魔王の番

にーにゃ

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太陽SIDE

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コンコ、



途中でノックの音が鳴らなくなったと思ったら勢いよく扉が開いた。



「失礼しますっ」



焦ったように部屋の中に入って来たクオーラと目が合った。



あちゃ~
間に合わなかった




「ヒナタ様、ルリ様・・・
どうしてこのような場所に、」




クオーラは俺を見て俯いて固まっている瑠璃を見た後、瑠璃が手に持っているペンを見つけたのだろう
もう一度、俺を見て瑠璃を見た後、困ったような顔で



「聞いて、しまわれたのですね」




そう確信をついて言った。




正直俺は何を話していたのか、誰がいたのかさえ分からなかった
だけど、瑠璃やクオーラの反応を見ると、あまり良くない話をクオーラと誰かがしていて、瑠璃はその話を聞いたのだと察することが出来た。



一旦落ち着くために、クオーラと2人で瑠璃を椅子に座らせた。




「それで、どういう事?
誰と何の話をしていたんだ?」




瑠璃は自分自身の事をどう思っているか分からないが、瑠璃の心はいまだに不安定だ
幼馴染の俺でも今まででこんな危うい瑠璃を見たことがない
だから、不安定な瑠璃にどう接したらいいか分からず、日本にいた頃と同じように接しているけどこれが正解なのか分からない
俺が側にいる事で瑠璃が少しでも安心できている事は嬉しいが、瑠璃に絶対的な安心感を与える事が出来るのは魔王だけなのだろう
魔王の側にいる瑠璃の表情は幼い頃に見ていた無邪気な笑顔や心から安心しているという顔をしていて、見ていて心底ほっとした事を覚えている。

だけどこの1週間、俺との会話やアメシストとの授業で何かと自分自身を誤魔化している感じだったが、魔王と会えない事が大きいからだろう、日に日に魘される回数が増え、不安にしてる様子が多くなった。
そして、今の瑠璃の状態を見ると、聞こえた会話の中に魔王に関する何かがあったのだろう事が伺えた。




「それは、詳しい事は僕の口からは話すことが出来ませんー」




目を伏せてそう言うクオーラ
だけど、瑠璃のこの状態を見るとはい、そうですかと聞き流すことは出来ない




「わかった
詳しくは聞かない
誰と話してたの?」




じっとクオーラを見つめてそう言った。
クオーラは少したじろぎながら



「それは、アメシスト様ですー」




「アメシスト・・・」




もしかして、窓の事を聞いていたのか?
でもそれじゃあ、何で瑠璃がこの状態になるんだ?




「窓の事を聞いたの?」




「はいー
その事につきましては、魔王様にお尋ねしないと分からないと仰られましたー
それで、あっ」



話の流れで何かを言おうとしていたクオーラは慌てて口を噤んだ。






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