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朝のひと時
しおりを挟む「う、んん、、」
ん、なんだ?
動けねぇ
それに温けぇ
・・・あ、この匂いはラスか
近くから香るラスの匂いに体の力を抜いた。
いつもこうやって寝てるのか?
俺が起きる時にはラスは既に何か作業をしている事が多かったから、どうしていいかわからねぇ
じっとラスの胸元を見ていたが、ラスの寝顔が気になってそっと上を見てみた。
うっ、やばっ
綺麗な顔のやつは、寝顔も綺麗なんだな
こいつが俺と付き合っているのか
う”~~~っ、あ”~~~~っ
はあ、あー、ヤバい
何か今更だけど信じられねぇ
「・・・ラス」
眠っているラスを起こさないようにそっと呟き、無防備な唇に優しく触れた。
あー、キスしてぇ
でも、やっぱ起きるよな
いや、でも、ラスが起きている時にキスできるかって聞かれたら・・・無理だ
あー、俺からするとか、緊張する
覚悟を決め?いざッとラスが目を瞑っている事を確認し・・・
パチッとラスと目が合った。
「お、おおはよっ」
今の俺は顔を赤くして狼狽えている事は分かっている
って、なんでこのタイミングなんだよ!!
俺の覚悟!!
「ああ、おはよう
・・・口づけをしてくれないのか?」
少し離れていた体をラスにぐっと抱き寄せられながらそう言われて、より一層顔に熱がこもった。
「ぐっ
・・・目を瞑れ」
俺が今しようとしていた事を見透かしていたかのようにそう言われて、恥ずかしさと悔しさが込み上げたがここで逃げたら負けと思い、気持ちを落ち着かせた。
「くくっ
ああ、分かった」
ぜってえ起きてただろっ!
くそっ
これなら、とっととやればよかった!
素直に目を瞑って俺のキスを待っているラスに何か言い知れないものが込み上げてくる。
一瞬だ
一瞬だけすればいい
時間が経つにつれ恥ずかしさが増すので、覚悟を決めラスの唇めがけて顔を近づけた。
ふにっ
言葉にするならこんな感じだ。
一瞬だけ触れたラスの唇は柔らかくて、恥ずかしさなど忘れもう少しだけ触れていたいと思った。
ラスとのキスは初めてじゃないが、今ほど気持ち的に余裕がなかったからラスの唇の感触とか何も思わなかったけど、まあ思う余裕もなかったが・・・
案外、触れるだけのキスも気持ちいい
じっとラスの唇を見ながらそう思っていると
「もう、終いか?」
ゆったりとした話し方でそう言われて、もう少しだけならと自らラスの唇に口づけていた。
チュッ・・・チュッ・・・っと顔を寄せ合いすり寄せ、唾液を絡ませることのない口づけに物足りなさを感じることなく心が満たされる思いがした。
「ふはっ」
ラスとの触れ合いに幸せを感じて、思わず笑みが零れた。
「どうした?」
「んーいや、こういうのもいいなって」
「ふっ、そうだな」
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