魔王の番

にーにゃ

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疑念

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「俺に聞けと言っておけ
俺の客人として扱っていると言うつもりだ」


「それで会わせろって言われたらどうしようもないねー」


「ああ、そこまで言われたら誤魔化すより会わせた方がいいだろう
要らぬ検索をされてはこちらが不利だからな
ルリとヒナタには念のために魔封じの装飾を身に着けてもらう」


「あの、ルリ様とヒナタ様の部屋はそのままでよろしいのですか?」


「いや、貴賓室に移動してもらう
同じ部屋でいいだろう」


「ええ!?
ヒナちゃんも!?」


「当然だ」


「ええー」


アベンは再びソファーに懐いた。


「アベンは東の国に行くでしょう
どちらにしろ会えないですよ」


アメシストが呆れたようにそう言った。


「・・・」


確かにその通りだ
アベンが留守にすると分かっていたかのようにローゼをここに送るとは・・・
考えすぎか・・・?


少し引っ掛かりを覚えたが隅に追いやり、言い合いをしている2人に命令をした。


「明日、ルリとヒナタに詳細を伝える
アメシスト、トリスに部屋の準備をするように伝えてくれ
以上だ」


「「畏まりました(はーい)」」


2人の返事を聞きながら執務室を後にし、俺の部屋で眠っているであろうルリの元へ急いだ。


この違和感はなんだ


酷く焦燥感に襲われ、無意識に移動魔法を使っていた。


「・・・ルリ」


目の前にいるベッドの上でぐっすりと眠っているルリを見て、先ほどまでの焦燥感は消え胸の内にじわっと温かさが広がった。


ルリ、消えるな
俺の側から離れるな


眠っているルリの頬に手を当て、優しく指先で撫でた。


「・・ん、、ラス・?
朝、か?」


寝ぼけているのだろう
まだ眠そうにしているルリの唇に口づけをした。


「・んっ、」


「いや、まだ夜中だ」


「ん、そうか
ふわあ、ラスも、寝ようぜ」


うつらうつらとしながらも頬に置いていた俺の手を取った。


引っ張っているつもりなのか?


半分眠っているルリは全く力が入っておらず、俺の手を軽く握っているだけになっていた。


「ふっ」


そんなルリを愛おしく思った。


ルリの手を離すのは惜しいので服は前をくつろげるだけにし、ルリの隣に寝転がった。

隣を見ると既にルリは眠っていた。
少し残念に思いながらも、繋いだ手はそのままにルリを抱きしめて眠った。


この温もりが消えることのないように




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