ウオン(妖精契約世界)

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ウオン(妖精契約世界) 前篇

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ウオン(妖精契約世界)
 
        著者 GAKIBBB
 
 
 
ウオン(妖精契約世界) 前篇
 
悪魔と契約しそれと引換えにした人生に関してのストーリー
 
1902年に彼が産まれた。
 
男は咲紀
 
16才の時に彼は若くして研究に没頭し偶然、悪魔と契約する方法を編み出した。
 
そして彼は契約した。その目的の一つは永遠の命を欲した。
 
しかし、
 
そのとき精神と肉体は善と悪に分かれ。
 
引き換えにウオンワールド(妖精契約世界)に姉とともに飛ばされ。そして両親と引き離される。
 
 
 
――ウオンワールド――
 
 
空間を移動する人間の事をウオン(空間移動者)と呼んでいた。
 
丸い黒いそれが見え
 
次にその丸い空間から飛び出る。人間ら亜紀、いか、サキがいる。
 
地面へおそらくは骨を折ることもなく着地して周りを見る余裕ができる。
 
そこには
 
その時言葉にする。
 
「 うつくしいわ。今回、やけに綺麗な世界にきたわね 」そこに一面に青一色の空とやはりどこまでも飲み込もうとしている海がある。
 
「 ここの降りた場所は海の見える砂地の上にある絶壁か 」
 
サキが言う。

大人であることは事実でも金髪の可愛い少女に見えた。
 
「 亜紀ここの食事を用意してくれるか? 」
 
亜紀が言う。
 
「 そうね、全員で海でも潜れば魚でも取れるかもよ。サキ 」
 
サキと呼ばれる身長が190cmは確実に超える年齢のいった男は言う。
 
「 俺は火の起こせる枯れ木と水飲み場を探さなければならない 」
 
さらにいかという少年は思わず言ってしまった。周囲も分かっているにも関わらず。「 おなかすいたよう 」と言って。さらにぐずった「 また怒られるのかな 」いつも少年が言われているのは亜紀から「 支度は自分でしなさい。独りで生きていく事もあるのだから 」
 
その8歳になる少年が「 おかあさんしからないで 」と半泣きになったが亜紀は答えないし。
 
しかし亜紀の言った言葉は、
 
「 ここには磁気嵐はないみたい、羅針盤がつかえるわ 」
 
サキ「 羅針盤?コンパスみたいなものか 」と彼なりに納得する。
 
「 それより囲まれているわ 」
 
「 野生動物だろう。今晩の飯は肉かもしれん 」
 
男は短刀を胸にさらに、まるで猛獣でも一太刀で真っ二つにできるのではないかと言える程の巨大な身長と同程度の長さと太さを誇ったグリーンの水晶の埋め込まれていて煌びやかさはそれのみの長剣を背中にはあったが。
 
短剣を選ぶ『舐めていた判断だが』彼の経験では海場に住む生物には巨大に獰猛な野生動物の奴はいないと考えた。
 
断崖にいる彼らの前には狼程度のいうならハイエナみたいな4本脚でそれでも2mの大きさの表面が堅そうな灰色に包まれている。狼でもハイエナのような犬科とは明らかに違う。
 
いかは「 うえーんこわいよ 」と言い自分のみ囲む2m程度の黒い丸ボール状のバリヤーを張った。
 
「 この程度なら剣士のあなたでなくあたしがやろうか? 」
 
「 剣は痛む事はほぼあり得ないんだ。運動代わりに、、、 」
 
と言い終える前に向こうから野生動物が走って来た。2mの大きさにしては早かった。
 
何せ5秒で150mの距離まであるそれを一気に詰めるスピードだ。6匹2方向から来た。同時にサキが短剣をといっても50cmあるが彼の身長にとっては短剣だ。
 
しかも、それにも紫色の水晶が2個、鞘に付いていて『それを彼はなでつつ』一振りした、それでも一方向の群れに短剣から5m大の炎が立ち上るそれが4匹をなぎ払う。
 
動物が火中にあった。その場で体にまとわり付く火に暴れる。暴れる音も大きいし「ギャオオオオォォォォォオオオ」悲鳴も上がる。
 
しかも背後からくる野生動物に瞬間にサキが一太刀浴びせる前に亜紀がそのつたない可愛いい唇にピンクのルージュが引かれ付けられていてその口で「 ラリク(死亡契約) 」と告げ。
 
