魔王の番

にーにゃ

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ミント?

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「貸せ
ルリはやり方を知らないはずだ」


そう言ってラスは俺の手の中にあった物を取っていった。


「?
、あ、そうでございましたね
大変失礼いたしました
先ほどルリ様に渡しましたのはコスピーノと呼ばれる花です
コスピーノには気分を一時的にですがよくする働きがあるのです
蜜にその作用があるのですが、その蜜を額のちょうど真ん中に垂らすと効果が表れます」


なるほど
そういうのがあるんだ
内容を聞いている限りじゃミントみたいな役割なのか?


「ルリ、少し顔を触るぞ」


ラスの言葉に頷いた。

多分、蜜をつけてくれるんだと思うけど、見えないから不安だ

ラスが俺の伸びた前髪を上げた。


「・・終わりだ」


「はっ?」


かっすかすの声だけど、思わず声に出すくらい驚いた。

今、何かしたか?
何も感じなかったんだけど


「どうしました?
ご気分はまだ優れませんか?」


クラルの言葉に、咄嗟に首を横に振った。

ん?あれ?本当にすっきりしてる気がする
気持ち悪くねえ


「それはよかったです
他の方の魔力を取り入れると、その方との魔力の相性もございますが、相性が良いと抵抗などはなく、逆に相性が悪いと気分が優れなくなります
ルリ様と私の魔力の相性は残念ながら悪い方になりますが、治癒が終わるまでご辛抱ください」


ゆっくりと頷いた。

魔力にも相性があるのか
確かに他人の魔力を自分の中に入れられたら、拒絶反応が起こるのも不思議じゃないよな
血液型みたいな感じか?


「目の治癒については私との魔力の相性が悪いので通常より数日伸びてしまいます
魔王様、いかがいたしましょうか」


魔王様?
あ、ラスの事か
って、俺、普通に名前読んじゃってるけど、大丈夫・・じゃねえよな
言うたら、王様を平民が呼び捨てにするみたいな感じだよな
どうするか


「・・・
いや、クラルに任せる
今の精神状態のルリの事を考えると、あまり多くの者に会わせたくはない」


あー、確かに会いたくはないな
今はなぜか安心できるラスがいるからクラルの存在に強張らないけど、2人きりとかだったらパニックになってたと思う・・気がする


「畏まりました
ルリ様、大変ご不便をお掛けいたしますが、少しの間ご辛抱を
そして、徐々に光が見えてくるかと思いますが、強い光を見続けないようにお願い致します」


クラルの言葉に頷いた。


「ではこれで、本日の治療は終了になります
お昼の食事には、スープと薬湯、栄養剤をつけさせていただきますね
スープは残されても構いませんが、薬湯と栄養剤は必ず最後まで飲み切ってくださいね
それでは、失礼致します」


クラルはそれだけ言うと、部屋から出て行った。




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