魔王の番

にーにゃ

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「・・・瑠璃」





隣から聞こえた太陽の声は少し震えていて、はっと太陽の方を見る。
見るからに顔色が悪く、今にも泣きそうな顔をしていた。




「太陽、」




多分俺も似たような顔をしているのだろう
太陽の名を呼ぶ声が震えている
そして何より、俺の顔を見た太陽が益々泣きそうな顔になっている




「はぁー
そうやって悲しむのもいいですが、番と出会う確率はそう高くありません
あなた達人族と生きる長さが違う魔王様とアベンは、あなた達が亡くなるまでに番を見つける事は早々ないと思いますよ」




宥めているのか貶しているの分からないアメシストの言葉に、少しだが気が楽になった。


そうだよな
今からいつ現れるか分からないラスの番の心配をするより、今のラスと付き合ってるのは俺なんだ
今を一緒に過ごすことが重要だよな



番、というしこりを奥底にしまい込むように頭を切り替える。




「、、俺らと魔王様との寿命ってそんなに違うのか?」




番の話を頭の隅に追いやるように、話題を切り替える。




「ええ、違います
人族は大体は80年で亡くなっているそうです
そして我々魔族は人族と違って100年ほど多く生きます
ちなみに、獣人族は人族と魔族の間、100年から150年ぐらいで亡くなるそうです
魔族が一番長く生きる理由は魔力が関係していると言われています
一番長く生きた魔族は200年と少し超えたそうです
その方の魔力は歴代で最も多い魔力を保持しており、今でもその方の魔力を越す者はいない程です
また生粋の魔族は他の種族より長く生きる為、子を成すことにあまり重視をしておりません
ですので、他の種族より数は圧倒的に少ないのです」




200歳!?
すげぇっ




「えっ、じゃあ、今ラ、、魔王様は何歳なんだ?」




見た感じは俺より10歳ぐらいは年上に見える程度だけど





「魔王様は36歳になり、歴代魔王様の中で最年少での即位となります」




36歳・・・!
そんなに変わらねぇんだ
百何歳って言われたらどうしようかと思ったぜ
・・・いや、どうしようもねぇんだけど




「そっか」




でも、36歳で王様ってすげぇな
王様ってもっと老けてるイメージだったから




「じゃあ、アベンはっ?」




太陽が少し興奮気味にアメシストに聞いた。




「アベンは37歳になります
魔王様とは乳母兄弟ですね」



あー、だから仲がいいのか
気が知れてるって感じだったからな




「へー、じゃあアメシストは?」




ラス、アベンの年齢を知ったら、目の前にいるアメシストの年齢も気になってきた。




「私は52歳です」




52!
俺らの基準で見たら、52歳なんてオッサンだ
・・・やべぇな、異世界







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