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スマラグドス王の親書
しおりを挟む「なにさー
お前だって気になっているでしょー?」
「気にはなりますが、魔王様の邪魔をしないで下さい」
などと言い合いを始めたのでそれを無視して、スマラグドス王からの親書を読んだ。
「・・・はあ」
これは・・・
少し予想をしていたが、本当に当たるとはな
・・・嫌な予感がする
これから起こりえるだろう事を考えて頭を抱えた。
「おい、止めろ」
取り合えず、いまだに言い合いをしている2人を止めた。
「っ、申し訳ございません」
「はーい
ん?どうしたのー?」
俺の異変に気が付いたアベンは、机に投げ出していたスマラグドス王の親書を手に取った。
「・・・げえっ
あの姫、こっちに来るの!?」
アベンは心底嫌そうに顔を歪めてそう言った。
「魔王様の許可なく読まないでください
魔王様、あの姫とはローゼ殿下のことでございますか?」
アメシストがアベンの発言から推測したのだろう、俺に確信を持って聞いてきた。
「ああ、そうだ
後数日で訪ねてくるそうだ」
「!
それは・・・」
アメシストはそれだけ言うと黙ってしまった。
「あの姫ちゃん、頭がおかしいからなー
絶対に魔王様は婚約を断らないと思ってたんだろうなー
・・で、どうするー?」
暗に絶対にやらかすだろうと言っているのだろう
確かにアベンの言う通りだ
ここに来るのは、なぜ婚約の事を断ったのか聞きに来るのだろう
そして、バアル国の件についても探ってくるはずだ
バアル国が神子を異なる世界から召喚した事については、もう把握しているのだろう
ルリとの関係がバレると、最悪の場合ルリを暗殺するだろう事は分かっている
だが、ルリが持つ治癒力の件についての情報がスマラグドス王の耳に入れば、拉致される可能性が高い
どちらをローゼとスマラグドス王の遣いに知られても最悪の状況だ
・・・
これ以上ルリを危険にさらしたくはない
ルリには悪いが、俺の部屋・・・いや、その方が危険か
「・・・
ローゼには通常通りに接しろ
バアル国の件については知られていると思え
ルリ、ヒナタの件については、ローゼがいる数日の間部屋の中にいてもらうつもりだ
それと、ルリ、ヒナタについてのかん口令を布く」
ルリとヒナタの特徴は知られていないといいが・・・
「「畏まりました」」
アベンとアメシストは一礼した。
「あ、でも、ローゼ姫がヒナちゃん達の事を聞いてきたらどおするのー?」
アベンは疑問に思ったことを口に出した。
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