学園のアイドルが突然「猫の後ろ宙返り、見ない?」って聞いてきた!?

赤青

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心の壁と偽装ゲーム

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「…今、何て?」

林浅月の冷たい声に、葉洲の心臓が凍りついた。

(死んだ…)
しかし男は最後まで強がるものだ。

「『黒』…いや、『暗い』って!雨で外が真っ暗だな…と」
「…ふうん」

彼女は疑わず、キッチンへ向かう。
『[果汁に薬でも入れようかな…]』
『[葉洲くんがフラフラになったら…ふふふ]』

(こいつマジでやべえ奴だ…)
葉洲は心に誓った──二度とこの家で飲み物は口にしない、と。

※※※

ソファで向かい合う二人。気まずい沈黙を破り、葉洲が話題を振る。

「みんな林先輩は豪邸に住んでるって言うけど、どうしてこんなアパートに?」

「豪邸じゃないわ」
彼女は淡々と訂正する。
「あれは荘園よ」

「はっ!?」
果汁を噴き出しそうになる葉洲。
(マジかよ…)
(嘘は傷つけず、真実が刺さるってこのことか…)

『[学校が近いからって理由、完璧でしょ?]』
『[あなたのために引っ越したなんて言えないもん!]』

葉洲の心の声:
「パチパチ──」
「見事な芝居だ、アカデミー賞ものだぜ」

※※※

「お母様は…?」

突然の質問に、林浅月の表情が曇る。
「小さい時に亡くなったの。父は…忙しいから」

心の声がぱたりと止まった。
葉洲は彼女の孤独な少女時代を想像せずにはいられなかった。

「連絡先…明日作るわ」
突然の態度変更。葉洲はそっと立ち上がる。
(傷つけちゃったか…)

※※※

翌朝、またしても"偶然"に出会う二人。

「おはよう、林先輩。また会えて奇遇だな」
「…おはよう」

『[バカ葉洲!全部計算通りなのに気づかないのね!]』

葉洲の心の声:
(3日続いたらバレバレだろ…)

※※※

教室で熊凱が嘆く。
「昨日の雨でスマホ紛失…ゲームのランク戦どうすりゃいいんだ!」

「明日から三日間休みだろ?俺と一緒に勉強しろよ」

「いやいや、ゲーミングホテル行こうぜ!朝ゲームして昼から勉強!」

渋々承諾する葉洲。
「QQの部屋番号、忘れるなよ」

「了解!母の目を盗んで行くから!」
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