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桜花爛漫
第7話 引っ越しと再会(3)
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「ちょっと蓮也、なんで付いてくるのよ!」
「仕方がないだろう、行く方向が同じなんだよ」
桜が舞い散る中、私と胡桃が初登校するためマンションの一階ロビーに降りると、そこで待ち受けていたのは蓮也と凪咲ちゃんの二人。
凪咲ちゃんは私と同じ聖桜の中等部に通っているため、事前に一緒に登校しようと話していたのだけれど、なぜかそこには凪咲ちゃんの兄でもある、結城蓮也の姿もあった。
「相変わらずお二人は仲がいいですね」
「胡桃さん、これが照れ隠しっていうものですか?」
「「ちがうわ(よ)!」」
「ほら、息もぴたり」
「「//////」」
胡桃にからかわれ、二人同時に顔を真っ赤に染めてしまう。
「そ、それにしても転校の手続きが新学期に間に合ってよかったわ。中途半端な時期に編入なんて事になったらますます怪しまれちゃうものね」
赤面していることを誤魔化すために、当たり障りのない話題にすり替える。
私と胡桃って前の高校を途中で抜けちゃったから、まるっと2年生の3学期が抜けちゃっているのよね。その間梢さんに勉強を教えてもらったりしていたから、一応通えなかった期間の補填はしているけど、私は怪我でしばらく動けなかったから、少し勉強についていけるか不安を抱いている。
「その辺りは何とでもなるだろ? 俺なんてテストの点も出席率もギリギリだが、無事に進級出来たぜ」
「お兄様はもう少し勉強されたほうがいいと思います!」
妹に叱られる兄の姿といのも可愛いものだが、出席率の方に限っては蓮也が悪いわけではないので大目に見てもらいたい。
本来なら学生は学業を優先するというのが一般常識だが、ここ近年の術者は、たとえ学生の身分であっても仕事の方が優先されてしまうのだ。
私の場合いままでは無能扱いだったため、現場に立つ事などなかったのだが、柊也様や蓮也ように子供の頃から力ある術者は、政府や警察からの依頼が入れば現場に立つ事があり、場合によっては地方へ救援に向かう事だってザラにある。
そうなるとやはりどうしても学業に空白の部分が出来てしまい、勉強が疎かになってしまうのだ。
「でもまぁ、学校側も事情は把握しているし、政府側からも話は通っているだろうから、進級出来ないとか卒業単位が足りないだとか無いと思うぜ」
「やっぱここもそうなのね」
実は私が通っていた神奈川の高校にも、そういった話が事前に通っていた。
私たち術者って将来の仕事が確定してしまっているから、正直一般常識程度の知識があれば困る事はないのよね。私の場合は術者とは関係のない将来設計をしていたため、真面目に授業を受けていたが、知り合いの術者の中にはよく授業をサボっていた子もいたのだ。
「そういえば蓮也、霊力の方は大分戻ってきているのよね?」
「あぁ、以前とまではいかないが、調子はいいぜ」
「そう、良かったわ」
私の怪我も相当酷かったが、蓮也の方も霊力が枯渇するほど弱っていた。
その原因の大半が未熟な私を守っての事だったから、守られてしまった身としてはやはり蓮也の体調は気になってしまう。
霊力って傷と違って治癒術では完全に元には戻らないのよね。私の場合白銀や風華の力に頼っている方が強く、術の系統からしても燃費はさほど悪くない。
でも蓮也……っていうか、結城家は火の精霊に好かれる傾向があり、直接的な打撃力はあるけど、燃費がものすごく悪いという特徴があるのだ。
あのとき蓮也は自身の鷲型精霊でもある烈火と共に、霊力が尽きるまで私を守り続けてくれた。その結果、本来なら到底敵わないであろうA級の鬼を退ける事が出来たわけだが、その代償に私は約3ヶ月の間お布団の住人になってしまい、連蓮也は霊力の枯渇で暫く自身の精霊はおろか、まともに術を発動されることもままならなかった。
