49 / 61
希望へのはじまり
第50話 陰謀の影
しおりを挟む
ゴトゴトゴト
「グレイ、ここはどの辺りなのかしら?」
「先ほどインシグネ領を通り抜けましたので、もうここはアンテーゼ領でございます」
領の境目であるこの切り立った地形は、岩山と深い谷底に挟まれた道。
今ではある程度整備されているようだが、ひとたび馬車の操作を誤れば谷底まで一直線に落ちていく事だろう。
「それじゃこの辺りだったのかしらお父様達が事故に合われた渓谷は」
二年前に両親が亡くなったのがこの辺りだと聞いていた。
確かにこの深い谷底に馬車ごと落ちてしまえば、例え防御魔法で防いだとしても助かることは出来ないであろう。
私は現在アンテーゼ領にあるラクディア商会へと向かっている。
理由はフィオレ叔母様の子であるルーカスに会いに行くため。ルーカスに爵位継承権の話しをする事と、一度叔母様に会って話しをしたかったから。
私は付き人にグレイ、護衛役に三人の精霊達、御者をカイエルに頼み、三人と精霊達でアンテーゼ領に向かう……予定だった。
だけど現在御者台には別の人が座り、乗っている馬車も我が家が所有しているシンプルな物ではなく、遠方へ移動する為の丈夫な馬車に乗っている。更に周りを取り囲むように馬に跨った7人の騎士様が護衛しているのだ。
「しかし本当に良かったのでしょうか? ただの伯爵令嬢の私に、王国近衛騎士団の一個分隊を護衛に付けて頂いて……」
「お気になさらないで下さい。陛下と騎士団長からのご命令ですので」
「そうですよ。次期王妃様のご友人であり、未来の騎士団長婦人になるお方なんですから」
未来の騎士団長というのはジーク様の事なんだろう。
どうやら私たち本人が知らない間にどんどん話しが進んでいる気がするのだけど。
「ミズキさん、私はまだジーク様とお付き合いすらしていないのですが……」
「あ、お気になさらないでください。私たちが勝手に言ってるだけですから」
私たちの目の前にいる方はミズキさんとサツキさんと言う女性騎士。外で護衛してくださっている同じ分隊の隊員さんで、分隊長さんから私の近辺警護をするよう仰せつかっているらしく、今も同じ馬車に同乗している。
つまり私一人の為に9人もの騎士様が警護に当たっているのだ。
なぜこんな事になったかというと、先日のお茶会で私がアンテーゼ領に行く事を報告したから。
そらね、私だって陛下がいる前で言うつもりなんてなかったわよ。完全に個人的な理由だし、陛下には全く関係がないんだもの。
だけどお茶会の席で『もしも今後、どこかの屋敷に呼ばれた時や王都を離れる時は必ず報告するように』なんて陛下直々に言われたら喋らない訳にはいかないでしょ。
結果、一個分隊の護衛と馬車が知らぬ間に用意されていたのだ。しかも私が断れないようグレイに口止めをした上、当日になってこっそり屋敷の前で待機させておくとか……絶対ルテアの入れ知恵よね。
全く、いくらお父様が陛下の親友だったからとはいえ、ちょっと心配しすぎじゃないかしら。
馬車が街に近づくにつれ田園風景が広がってきた。
今の季節はすでに収穫が終わっているせいか、壌土がむき出しになっているところが多い。これからは本格的な冬にかけて土の中で育つ野菜へと切り替えていくのだろう、農家の人たちが畑を耕している姿が見える。
この世界には田畑を耕す機械なんてないから、すべて人の手作業で行われている。
私には本格的な農業経験がないから生産農家の真の苦労は分からない。だけどこの壮大な田畑を全て人の手で育てているかと思うと、改めて私の肩に乗りかかる重さに震え上がってしまう。
私は今一度、爵位を継ぐという意味をじっくりと考えねばなるまい。
やがて馬車は田園を抜け、街中にある一軒の家の前で止まった。
私は扉をノックし、出て来た家の主人に挨拶をしてから中へと案内される。
「初めましてアリス・アンテーゼと申します。この度は突然の訪問にも関わらず、お話をする機会をいただき感謝いたします」
