恋人の愛は少し……いや、かなり重いです。

あげいも

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日常

気になる-4C-

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 眠る前に他愛のない話をするのはいつものこと。
 だから、こうして夜中に目が覚めたのは、偶然の出来事なのだが──
「……」
 ふと意識が覚醒した洋佑の身体に回された腕。眠る時は向かい合って目を閉じたはずだが、眠っているうちに背中を向けている姿勢へと変化していた。
 いつも、佑の方が先に眼を覚ましていて、ゆっくり寝顔を見る機会はない。だから、ちょっと残念な気もするが、起こしてしまう事を思うと、このまま再度眠りにつく方がいい。
 半分うとうととしながら、そう結論を出した洋佑が目を閉じようとしたとき。不意に後ろでもぞつく気配。
「……たすく?」
 控えめに名を呼んでみるが返事はない。起こしたわけではないことにほっとすると同時、少しばかりの寂しさに洋佑は自分の身体に回された腕にそっと触れてみる。
 特に反応はない。規則正しい寝息が首筋にかかるのがくすぐったくて、ほんの少し姿勢を変えた。背中に感じる体温に何とも言えない心地良さを感じて表情を緩める。
 出会ってから、ここまで。それほど長い時間を過ごしたわけではないのに、こうして傍にいることが当たり前のように感じてしまう。

 だけでなく──

 無意識のうちに太腿をすり合わせた。陰毛の処理なんか考えたこともなかったし、まして他人にそれをされるとは思いもしなかった。
 が、不快感や嫌悪感はない。むしろ──

 ──嬉しい……?

 自分の感情が自分でも説明できない。身じろいだ後、寝直そうと眼を閉じる。が──
「…………」
 風呂場でのことを思い出してしまう。佑の指や舌が触れた場所──もぞつく足の間、熱を帯び始めた性器の感触に困惑して眼を開く。
 相変わらず佑は眠りについたままだ。起こしたくはないが──このままだと眠れそうもない。
「………っ、……」
 そろりと下着の中に指を入れた。熱を集めかけた性器へと指をからませた後、出来るだけ小さな動きで扱き始める。
 びくびくと震える熱。身体の揺れやぐちゅぐちゅと湿った音が響くのに、佑が目を覚まさないかと気にはなるが、それ以上に──

 足りない。

 手の中の熱が昂る程、腹の奥が疼く。ほんの僅か、指を差し込まれただけの刺激を思い出しただけで、大きく体が跳ねた。
 ベッドが軋む音に思わず動きを止める。と同時に、柔らかい感触を首筋に感じて、洋佑は声を上げてしまう。
「あっ……」
 体を抱く腕に力が籠る。繰り返し項へと口付ける動きは寝ぼけての行為ではない。明確に意思をもって、佑の指が肌を滑り降りてくるのに、洋佑は思わず目を閉じ、肩を竦めた。
「……洋佑さん」
 けだるげな声。だが、寝言ではない。耳朶を食むように唇を寄せられて、逃げ出そうとするが、身体に回された腕に力が籠められる。
「だめ」
 何が、なんて聞くまでもない。洋佑を引き寄せた腕にさらに力が籠る。片方の手が洋佑の手に重ねられるようにして、下着の中へと差し込まれてくる。
「……ぁ、……」
 手の甲側から手を握るように。指を絡められ、隠そうとしていた性器から引き剥がされて行く。吐き零したもので濡れた肌を確かめるように、絡めた佑の指先が自分の指を這う動きにすら息が乱れてしまう。
「……っ、ん……」
 やがて佑の指が直接に性器へと絡みついてきた。高く上がりそうになった声を唇を噛んでやり過ごす。
「声、ききたい」
 まだ少し鈍い声。耳から項にかけてのラインへと繰り返し口付けながら、性器を扱かれる。ぐちゅぐちゅと下着の上からでも分かるほどに吐き零したもの。
 無意識のうちに尻を佑へと押し付けるように体をくねらせ、熱を欲しがってしまう。
「ぁ、っ……う、や……たすく──、」
 いつのまにか、もう片方の手も肌を滑りあがり、乳首をこねくり回している。柔らかい指腹で擦り上げられ、ぎしりと大きくベッドが軋んだ。
「……どうしたの?」
 洋佑さん。
 話すたびに肌を揺らす呼気が熱い。押し付けた尻に感じる熱──に、佑に握り取られた性器が跳ねた。
「~~~~~っ、……」
 ぬるりと指が滑る。吐き零した熱の余韻に肌を震わせながら、洋佑は大きく息を吐き出した。
「……佑、……あのな」
 羞恥と快感で濁った声。何か言おうとしていることを察して緩んだ腕に体の向きを変えると、視線を合わせる。
 少し寝癖の残る髪の間から自分を見る佑の眼は、熱を帯び、少し潤んでいる。
「…………俺……」
 語尾が震える。佑からの向けられる愛情を疑ったことはない。だが──
「……洋佑さん?」
 何か言おうとして口を閉じる洋佑の背中をそっと撫でてくれる。些細なこと──本当に些細なことの一つ一つが優しすぎる程に優しくて、洋佑は佑の胸に顔を埋めた。
 驚いた気配が伝わる。一瞬、とまった手が再び背中を撫で始める頃、洋佑はようやく口を開いた。
「……」
 一度息を吸い込んだ。埋めていた顔を静かに上げると、まっすぐに佑を見つめる。
「俺────もうどうしようもないくらい……佑が欲しい」
 佑の動きが止まる。目を見開いたままで固まってしまった佑の胸へともう一度顔を埋めた。鼓動が早いのは、自分か佑か。それも分からない。
「…………さっき、さ……風呂場で、した時も……今も。……佑の、熱が欲しくて……」
 声が震える。一度強くしがみついた後、腕を緩め、右手を佑の股間へと滑らせていく。緩く熱を帯びたそれにそっと触れると、佑の身体が跳ねた。
「……前、だけじゃ足りない。中に──」
 欲しい、と言う前に抱き締められて息が詰まる。腕が緩むと同時、背中をベッドへ押し付けるように姿勢を変えられ、口付けられて動きが止まる。
 一度だけ強く吸い上げてすぐ離れるが、また触れる。何度か繰り返した後、また抱きしめられた。
「……洋佑さん……僕、……僕……」
 言いながらこめかみや耳に口付けてくる。自分でもどうしていいのか分からないような佑の動きに洋佑は静かに眼を閉じた。
「いい……何も言わなくていいよ」
 自分だって、上手く言葉に出来そうにない。でも──それでいい。
 半分程脱げかけていた下着へと手をかけて、下へと引き下ろした。片足を抜くと、足先で布を追いやるようにして下肢を開く。
 先程、熱を吐き出したばかりの性器の更に奥。呼吸に合わせてひくつく後孔まで見せつけるように、大きく足を開くいてから、見上げる格好になった佑の頬へと指を伸ばす。
「佑」
 名前を呼び終わるより先に言葉を奪われる。熱を帯びた舌が口腔を這い回るのに、洋佑は静かに眼を閉じた。
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