3 / 3
兄side
しおりを挟む
恋に堕ちていった時間を目撃したのはいつだったか。
そこから俺の友人はテキパキと妹をいつか掻っ攫う為の準備をしていった。
一筋縄ではいかなかったが、割と兄妹の父母には気に入られるのは早かった。
まぁ、そうなるだろう事は予想の範疇だ。
だが簡単には進ませないよう仕組んだこともある。
何故なら俺だって妹は可愛いんだ。
まだ成人してない小さな間だけでも構いたいじゃないか。
「お兄様どうしたの?」
「いや?べつに何もないさ」
「そう?
これよかったら私が刺繍したハンカチなの。
お兄様が嫌では無ければ使ってくださる?」
「へ~よくできてるじゃないか。
当家の紋章か。確かにこれは家族しか使えないな」
「そうなの!練習の中で今のところ一番出来がいい物なの。使ってくれる?」
「ああ。有り難く遣わしてもらうよ」
これで揶揄う材料ができた。
「よ!元気かーい。暑いね~この頃」
「昨日も会っただろ?君は偉く元気だね」
「そうなんだなぁ~。
今日はプレゼントを貰っちゃってさぁ」
「君の本当の中身を知らなくて、幻想を抱いている可哀想なお嬢さん方かい?」
「あらぁ失敬な!」
「なんだその口調は…」
「お嬢さんには違いないが、うちの可愛いお嬢さんからだ」
それを聞いて友人はピクッと反応した。
「当家の紋章の刺繍が入ったハンカチを貰ったのさ。一番いい出来のものをって。
しかもイニシャルを入れてくれないかって言ったらすぐ入れてくれたさ。
やっさし~な~。君の想い人兼俺の妹は」
「……君は本当に猫を被っていないとたちが悪いね…」
「でも協力してやってるだろぅ?
父の好きな物を教えたのは誰だったか?
母のハマっている物を教えたのは誰だったか?」
「…はぁ。。
妹離れは早くした方がいいんじゃないのかぃ?」
「成人近くなるまではしないでおこうと思ってね」
「一刻も早くしてくれ。」
「ははっ!
まぁ、いつかは家族になるんだ。
ちょっとぐらいは大目に見てくれよ」
「なっ!」
「離す気なんかないくせに恥ずかしがるなって~。手紙ちゃっかり出してんだろう?
俺には出さないで」
「なんで毎日会ってるやつに出さなきゃいけないんだよ。
そろそろあの子も学園に入学してくるんだろう?だから色々情報交換してるんだよ」
「まぁ、優しい事。」
「君は僕の事をおもちゃか何かと思ってないかい…?」
「まさか。いつの日か義弟になるのにそんな事ないだろう?」
「その意味深な笑顔をどうにかしてから言ってくれ」
まぁ、今だけでも揶揄わせてくれよ。
いつか家族になった時笑い話として楽しむために。
「そろそろお前を婚約者にしたらどうだろうかと父に言ってみたが、どうだろうね~」
「!?」
そこから俺の友人はテキパキと妹をいつか掻っ攫う為の準備をしていった。
一筋縄ではいかなかったが、割と兄妹の父母には気に入られるのは早かった。
まぁ、そうなるだろう事は予想の範疇だ。
だが簡単には進ませないよう仕組んだこともある。
何故なら俺だって妹は可愛いんだ。
まだ成人してない小さな間だけでも構いたいじゃないか。
「お兄様どうしたの?」
「いや?べつに何もないさ」
「そう?
これよかったら私が刺繍したハンカチなの。
お兄様が嫌では無ければ使ってくださる?」
「へ~よくできてるじゃないか。
当家の紋章か。確かにこれは家族しか使えないな」
「そうなの!練習の中で今のところ一番出来がいい物なの。使ってくれる?」
「ああ。有り難く遣わしてもらうよ」
これで揶揄う材料ができた。
「よ!元気かーい。暑いね~この頃」
「昨日も会っただろ?君は偉く元気だね」
「そうなんだなぁ~。
今日はプレゼントを貰っちゃってさぁ」
「君の本当の中身を知らなくて、幻想を抱いている可哀想なお嬢さん方かい?」
「あらぁ失敬な!」
「なんだその口調は…」
「お嬢さんには違いないが、うちの可愛いお嬢さんからだ」
それを聞いて友人はピクッと反応した。
「当家の紋章の刺繍が入ったハンカチを貰ったのさ。一番いい出来のものをって。
しかもイニシャルを入れてくれないかって言ったらすぐ入れてくれたさ。
やっさし~な~。君の想い人兼俺の妹は」
「……君は本当に猫を被っていないとたちが悪いね…」
「でも協力してやってるだろぅ?
父の好きな物を教えたのは誰だったか?
母のハマっている物を教えたのは誰だったか?」
「…はぁ。。
妹離れは早くした方がいいんじゃないのかぃ?」
「成人近くなるまではしないでおこうと思ってね」
「一刻も早くしてくれ。」
「ははっ!
まぁ、いつかは家族になるんだ。
ちょっとぐらいは大目に見てくれよ」
「なっ!」
「離す気なんかないくせに恥ずかしがるなって~。手紙ちゃっかり出してんだろう?