「そんな堅苦しい挨拶は抜きでいいわよ。私もアリスちゃんと呼ばせて貰うから貴方も普通に叔母さんと呼んで」
「ありがとうございます叔母様」
この方がお父様の妹であるフィオレさん。念のため事前にお手紙を送っていたが、急な訪問には違いない。
本来ならゆっくりとコンタクトを取ってからお会いしたかったのだけど、私が息子さんの爵位継承権を持ち出してしまったために、急遽会わなければならなくなったのだ。
「それで手紙に書かれていた内容だけど」
「ご検討頂けましたでしょうか?」
事前の手紙に書いていた内容、それは私にルーカスを預けて欲しいとお願いしていたのだ。
「ええ、だけど答えを出すのは私ではないわ。アリスちゃんがルーカスを説得出来れば連れて行って、だけど断った場合は」
「潔く諦めさせて頂きます」
私だって無理やり親子を引き裂くような悪趣味は持ち合わせてはいない。本人が断れば潔く諦めるつもりだ。ただその場合は別の対策は講じなければならないだろうが……。
「聞き分けのいい子ね。個人的には好きだけど、伯爵としては問題かもね」
「叔母様、その件は……」
「分かっているつもりよ。貴方が何を考えてルーカスを誘いに来たのか、誰が一番爵位を継ぐのに相応しいかもね」
手紙にはルーカスが爵位を継承する権利がある事と、爵位の選定条件を知らせていた。だけど私の考えまでは書いていなかったのだ。
私がやろうとしている事はルーカスの見極め。彼に爵位を継げる素質があるのなら、私が持っている知識を全て教え伯爵を継がせる。だけどその素質がなければ私の力を見せつけ、今後何があってもアンテーゼの血が流れている事を口外させないよう圧力を掛けるつもりだった。
たとえ本人が爵位に興味がなくても、誰かがその血を利用する可能性がある。特に今まで何も知らなかった者が、ある日突然自分に高貴な血が流れていると知った場合、多少なりと己が育った環境に不満を抱いたりするものだろう。
もしもその感情がお家騒動まで発展したら……私は、私自身と領民を守るためにルーカスを……。
そうならない為にも私はルーカスに全て話し、見極める必要があるのだ。
「申し訳ございません。ご子息を巻き込んでしまって」
「いずれこんな日が来るとは思っていたわ。でも私は貴方が来てくれてよかったと思っているのよ、領民の事を想ってくれている貴方だからこそ息子を託せるの。ルーカスの事をお願いね」
そう言って目の前で微笑む姿は元伯爵令嬢のフィオレさんではなく、どこにでもいるただ一人の母親の姿だった。
私にもし子供が出来たのなら、旅立つ子供の姿をみて今のフィオレさんと同じ表情をするのだろうか。
その日ルーカスを無事説得できた私は、そのままお爺様とお婆様に引き合わせ、翌朝王都へと旅立った。
その帰りの道中、インシグネ領に差し掛かった岩山の道で落石に合う事とになる。
そして私達が乗ってきた馬車は助かることが出来ない深い谷底へと落ちていったのだった。
「グレイ、ここはどの辺りなのかしら?」
「先ほどインシグネ領を通り抜けましたので、もうここはアンテーゼ領でございます」
領の境目であるこの切り立った地形は、岩山と深い谷底に挟まれた道。
今ではある程度整備されているようだが、ひとたび馬車の操作を誤れば谷底まで一直線に落ちていく事だろう。
「それじゃこの辺りだったのかしらお父様達が事故に合われた渓谷は」
二年前に両親が亡くなったのがこの辺りだと聞いていた。
確かにこの深い谷底に馬車ごと落ちてしまえば、例え防御魔法で防いだとしても助かることは出来ないであろう。
私は現在アンテーゼ領にあるラクディア商会へと向かっている。
理由はフィオレ叔母様の子であるルーカスに会いに行くため。ルーカスに爵位継承権の話しをする事と、一度叔母様に会って話しをしたかったから。
私は付き人にグレイ、護衛役に三人の精霊達、御者をカイエルに頼み、三人と精霊達でアンテーゼ領に向かう……予定だった。