「でも気をつけてよね。ただでさえ火の系統は霊力の消費が大きいんだから、調子に乗っているとすぐにまた枯渇しちゃうわよ」
「わかってるって、俺だってあんな戦いは二度とごめんだ。それにそうそうあんな化け物クラスがホイホイ出現するわけもないだろう?」
「クスッ、それもそうね」
お互い当時の状況を思い出し、どちらともなくクスリと笑みが漏れてしまう。
私がそうであるように、やはり蓮也もあの戦いに関しては二度と経験したくない過去なのだろう。
いや、ホントあれだけは勘弁してほしいわ。
「それじゃ俺はあっちだから」
「えぇ、それじゃぁね」
校門の前で蓮也と別れ、胡桃と凪咲ちゃん達と校門をくぐる。
蓮也はお隣の聖王学園に通っているから、一緒の学校じゃないのよね。
この二校は同じ系列の学校らしいが、一方は女学院、もう一方は男子学校というのだから、余程この学校を設立した人は男女を一緒にしたくなかったのだろう。
校舎に向かう途中で中等部の凪咲ちゃんと別れ、私は胡桃と一緒にまずは校長先生にご挨拶するべく、校長室へとむかう。
「ん?」
「どうかされました?」
「いやね、ちょっと精霊の気配がしたのよ」
「精霊……ですか?」
私生活のなかで精霊の気配を感じる事はなんら不思議ではないのだが、いま感じた気配は中級クラスに匹敵するほどの霊力。
熟練の術者の中には完全に精霊の気配を消す事もできるので、未熟な精霊術師がいるのか、はたまた野良精霊でもいるのかのどちらかになるのだが。
「少し嫌な感じがしたのよ」
「嫌な感じですか?」
「えぇ……」
たしか梢さんの話では、現在この学園に結城家が関わる術者が数人通っていると聞いているが、精霊と契約できるほどの術者となれば中等部の凪咲ちゃんのみ。
さすがに凪咲ちゃんの精霊と勘違いする筈もないので、おそらくは野良精霊でもいるのだろう。でも、なんだか胸騒ぎがしたのよね。
一応警戒するには越した事はないので、風華にそれとなく調査をお願いしようとしたとき。
「あら、もしかして沙姫さんじゃありませんか?」
「……げ、龍造寺 クリスティーナ」
そこに立っていたのは友人と思しき女性を引き連れた、金髪縦ロールという、どこかの悪役令嬢かと突っ込みたいレベルで完成した、かつての友人その人だった。
「なんですの、その『げ』っというのは」
「ちょっと驚いただけよ。悪意はないわ」
「まぁ、いいですけれども」
本音を言えば、なんでクリスがここにいるのよ、という純粋な驚きだったのが、決して会いたくない友人そのいち、だとか邪険に扱ったわけではないと言い訳をさせてもらいたい。
「お知り合いですか?」
「あー、胡桃は初めてだったわね。こちら龍造寺 クリスティーナ、一応北条家の分家だったんだけれど、今は独立をされていてね。私もクリスと会うのは10年ぶりぐらいかしら?」
「違いますわ、11年と3ヶ月ぶりですわ」
「こ、細いわね」
10年も11年も誤差の範囲だと思うんだけど、なぜか注意をうけてしまう。
そうか、もう11年にもなるのね。
あの頃の私は北条家の娘として、毎日が辛く孤独な日々が続いていた。
そんなある日、私の前にクリスが現れたのだ。当時の彼女は私と同じく精霊術者として教育されており、共に競い、たまに喧嘩をし、時には笑いあった時すらあった。
だけど私が9歳になろうかという頃、彼女の父が突然一族から抜けるという話が持ち上がり、娘である彼女もまた、父親に連れられて北条家の傘下から抜け出るこことなる。
その後、父親の事業が成功したという噂は耳にしていたが、まさか10年後に再び再会するとは思ってもいなかった。
私は掻い摘んでクリスのことを胡桃に説明し、あたらめて互いの友人を紹介しあう。
