魔王の番

にーにゃ

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「「オブシディアス魔王陛下にご挨拶を申し上げます」」




俺が応接間に入ると既に部屋の中で待っていたスマラグドス王の側近の2人が俺に挨拶をしてきた。




「ああ
座ってくれ」




俺はスマラグドス王の側近の対面に座り、彼らが座ったのを見計らって声を掛けた。




「ふむ、まず名を聞こうか」




「はい
私はスマラグドス王の側近の1人、カーネリアン・カルセドニーと申します
そしてこちらは」




「シトリン・クォーツと申します」




赤みがかった茶髪の男がカーネリアン
黄色みがかった茶髪の男がシトリン
やはり、スマラグドス王の側近であった。



「それで、此度の訪問は随分と急であったが、何用だ?」




「その事につきましては、心よりお詫び申し上げます
こちらは突然の訪問を快く受け入れてくださいましたお礼の品でございます」





そう言ってカーネリアンが、箱を目の前のテーブルの上に置き蓋を開けて俺に見せた。



・・魔道具か




「アメシスト」




「・・この形の魔道具は見たことがありませんね」




アメシストが俺が座っている後ろから覗き込むように箱の中身を見てそう呟いた。




「ああ」




それに同意する。
箱の中身は腕飾りの様に輪になっており、飾りは美しい青色の石が入っている。


これまでカテドラル国から魔道具を買ってきたが、このような形の物は見たことがなかった。




「ええ、こちらはわが国でつくられた魔道具となります
この魔道具はまだ販売しておらず、生産もこちらを含めたったの2つとなります」




自慢げにそう言うカーネリアン



何故それ程貴重な物を渡してくるのか
何か仕掛けがあるのだろう




「用途はなんだ」




強めにそう言うと、スマラグドス王の側近たちの顔が青ざめていった。




「は、はい
こちらは完全に魔力を増幅させる魔道具でございます
このようにカギもついており、一度装着しますとカギを使用しないと外すことが出来ません
何より、常に一定量の魔力を増幅させ続けることが出来、この石が割れるまで使うことが出来ます
従来の魔力を増幅させる魔道具より最も優れた物でございます」




カーネリアンが箱の中身を手に取り、カギと腕飾りを出して慌てて説明をしだした。



聞く限りでは疑わしい事はない
だが、何かが引っかかる
魔族に魔力を増幅させる魔道具を与えてどうするつもりだ?
こちらの国により強力な魔力を持つものが増えるだけだろう




「私が試しましょうか?」




アメシストも疑わしいと思っているのだろう提案をしてきた。




「ああ」




そう返事をし、カーネリアンを見た。
察したのか、慌てて手に持っていた魔道具とカギをアメシストに渡した。













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