乙女ゲー転生、私が主役!? ……いやそれ、何かの間違いです!

まんどう

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2度目の夜会

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 こんにちは、俺です。今日は夜会の話をします。

「……何?」

 雰囲気出してみただけじゃないの。何荒ぶってんの?

『つか、さっさと下りなさいよ! いい加減中身でぢゃああああ!』

 喪女on魔王inムササビなんだが、抗議したムササビに無慈悲な圧をかけた所。

「何が無慈悲か。男漁りしてる変態オカマリスなんて敷物になってしまえば良い」

『それ、冗談でも何でも無いやつよね!?』

「えい」

『づぶれどぅ~~~!』

 夜会の話をしたかったが、魔王さんがイケメン巡りしてたのがすっごい気に入らなかったみたい。ちなみに、いとおかし先輩が夜会の準備に生徒会に駆り出されて部屋出てすぐからやってる。魔王さんは寝起きが悪いらしく、朝は確実に喪女さんがマウント取ってるんだよな。

「んで?」

『何が「んで?」なのぉ!?』

 流された……。

「パルフェ先輩よ。んで魔王のお気に入りは?」

『そぉねぇ。エリオット様はキラキラしてたわねー。アンタが一押しなのも分かるけど、なんか結婚相手は苦労しそうよね。あー君だっけ? アーチボルド様は何と言うか本当に暑苦しいわね。でもあの鍛え抜かれた肢体はよだれ物よね! サイモン様はカワイイけど子供っぽくてパス。殿下はまだお目にかかってないのよね。見に行こうとすると、あの凄い魔法使った子が行く先々で現れるの。でもあれって私を察知したってより誰かを待って……って何よ?』

「言い訳は?」

『あっ……てへぺろ?』

「つ・ぶ・れ・ろ」

『ちょま゛っ! でぢょっ! ぅ゛だびっ! ぎゅう……』

「ふん」

『……あ、あんたろくな死に方しないわ』

「主要キャラ以外では良いの居た?」

『そうそう! 皇公侯の3家格って同じクラスなのねぇ! 無駄にキラキラしてたわぁ! あの中に入れるゴルドマン家ってやっぱり特別なのねぇ。
 あ! でもね! 伯爵家の方にすっごいイケメンがね! 今のうちに唾つけ……なぁに? って、はっ!』

「発情! 変態! オカマリス! 死すべし!」

『ぎゃあっ! ひぎょうっ! ょあんだぁっ! びゅうどうっ! ……ずるなんでぇ』

「ちょっとしか聞いてないじゃない。べらべら喋ったのはあんた自身でしょうに」

『ぬぐぅ……』

 終わったー?

「何よ!?」『何よ!?』

 ハイハイ、ナカヨスナカヨス。

「ゼッテー無い!」『絶対無いわ!』

 んで夜会の話しようぜ?

「……夜会かぁ。今回は一般生徒も交じるんだよね」

『そうなの? そう言えばゲームでは一般生徒ってモブ扱い何だっけ?』

「裏では色々してるんだろうけど、別格貴族を中心に上位貴族って割と結束が強いから、揺るぎようがないのよね」

 フローレンシアの知識か。

『……そうね、上位貴族達の所に何度忍び入っても、喧嘩は勿論怒声も聞こえなかったものね』

「統率されてる、みたいな?」

『それね』

 まぁ貴族の方でも商売してそうなのは居るだろう。ゴルドマン家なんかそうなんじゃないか? 家名的にも。

『そっちの方は知らないけどね。でも上位貴族にしろ下位貴族にしろ、役割分担がはっきり分かれていることかしら』

「役割分担?」

『アンタのクラスではあんまり居ないけど、武術クラスもあるわよね?』

 あるな。バモンがそちらを取ってないのが不思議だったけど。

「バモン君ちは武門の家柄だから、下手に外部の型を取り入れたくないんだって」

『へぇ。あのツンツンイケメン、そんな裏事情抱えているのね。話を戻すけど、魔法に優れた後衛、武芸に優れた盾の前衛、って感じでスッパリ分かれてるのよ』

 4大家は魔法なのは当然として、侯爵・辺境伯含む伯爵家は盾って所か。

「魔法の得意な侯・伯家も居るわよ。そういう所は4大家をサポートしてるわ。んで槍というか切り込むのが、それらを主家に持つ下位貴族の従家ってわけよ。うちがそう」

『アンタのやってたのって乙女ゲーよね? 何で内実はこんなに生臭いの?』

 フローレンシアの生家が隣国の襲撃で武勲を上げた家であることからも分かるが、割と殺伐としてるんだよ。背景自身はな。

「それにコラボ先は大体男子向けのRPGだったしね」

『ふぅん。変な符号だけど、まぁそれは良いわ。言いたいのは……武術クラスは着替えの時間がさいぎょうっ!?』

「この変態オカマがぁ!」

 そう吐き捨ててぷりぷり怒りながらのしのし出ていくフローラを見送る。残されたのは今だに潰された状態でノビてる魔王さん。生きてるか?

