【完結済】やり直した嫌われ者は、帝様に囲われる

紫鶴

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式神

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かくれんぼに飽きた九郎が他の遊びにしようと言ってきた。

確かに、三人で何回もかくれんぼをしていたから隠れる場所が無くなってきたので丁度いい。そう思ってそれに頷こうとしたら久遠が猛反対した。





「やっ!!」

「何でだよ。もう隠れるところないから違う遊びにしようぜ?」

「やあっ!!」

「くーちゃん?どうして嫌なのか言ってくれないと分からないよ?」





俺が久遠の目線に合わせてしゃがみ込むと久遠はむうっと唇を尖らせてそれからぎゅうっと俺を抱きしめる。どうしたんだろうか?





「しちゃ、たーしくない!!」

「ん?」





俺が楽しくない?かくれんぼをして?

いや、こういう遊びは話で聞いただけだから結構楽しかったけど、久遠はどうしてそんなことを思ったのだろうか?

そう思って次の言葉を待つと彼はこう話す。





「しちゃ、かくえんぼうまくないの!!」

「……あ、ああうん、成程」

「しちゃのかくえるのじょーじゅになるまでやる!!」





かくれんぼで久遠の為と思い簡単な場所に隠れたのが仇になったようだ。

どうやら久遠は俺が隠れるのが下手くそですぐに見つかってしまうから面白くないと感じている、そう思っているのだろう。そこまで深刻に考えていたとは。

久遠の優しさに思わず口元が緩む。





「大丈夫だよ、久遠。楽しかったから」

「ほーと?」

「うん」





そう言うとにぱっと笑顔になってもう一度久遠がぎゅうぎゅうと力強く抱きしめてくれた。

可愛い。

こんな可愛い時期の久遠と関われるなんて本当に俺は運がいい。





「しーちゃん。久遠はすぐに本気にするからさお前も遠慮する必要ないぞ?」

「……うん」





流石に九郎には俺が手を抜いてるってわかってしまったようだ。遊びも本気になって久遠と遊ばないと、この優しい人達は俺がそう振舞っても受け入れてくれる人たちだから。

色々考えるのはよそう。





「これで久遠の問題は解決だな。次は何して遊びたい?しーちゃん」

「あ、ごめん俺そういうのは疎くて……」

「あー、じゃあ……」

「たかーたかーしたい!!」





九郎が何か言おうとしたが、その前ににっこり笑顔の久遠が俺の腕を引っ張ってぐいぐいと庭に連れていく。

俺はついていきながらたかーたかーとは?と少し考える。そんな遊びあっただろうか?庭に出たってっことは体を使って遊ぶ奴?

九郎を見ると九郎は縁側に座っていた。



え。





「九郎……?」

「いや、俺でかいから無理無理。久遠と二人でやって貰えよ」

「……?」





身長制限がある遊び……?

俺まではまだできる、らしい。

そう思っていると、角から晴臣さんとげっそりしている燕さんがこちらに歩いてくるのが見えた。





「はるちゃ!わんわ!!」

「はい若。ほら行きますよ」

「は、はい……」





久遠に呼ばれて二人は此方に歩いてくる。

晴臣さんは一体燕さんに何を言ったのだろうか。

かなり疲れ切っている燕さんに俺は思わず声をかけた。





「だ、大丈夫ですか、燕さん……」

「大丈夫です。俺が悪いんで……」

「で、でも……」

「しーちゃん。これに優しさを分け与える事はありませんよ。自業自得ですから」

「はい、そうです……」





意気消沈している燕さんにこれ以上声をかけると悪化しそうなので話題を変える。

久遠がやりたがっていたたかーたかーについてだ。





「あの、久遠が……」

「はるちゃ!たかーたかーして!しーちゃんに!」

「え?俺から!?」

「分かりました。失礼しますねしーちゃん。あ、舌噛むので声は出さないように」





え?っその忠告を聞いて何だか嫌な予感がしたががっしり腰を掴まれ、次の瞬間体が宙に浮いた。





「たかいたかーい!!」

「っ!? し、しちゃしちゃぁ!!はるちゃ!しちゃが―――っ!!」

「――――っ!!!!!」





屋根の上まで見える高さまでぶん投げられた。

ま、待て待て待て!!

確かに声を出したら舌を噛む。晴臣さんの助言通り声をあげずに固まっていると、一瞬ふわっと空中で止まったような感覚を覚え次には落下していく。重く空気がのしかかるようだ。

受け身を取らねば。しかし、初めての空中に体がうまく動かない。

このままじゃ―――!!

衝撃に備えて思わずぎゅっと目をつぶってしまうとぼふんっと何か柔らかいものに身体が包まれた。



ーーーー
サブタイトル、前の話をだいぶ加筆修正いたしました。それに伴い、七宝SIDE諸々を消しました。
ご理解の程よろしくお願い致します。
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