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桜花爛漫
第5話 引っ越しと再会(1)
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「胡桃さーん、宅配の方がハンコ欲しいそうですー」
「胡桃ぃー、この木彫りの熊、どこに置いたらいいー?」
「胡桃さーん、シロの餌って書かれた紙袋、どこにしまったらいいですかー?」
「凪咲ちゃーん、それシロの餌じゃなくて只のお菓子だからー」
わいのわいの。
今日は朝から、私と胡桃が暮らす事になる新居へお引越し。もともと結城家では一時的にお世話になっていたのと、実家の北条家からは殆ど私物を持ち出していなかったことで、たいして荷物らしい荷物はないのだが、初のお引越し祝いという名目で各方面から色々家具や家電が集まってしまった。
私はお料理や家事全般がからっきりなので、どうしても家具や家電の配置は胡桃に頼らなければいけないのよね。これでも一応お嬢様だったので、身の回りのことは全て胡桃に頼り切っていた。
改めて思うけど、胡桃が一緒に飛び出して来てくれなかったらどうなっていた事かと、今更ながら不安になってしまう。
「ところで風華、その姿はどうしたの?」
せっせと食器を棚に片付けている風華みつけ、疑問に思っていたことを口にする。
「胡桃さんにお仕事をするならこの服装だって、教えていただいたんです」
私に服装を見せるよう、その場でスカートを少し摘まみながらクルッと一回り。
普段風華は和服を好んで着ているが、なぜか今日はいつもの服装ではなく、初めてみる洋服姿。しかも紺色のワンピースにフリルのつた可愛いエプロンを付け、頭にはご丁寧にメイドカチューシャのオマケつき。
本来精霊でもある風華は、自分の意思で服装を変えられるため、わざわざ仕立てる必要はないのだが、その見本となるべく服か写真はどうしても必要となってしまう。
すると少なくとも胡桃がその元となる何かを所持していることになるのだが、生憎と実家の北条家では和服のお仕事着しか用意がなく、風華が着ているようなメイド服はお目に掛かれない。
「どうですか? 和服もいいのですが、これはこれで動きやすいので気に入っているんです」
まぁ和服は引っ越し作業には向いてないからね。
本人も気に入っているようだし、何よりよく可愛く似合っているので口を挟むのは野暮っていうものだろう。
それにしても胡桃、私のミ二スカ浴衣もそうだったが、一体どこでこれらの服を仕入れてきているのかしら?
「ふぅ、少し休憩しましょうか」
「そうですね、お茶を入れてきます」
荷物が少ないとはいえ、所詮はか弱い女の子が四人と偉そうな口調のワン子が一匹。一応身体強化の術で、重たい家電なども軽々動かせるのだが、やはり慣れない引越し作業と、家具の配置など要領がわからないので必要以上に体力を消耗してしまう。
胡桃がキッチンからお茶を持ってきてタイミングを見計らい、凪咲ちゃんと風華を呼んで休憩する。
「お姉さま、これがシロの餌なんですか?」
胡桃がお茶請けと出したお皿には色とりどりのクッキーが並べられ、その隣には『シロの餌』と手書き書かれた有名菓子店の紙袋が一つ。先ほど凪咲ちゃんが勘違いをしたシロの餌だ。
