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しおりを挟むニコラスの説明でルビーナが選ばれた経緯はわかった。
しかし、ニコラスが自分を抱く必要はあったかという疑問が解消されていない。
ルビーナのその不満を感じ取ったのか、またまた言い訳?が始まった。
「兄は子種を出す。ルビーナには触れない。おそらく君はその条件でも文句はなかった。違う?」
「そうですね。元々どうやって子供をつくるつもりなのか疑問に思っていましたし。」
「俺はね、この計画が進み始めた時から、これはチャンスかもしれないって思ったんだ。
結婚する気はない。
子供が出来なくても構わないと言ってくれる令嬢もいるだろう。
でも相手を好きになった後に打ち明けて拒絶されるのは辛い。
付き合う前に打ち明けるのも抵抗があった。噂になるだろうしね。
そう思っていたら諦めしかなかった。
兄に嫁ぐ令嬢は、子供は産むが兄に抱かれることはない。
ひょっとしたら子供を産んだ後に俺と心を通い合わせることが可能なんじゃないか?
兄の妻だけど、屋敷内では俺の恋人になってくれたらって考えだしたら止まらなかった。
兄と兄の友人たちにも相談したんだ。
みんな、相手の気持ちが俺に向くならいいんじゃないかって言ってくれた。
ただし、面倒なことにならないようにしっかり見極めるようにって。
だけど、ルビーナを見てから気持ちが止まらなくなった。
契約が上手くいって兄の妻としてここに住み始めた。
毎日どんどん惹かれていった。
兄にも見抜かれていた。
ルビーナの性格もなんとなく把握できたから希望はあるんじゃないかって思った。
子供を産んだ後に恋人になるんじゃなくて、今でも俺を見てくれるかも?って。
だから兄に言ったんだ。『破瓜は張り形よりも俺がしたい』って。
当然、俺とルビーナの行為を見ながら兄が子種を出す流れになるが気にしなかった。
『ルビーナなら大丈夫そうだな』ってことで昨日の形になった。
…媚薬は戸惑いがあってもソノ気になるかなって念のために。」
…ちょっと待って?なんか納得いかないような?私なら大丈夫そう?…ん?
心の中で思ったことが声にも出ていたようだ。
「だって、今も俺とこうして話してるでしょ?
怒るわけでもないし、逃げるわけでもない。俺を嫌ってるわけでもない。違う?」
「…そうですね。頭の中が疑問でいっぱいで、怒ってもいなければ逃げる気もありませんでした。
エド様は夫というよりも兄や上司みたいな思いですし、ニック様は友人?従兄?みたいな?」
「そう!その友人や従兄みたいな感覚が定着してしまったら男として意識してもらえなさそうで…
恋愛に疎そうだから、体の関係から入ったら仕方なしに流されて俺を見てくれるかな?って。」
…策士だ。うん。見事に策略にハマった気分だ。
初めての口づけの相手であり、純潔を奪った相手。普通の令嬢が意識しないわけがない。
でも、なんででしょう?犬?に懐かれた気分というか…
「確かに、昨日までとニック様に対する印象は変わった気がします。
私って単純なんでしょうか?男として見て欲しいって言われたら見れますね。はい。」
「あーもう!可愛いなぁ。そのままコロコロ転がって流されてきたらいいからね。」
転がって流される?私は一体何になればいいのだろうか?小石?それとも私が犬?
「まぁ、エド様が許可されていることですので『秘密の恋人になる』でいいのでしょうか?」
「そうそう!それでいいよ。嬉しいな。」
そう言って抱きしめて、額に口づけをされた。…うん。慣れてきた。
「昨日の兄の子種が実を結ぶかはまだわからないけど、子種は3日生きるって調査結果がある。
だから、あと3日は体に触れるのを我慢するけど、一緒には寝るからね。」
…ん?我慢?一緒に?
「どこで?」
とりあえず聞いてみた。
「隣の部屋の昨日のベッドだけど?」
…んん?あれは夫婦のベッドよね?
「隣の部屋の向こう側はエド様のお部屋なのですよね?ニック様はそこから出入りを?」
「ああ、向こうの部屋は俺の部屋だから。」
…やっぱり策士ですね?
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