「初めまして龍造寺様、沙姫様のお世話をしております朝比奈 胡桃といいます」
「これはご丁寧に。私は龍造寺 クリスティーナ、クリスとお呼びいただいて構いませんわ」
そう、クリスって見た目のその言葉遣いに勘違いされがちだが、根はものすごくいい子なのだ。
それにしても胡桃、私はもう実家から出ているんだから、お世話をしているとか言わなくてもいいのよ。
「クリス様ですね、これからもよろしくお願いいたします」
「こちらこそお願いいたしますわ」
クリスと胡桃の紹介が終わったところで、今度はクリスの隣に立つ女性に目をつける。
見たところ術者とは関係のない一般人? のようだ。
「それでクリス、そちらの方は?」
「私の友人の未夢さんですわ」
「お、太田 未夢といいます」
「未夢さんね、私は水城 沙姫。よろしくね」
とりあえず互いの自己紹介を終えたのだが、私が水城と名乗った事にクリスが真っ先に反応してしまう。
「水城って沙姫さん、あなた……」
「あぁー、後で説明するわ」
「……まぁいいですわ」
今後の事もあるので、クリスに事情を説明するのはやぶさかではないのだが、無関係の未夢さんにまで聴かせられる話題でもないため、後で改めて説明するという事で納得してもらう。
「それじゃクリス、また後でね」
「えぇ、沙姫さん胡桃さん、また後ほど」
昔の私だったらどうやって連絡を取るのよと、騒いでいたかもしれないが、今の私にはスマホという近代文明がこの手にある。
学生生活一人目の登録がクリスだたっというのは少々複雑だが、彼女の口を止めておかなければ実家に伝わるとも限らないので、ここは早急に対処しておく方がいいだろう。
私は一旦クリスと別れ、改めて校長室へと向かう。
そういえば先ほど感じた精霊の気配ってクリスのものだったのね。少し嫌な感じがしたのだが、どうせ覚えていたクリスの精霊の霊力に、かつての苦手感を思い出してしまったのだろう。
うん、この学校に通っているクリスが感じていないんだからきっとそうなのだろう。
「仕方がないだろう、行く方向が同じなんだよ」
桜が舞い散る中、私と胡桃が初登校するためマンションの一階ロビーに降りると、そこで待ち受けていたのは蓮也と凪咲ちゃんの二人。
凪咲ちゃんは私と同じ聖桜の中等部に通っているため、事前に一緒に登校しようと話していたのだけれど、なぜかそこには凪咲ちゃんの兄でもある、結城蓮也の姿もあった。
「相変わらずお二人は仲がいいですね」
「胡桃さん、これが照れ隠しっていうものですか?」
「「ちがうわ(よ)!」」
「ほら、息もぴたり」
「「//////」」
胡桃にからかわれ、二人同時に顔を真っ赤に染めてしまう。
「そ、それにしても転校の手続きが新学期に間に合ってよかったわ。中途半端な時期に編入なんて事になったらますます怪しまれちゃうものね」
赤面していることを誤魔化すために、当たり障りのない話題にすり替える。
私と胡桃って前の高校を途中で抜けちゃったから、まるっと2年生の3学期が抜けちゃっているのよね。その間梢さんに勉強を教えてもらったりしていたから、一応通えなかった期間の補填はしているけど、私は怪我でしばらく動けなかったから、少し勉強についていけるか不安を抱いている。
「その辺りは何とでもなるだろ? 俺なんてテストの点も出席率もギリギリだが、無事に進級出来たぜ」
「お兄様はもう少し勉強されたほうがいいと思います!」
妹に叱られる兄の姿といのも可愛いものだが、出席率の方に限っては蓮也が悪いわけではないので大目に見てもらいたい。
本来なら学生は学業を優先するというのが一般常識だが、ここ近年の術者は、たとえ学生の身分であっても仕事の方が優先されてしまうのだ。
私の場合いままでは無能扱いだったため、現場に立つ事などなかったのだが、柊也様や蓮也ように子供の頃から力ある術者は、政府や警察からの依頼が入れば現場に立つ事があり、場合によっては地方へ救援に向かう事だってザラにある。
