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プロローグ
令嬢専属メイド フローラ・クエート1
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……凄まじく重い話に胃がもたれそうだ。
え? 悪役令嬢こんな感じで敵に回ったの?
こんないかにも嵌められた感じで?
ストーリースキップして何回も狩っちゃたよ? 共通ルートのラスボスだもの。どんなルートを選んでも回避しようがないのに、こんな可哀そうなの? だから戦闘絵あんなに目が死んでたの? 「あぁ、こいつ共通ボスの癖にめんどくせぇな」って思ってたよ。どうしてくれんのよ。
あれか? ストーリー人気がない理由深く調べなかったけどここか? ここのせいなのか?
このまま進めたらまた令嬢ーーいや、もうこの際サラちゃんだ。サラちゃんを殺さなきゃいけないのか?
人間で殺されるのはこの子だけじゃなかったか? 他に殺されるのは魔人くらいだ。途中に出てくる兵士は倒しても気絶扱いだよ?
脚本担当はこの子になんの恨みがあるんだ。15歳に業を背負わせすぎだろ。
大体王子も助けろよ。……いや、公爵家が調べても尻尾を掴めないってあったな。ということは王家でも無実が証明できないとか?
ぐぬぬ……
はぁ……。進めるのが嫌になってきたな……
ある意味ストーリースキップしてた俺は正しかったのか。
なんて悲劇だ。
作品を愛して広めようとしたら、その作品に裏切られるとは。
いや、寧ろ一部分だけしか愛さなかった俺への罰か?
……まぁ、良い。俺も男だ。覚悟を決めよう。
覚悟を決めてサラちゃんを殺そう。
その代わり、既に販売しているサラちゃんグッズをこれまで殺した数だけ買おう。そうしよう。
決意を胸に俺は続きを進めるのだった。
==シルフォード公爵邸==
「お父様が拘束された?」
「そ、そうです。マルタ公爵が陛下に『サラ公爵令嬢がクレア様を嫉妬で暗殺しようとした』と進言し、だ、旦那様が仕組まれたことではないかと容疑がかかって、て、お、おり、まして……」
「そん……な……。どこまで私たちを苦しめれば……」
「も、勿論私共も旦那様のことも、お嬢様のことも信じており……」
冤罪を着せられ、屋敷に戻ったサラだったが、執事長から更なる凶報を伝えられる。
そうして二人が顔面蒼白になっている中、一人だけ表情を変えず、傍らに控える女性がいた。
彼女の名はフローラ・クエート。サラが生まれた時から仕えている、サラ専属のメイドだ。
その内面は見た目からは想像出来ない程に荒れていた。
(あのクソ豚め。お嬢様にこのような所業を……。お嬢様を愚弄したこと、必ず後悔させてやりましょう……!)
そんな彼女を尻目に、サラと執事長は会話を続ける。
「っ! 私の暴走ということで、私一人が断罪されれば没落までは防げるはずです。陛下や殿下も流石にそこまではーー」
「い、いや、そんなことをしても……。それにお嬢様だけが断罪されるなどーー」
当然執事長も主の娘を犠牲にして助かろうとは思っていないようだ。だが、否定をするだけで、後の言葉が出てこない。
(こんな状況で狼狽するだけの男が私の上司ですか……。眩暈がしますね)
そうしてフローラは大きく息を吸いーー
「ボケるのが早過ぎでしょうがクソジジイ!!」
「「!?」」
彼を一喝した。
「貴方は悔しくないのですか!? 自分の主が嵌められたんですよ! 途方に暮れるよりもどうすべきか考えるのが先でしょう!!」
「そうは言うがフローラーー」
「黙りなさい!! 確かにあの男は厄介です!
公爵である旦那様が調べても尻尾を掴ませない。と、いうことは公爵家以上の力を持った後ろ盾がいる可能性もあるでしょう。
それがなんですか! どのみち、ここを打開しなければ我らシルフォード家はお終いです!!