2匹の動物は体の内側から巨大な雷状が走って3、4m前で倒れていった。
 
 
亜紀から初めて会ったときに「どこかで見たことあるわね」 と言っている。あながち間違ってはいない。
 
町を歩いている
 
今晩の宿を探したかった。戦えるのだがいつ襲われるか分からないというのは神経をすり減らす。宿賃はあった。金属類を金に変更している。
 
「 貴金類と宝石類は売り値こそ違うけどそれなりにどの空間を移動しても金になるわね。サキ知ってた? 」
 
「 ああ、どこでも本物の金貨だとわかると手の平を返すものだ 」
 
亜紀が、
 
「 ここも雑種した生物で知的な人間がいて助かったわね 」
 
いかは可愛い年頃か本音を漏らす。
 
「 おかあさん眠たいよう 」
 
「 そうね、ベッドでおねむしなさい。その後お風呂に入るのよ。いか 」
 
サキ「 その子のみ残して食事に出る訳には行けない事情は分かる。われわれは変わり番で眠るとするか 」
 
「 何?ここの人達を疑ってるの強盗にこないかと 」
 
「 それもあるがお前を見る目付きに気づいていないのか? 」
 
「 あたし?あまり体を露出した服じゃないわよ 」
 
その通りにこの世界にはありふれているように見えたロリータ風の襞の付いた。足まであるロングのスカートに。
 
「 胸はどうしようも隠しようはないしあたしに合うおっきい胸のサイズはこれしか無かったのよ 」
 
そして
 
「 変かしら 」
 
いかがベッドの上で少し寝息を立て始めたのに安心する。
 
そして
 
「 お前の顔立ちにしては巨大過ぎる胸なんだ。それに金色の髪も問題が 」
 
言い切った。「 ある 」
 
「 何?自分の身は守ってきたわ。自分でね。そのあたしが心配ないとまだカンはいってる。変質的な目はそれ程には多く無かったし。そんなそれ程、気にしたものでは無いわよ 」
 
サキの顔の表情が無表情になって「 お前から、いかと一緒に寝てやれ。俺が起きる番をまずやる 」
 
「 あんたはどうなの? 」
 
「 信じてないのか? 」
 
「 いえ。ごめんなさい 」といい。いかのベットに入っていて疲れていたのか。いきなり寝息を立てて眠りに入った。
 
― 時間は過ぎ次にサキが別のベットにて瞳を閉じて寝ている ―
 
亜紀がこの男が本当に寝るという事ができるのか。本当はやや実際に見て驚いた。そして眠りの中でこう意識内にあった。『わたしの姉貴、、、亜紀。本当に成長したな』そしてさらに眠りは深くなっていき『そしてわたしの娘、、、』
 
出会ったのは1カ月前になる、いかがウオン(空間移動者)の力を見られた。そしてボールバリヤーを張る寸前で網にかかった。
 
それはあたしが目を離した隙だった。
 
荒廃した砂漠地帯。
 
「 ― そうだったわね。人を売るというのが当たり前の世界だった。前の空間でこの男に助けられたのよ ― 」
 
サキの寝てる間に考えたのは。
 
― いったい何の目的であたしを助けたの?すでに1カ月経っても。何ら要求してこない、ただ戦う理由があたしの周りに豊富に出てくるという理由だけじゃ説明がつかない。それでも最近やけにウオンワールド全体の治安が悪くなっている ―
 