そうなるとやはりどうしても学業に空白の部分が出来てしまい、勉強が疎かになってしまうのだ。
「でもまぁ、学校側も事情は把握しているし、政府側からも話は通っているだろうから、進級出来ないとか卒業単位が足りないだとか無いと思うぜ」
「やっぱここもそうなのね」
実は私が通っていた神奈川の高校にも、そういった話が事前に通っていた。
私たち術者って将来の仕事が確定してしまっているから、正直一般常識程度の知識があれば困る事はないのよね。私の場合は術者とは関係のない将来設計をしていたため、真面目に授業を受けていたが、知り合いの術者の中にはよく授業をサボっていた子もいたのだ。
「そういえば蓮也、霊力の方は大分戻ってきているのよね?」
「あぁ、以前とまではいかないが、調子はいいぜ」
「そう、良かったわ」
私の怪我も相当酷かったが、蓮也の方も霊力が枯渇するほど弱っていた。
その原因の大半が未熟な私を守っての事だったから、守られてしまった身としてはやはり蓮也の体調は気になってしまう。
霊力って傷と違って治癒術では完全に元には戻らないのよね。私の場合白銀や風華の力に頼っている方が強く、術の系統からしても燃費はさほど悪くない。
でも蓮也……っていうか、結城家は火の精霊に好かれる傾向があり、直接的な打撃力はあるけど、燃費がものすごく悪いという特徴があるのだ。
あのとき蓮也は自身の鷲型精霊でもある烈火と共に、霊力が尽きるまで私を守り続けてくれた。その結果、本来なら到底敵わないであろうA級の鬼を退ける事が出来たわけだが、その代償に私は約3ヶ月の間お布団の住人になってしまい、連蓮也は霊力の枯渇で暫く自身の精霊はおろか、まともに術を発動されることもままならなかった。
「でも気をつけてよね。ただでさえ火の系統は霊力の消費が大きいんだから、調子に乗っているとすぐにまた枯渇しちゃうわよ」
「わかってるって、俺だってあんな戦いは二度とごめんだ。それにそうそうあんな化け物クラスがホイホイ出現するわけもないだろう?」
「クスッ、それもそうね」
お互い当時の状況を思い出し、どちらともなくクスリと笑みが漏れてしまう。
私がそうであるように、やはり蓮也もあの戦いに関しては二度と経験したくない過去なのだろう。
いや、ホントあれだけは勘弁してほしいわ。
「それじゃ俺はあっちだから」
「えぇ、それじゃぁね」
校門の前で蓮也と別れ、胡桃と凪咲ちゃん達と校門をくぐる。
蓮也はお隣の聖王学園に通っているから、一緒の学校じゃないのよね。
この二校は同じ系列の学校らしいが、一方は女学院、もう一方は男子学校というのだから、余程この学校を設立した人は男女を一緒にしたくなかったのだろう。
校舎に向かう途中で中等部の凪咲ちゃんと別れ、私は胡桃と一緒にまずは校長先生にご挨拶するべく、校長室へとむかう。
「ん?」
「どうかされました?」
「いやね、ちょっと精霊の気配がしたのよ」
「精霊……ですか?」
私生活のなかで精霊の気配を感じる事はなんら不思議ではないのだが、いま感じた気配は中級クラスに匹敵するほどの霊力。
熟練の術者の中には完全に精霊の気配を消す事もできるので、未熟な精霊術師がいるのか、はたまた野良精霊でもいるのかのどちらかになるのだが。
「少し嫌な感じがしたのよ」
「嫌な感じですか?」
「えぇ……」
たしか梢さんの話では、現在この学園に結城家が関わる術者が数人通っていると聞いているが、精霊と契約できるほどの術者となれば中等部の凪咲ちゃんのみ。
さすがに凪咲ちゃんの精霊と勘違いする筈もないので、おそらくは野良精霊でもいるのだろう。でも、なんだか胸騒ぎがしたのよね。
一応警戒するには越した事はないので、風華にそれとなく調査をお願いしようとしたとき。
