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あいつが転入生!?
しおりを挟む俺は直ぐ側にっていっても少し近づかないと手が届かないので、手が届く距離までなるべく姿勢を低くして這って近づこうとしたら、手を掴まれぐいっと引っ張られた。
パッと見てみると、太陽が険しい顔で俺を見た後にチラッと倒れている人の方を見て、より一層顔を険しくしたと思ったら俺にジェスチャーで"あいつは転入生だ"ということを伝えてきた。
「~~~っ!!」
俺が声を出すことを見越して、伝え終わった瞬間に俺の口を片手で塞ぎつつ自分の唇に人差し指をあて、黙ってろと目で訴えてきたが
確かに、俺は周りの状況を考えずに声を出しそうになったが、今だに信じられず何度も倒れている人と太陽の顔を見比べて確認した。
そうする内に段々と落ち着いてきたのか、冷静になりこの状況で太陽が嘘を言うはずがないと思い無理やり納得させた。
今だにざわざわとしている周りにどうするかと太陽と目で会話をしていると
「んっ、ううー、」
「「おおー!!神子様が!」」
「スペルビア様はまだか!?」
「もうまもなく参られる!」
「(・・・今、神子って言ったよな?
あの転入生のことを言っているのか?
それにしても、俺らの存在は無視だな、まあその方が都合がいいが
できることなら最後まで気づいて欲しくないな)」
俺はそんなことを思いながら、様子を静かに見守った。
「んんー、うわっ!!なんだよここ!!
汚ねーし、暗いし!!
おい!お前らここはどこだよ!!」
「(うわー、起きた時まで叫ぶのか
それにしてもあいつには怖い物なんかないのか?)」
俺はチラッと太陽のほうを見てみた。
太陽の顔は俺の想像したとおりの険しい顔で転入生を睨みつけていた。
「おい!!聞いてるのか!?
俺が話しているんだから答えろよ!!」
ざわざわとローブの人たちがより一層騒ぎ出した。
俺は注意深くローブの人たちの声を聞いた。
(なにせ、転入生が五月蝿くて周りの声を掻き消しているからだ)
「神子様が何を言っているのか分からないぞ」
「どういうことだ?」
「こちらの言葉で話せるようにしたはずでは!?」
「(・・・翻訳が出来ていないのか?)」
そんなことを思っていると、太陽が俺の手を軽く叩いてきた。
そちらを振り向くと、指で近くに寄れと合図をしてきたので顔を近づけると
「ローブのやつらの言葉が分かるか?」
と小声で聞いてきたので、俺はすぐに頷いた。
「なら、俺らの言葉がローブのやつらに分からないだけか?」
と太陽がぼそっと呟いたのを聞き、俺も本当にそうなのか太陽と一緒に転入生とローブの人たちを観察することにした。
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