亜紀本人が部屋に立てかけている長剣を見た。
 
「 ― 圧倒的な戦闘力、戦闘妖精と魔法力をすでに契約済みの短剣。それにあの2mもある長剣の威力はまだあたしは見たことが無い。いったいどの程度の威力があるのかしら ― 」
 
そして「 いまは何の目的があるにしても周囲の妖精が戦闘契約を乱発してあたしの妖精を超えつつある今では頼るしかない 」
 
つぶやいた、
 
「 この酔狂な男にね 」
 
 
裸だった亜紀は風呂場にいた。
 
いかの頭を自分と一緒に麦を溶いたシャンプー代わりになる汚れを落とす液体ですすいでいる。
 
そしていかは冷たいお風呂桶の水へ我慢できず風呂場から飛び出し。
 
「 水がつめたいよお 」
 
「 こらこら。いか、駄目じゃない 」
 
いきなり風呂場のドアを開ける。しかもそこにはサキが座ってこちらを睨んでいるかのように見つめていた。
 
偶然なんだろうがそこに亜紀も飛び出しその裸はサキに見られる。
 
亜紀がギクリとした。
 
「 えー―!!やぁ!!! 」
 
そして、
 
「 サキ、あなた。食事に出たはずじゃないの! 」
 
そこには巨大な胸があったがサキはピクリともせず言った。
 
「 俺は 」
 
実はサキは心配だった。不審人物を警戒してだ。そして、言うより前に。
 
「 ラリクッッ!!??う(死亡契約)!!! 」の呪文をサキに向かって唱え一瞬でサキが燃えた。
 
亜紀はなぜか知らず知らずの内に本能で拒否した。それは元から家族であったという事もあり女性としての意識よりも姉弟的嫌悪が湧き。
 
唱えた。
 
一瞬でサキが気絶した。
 
そして座っていた椅子から倒れた。
 
 
が娘への成長を200年越しに確認したし。
 
見事に女性として成熟していたしそしてなりよりも美しかった。
 
 
宿の
 
一階、食事テーブル
 
「 ごめんなさい。でもあんなところで待機してるなんて何してたのよ 」
 
いかもスープ煮込みを手にあるスプーンですくっている。
 
「 そうだよ。ひどいよおかあさん。いきなり、ラリク唱えるなんて 」
 
そして、
 
「 おとうさんにたいして 」と言った。
 
亜紀
 
「 おとうさん? 」
 
一瞬分からず。
 
「 だれの事 」
 
いかは父親を知らなかった。そしてサキの事を父として思い込む事で幼い自分を保とうともしている。
 
「 うんサキおとうさん 」
 
「 え!? 」
 
言う
 
「 違うわよ! 」
 
それを聞いていた周囲の旅行客が突然に言った。
 
「 よっお母さん! 」
 
亜紀はややツンデレ属性でもある。
 
そして周囲も、
 
男たちも女たちも、
 
男は「 うわっはっは 」と女性は「 くすくす 」と笑う。
 
ここには現代にはない、人間たちの営みの会話があった。
 
サキは、
 
「 別にそうじゃない 」と言うのみだった。
 
 
 