俺には出さないで」
「なんで毎日会ってるやつに出さなきゃいけないんだよ。
そろそろあの子も学園に入学してくるんだろう?だから色々情報交換してるんだよ」
「まぁ、優しい事。」
「君は僕の事をおもちゃか何かと思ってないかい…?」
「まさか。いつの日か義弟になるのにそんな事ないだろう?」
「その意味深な笑顔をどうにかしてから言ってくれ」
まぁ、今だけでも揶揄わせてくれよ。
いつか家族になった時笑い話として楽しむために。
「そろそろお前を婚約者にしたらどうだろうかと父に言ってみたが、どうだろうね~」
「!?」
0
この作品の感想を投稿する
みんなの感想(2件)
あなたにおすすめの小説
【完結】「別れようって言っただけなのに。」そう言われましてももう遅いですよ。
まりぃべる
恋愛
「俺たちもう終わりだ。別れよう。」
そう言われたので、その通りにしたまでですが何か?
自分の言葉には、責任を持たなければいけませんわよ。
☆★
感想を下さった方ありがとうございますm(__)m
とても、嬉しいです。
私の夫は妹の元婚約者
彼方
恋愛
私の夫ミラーは、かつて妹マリッサの婚約者だった。
そんなミラーとの日々は穏やかで、幸せなもののはずだった。
けれどマリッサは、どこか意味ありげな態度で私に言葉を投げかけてくる。
「ミラーさんには、もっと活発な女性の方が合うんじゃない?」
挑発ともとれるその言動に、心がざわつく。けれど私も負けていられない。
最近、彼女が婚約者以外の男性と一緒にいたことをそっと伝えると、マリッサは少しだけ表情を揺らした。
それでもお互い、最後には笑顔を見せ合った。
まるで何もなかったかのように。
みんながまるくおさまった
しゃーりん
恋愛
カレンは侯爵家の次女でもうすぐ婚約が結ばれるはずだった。
婚約者となるネイドを姉ナタリーに会わせなければ。
姉は侯爵家の跡継ぎで婚約者のアーサーもいる。
それなのに、姉はネイドに一目惚れをしてしまった。そしてネイドも。
もう好きにして。投げやりな気持ちで父が正しい判断をしてくれるのを期待した。
カレン、ナタリー、アーサー、ネイドがみんな満足する結果となったお話です。
番?呪いの別名でしょうか?私には不要ですわ
紅子
恋愛
私は充分に幸せだったの。私はあなたの幸せをずっと祈っていたのに、あなたは幸せではなかったというの?もしそうだとしても、あなたと私の縁は、あのとき終わっているのよ。あなたのエゴにいつまで私を縛り付けるつもりですか?
何の因果か私は10歳~のときを何度も何度も繰り返す。いつ終わるとも知れない死に戻りの中で、あなたへの想いは消えてなくなった。あなたとの出会いは最早恐怖でしかない。終わらない生に疲れ果てた私を救ってくれたのは、あの時、私を救ってくれたあの人だった。
12話完結済み。毎日00:00に更新予定です。
R15は、念のため。
自己満足の世界に付き、合わないと感じた方は読むのをお止めください。設定ゆるゆるの思い付き、ご都合主義で書いているため、深い内容ではありません。さらっと読みたい方向けです。矛盾点などあったらごめんなさい(>_<)
婚約破棄、別れた二人の結末
四季
恋愛
学園一優秀と言われていたエレナ・アイベルン。
その婚約者であったアソンダソン。
婚約していた二人だが、正式に結ばれることはなく、まったく別の道を歩むこととなる……。
断腸の思いで王家に差し出した孫娘が婚約破棄されて帰ってきた
兎屋亀吉
恋愛
ある日王家主催のパーティに行くといって出かけた孫娘のエリカが泣きながら帰ってきた。買ったばかりのドレスは真っ赤なワインで汚され、左頬は腫れていた。話を聞くと王子に婚約を破棄され、取り巻きたちに酷いことをされたという。許せん。戦じゃ。この命燃え尽きようとも、必ずや王家を滅ぼしてみせようぞ。
【完結】離婚を切り出したら私に不干渉だったはずの夫が激甘に豹変しました
雨宮羽那
恋愛
結婚して5年。リディアは悩んでいた。
夫のレナードが仕事で忙しく、夫婦らしいことが何一つないことに。
ある日「私、離婚しようと思うの」と義妹に相談すると、とある薬を渡される。
どうやらそれは、『ちょーっとだけ本音がでちゃう薬』のよう。
そうしてやってきた離婚の話を告げる場で、リディアはつい好奇心に負けて、夫へ薬を飲ませてしまう。
すると、あら不思議。
いつもは浮ついた言葉なんて口にしない夫が、とんでもなく甘い言葉を口にしはじめたのだ。
「どうか離婚だなんて言わないでください。私のスイートハニーは君だけなんです」
(誰ですかあなた)
◇◇◇◇
※全3話。
※コメディ重視のお話です。深く考えちゃダメです!少しでも笑っていただけますと幸いです(*_ _))*゜
婚約者の番
ありがとうございました。さようなら
恋愛
私の婚約者は、獅子の獣人だ。
大切にされる日々を過ごして、私はある日1番恐れていた事が起こってしまった。
「彼を譲ってくれない?」
とうとう彼の番が現れてしまった。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる
本作については削除予定があるため、新規のレンタルはできません。
このユーザをミュートしますか?
※ミュートすると該当ユーザの「小説・投稿漫画・感想・コメント」が非表示になります。ミュートしたことは相手にはわかりません。またいつでもミュート解除できます。
※一部ミュート対象外の箇所がございます。ミュートの対象範囲についての詳細はヘルプにてご確認ください。
※ミュートしてもお気に入りやしおりは解除されません。既にお気に入りやしおりを使用している場合はすべて解除してからミュートを行うようにしてください。
男性側からの話も見たいです!
とてもハラハラして可愛らしくほっこりするお話でした☆
気に入ったので、読み終わって速攻でお気に入りにさせてもらいました(๑•̀ㅁ•́๑)✧