最後まで主の為に動くことこそが、我ら仕えるものの至上命題でしょうが!!」
「「…………」」
主と上司が言葉を失うのを見て、何事もなかったのように姿勢を正す。
(おっと。やらかしてしまいました。ですが、少しスッキリしましたね。
それに慈悲深いお嬢様のこと。この程度の暴走なら許してくださるでしょう)
従者としては少し疑問の残る事を考える彼女に、執事長が口を開く。だが、その目は先程までと違い、何らかの決意を感じさせた。
「確かに……お前の言う通りだ。フローラ」
「む?」
「私たちは常にシルフォード家の為に動くべきだ。旦那様も調査をされたのだろうが、私たちにしかできない方法もある。
ドゥーク侯爵に仕えるものはもとより、配下貴族のメイドや執事にもあたってみよう。フローラ、お前はーー」
「私は一時たりともお嬢様から離れる気はありませんよ? 実際、何をしてくるかわかりませんからね。
ただ、調査は迅速かつ慎重にお願いします。遅すぎても感づかれても困ります」
「ふぅ……。難しいことを簡単そうに言う。
だが、今はそれが必要な時。なんとかしよう」
そう言って立ち去る彼を見送り、サラに目を向ける。サラは急な事態に声も出ないようだ。
(ハトが豆鉄砲にうたれたように固まっておられますね。珍しい表情、たまりません。ですが、すぐに復活していただかなくては)
「お嬢様、お見苦しいところを見せてしまい申し訳ありません」
「え? あぁ。いえ、貴方がそんな風に発言するのは久しぶりに見たから……」
「そうですね。下手な発言をすると、お嬢様の為にならないことも多いですから」
「貴方はいつも言葉には気を付けているものね。でも、学園ではずっと凄い顔だったわよ?」
「えぇ。お嬢様を嵌めたクソ豚も、お嬢様を助けることも出来ないクソ王子も、しばきたくて仕方がありませんでした」
「いや、シルヴァ様はーー」
「庇う必要などないでしょう。
国の為? 民の為? 知ったことではありません。
私の全てはお嬢様の為にあります。理由がどうあれ、クソ王子がお嬢様を傷つけたのは事実です」
フローラにとってシルヴァは皇太子ではなく、ただの加害者。彼の人物像など彼女には興味もない。
そんなフローラにサラは少し呆れたが、それ以上にその忠誠心が嬉しかった。
「……ありがとうフローラ。少し気が楽になったわ」
(お嬢様の微笑み!! あぁ! 女神よ!)
笑いかけるサラに、彼女も笑みを返す。当然言葉は発しない。
「それでね……? 執事長はあぁ言ってくれたけど、あの侯爵が簡単に尻尾を出すとは思えないの」
「……それは、まぁ、そうですね。発破をかけておいてアレですが、決定打になりえるものは簡単には見つからないでしょう」
「でしょ? だから……本当に最後の手段が一つだけあるの。でも、最悪死ぬ可能性もある方法なの。それでもーー」
そこまで言いかけたサラに、顔を近づける。
「他に何かありますか?」
そこから先は言わせない。命をかけるなど、言うまでも無い事だと示す為に。
「……そうね。愚問だったわね。ありがとうフローラ。貴方が男なら惚れてたかもね」
「女でも惚れてくれて構いませんよ?」
「残念。私はまだシルヴァ様が良いの」
「それは残念です。ですが、お元気になられたようで何よりです」
「ありがと。さ、ついてきて」
そうして、そのまま書庫に向かう。書庫には禁書室がある。最後の手段というなら、禁書室だろうか? だがそれならばーー
「お嬢様? 禁書室に向かうなら執務室の鍵をーー」
「いらないわ。その禁書室は偽物だもの」
「はい?」
呆気に取られるフローラを尻目に、本棚から何冊かを抜き取って地面に置き始める。
「お嬢様?」
「こうして特定の場所の本を抜き取るとね……?」
――カチッ――
「ほら、地下室の鍵が空くの。ここから入れるわ。昔やんちゃだった時に偶々見つけたの。すごいでしょ?」
サラはドヤ顔で胸を張る。がーー
「そうですね。お嬢様は天使ですね」
「え?」
無表情のフローラによる明後日の回答で、その姿勢は長くはもたなかった。
そうしてたどり着いた先は、カビが生えていそうな薄暗い部屋の中。埃まみれの髑髏やら変なローブやらが散乱している。魔女でも出てきそうな部屋だった。
「フローラ、念のため扉も鍵も閉めておいて」
指示通りに扉と鍵を閉め、振り返るフローラ。視線の先ではサラが部屋に置いてあったナイフを拾い、手に向けてーー
「お嬢様!!」
咄嗟にナイフを取り上げる。だが、サラはフローラを見つめてキョトンとしている。
「あ、ごめんなさい。誤解させたわね。自害しようとしたんじゃなくて、私の血が必要だったの」
「血が必要なら私が幾らでも流します。そもそも、いつから置いてあるかもわからないナイフなど衛生上最悪です。ですので、私のナイフをお使いください。
すぐに消毒しますので」
「貴方……いつもナイフを持ち歩いているの?」
「ナイフは万能ですよ? 護衛にもサバイバルにも使えます」
「護衛もサバイバルもメイドの仕事じゃないわよ? まぁ、今は助かるけども」
薄暗い部屋には場違いなコントを繰り広げる。だがいい加減、真面目な話もしなければならない。
「それで、お嬢様? このような部屋で何をなさるおつもりで?」
フローラの言葉にサラも真剣な表情になり、一度頷いてから口を開く。
「魔人を、召喚するわ」
え? 悪役令嬢こんな感じで敵に回ったの?
こんないかにも嵌められた感じで?
ストーリースキップして何回も狩っちゃたよ? 共通ルートのラスボスだもの。どんなルートを選んでも回避しようがないのに、こんな可哀そうなの? だから戦闘絵あんなに目が死んでたの? 「あぁ、こいつ共通ボスの癖にめんどくせぇな」って思ってたよ。どうしてくれんのよ。
あれか? ストーリー人気がない理由深く調べなかったけどここか? ここのせいなのか?
このまま進めたらまた令嬢ーーいや、もうこの際サラちゃんだ。サラちゃんを殺さなきゃいけないのか?
人間で殺されるのはこの子だけじゃなかったか? 他に殺されるのは魔人くらいだ。途中に出てくる兵士は倒しても気絶扱いだよ?
脚本担当はこの子になんの恨みがあるんだ。15歳に業を背負わせすぎだろ。
大体王子も助けろよ。……いや、公爵家が調べても尻尾を掴めないってあったな。ということは王家でも無実が証明できないとか?
ぐぬぬ……
はぁ……。進めるのが嫌になってきたな……
ある意味ストーリースキップしてた俺は正しかったのか。
なんて悲劇だ。
作品を愛して広めようとしたら、その作品に裏切られるとは。
いや、寧ろ一部分だけしか愛さなかった俺への罰か?
……まぁ、良い。俺も男だ。覚悟を決めよう。
覚悟を決めてサラちゃんを殺そう。
その代わり、既に販売しているサラちゃんグッズをこれまで殺した数だけ買おう。そうしよう。
決意を胸に俺は続きを進めるのだった。
==シルフォード公爵邸==
「お父様が拘束された?」
「そ、そうです。マルタ公爵が陛下に『サラ公爵令嬢がクレア様を嫉妬で暗殺しようとした』と進言し、だ、旦那様が仕組まれたことではないかと容疑がかかって、て、お、おり、まして……」
「そん……な……。どこまで私たちを苦しめれば……」
「も、勿論私共も旦那様のことも、お嬢様のことも信じており……」
冤罪を着せられ、屋敷に戻ったサラだったが、執事長から更なる凶報を伝えられる。
そうして二人が顔面蒼白になっている中、一人だけ表情を変えず、傍らに控える女性がいた。
彼女の名はフローラ・クエート。サラが生まれた時から仕えている、サラ専属のメイドだ。
その内面は見た目からは想像出来ない程に荒れていた。
(あのクソ豚め。お嬢様にこのような所業を……。お嬢様を愚弄したこと、必ず後悔させてやりましょう……!)
そんな彼女を尻目に、サラと執事長は会話を続ける。
「っ! 私の暴走ということで、私一人が断罪されれば没落までは防げるはずです。陛下や殿下も流石にそこまではーー」
「い、いや、そんなことをしても……。それにお嬢様だけが断罪されるなどーー」
当然執事長も主の娘を犠牲にして助かろうとは思っていないようだ。だが、否定をするだけで、後の言葉が出てこない。
(こんな状況で狼狽するだけの男が私の上司ですか……。眩暈がしますね)
そうしてフローラは大きく息を吸いーー
「ボケるのが早過ぎでしょうがクソジジイ!!」
「「!?」」
彼を一喝した。
「貴方は悔しくないのですか!? 自分の主が嵌められたんですよ! 途方に暮れるよりもどうすべきか考えるのが先でしょう!!」
「そうは言うがフローラーー」
「黙りなさい!! 確かにあの男は厄介です!
公爵である旦那様が調べても尻尾を掴ませない。と、いうことは公爵家以上の力を持った後ろ盾がいる可能性もあるでしょう。
それがなんですか! どのみち、ここを打開しなければ我らシルフォード家はお終いです!!
最後まで主の為に動くことこそが、我ら仕えるものの至上命題でしょうが!!」
「「…………」」
主と上司が言葉を失うのを見て、何事もなかったのように姿勢を正す。
(おっと。やらかしてしまいました。ですが、少しスッキリしましたね。
それに慈悲深いお嬢様のこと。この程度の暴走なら許してくださるでしょう)
従者としては少し疑問の残る事を考える彼女に、執事長が口を開く。だが、その目は先程までと違い、何らかの決意を感じさせた。
「確かに……お前の言う通りだ。フローラ」
「む?」
「私たちは常にシルフォード家の為に動くべきだ。旦那様も調査をされたのだろうが、私たちにしかできない方法もある。
ドゥーク侯爵に仕えるものはもとより、配下貴族のメイドや執事にもあたってみよう。フローラ、お前はーー」
「私は一時たりともお嬢様から離れる気はありませんよ? 実際、何をしてくるかわかりませんからね。
ただ、調査は迅速かつ慎重にお願いします。遅すぎても感づかれても困ります」
「ふぅ……。難しいことを簡単そうに言う。
だが、今はそれが必要な時。なんとかしよう」
そう言って立ち去る彼を見送り、サラに目を向ける。サラは急な事態に声も出ないようだ。
(ハトが豆鉄砲にうたれたように固まっておられますね。珍しい表情、たまりません。ですが、すぐに復活していただかなくては)
「お嬢様、お見苦しいところを見せてしまい申し訳ありません」
「え? あぁ。いえ、貴方がそんな風に発言するのは久しぶりに見たから……」
「そうですね。下手な発言をすると、お嬢様の為にならないことも多いですから」
「貴方はいつも言葉には気を付けているものね。でも、学園ではずっと凄い顔だったわよ?」
「えぇ。お嬢様を嵌めたクソ豚も、お嬢様を助けることも出来ないクソ王子も、しばきたくて仕方がありませんでした」
「いや、シルヴァ様はーー」
「庇う必要などないでしょう。
国の為? 民の為? 知ったことではありません。
私の全てはお嬢様の為にあります。理由がどうあれ、クソ王子がお嬢様を傷つけたのは事実です」
フローラにとってシルヴァは皇太子ではなく、ただの加害者。彼の人物像など彼女には興味もない。
そんなフローラにサラは少し呆れたが、それ以上にその忠誠心が嬉しかった。
「……ありがとうフローラ。少し気が楽になったわ」
(お嬢様の微笑み!! あぁ! 女神よ!)
笑いかけるサラに、彼女も笑みを返す。当然言葉は発しない。
「それでね……? 執事長はあぁ言ってくれたけど、あの侯爵が簡単に尻尾を出すとは思えないの」
「……それは、まぁ、そうですね。発破をかけておいてアレですが、決定打になりえるものは簡単には見つからないでしょう」
「でしょ? だから……本当に最後の手段が一つだけあるの。でも、最悪死ぬ可能性もある方法なの。それでもーー」
そこまで言いかけたサラに、顔を近づける。
「他に何かありますか?」
そこから先は言わせない。命をかけるなど、言うまでも無い事だと示す為に。
「……そうね。愚問だったわね。ありがとうフローラ。貴方が男なら惚れてたかもね」
「女でも惚れてくれて構いませんよ?」
「残念。私はまだシルヴァ様が良いの」
「それは残念です。ですが、お元気になられたようで何よりです」
「ありがと。さ、ついてきて」
そうして、そのまま書庫に向かう。書庫には禁書室がある。最後の手段というなら、禁書室だろうか? だがそれならばーー
「お嬢様? 禁書室に向かうなら執務室の鍵をーー」
「いらないわ。その禁書室は偽物だもの」
「はい?」
呆気に取られるフローラを尻目に、本棚から何冊かを抜き取って地面に置き始める。
「お嬢様?」
「こうして特定の場所の本を抜き取るとね……?」
――カチッ――
「ほら、地下室の鍵が空くの。ここから入れるわ。昔やんちゃだった時に偶々見つけたの。すごいでしょ?」
サラはドヤ顔で胸を張る。がーー
「そうですね。お嬢様は天使ですね」
「え?」
無表情のフローラによる明後日の回答で、その姿勢は長くはもたなかった。
そうしてたどり着いた先は、カビが生えていそうな薄暗い部屋の中。埃まみれの髑髏やら変なローブやらが散乱している。魔女でも出てきそうな部屋だった。
「フローラ、念のため扉も鍵も閉めておいて」
指示通りに扉と鍵を閉め、振り返るフローラ。視線の先ではサラが部屋に置いてあったナイフを拾い、手に向けてーー
「お嬢様!!」
咄嗟にナイフを取り上げる。だが、サラはフローラを見つめてキョトンとしている。
「あ、ごめんなさい。誤解させたわね。自害しようとしたんじゃなくて、私の血が必要だったの」
「血が必要なら私が幾らでも流します。そもそも、いつから置いてあるかもわからないナイフなど衛生上最悪です。ですので、私のナイフをお使いください。
すぐに消毒しますので」
「貴方……いつもナイフを持ち歩いているの?」
「ナイフは万能ですよ? 護衛にもサバイバルにも使えます」
「護衛もサバイバルもメイドの仕事じゃないわよ? まぁ、今は助かるけども」
薄暗い部屋には場違いなコントを繰り広げる。だがいい加減、真面目な話もしなければならない。
「それで、お嬢様? このような部屋で何をなさるおつもりで?」
フローラの言葉にサラも真剣な表情になり、一度頷いてから口を開く。
「魔人を、召喚するわ」
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