だけど現在御者台には別の人が座り、乗っている馬車も我が家が所有しているシンプルな物ではなく、遠方へ移動する為の丈夫な馬車に乗っている。更に周りを取り囲むように馬に跨った7人の騎士様が護衛しているのだ。
「しかし本当に良かったのでしょうか? ただの伯爵令嬢の私に、王国近衛騎士団の一個分隊を護衛に付けて頂いて……」
「お気になさらないで下さい。陛下と騎士団長からのご命令ですので」
「そうですよ。次期王妃様のご友人であり、未来の騎士団長婦人になるお方なんですから」
未来の騎士団長というのはジーク様の事なんだろう。
どうやら私たち本人が知らない間にどんどん話しが進んでいる気がするのだけど。
「ミズキさん、私はまだジーク様とお付き合いすらしていないのですが……」
「あ、お気になさらないでください。私たちが勝手に言ってるだけですから」
私たちの目の前にいる方はミズキさんとサツキさんと言う女性騎士。外で護衛してくださっている同じ分隊の隊員さんで、分隊長さんから私の近辺警護をするよう仰せつかっているらしく、今も同じ馬車に同乗している。
つまり私一人の為に9人もの騎士様が警護に当たっているのだ。
なぜこんな事になったかというと、先日のお茶会で私がアンテーゼ領に行く事を報告したから。
そらね、私だって陛下がいる前で言うつもりなんてなかったわよ。完全に個人的な理由だし、陛下には全く関係がないんだもの。
だけどお茶会の席で『もしも今後、どこかの屋敷に呼ばれた時や王都を離れる時は必ず報告するように』なんて陛下直々に言われたら喋らない訳にはいかないでしょ。
結果、一個分隊の護衛と馬車が知らぬ間に用意されていたのだ。しかも私が断れないようグレイに口止めをした上、当日になってこっそり屋敷の前で待機させておくとか……絶対ルテアの入れ知恵よね。
全く、いくらお父様が陛下の親友だったからとはいえ、ちょっと心配しすぎじゃないかしら。
馬車が街に近づくにつれ田園風景が広がってきた。
今の季節はすでに収穫が終わっているせいか、壌土がむき出しになっているところが多い。これからは本格的な冬にかけて土の中で育つ野菜へと切り替えていくのだろう、農家の人たちが畑を耕している姿が見える。
この世界には田畑を耕す機械なんてないから、すべて人の手作業で行われている。
私には本格的な農業経験がないから生産農家の真の苦労は分からない。だけどこの壮大な田畑を全て人の手で育てているかと思うと、改めて私の肩に乗りかかる重さに震え上がってしまう。
私は今一度、爵位を継ぐという意味をじっくりと考えねばなるまい。
やがて馬車は田園を抜け、街中にある一軒の家の前で止まった。
私は扉をノックし、出て来た家の主人に挨拶をしてから中へと案内される。
「初めましてアリス・アンテーゼと申します。この度は突然の訪問にも関わらず、お話をする機会をいただき感謝いたします」
「そんな堅苦しい挨拶は抜きでいいわよ。私もアリスちゃんと呼ばせて貰うから貴方も普通に叔母さんと呼んで」
「ありがとうございます叔母様」
この方がお父様の妹であるフィオレさん。念のため事前にお手紙を送っていたが、急な訪問には違いない。
本来ならゆっくりとコンタクトを取ってからお会いしたかったのだけど、私が息子さんの爵位継承権を持ち出してしまったために、急遽会わなければならなくなったのだ。
「それで手紙に書かれていた内容だけど」
「ご検討頂けましたでしょうか?」
事前の手紙に書いていた内容、それは私にルーカスを預けて欲しいとお願いしていたのだ。
「ええ、だけど答えを出すのは私ではないわ。アリスちゃんがルーカスを説得出来れば連れて行って、だけど断った場合は」
「潔く諦めさせて頂きます」
私だって無理やり親子を引き裂くような悪趣味は持ち合わせてはいない。本人が断れば潔く諦めるつもりだ。ただその場合は別の対策は講じなければならないだろうが……。
「聞き分けのいい子ね。個人的には好きだけど、伯爵としては問題かもね」
「叔母様、その件は……」
