レインボーリターン

ナツ

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3話

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そうは思ったもののまず何をしようか、とりあえず洗面台へ向かった、鏡に映る自分を見て真っ先にやらなければならない事を見つけた、春休みの間で伸び放題の髪の毛、寝癖と天然パーマも重なりまるで頭の上にジャングルが乗っかっている様に見えた、それになんだこの眼鏡は黒縁にも程があるだろ、眼鏡からコンタクトに変えよう、まずは身だしなみを整えよう、いつも通っている近所の床屋ではなく綺麗な美容院へ向かう、初めての美容院で緊張するがここは覚悟をして美容院のドアを開ける、
「いらっしゃいませ~どのような髪型にいたしますか?」
これは痛恨のミス、思い立って美容院には来たもののヘアースタイルを決めていなかった、これはまずい、それにしても自分にはどんな髪型が似合っているか、そもそもどんな髪型があるのかすら分からない、こうなったら仕方ない、俺は店員さんにこう注文した、
「俺を爽やかイケメンにしてください!」
ここは自分で決めるよりもプロにお任せした方が成功するだろう、しかしこんな頼み方でよかったのか?、店員さんに変なふうに思われていないか?
「はい!かしこまりました~♪」
意外とあっさりとした返答、美容院とはこういう所なのだと俺は学んだ、
一時間後
「お客様!お客様起きてください!」
「?あっすいません!寝てしまいました」
「大丈夫ですよ~全て終わりましたので!」
俺はいつのまに寝ていたのか、心地よい店内BGM、お店中に広がるアロマのいい香り、座り心地のいいイス、いつも通っていた演歌が流れタバコ臭く、カチカチのイスに座らされてた床屋とは大違いだ、これが美容院か、とてつもないな、
「髪型はこの様になりましたがどうですか?」
そう言われ鏡に目をやるとそこには今まで見たことのない自分の姿があった、確かに爽やかだ、
「なんかいい感じです!気に入りました!」
「喜んでもらえて嬉しいです!」
「ありがとうございました!」
「ありがとうございました!♪」
俺は意気揚々と美容院を出た、髪型を変えるだけでこんなに気分が明るくなるのか、
そしてその足で行きつけの眼科に行き一時間の格闘の末無事コンタクトを購入する事ができた、家に帰ると父さんと母さんがとても驚いた、
「幸也、あなた雰囲気だいぶ変わったわね!もしかして高校デビュー?」
っと母さんは俺にからかいつつも嬉しそうに微笑みながら話した、
「うるさいな別にいいだろ?」
俺はそう答えると父さんが、
「ああ!全然問題ない、むしろ父さんは嬉しいぞ!幸也、お前の人生はお前だけのものだ好きにやりたい事をやりなさい」
その父さんの言葉で俺の中にある不安はみるみる小さくなっていった、
2回目の高校生活も前と変わらないかも知れない、だけど出来るだけ頑張ろう俺はもう諦めないって決めたんのだから、
「父さん、母さん、ありがとう!俺、頑張るよ!」
2016年4月4日
ついにこの日が来た、今日は入学式、前の俺は春休みが終わってしまった、これから憂鬱な高校生活が始まると落ち込んでいたが今は違う、またあの高校に戻れる、不安もあるが楽しみの方が圧倒的に多い、多分それが普通の高校生の気持ちだろう、入学式が楽しみになっている自分を見て少し嬉しくなった、自分の部屋からリビングに出ると意気揚々とおめかししている両親がいた、
「どうしたの?そんな気合い入れちゃって」
と俺は父さんに言うと父さんは
「当たり前だろ?息子の高校入学式なんだからそりゃ気合い入れるに決まってるだろ!」
前の入学式の時は両親に来るなと言ってしまった、両親がこんなにも俺の入学式を大事にしてくれいたなんて知らなかった、俺は罪悪感と共に感謝の気持ちが湧いてきた、
もう着ることのなかったであろうブレザーに袖を通す、新品の制服なので少し硬いが俺が前の高校生活で付けた汚れは全て無くとても綺麗だ、やはり見た目は高校生でも中身は20歳の男なので少し恥ずかしい、制服に着替え朝食を食べ終わり朝の支度を終える、家を出るとそこには見慣れない車が止まっていた、