『おとこ達の闘い』
 
 
戦い
 
天は荒ぶる灰色の雲に覆われていた。
 
それ以上に強い地面をひっくり返すのではないかと思える程の風が吹いた。
 
亜紀の鎧衣服は傷だらけになっている。
 
「 大丈夫よ。いか 」
 
亜紀はいかを抱きしめる。なにかを信じて祈るようにいかを必死に抱きしめる。
 
目の前は100mに及ぶ竜が浮かぶ。
 
いかも亜紀も震え怯えている。しかし、信じるしかなかった。
 
 
地を荒らす竜の討伐
 
土地を荒らす竜はいなかった今まで。
 
こんな事は無かったという。
 
3日後の夜から朝にかけての討伐戦闘で雇われた自営の軍の集まりが全滅していた。
 
そして亜紀が妖精との契約の証であり夫の形見でもあるエメラルドダイヤを握って言う。
 
いかを抱きしめながら目の前で最後の実力を吐き出そうとしている。亜紀がその190cmあるでかい図体を見、
 
「 あれがオトコの戦い。いか、最後になるかも知れない。あなたも戦士のはしくれなら最後の男の戦いを見てなさい、、、 」
 
ずんと歩き自分の命の分身である大剣を構えながら。気のせいか血液のせいか目が赤く光る。
 
「 ― 俺のさいごの覚悟だ ― 」
 
竜に向かいジャンプした100m上にいるのだが自営の軍は槍、弓、鉄球を飛ばす道具を使って戦い応戦し敗れた。
 
サキは全身を覆う鎧は装着していないし必要が無かった今回、特に空中を飛ぶ相手には。
 
 
 
亜紀の契約魔法をかけられサキは軽くジャンプし300mの空中の中にいた。
 
大剣で切り付ける。
 
が、
 
「 ヴオオオオオオオオオオオオオオ 」竜が悲鳴を上げ吠え。
 
しかし、
 
それでもまるで歯が立たない
 
予想通りだ。
 
 
「 ちっ 」口走る。
 
それでも。
 
500m向こうにいる亜紀の方へ向く。
 
自分と竜の戦いを見続けていた。
 
サキが自分の死を覚悟をし。
 
「 さらばだ亜紀 」
 
なぜかサキにとっては珍しくウインクをする。
 
亜紀はサキが命を捨てようとしている事が手に取るように分かった。魔法使い故にその人間が使える最終魔法を使おうとしている事を。何故か「 いやあああああああ! 」亜紀が叫んだ。
 
サキは自分の命と引き換えに大剣に付けていたグリーンの水晶へ軽く呪文をかけ。
 
「 ザイラオク(命引換契約)! 」
 
剣を通すにはウロコを覆う皮膚の固さに対しそれでも竜の弱点の首に切り付けていた。
 
何と500mに及んで炎と雷撃が同時に大剣から出、ほとばしる。
 
空中、空間そのものが燃え轟音を出し。
 
「 ゴオオオオオオオオオオオオオ!! 」
 
それが、
 
首は確かに吹き飛んだ。
 
が、
 
しかし、体は生きていた。
 
そして、
 
竜は手の中に地上へ落ちていくサキを掴み。
 
人間の中では巨体のサキの体を死に行く竜はもろとも手で潰そうとする。
 
その姿を亜紀、いかは見つめていた。
 
そして
 
亜紀が目を必死に閉じてその姿から目を背けようとした。
 
いかの体に変化が起きる。
 
「 ざわっっ 」
 
「 どくっ、、、 」いかの心臓が鳴り。
 
自分の実際の父の死と重なった。
 
3歳の時に同じに自分を守ろうとして死んだ親を、
 
さらに『 どくっっ 』、、、エメラルドかかった目が黄金へ。
 
可愛い顔の亜紀が涙を流しつつもその変化に気づく「 あなた 」
 
いかの体が白い光りを帯びて。それが10mへさらに数秒のち。
 
さらに一気にその限りなく透明に近い光は100mへ、竜とサキまで届くには一瞬だった。
 
討伐を紹介し自営軍を作った町からも、その10kmもの光のドームは見えていた。
 
サキ、亜紀を残し5kmものクレーターを作って土の焦土と化す。
 
巨大な渓谷の中さらに巨大な空間を作り上げ。
 
彼、いかの血筋は攻撃型精霊エルフと悪魔としての空間移動を行える血の混血でありそして計り知れない潜在能力を持っていた。
 
その中で「 うえーんお母さーんお父さーん 」いかは嗚咽を出し泣いていた。自分が作り上げた焦土の中で。


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