「分かっているつもりよ。貴方が何を考えてルーカスを誘いに来たのか、誰が一番爵位を継ぐのに相応しいかもね」
手紙にはルーカスが爵位を継承する権利がある事と、爵位の選定条件を知らせていた。だけど私の考えまでは書いていなかったのだ。
私がやろうとしている事はルーカスの見極め。彼に爵位を継げる素質があるのなら、私が持っている知識を全て教え伯爵を継がせる。だけどその素質がなければ私の力を見せつけ、今後何があってもアンテーゼの血が流れている事を口外させないよう圧力を掛けるつもりだった。
たとえ本人が爵位に興味がなくても、誰かがその血を利用する可能性がある。特に今まで何も知らなかった者が、ある日突然自分に高貴な血が流れていると知った場合、多少なりと己が育った環境に不満を抱いたりするものだろう。
もしもその感情がお家騒動まで発展したら……私は、私自身と領民を守るためにルーカスを……。
そうならない為にも私はルーカスに全て話し、見極める必要があるのだ。
「申し訳ございません。ご子息を巻き込んでしまって」
「いずれこんな日が来るとは思っていたわ。でも私は貴方が来てくれてよかったと思っているのよ、領民の事を想ってくれている貴方だからこそ息子を託せるの。ルーカスの事をお願いね」
そう言って目の前で微笑む姿は元伯爵令嬢のフィオレさんではなく、どこにでもいるただ一人の母親の姿だった。
私にもし子供が出来たのなら、旅立つ子供の姿をみて今のフィオレさんと同じ表情をするのだろうか。
その日ルーカスを無事説得できた私は、そのままお爺様とお婆様に引き合わせ、翌朝王都へと旅立った。
その帰りの道中、インシグネ領に差し掛かった岩山の道で落石に合う事とになる。
そして私達が乗ってきた馬車は助かることが出来ない深い谷底へと落ちていったのだった。
11
あなたにおすすめの小説
0歳児に戻った私。今度は少し口を出したいと思います。
アズやっこ
恋愛
❈ 追記 長編に変更します。
16歳の時、私は第一王子と婚姻した。
いとこの第一王子の事は好き。でもこの好きはお兄様を思う好きと同じ。だから第二王子の事も好き。
私の好きは家族愛として。
第一王子と婚約し婚姻し家族愛とはいえ愛はある。だから何とかなる、そう思った。
でも人の心は何とかならなかった。
この国はもう終わる…
兄弟の対立、公爵の裏切り、まるでボタンの掛け違い。
だから歪み取り返しのつかない事になった。
そして私は暗殺され…
次に目が覚めた時0歳児に戻っていた。
❈ 作者独自の世界観です。
❈ 作者独自の設定です。こういう設定だとご了承頂けると幸いです。
【完結】転生したらラスボスの毒継母でした!
白雨 音
恋愛
妹シャルリーヌに裕福な辺境伯から結婚の打診があったと知り、アマンディーヌはシャルリーヌと入れ替わろうと画策する。
辺境伯からは「息子の為の白い結婚、いずれ解消する」と宣言されるが、アマンディーヌにとっても都合が良かった。「辺境伯の財で派手に遊び暮らせるなんて最高!」義理の息子など放置して遊び歩く気満々だったが、義理の息子に会った瞬間、卒倒した。
夢の中、前世で読んだ小説を思い出し、義理の息子は将来世界を破滅させようとするラスボスで、自分はその一因を作った毒継母だと知った。破滅もだが、何より自分の死の回避の為に、義理の息子を真っ当な人間に育てようと誓ったアマンディーヌの奮闘☆
異世界転生、家族愛、恋愛☆ 短めの長編(全二十一話です)
《完結しました》 お読み下さり、お気に入り、エール、いいね、ありがとうございます☆
残念な顔だとバカにされていた私が隣国の王子様に見初められました
月(ユエ)/久瀬まりか
恋愛
公爵令嬢アンジェリカは六歳の誕生日までは天使のように可愛らしい子供だった。ところが突然、ロバのような顔になってしまう。残念な姿に成長した『残念姫』と呼ばれるアンジェリカ。友達は男爵家のウォルターただ一人。そんなある日、隣国から素敵な王子様が留学してきて……
魔法使いとして頑張りますわ!
