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しおりを挟む「できるだけ早い方がいいだろうと、2週間後に向こうに到着すると伝えてある」
「えっ!?
それって1週間後にはここを出なきゃいけないじゃん!
もっとヒナちゃんとイチャイチャしたいよーっ!」
アベンは駄々をこねるようにソファーに寝転がってそう言った。
「はあ、まあいい
・・・どうした?アメシスト」
俺はさっきから固まっているアメシストに不思議に思いながらも声をかけた。
「あ、いえっ
その、アベンと次期魔王であるヒナタ様は、付き合っているのですか?」
今日は何度もアメシストの珍しい表情が見れるな
普段は無表情(まあ俺もそうだが)だからか、いまだに困惑しているアメシストの顔を凝視した。
「あの、魔王様?」
「、ああ、アベンとヒナタは付き合っている」
「そうだよー
だから、ヒナちゃんには手を出さないでよねー」
アベンは手を出したら殺すと言わんばかりの殺気を帯びた眼差しでアメシストを睨んでいた。
「っ、ええ、わかっています」
アメシストはアベンの殺気にあてられて少し苦しそうな表情でそう答えた。
「うん、ならいいよー
ちなみにルリちゃんは魔王様のものだから
分かっていると思うけどー
ね?魔王様」
アベンはよっこいしょっと言いながらソファーから起き上がり、緩くそう言った。
「ああ
ルリは多種族だからと怯えている訳ではないことだけは分かってほしい
これから頼んだぞ、アメシスト」
「・・・はい、畏まりました」
「・・・
それで、西の国の報告を聞こう」
アメシストには西の国へ親書を渡す事、それと西の国の現状を調査するように頼んでいた。
「はい
こちらがスマラグドス王からの親書です
そして西の国は現在、スマラグドス王の信者が増えつつあります
国境付近はまだ影響がありませんが、おそらく時間の問題になるでしょう
信者の件についてをスマラグドス王に聞かれたので無難に褒めたところ、困っていると返答されました
物資については特に目新しい物はなく、町並みは以前と変わらぬ雰囲気でした」
「・・・そうか
苦労であった」
何を考えているんだ?あの王は
「ありがとうございます」
アメシストは綺麗に一礼をした。
「ねえ、魔王様
その親書って婚約破棄の件についてだよねー?」
アベンは興味津々に俺が持っているスマラグドス王からの親書を見ていた。
「まあ、そうなるな」
実際は向こうからきた婚約の話を断っただけなのだが
「それでっ、それでっ、何て書いてあったのー?」
アベンは何が楽しいのか早く内容を教えてくれと俺を急かした。
「おい、アベン」
アメシストがまた咎めるようにアベンの名を言った。
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