「だから言ったんですよ、そんなイタズラをしたら勘違いされますよって」
「だってー、シロが寄越せ寄越せってうるさいんだもの。頭にきて思わず書いちゃったのよ」
シロこと白銀は、その見た目からは想像もつかないほどのお菓子好きで、私がクッキーだスコーンだと食べていると、いつも横から自分も欲しそうな視線を送ってくる。
それでもまだ、大虎の時は本人も理性が効くらしいのだが、子猫姿のときは何故か思考までもが幼児化してしまうらしく、私にじゃれあってきては横からパクリ、なんてこともよくあるのだ。
本人にそのことを言うと、すぐに誤魔化して姿を消しちゃうんだもの、そんなに欲しかったら初めからそう言いなさいよね、って思うじゃない。
「そういう事だったんですね。でも今まで霞がお菓子を食べた事なんてないんですけど」
「あぁ、それはね」
凪咲ちゃんが膝の上に呼び出したフェレットの頭を撫でながら、不思議そうに尋ねてくる。
私たち精霊術者が契約する精霊は、基本食事をする必要はまったくない。もともと精神体のような存在なのだから、私たち人間のように口からエネルギーを得る必要がまったくないのだ。
「精霊って、力の源が霊力そのものでしょ? だから基本は自然界から無意識に得られる方法と、私たち精霊術者と呼ばれる契約主から、霊力の供給を得る方法の二つがあるの」
前者が自然界に漂う野良精霊と呼ばれる存在で、後者が契約後の精霊の在り方と言えばわかりやすいだろうか。
精霊といっても意思をもたない下級精霊から、一般的な精霊術師が契約している中級精霊、そして日本のおとぎ話に出てくるような上級精霊と、その種類はまちまちなのだが、それらすべて共通して言えるのが、霊力を糧としていることだと言われている。
ただどこの世界にでも例外というものが存在し、私たちが神様に祈りを捧げる際に差し出す供物は、そのまま神様や上級精霊の力に変換されると言われているし、人間の思想から実体化してしまった鬼だけは、私たち人間と同じく口から摂取することで、己の力に出来てしまうと伝えられている。
よく鬼は人間を食べた分だけ強くなる、という話を聞いた事はないだろうか? 少々解釈の違いはあるものの、このおとぎ話のような話はある意味間違ってはいないのだ。
「それじゃ白銀って、上級精霊なんですか?」
「うーん、違うと思うわよ?」
本人は自分が神獣だ、なんて偉そうに言っているけど、神様の御使いと呼ばれている神獣が、人と契約するだなんて有り得ないでしょ。
そもそも神獣とはおとぎ話の存在であり、その姿を見た人なんて今まで出会ったことすらないのだ。
どうせ自分は強いんだぞ、ってただ見栄を張っているだけだろう。
「ふぅーん、そうなんですね」
なんだか納得できないというふうに、凪咲ちゃんが手にしたクッキーをシロの口へと運んでくれる。
こ、こいつ『荷物を運べないのに我に頼るな』、とか言っておきながら休憩のときはちゃっかり参加して、当然のように凪咲ちゃんからクッキーを食べさせてもらっている。しかも愛くるしい子猫の姿に変えているとか、さては最初からこれが目的か!
「もう白銀さん、働かざるもの食うべからずですよ」
そう言いながら隣で美味しそうにクッキーを頬張る風華。
いいぞ、もっと言ってやれ!
ピンポーン。
「あれ? 誰かしら」
前触れもなく鳴った部屋のチャイムに、その場にいた全員が首をかしげる。
このタワーマンションって部外者が入れないよう管理されているので、来客があればまずはドアフォンで通知が来るのよね。それなのに今は直せつ部屋のチャイムが鳴れば、やはり多少は警戒してしまう。
「私が出ますね」
そう言いながら胡桃が来客を確かめるべく玄関へと向かう。
「沙姫ちゃん手伝いに来たわよー」
「あっ、梢さん、たすかりますー」
やってこられたのは千葉家のご令嬢である梢さん。私とは数ヶ月程度の付き合いだが、何かにつけて気にかけてもらっており、気分的にはお姉さんのような存在。そして結城家の次期ご当主である柊也様の婚約者でもある。
「思ったよりずいぶん荷物があるのね」
「えぇ、色々結城家の所縁の方々からいただいてしまったんです」
何だかんだといって3ヵ月も結城家でお世話になってしまったのだ。その間いろんな方々と知り合いになってしまい、私が結城家を出ると知れば、女の子だけじゃ不便だろうと家具や調理家電を頂いてしまったのだ。
私としても必要なものばかりだったので、有難くご厚意に甘えさせて頂いた。
「胡桃ぃー、この木彫りの熊、どこに置いたらいいー?」
「胡桃さーん、シロの餌って書かれた紙袋、どこにしまったらいいですかー?」
「凪咲ちゃーん、それシロの餌じゃなくて只のお菓子だからー」
わいのわいの。
今日は朝から、私と胡桃が暮らす事になる新居へお引越し。もともと結城家では一時的にお世話になっていたのと、実家の北条家からは殆ど私物を持ち出していなかったことで、たいして荷物らしい荷物はないのだが、初のお引越し祝いという名目で各方面から色々家具や家電が集まってしまった。
私はお料理や家事全般がからっきりなので、どうしても家具や家電の配置は胡桃に頼らなければいけないのよね。これでも一応お嬢様だったので、身の回りのことは全て胡桃に頼り切っていた。
改めて思うけど、胡桃が一緒に飛び出して来てくれなかったらどうなっていた事かと、今更ながら不安になってしまう。
「ところで風華、その姿はどうしたの?」
せっせと食器を棚に片付けている風華みつけ、疑問に思っていたことを口にする。
「胡桃さんにお仕事をするならこの服装だって、教えていただいたんです」
私に服装を見せるよう、その場でスカートを少し摘まみながらクルッと一回り。
普段風華は和服を好んで着ているが、なぜか今日はいつもの服装ではなく、初めてみる洋服姿。しかも紺色のワンピースにフリルのつた可愛いエプロンを付け、頭にはご丁寧にメイドカチューシャのオマケつき。
本来精霊でもある風華は、自分の意思で服装を変えられるため、わざわざ仕立てる必要はないのだが、その見本となるべく服か写真はどうしても必要となってしまう。
すると少なくとも胡桃がその元となる何かを所持していることになるのだが、生憎と実家の北条家では和服のお仕事着しか用意がなく、風華が着ているようなメイド服はお目に掛かれない。
「どうですか? 和服もいいのですが、これはこれで動きやすいので気に入っているんです」
まぁ和服は引っ越し作業には向いてないからね。
本人も気に入っているようだし、何よりよく可愛く似合っているので口を挟むのは野暮っていうものだろう。
それにしても胡桃、私のミ二スカ浴衣もそうだったが、一体どこでこれらの服を仕入れてきているのかしら?
「ふぅ、少し休憩しましょうか」
「そうですね、お茶を入れてきます」
荷物が少ないとはいえ、所詮はか弱い女の子が四人と偉そうな口調のワン子が一匹。一応身体強化の術で、重たい家電なども軽々動かせるのだが、やはり慣れない引越し作業と、家具の配置など要領がわからないので必要以上に体力を消耗してしまう。
胡桃がキッチンからお茶を持ってきてタイミングを見計らい、凪咲ちゃんと風華を呼んで休憩する。
「お姉さま、これがシロの餌なんですか?」
胡桃がお茶請けと出したお皿には色とりどりのクッキーが並べられ、その隣には『シロの餌』と手書き書かれた有名菓子店の紙袋が一つ。先ほど凪咲ちゃんが勘違いをしたシロの餌だ。
「だから言ったんですよ、そんなイタズラをしたら勘違いされますよって」
「だってー、シロが寄越せ寄越せってうるさいんだもの。頭にきて思わず書いちゃったのよ」
シロこと白銀は、その見た目からは想像もつかないほどのお菓子好きで、私がクッキーだスコーンだと食べていると、いつも横から自分も欲しそうな視線を送ってくる。
それでもまだ、大虎の時は本人も理性が効くらしいのだが、子猫姿のときは何故か思考までもが幼児化してしまうらしく、私にじゃれあってきては横からパクリ、なんてこともよくあるのだ。
本人にそのことを言うと、すぐに誤魔化して姿を消しちゃうんだもの、そんなに欲しかったら初めからそう言いなさいよね、って思うじゃない。
「そういう事だったんですね。でも今まで霞がお菓子を食べた事なんてないんですけど」
「あぁ、それはね」
凪咲ちゃんが膝の上に呼び出したフェレットの頭を撫でながら、不思議そうに尋ねてくる。
私たち精霊術者が契約する精霊は、基本食事をする必要はまったくない。もともと精神体のような存在なのだから、私たち人間のように口からエネルギーを得る必要がまったくないのだ。
「精霊って、力の源が霊力そのものでしょ? だから基本は自然界から無意識に得られる方法と、私たち精霊術者と呼ばれる契約主から、霊力の供給を得る方法の二つがあるの」
前者が自然界に漂う野良精霊と呼ばれる存在で、後者が契約後の精霊の在り方と言えばわかりやすいだろうか。
精霊といっても意思をもたない下級精霊から、一般的な精霊術師が契約している中級精霊、そして日本のおとぎ話に出てくるような上級精霊と、その種類はまちまちなのだが、それらすべて共通して言えるのが、霊力を糧としていることだと言われている。
ただどこの世界にでも例外というものが存在し、私たちが神様に祈りを捧げる際に差し出す供物は、そのまま神様や上級精霊の力に変換されると言われているし、人間の思想から実体化してしまった鬼だけは、私たち人間と同じく口から摂取することで、己の力に出来てしまうと伝えられている。
よく鬼は人間を食べた分だけ強くなる、という話を聞いた事はないだろうか? 少々解釈の違いはあるものの、このおとぎ話のような話はある意味間違ってはいないのだ。
「それじゃ白銀って、上級精霊なんですか?」
「うーん、違うと思うわよ?」
本人は自分が神獣だ、なんて偉そうに言っているけど、神様の御使いと呼ばれている神獣が、人と契約するだなんて有り得ないでしょ。
そもそも神獣とはおとぎ話の存在であり、その姿を見た人なんて今まで出会ったことすらないのだ。
どうせ自分は強いんだぞ、ってただ見栄を張っているだけだろう。
「ふぅーん、そうなんですね」
なんだか納得できないというふうに、凪咲ちゃんが手にしたクッキーをシロの口へと運んでくれる。
こ、こいつ『荷物を運べないのに我に頼るな』、とか言っておきながら休憩のときはちゃっかり参加して、当然のように凪咲ちゃんからクッキーを食べさせてもらっている。しかも愛くるしい子猫の姿に変えているとか、さては最初からこれが目的か!
「もう白銀さん、働かざるもの食うべからずですよ」
そう言いながら隣で美味しそうにクッキーを頬張る風華。
いいぞ、もっと言ってやれ!
ピンポーン。
「あれ? 誰かしら」
前触れもなく鳴った部屋のチャイムに、その場にいた全員が首をかしげる。
このタワーマンションって部外者が入れないよう管理されているので、来客があればまずはドアフォンで通知が来るのよね。それなのに今は直せつ部屋のチャイムが鳴れば、やはり多少は警戒してしまう。
「私が出ますね」
そう言いながら胡桃が来客を確かめるべく玄関へと向かう。
「沙姫ちゃん手伝いに来たわよー」
「あっ、梢さん、たすかりますー」
やってこられたのは千葉家のご令嬢である梢さん。私とは数ヶ月程度の付き合いだが、何かにつけて気にかけてもらっており、気分的にはお姉さんのような存在。そして結城家の次期ご当主である柊也様の婚約者でもある。
「思ったよりずいぶん荷物があるのね」
「えぇ、色々結城家の所縁の方々からいただいてしまったんです」
何だかんだといって3ヵ月も結城家でお世話になってしまったのだ。その間いろんな方々と知り合いになってしまい、私が結城家を出ると知れば、女の子だけじゃ不便だろうと家具や調理家電を頂いてしまったのだ。
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