まるねこ
恋愛
母が亡くなってすぐに伯爵家へと来た愛人とその娘。
そこからは家族ごっこの毎日。
私が継ぐはずだった伯爵家。
花畑の住人の義妹が私の婚約者と仲良くなってしまったし、もういいよね?
これからは母方の方で養女となり、魔法使いとなるよう頑張っていきますわ。
2025年に改編しました。
いつも通り、ふんわり設定です。
ブックマークに入れて頂けると私のテンションが成層圏を超えて月まで行ける気がします。m(._.)m
Copyright©︎2020-まるねこ
[完結]7回も人生やってたら無双になるって
紅月
恋愛
「またですか」
アリッサは望まないのに7回目の人生の巻き戻りにため息を吐いた。
驚く事に今までの人生で身に付けた技術、知識はそのままだから有能だけど、いつ巻き戻るか分からないから結婚とかはすっかり諦めていた。
だけど今回は違う。
強力な仲間が居る。
アリッサは今度こそ自分の人生をまっとうしようと前を向く事にした。
生まれ変わりも楽じゃない ~生まれ変わっても私はわたし~
こひな
恋愛
市川みのり 31歳。
成り行きで、なぜかバリバリのキャリアウーマンをやっていた私。
彼氏なし・趣味は食べることと読書という仕事以外は引きこもり気味な私が、とばっちりで異世界転生。
貴族令嬢となり、四苦八苦しつつ異世界を生き抜くお話です。
※いつも読んで頂きありがとうございます。誤字脱字のご指摘ありがとうございます。
復讐のための五つの方法
炭田おと
恋愛
皇后として皇帝カエキリウスのもとに嫁いだイネスは、カエキリウスに愛人ルジェナがいることを知った。皇宮ではルジェナが権威を誇示していて、イネスは肩身が狭い思いをすることになる。
それでも耐えていたイネスだったが、父親に反逆の罪を着せられ、家族も、彼女自身も、処断されることが決まった。
グレゴリウス卿の手を借りて、一人生き残ったイネスは復讐を誓う。
72話で完結です。
王女殿下のモラトリアム
あとさん♪
恋愛
「君は彼の気持ちを弄んで、どういうつもりなんだ?!この悪女が!」
突然、怒鳴られたの。
見知らぬ男子生徒から。
それが余りにも突然で反応できなかったの。
この方、まさかと思うけど、わたくしに言ってるの?
わたくし、アンネローゼ・フォン・ローリンゲン。花も恥じらう16歳。この国の王女よ。
先日、学園内で突然無礼者に絡まれたの。
お義姉様が仰るに、学園には色んな人が来るから、何が起こるか分からないんですって!
婚約者も居ない、この先どうなるのか未定の王女などつまらないと思っていたけれど、それ以来、俄然楽しみが増したわ♪
お義姉様が仰るにはピンクブロンドのライバルが現れるそうなのだけど。
え? 違うの?
ライバルって縦ロールなの?
世間というものは、なかなか複雑で一筋縄ではいかない物なのですね。
わたくしの婚約者も学園で捕まえる事が出来るかしら?
この話は、自分は平凡な人間だと思っている王女が、自分のしたい事や好きな人を見つける迄のお話。
※設定はゆるんゆるん
※ざまぁは無いけど、水戸○門的なモノはある。
※明るいラブコメが書きたくて。
※シャティエル王国シリーズ3作目!
※過去拙作『相互理解は難しい(略)』の12年後、
『王宮勤めにも色々ありまして』の10年後の話になります。
上記未読でも話は分かるとは思いますが、お読みいただくともっと面白いかも。
※ちょいちょい修正が入ると思います。誤字撲滅!
※小説家になろうにも投稿しました。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる