと気付いたフーヴァルは、両目を開けて、ナールの顔をまじまじと見た。
「あいつの血を目覚めさせるって、何だ?」
 すると、ナールの表情から笑みが消えた。
「ここは本来、『硲の存在』しか立ち入れない場所だ」
「硲の存在?」
「硲の存在は、硲から生まれた者のこと。あるいは、二つの世界に生きて、どちらの世界にも属していない者のこと」
「謎々はやめて、さっさと本当のことを言え」フーヴァルは脅すように言った。
 ナールは困りはてたように肩をすくめた。
「上手く説明できないんだよ。感覚でわからないなら、理解する力がないってことで諦めてもらうしかないな」
「ゲラードは人間だぞ。硲から生まれたわけでも、二つの世界に生きてるわけでもない。あいつには──」
 あいつには、王族として生きる、人間の世界がある。
 もしも彼が逃げずに立ち向かって、陰謀を暴くことさえできれば。
 そうしたらもう、オンボロの私掠船に乗って、毎日命を危険に晒すこともない。
「あのさ、兄さんはあの王子様を見くびり過ぎだと思うよ」
 フーヴァルは眉をひそめた。「何?」
「彼が目覚めたら、きっと、守られるのは兄さんの方だからね」
「何を言ってやがる、あいつは──」
 言い返そうとしたフーヴァルのことを、ナールは見ていなかった。彼は何かに気をとられたようにさっと視線を動かし、そして、素早く立ち上がった。
「とにかく、王子様の邪魔をしないように!」
 そして、浅瀬へ向かって駆け出していった。
「おい待て──」フーヴァルは立ち上がろうとして、また情けなく砂の上に膝をついた。「どうしたらここから出られる? 俺に話って何なんだ!」
「王子様が目覚めたら、出られるよ!」ナールは砂の上を走りながら振り向き、笑った。「続きはまた今度!」
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