「あら、もしかして沙姫さんじゃありませんか?」
「……げ、龍造寺 クリスティーナ」
そこに立っていたのは友人と思しき女性を引き連れた、金髪縦ロールという、どこかの悪役令嬢かと突っ込みたいレベルで完成した、かつての友人その人だった。
「なんですの、その『げ』っというのは」
「ちょっと驚いただけよ。悪意はないわ」
「まぁ、いいですけれども」
本音を言えば、なんでクリスがここにいるのよ、という純粋な驚きだったのが、決して会いたくない友人そのいち、だとか邪険に扱ったわけではないと言い訳をさせてもらいたい。
「お知り合いですか?」
「あー、胡桃は初めてだったわね。こちら龍造寺 クリスティーナ、一応北条家の分家だったんだけれど、今は独立をされていてね。私もクリスと会うのは10年ぶりぐらいかしら?」
「違いますわ、11年と3ヶ月ぶりですわ」
「こ、細いわね」
10年も11年も誤差の範囲だと思うんだけど、なぜか注意をうけてしまう。
そうか、もう11年にもなるのね。
あの頃の私は北条家の娘として、毎日が辛く孤独な日々が続いていた。
そんなある日、私の前にクリスが現れたのだ。当時の彼女は私と同じく精霊術者として教育されており、共に競い、たまに喧嘩をし、時には笑いあった時すらあった。
だけど私が9歳になろうかという頃、彼女の父が突然一族から抜けるという話が持ち上がり、娘である彼女もまた、父親に連れられて北条家の傘下から抜け出るこことなる。
その後、父親の事業が成功したという噂は耳にしていたが、まさか10年後に再び再会するとは思ってもいなかった。
私は掻い摘んでクリスのことを胡桃に説明し、あたらめて互いの友人を紹介しあう。
「初めまして龍造寺様、沙姫様のお世話をしております朝比奈 胡桃といいます」
「これはご丁寧に。私は龍造寺 クリスティーナ、クリスとお呼びいただいて構いませんわ」
そう、クリスって見た目のその言葉遣いに勘違いされがちだが、根はものすごくいい子なのだ。
それにしても胡桃、私はもう実家から出ているんだから、お世話をしているとか言わなくてもいいのよ。
「クリス様ですね、これからもよろしくお願いいたします」
「こちらこそお願いいたしますわ」
クリスと胡桃の紹介が終わったところで、今度はクリスの隣に立つ女性に目をつける。
見たところ術者とは関係のない一般人? のようだ。
「それでクリス、そちらの方は?」
「私の友人の未夢さんですわ」
「お、太田 未夢といいます」
「未夢さんね、私は水城 沙姫。よろしくね」
とりあえず互いの自己紹介を終えたのだが、私が水城と名乗った事にクリスが真っ先に反応してしまう。
「水城って沙姫さん、あなた……」
「あぁー、後で説明するわ」
「……まぁいいですわ」
今後の事もあるので、クリスに事情を説明するのはやぶさかではないのだが、無関係の未夢さんにまで聴かせられる話題でもないため、後で改めて説明するという事で納得してもらう。
「それじゃクリス、また後でね」
「えぇ、沙姫さん胡桃さん、また後ほど」
昔の私だったらどうやって連絡を取るのよと、騒いでいたかもしれないが、今の私にはスマホという近代文明がこの手にある。
学生生活一人目の登録がクリスだたっというのは少々複雑だが、彼女の口を止めておかなければ実家に伝わるとも限らないので、ここは早急に対処しておく方がいいだろう。
私は一旦クリスと別れ、改めて校長室へと向かう。
そういえば先ほど感じた精霊の気配ってクリスのものだったのね。少し嫌な感じがしたのだが、どうせ覚えていたクリスの精霊の霊力に、かつての苦手感を思い出してしまったのだろう。
うん、この学校に通っているクリスが感じていないんだからきっとそうなのだろう。
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