乙女ゲー転生、私が主役!? ……いやそれ、何かの間違いです!

まんどう

文字の大きさ
66 / 150

3章開幕 顔見せ

しおりを挟む
 別格貴族達の集会に呼ばれた何時もの喪女と、今だ別人化から戻ってこないベルであったが、

(何時ものってのは貶めてるの?)

 それ以外なにが? と言っておこう。

(くのやろ……)

 集会には今回始めて恋するロボット、ま

(マルチェロ・プライ君ね)

 ……先手を打つのはどうかと思います。

(必要最低限の措置だと思っております)

 んで、息してるのかも怪しいマル君は置いといて、

(置いとかないで!? え? 大丈夫なの!?)

 大丈夫。医者も控えてるし。

(大丈夫に全然思えないわぁ)

 後は何故かメイリアの姿と、見慣れない女性が二人程参加していた。メイリアはビクビクしっぱなしだ。

(私が近くに居れさえすれば……)

「では会議を始めましょう」

 以前のジュリエッタとは違ってはっきりと、それでいて鈴の鳴るような涼やかな声がサロンに響く。

(……もう乙女様じゃなくなってるのかしら)

(『大丈夫よ。そっちもちゃんと居るから安心なさい』)

(乙女様! ……良かったわ)

(『くすくす。喧嘩ばっかりしてた記憶しかないのにねぇ』)

<何か通じ合っちゃってるわね>

 で? 不明の二人は何者なん?

(『そうね。そこから説明しておいたほうが良さそうね』)
「今回からこちらの二人にも参加して貰うことになりました。自己紹介を」

「ミュラード伯爵家が長女、1年エリエアルと申します」

「サイランス侯爵家が次女、1年のベルミエッタだ」

「……だ?」

「ひっ!? ベルミエッタであります!」

 グレイス様に顔を覗き込まれたベルミエッタは顔を青褪めさせ、軍人の様な物言いで言い直した。

「宜しい」

(全然宜しくありませんが……)

 喪女さんの驚愕の表情に気付いたグレイスが苦笑いを浮かべながら、

「ジュリエッタ様曰く、彼女は典型的なゲームの知識で上手く立ち回ろうとした口でね。どうやら良からぬ思惑で男性陣に近付こうとしたので、先回りさせて貰ったのだよ。その際『この世界の常識』を骨身に刻み込んでみたのだけど……。まだ甘かったのかなぁ?」

「いえ!? 十分ですので! ご勘弁を!」

「……まぁそれは分かるんですが、何でそこまで怯えてるんです?」

「フローラも知っているだろう? 私は魔力がとても低いと。だからベルミエッタは魔法で私を翻弄できると思ったらしく侮っていてね?」

「馬鹿なんですね。わかります」

「なんっ……! いえ、なんでも……」

「まぁフローラ嬢なら絶対に逃げてたであろう決闘なのだが、侮りもあってか快諾してくれたものだからね。手加減無くお相手させてもらった」

「はー……身の程知らずというか。ゲームはゲーム、リアルはリアルでしょうに……」

「ちなみに私は普段ベティと訓練してるのだけどね? ベティと比べると余りにも見劣りがすると言うか何と言うか。
 ちょうきょ……じゃない、教育を施した後にベティにも引き合わせたのだけど、手も足も出てなかったようだね」

「あ……あんなモブ、ありえないだろ……っ! 何だあの強さは……!」

「あー、ベティかぁ。うちの父様達にも勝っちゃうらしいから……」

「は? 誰だお前は……さっきからグレイス様に馴れ馴れし……い? フローレンシア・クロード!? 前作のなんちゃって真っ黒主人公か!? っつか主人公のチート家族より強いだと!? 化物過ぎるだろ!」

「真っ黒って何だコンチクショウめ! 主人公になっちゃったのは何かの間違いなんだよバッキャローが! それと、フローレンシア自身は凄く良い子だ! 黒いとか取り消せアンポンタン!」

「間違いもクソも、あんたが逆ハーコンプリート維持した最後の一人になったから主人公に選ばれたに違いないでしょうが」

「あ!? ベル正気に戻ったのね!?」

「逆ハー最後の一人だと!? お前か!? 花ラプ荒らしは!?」

「何なのその新たな称号!? 聞いたことないんだけど!?」

 とまぁ、やんややんやとやかましくしていたわけで……。

「みな、さぁん? 少々、煩い……ですわ、よぉ?」

「「「すみませんでした!!」」」

 ディレクが気を利かせて呼んでいたらしいメアラ先生が投入されたのも無理はない。というか、転生者組はすべからくメアラ先生にお世話になってるんだな。馬鹿なの?

(放っといてぇ……)

「あのー……戦花繚乱に関しての会合なんですよね? その話はしなくて良いんですか?」

「御免なさいね、エリエアル。ほら、貴方達もあまりメアラ先生の手を煩わさないように」

「「「はひ……」」」

「ではエリエアル、戦花繚乱についての詳しい話をお願いできるかしら?」

「分かりました。恐らくどういうゲームになったかは周知されてると思いますので、戦花繚乱のキャラについて説明させて頂きたいと思います。選べるキャラは前作から一新された3人の乙女と、そして攻略対象の6人の男子です。ここに敵国であるレアムの3人の乙女と4人の男子とシークレット枠の2が加わる予定です。今回の男子も選べる要素はおまけ的な要素が強かったです」

「選べるキャラが20人ってまぁ増えたわね……。多いことは分かったけど、何で男子も選べるようになったの?」

「腐女子用と言えば宜しいでしょうか?」

「宜しくないけど分かったわ! 聞くんじゃなかった……」

「うへぇ、マジか……スタッフェ……」

 腐呂オラさんとベルが嫌そうな顔してる。

(腐ってねえんだよ!)
「あ、ベルミエッタ様とエリエアル様は選べる乙女ってこと? だとすればあと一人……ってまさか!?」

 喪女さんがメイリアを見ると、メイリアはビクッと体を震わせる。

「そうです。三人目は。過去に魔族へと変身を遂げる程の光魔法の使い手を輩出したシュトーレン男爵家。その子孫である魔眼持ちのメイリア様です」

「ひぇ……」

「あー……ジュリエッタ様、申し訳ありませんがメイリアの側に行っても?」

「勿論良いわ。私も居たほうが良いかしら?」

「だだだ、いじょうぶ、です」

「はいはい落ち着いてー。メイリアは魔眼持ちだけど魔力はそこまでではなかったよね? それなのに2つ隣の国であるレアムまで自分から攻め入るの?」

「幼馴染を拐われるそうです」

「「!?」」

「ちなみにどっち……?」

「どっち? 二人だったかと……?」

「こうしちゃいられ……!」

「安心しろ。既に二人には24時間、護衛を付けている」

「さすが皇子! なら安心? ……かな」

「バミーは大丈夫よぉ。あの子は嫌がるけど、私と一緒に住んでるからぁ」

「へ、へーぇ」

 裏山鹿啼くね。

(いや、確かにちょっと微妙よね? 実際。メアラ先生は美人だけど……)

「フローラ、さぁん?」

「「「何でもありません!」」」

 何故かベルとベルミエッタも一緒に反応した。……めんどいからまとめる時は2ベルにすっか。

(心底どっちでも良いわ……なんか二人共似てるし。名前だけじゃなく中身もね)

「……本当にゲームとは違ってしまってるんですねぇ」

 思わず呟くエリエアルにジュリエッタが声を掛ける。

「貴女もゲーム通りに何かしたかったりしてたの?」

「いえ、全く。私はお気に入りをカップリングさせてニヤニヤするのが好きでしたので。どうやらほぼ王道ルートが決まってるみたいで大満足です。むしろ余計なちょっかい掛けてくるレアムは死すべし、ですね」

「そ、そうなの……」

 会話に殆ど加わっていないアーチボルドとアメリアは、会議中にあって何だかいい雰囲気だしな。サイモンはグレイスに構ってもらうのをそわそわしながら待ってる感じか? 忠犬サイモン! みたいな。

(やめろや。吹きそうだったろうが)

 そうなると相手が居ないのってエリオットとディレクか?

(ディレク皇子は大丈夫でしょ。乙女様が嫌ってるわけじゃないし。そうなるとエリオット様だけよね)

 候補おらんの?

(うーん……流れ的にはシンシアとどうにかくっつくのかと思ってたけど、実際は全く違ったものねぇ)
「えっと、エリエアル様?」

「エリで良いわよ。同じ転生者なんだし」

「んじゃエリさん、花乙ってSLGになっちゃったんでしょ? エリさんもやった口?」

「花乙……? ああ、公式の愛称ね。花ラプとしか認識してなかったわ。戦花繚乱ね、やってたわ」

「ぶっちゃけどうでした?」

「……こう言ってはなんだけど、男の子向けなのよねぇシステムが。だって乙女ゲーって相手との交流や何気ない日常を過ごすことで、盛り上がっていくものでしょう? 力づくで分捕るっていうのは乙女ゲーなのかしらね? むしろ捕まった後の敵国の将官と良い仲になる方がまだ納得できるわ」

「「「ああ……分かる」」」

 喪女2ベルずの心が一つになった!

(……なんか変な意味混ぜてない? ……まぁ何時ものノーコンか)

「だから私は国内カップリングを極めてたわ。レアム版はやる前にこちらに来たからちょっと……」

「相手の情報がないのは辛いですねぇ。あそーだエリさん、今度内密のご相談があるのだけど……」

「ええ、構わないわ。その際はこちらからお呼びするわね」

「助かります」

 何悪巧みするの?

(悪巧まないですー。エリオット様に関して意見を求めるのよ。シンシアの前で聞けないから……)

 そーかそーか。所でさ?

(なぁに?)

 あのプルプルしてる商家のボンボン、そろそろ誰か触れてやれよ、って思うのよ。

(あ゛)(『あ゛』)
しおりを挟む
感想 0

あなたにおすすめの小説

どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~

さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」 あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。 弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。 弟とは凄く仲が良いの! それはそれはものすごく‥‥‥ 「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」 そんな関係のあたしたち。 でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥ 「うそっ! お腹が出て来てる!?」 お姉ちゃんの秘密の悩みです。

【コミカライズ決定】勇者学園の西園寺オスカー~実力を隠して勇者学園を満喫する俺、美人生徒会長に目をつけられたので最強ムーブをかましたい~

エース皇命
ファンタジー
【HOTランキング2位獲得作品】 【第5回一二三書房Web小説大賞コミカライズ賞】 ~ポルカコミックスでの漫画化(コミカライズ)決定!~  ゼルトル勇者学園に通う少年、西園寺オスカーはかなり変わっている。  学園で、教師をも上回るほどの実力を持っておきながらも、その実力を隠し、他の生徒と同様の、平均的な目立たない存在として振る舞うのだ。  何か実力を隠す特別な理由があるのか。  いや、彼はただ、「かっこよさそう」だから実力を隠す。  そんな中、隣の席の美少女セレナや、生徒会長のアリア、剣術教師であるレイヴンなどは、「西園寺オスカーは何かを隠している」というような疑念を抱き始めるのだった。  貴族出身の傲慢なクラスメイトに、彼と対峙することを選ぶ生徒会〈ガーディアンズ・オブ・ゼルトル〉、さらには魔王まで、西園寺オスカーの前に立ちはだかる。  オスカーはどうやって最強の力を手にしたのか。授業や試験ではどんなムーブをかますのか。彼の実力を知る者は現れるのか。    世界を揺るがす、最強中二病主人公の爆誕を見逃すな! ※小説家になろう、カクヨム、pixivにも投稿中。

SSSレア・スライムに転生した魚屋さん ~戦うつもりはないけど、どんどん強くなる~

草笛あたる(乱暴)
ファンタジー
転生したらスライムの突然変異だった。 レアらしくて、成長が異常に早いよ。 せっかくだから、自分の特技を活かして、日本の魚屋技術を異世界に広めたいな。 出刃包丁がない世界だったので、スライムの体内で作ったら、名刀に仕上がっちゃった。

~唯一王の成り上がり~ 外れスキル「精霊王」の俺、パーティーを首になった瞬間スキルが開花、Sランク冒険者へと成り上がり、英雄となる

静内燕
ファンタジー
【カクヨムコン最終選考進出】 【複数サイトでランキング入り】 追放された主人公フライがその能力を覚醒させ、成り上がりっていく物語 主人公フライ。 仲間たちがスキルを開花させ、パーティーがSランクまで昇華していく中、彼が与えられたスキルは「精霊王」という伝説上の生き物にしか対象にできない使用用途が限られた外れスキルだった。 フライはダンジョンの案内役や、料理、周囲の加護、荷物持ちなど、あらゆる雑用を喜んでこなしていた。 外れスキルの自分でも、仲間達の役に立てるからと。 しかしその奮闘ぶりは、恵まれたスキルを持つ仲間たちからは認められず、毎日のように不当な扱いを受ける日々。 そしてとうとうダンジョンの中でパーティーからの追放を宣告されてしまう。 「お前みたいなゴミの変わりはいくらでもいる」 最後のクエストのダンジョンの主は、今までと比較にならないほど強く、歯が立たない敵だった。 仲間たちは我先に逃亡、残ったのはフライ一人だけ。 そこでダンジョンの主は告げる、あなたのスキルを待っていた。と──。 そして不遇だったスキルがようやく開花し、最強の冒険者へとのし上がっていく。 一方、裏方で支えていたフライがいなくなったパーティーたちが没落していく物語。 イラスト 卯月凪沙様より

【完結】幼馴染にフラれて異世界ハーレム風呂で優しく癒されてますが、好感度アップに未練タラタラなのが役立ってるとは気付かず、世界を救いました。

三矢さくら
ファンタジー
【本編完結】⭐︎気分どん底スタート、あとはアガるだけの異世界純情ハーレム&バトルファンタジー⭐︎ 長年思い続けた幼馴染にフラれたショックで目の前が全部真っ白になったと思ったら、これ異世界召喚ですか!? しかも、フラれたばかりのダダ凹みなのに、まさかのハーレム展開。まったくそんな気分じゃないのに、それが『シキタリ』と言われては断りにくい。毎日混浴ですか。そうですか。赤面しますよ。 ただ、召喚されたお城は、落城寸前の風前の灯火。伝説の『マレビト』として召喚された俺、百海勇吾(18)は、城主代行を任されて、城に襲い掛かる謎のバケモノたちに立ち向かうことに。 といっても、発現するらしいチートは使えないし、お城に唯一いた呪術師の第4王女様は召喚の呪術の影響で、眠りっ放し。 とにかく、俺を取り囲んでる女子たちと、お城の皆さんの気持ちをまとめて闘うしかない! フラれたばかりで、そんな気分じゃないんだけどなぁ!

戦場帰りの俺が隠居しようとしたら、最強の美少女たちに囲まれて逃げ場がなくなった件

さん
ファンタジー
戦場で命を削り、帝国最強部隊を率いた男――ラル。 数々の激戦を生き抜き、任務を終えた彼は、 今は辺境の地に建てられた静かな屋敷で、 わずかな安寧を求めて暮らしている……はずだった。 彼のそばには、かつて命を懸けて彼を支えた、最強の少女たち。 それぞれの立場で戦い、支え、尽くしてきた――ただ、すべてはラルのために。 今では彼の屋敷に集い、仕え、そして溺愛している。   「ラルさまさえいれば、わたくしは他に何もいりませんわ!」 「ラル様…私だけを見ていてください。誰よりも、ずっとずっと……」 「ねぇラル君、その人の名前……まだ覚えてるの?」 「ラル、そんなに気にしなくていいよ!ミアがいるから大丈夫だよねっ!」   命がけの戦場より、ヒロインたちの“甘くて圧が強い愛情”のほうが数倍キケン!? 順番待ちの寝床争奪戦、過去の恋の追及、圧バトル修羅場―― ラルの平穏な日常は、最強で一途な彼女たちに包囲されて崩壊寸前。   これは―― 【過去の傷を背負い静かに生きようとする男】と 【彼を神のように慕う最強少女たち】が織りなす、 “甘くて逃げ場のない生活”の物語。   ――戦場よりも生き延びるのが難しいのは、愛されすぎる日常だった。 ※表紙のキャラはエリスのイメージ画です。

悪役顔のモブに転生しました。特に影響が無いようなので好きに生きます

竹桜
ファンタジー
 ある部屋の中で男が画面に向かいながら、ゲームをしていた。  そのゲームは主人公の勇者が魔王を倒し、ヒロインと結ばれるというものだ。  そして、ヒロインは4人いる。  ヒロイン達は聖女、剣士、武闘家、魔法使いだ。  エンドのルートしては六種類ある。  バットエンドを抜かすと、ハッピーエンドが五種類あり、ハッピーエンドの四種類、ヒロインの中の誰か1人と結ばれる。  残りのハッピーエンドはハーレムエンドである。  大好きなゲームの十回目のエンディングを迎えた主人公はお腹が空いたので、ご飯を食べようと思い、台所に行こうとして、足を滑らせ、頭を強く打ってしまった。  そして、主人公は不幸にも死んでしまった。    次に、主人公が目覚めると大好きなゲームの中に転生していた。  だが、主人公はゲームの中で名前しか出てこない悪役顔のモブに転生してしまった。  主人公は大好きなゲームの中に転生したことを心の底から喜んだ。  そして、折角転生したから、この世界を好きに生きようと考えた。  

天才天然天使様こと『三天美女』の汐崎真凜に勝手に婚姻届を出され、いつの間にか天使の旦那になったのだが...。【動画投稿】

田中又雄
恋愛
18の誕生日を迎えたその翌日のこと。 俺は分籍届を出すべく役所に来ていた...のだが。 「えっと...結論から申し上げますと...こちらの手続きは不要ですね」「...え?どういうことですか?」「昨日、婚姻届を出されているので親御様とは別の戸籍が作られていますので...」「...はい?」 そうやら俺は知らないうちに結婚していたようだった。 「あの...相手の人の名前は?」 「...汐崎真凛様...という方ですね」 その名前には心当たりがあった。 天才的な頭脳、マイペースで天然な性格、天使のような見た目から『三天美女』なんて呼ばれているうちの高校のアイドル的存在。 こうして俺は天使との-1日婚がスタートしたのだった。

処理中です...