それは赤いスポーツカー、車種とか詳しい事は分からないがとにかくカッコいい、すると父さんが
「どうだ?かっこいいだろ!これ乗って学校行くぞ!」
え?
俺は戸惑った
「どうしたんだよこの車!こんなの持ってたの?」
「あれ?お前には見せた事なかったか?父さんいつもこの車で会社行ってるんだぞ」
知らなかった、父さんがこんな車に乗ってたなんて、いつも家族で出かける時は軽のワゴン車なのでこんなかっこいい車に乗れて少し嬉しい、その車に乗って出発する、俺の通う高校は家から近所で車ですぐの所にある、そろそろ学校が見えてくる、桜が満開に咲き誇るあの学校が俺の通う高校、私立桜華学園だ、私立ではあるものの偏差値は県内でも上位の学校だ、公立高校の受験に失敗し滑り止めで受けたこの高校に合格したのだ、この学校は公立高校に比べ校則が緩いし学校行事も大変盛り上がるため俗に言う陽キャが集まりやすい高校だ、前の俺はその事を知らず入学してしまい暗く地味な性格のため友達は出来ず高校生活をずっと一人で過ごしてきた、だからクラスの人はあまり良い印象はないが今度こそは友達を作ろう、そう思った、
父さんは車を校門の前に止めた、
「父さんたちは駐車場探してくるから先に降りて体育館に入っといて」俺はわかったと答え車を降りた、周囲の人がこっちを見てる、それはそうだあんな目立つ車で人が多い校門の前で止まったんだ、そりゃ注目されるだろう、まさか父さんはこれを狙っていたのか?振り返り父さんを見てみると親指を突き立てグッドポーズをしていた、狙ってたなあれは、でもこんな所で弱ってたらダメだ、俺は体育館に歩を進める、満開に咲いた桜がとてもとても眩しくうつる、桜が綺麗だと思ったのは初めてだった、それだけ自分が高校生活に期待しているんだと思うと少し嬉しくなった、絶望と希望、不安と期待、同じ学校だが気持ちが違うと全く別のものに見えてくる、ようは気持ちだ、みんなと仲良くなろうとか人と明るく接しようとか思えば自然に出来るだろうと思う、そんな事を思いながら歩いていると、
「いてっ」
俺はずっと上を向いていて前から来る人の存在に気づかなかった、
「あっすいません!」
俺とぶつかった女子生徒はそう言いながら何回も頭を下げて謝っていた、
「そんな謝らなくても大丈夫だって、俺は別に怪我もしてないんだし、怪我とかしてない?大丈夫?」
「本当に大丈夫です、すいませんでした!」
女子生徒はそう答えるとそそくさとどこかへ行ってしまった、最悪だ、早速女子に嫌われてしまったのか?幸先の悪いスタート、正直めっちゃ凹む、視線を下にやるとそこには見覚えのないスマホが落ちていた、俺はすぐにこのスマホが誰のものなのか理解した、そうさっきぶつかった女子生徒だ、俺はそのスマホを拾った、すると画面が点灯しロック画面が表示された、なんとそこには俺の大好きなアーティストが映し出されてた、これはチャンス!この話題で好感度を取り戻そう、さっきの出来事からまだ時間は経っていない、まだ近くにいるはずだ、そう思い周囲を見渡すと、いた、さっきの女子生徒が俺の後ろでキョロキョロしている、とりあえず俺はスマホを返す為その女子生徒に話しかけた、
「なぁ、このスマホあなたのだろ?」
「あっ、すいません!ありがとうございます!」
「いやよかったよ早く見つかって、それよりさロック画面見ちゃったんだけどさ」
「はい?なんですか?」
「俺もそのアーティスト好きなんだよね」
「え!そうなんですか!いいですよね!」
思ったより話にのってくれるんだな
「俺はあの曲が好きだな」
「いいですよねそれ!私はこれが好きで…」
.
.
.
「ってやば!もうこんな時間だ!早く体育館に入らないと式に遅れちゃうよ!」
「そうですね!急ぎましょう!」
「そうだ、名前聞いてもいいかな?俺は広瀬幸也!」
「幸也さんですね!、私は月本葵です!」
「月本さんね!ありがとう」
俺と月本さんは急いで体育館へ向かい走った。
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花雨
2021.08.15 花雨

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