『あの女、容赦ないわ……』

 余計なことを言いそうになった時の咄嗟の逃げ道に、妙な趣味っていうかセクハラ入れるからじゃん。セクハラの対象は男への、だけど。

『いや、実際どぅうふふふっ……。まぁそれは良いのよ。やっぱりフローラ以外にも候補は居たみたいだけど、今回の件でフローラ一本に絞るみたいね』

 ゲームはもっと早くに始まってたはずだったからな。一本に絞られるのが遅かったとも言える。

『コレってまずいの?』

 少しだけ。あんまり干渉するわけには行かないから魔王さんにも限られたことしか開示できないけど。

『ええ、理解してるわ』

 魔王には、いや勇者には敵が沢山居るんだよ。

『あー、そうみたいね。拾える記憶の中だけでも無数に居るわね』

 今も敵対してるのが居るかもしれない。それが色々引っ掻き回してくれないことを願ってる。

『アンタ的にはどうしたいの? ゲーム通りにフローラと誰かがくっつくのを期待してる? それともあの女がこのまま干物になる別の未来が見てみたいの?』

 別に何も望んじゃいない。楽しければそれで。

『……アンタって何者なの? 随分とこの世界に肩入れしてる様に見えるけど』

 ただの観測者、それだけだよ。

『そーぉ? ほんとに?』

 違うとすれば、今はフローラを見るのが楽しみになってるだけの、が付くかもね。


 ………
 ……
 …


「これはこれは、武門の名家のご子息さまでいらっしゃいますか!? 当方は武器を扱う商会の……」

「おお、魔法に精通していると名高い彼の!? 実は最近触媒の取扱を始めましてですね……」

「どうですか? ご領地の方は。それは何と! 収穫も順調なようで何よりです! 流通の方は如何で……」

 ……大商談会かな?

(ネー……凄いよねー)

 風呂オラさんには何か売り込みは?

(あー、一応武具の売り込みがあったかなぁ。一応うちは武門の家柄だから……)

 棘付き膝サポーターとか?

(何そのどこぞの世紀末漫画か、人を超えちゃったプロレス漫画でしか出てこないような装備!?)

 一発でトドメを刺せるように?

(何にだ!? 子孫か!?)

 安定の喪女さんだなぁ。何に使うのか決め打ちの様な反応返すだなんて。このき・ち・くぅ♪

(ぎゃああ! 誘導された! てか鬼畜はてめえだ!?)

「あ、ふろーらー。やっほー」

「フローラ」

「ご機嫌よろしくて? ふ、ふ、フローラ……(カァアァァ!)」

「ベティやっほー。メイリア。んでミリーはまだ慣れてないの?」

「仕方ありませんでしょう!? ここへ来て、お、おとも、だち、が……できたの、初めてなんですもの」

 もにょるミリー。おい鬼畜、いじめたんなや。

(いーじーめーてーまーせーんー)
「皆の所にも武具の売り込みあったの?」

「うちはきた」

「私は……避けてる」

「私の家は魔法優勢の家柄ですので、どちらかと言えば触媒の売り込みですかしら……」

「バモン君に守られて魔法使うポジション?」

「あの方は私とは合いませんわ」

 その言葉に、こちらを見かけて近付こうとしてたしてたバモンの足が留まる。隣りにいるマリオは笑いを噛み殺している!
 位置関係は、バモン達→→→→ベティ達→←フローラ。矢印は向いてる方向と距離感だぞ!
 ベティとメイリアは苦笑している!

「ぉぉう。どゆところが?」

「粗暴でがさつ、女性の感情の機微に疎過ぎですわ。そのくせ流されやすい……あのままでしたら、周囲に流されるままに縁を結びかねない方ですので、私はちょっと……」

 とどめを刺されて項垂れるバモン君。マリオは声を出さずに器用に大笑いしてる!
 ベティとメイリアはちょっと納得している! ありそう! って。

「んじゃ、マリオ様は?」

 大笑いしていたマリオの動きが止まった! マリオ達を視認してるフローラがわざわざ矛先を自分に向けるとは思わなかったらしい!

「既に家を継がれているのでその点は魅力ですわね」

 気分を良くしたマリオがドヤ顔をキメた!

「……ただ、あの方とても胡散臭くて」

 ベティが受けた! しかし声は上げず、肩を揺らしている! メイリアは苦笑している。マリオはショックを受けてちょっとうつむいた!

「えーっと、胡散臭さ以外では?」

「お顔は男らしいと言うよりは可愛らしいですわね。成績は優秀のようですが、そもそもあの方、ほとんど教室に顔をお出しになりませんわ。貴族同士の繋がりをより強固にせんと発足された、学院の理念から外れるだなんて由々しきことですわ! そういう辺りも不真面目っぽくて駄目ですわね」

 あっ、マリオがいじけた。しゃがみこんで何か地面に書いてるぞ!

「……まぁコレが歯に衣着せぬ心よりの言葉ってことで受け止めて下さいね」

「「「えっ?」」」

 フローラが女性陣を挟んで後ろに声を掛けたことで、ようやく男性陣が自分達の背後に居ることに気付いたらしい。非常に傷ついた男性二人に全てを聞かれていたことも察する。ベティは特に何とも思ってないが、メイリアはオロオロし、ミリーに至っては気を失いかけている。
 フローラよ、あえて言おう。お前は鬼であると。
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