魔王の番

にーにゃ

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食堂で

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食堂は2階にあるらしい

本当は魔法で食堂まで行けるらしいけど、俺の道案内と体力をつけるために歩いて食堂まで向かった。

まだ完全に筋肉も体力も元に戻ってないから、少し歩くだけで疲れる


その度にラスの心配そうな顔や俺の事を抱き上げようかどうしようか葛藤している事(何も無い所で躓き、ラスに抱き上げられそうになった時に一度断っている)や気を遣ってくれる事に、申し訳なさもあるがそれと同時に新たなラスの一面も見れたことの嬉しい気持ちも込み上げてきた。


「着いたぞ」


暫く歩いていると、ラスが扉の前で俺にそう言った。


「ふーっ」


疲れた
もう、足ががくがくだ
これ程歩いたのは久しぶりだからだろうな


「大丈夫か?」


「ん、なんとか」


「・・・そうか
入るぞ」


「ああ」


ラスは何か言いたそうにしていたが押しとどまり、扉を開けた。


「瑠璃!」


扉を開けて中に入った瞬間に太陽の声が聞こえた。


「太陽」


「あの後、大丈夫だった?」


太陽が俺の側によって、小さな声で聞いてきた。


「ああ
付き合うことになった」


俺も堂々と言うのはまだ恥ずかしくて、だけど心配をかけた太陽に黙っていることはできないので俺も小さな声で答えた。


「そっか、よかった
飯、食べよう」


「ああ」


太陽に支えてもらいながら歩き、椅子に座った。

ラスは使用人の魔族と何か話していた。


「やっほー、ルリちゃん
さっきぶりー」


「あ、ああ」


俺の席の目の前には太陽、その隣に座っているのがアベンだ


ラスはどこに座るんだ?


キョロキョロと見ていると、ラスが戻ってきて俺と太陽の真ん中、所謂誕生日席に座った。


「どうした?」


「いや」


隣じゃないのか・・・


近いっちゃ近いが、手を伸ばしても届かない席に座ったラスに、少し寂しさを覚えた。


「失礼いたします」


ワゴンに料理を乗せて、使用人たちが食堂に入ってきた。

彼らを咄嗟に見てしまった俺は、ビクッと体を跳ねさせ体が強張った。
使用人の魔族たちの髪色は緑や、青色しかいないが、一度に大勢見るとダメだった。

次第に息が苦しくなってきた。


ラスっ


「ルリ、俺を見ろ」


落ち着いたラスの声が全身に染み渡るように体中を巡って、目を閉じていた俺は自然とラスの方を向いた。


「大丈夫だ」


「・・・ん」


ラスを見ると、安心する


そうして、暫くの間じっとラスの目を見つめていると


「ルリ、食事にしよう」


「え?
あ、ああ」


いつの間にか俺の目の前に料理が並べられていて、戸惑いつつ返事をした。
目の前に座っている2人を見ると、俺に気を遣ってか、2人でじゃれていた。




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